風祭文庫・モラン変身の館






「モラン倶楽部」
(翔の場合)


作・風祭玲

Vol.878





「はぁはぁ

 うぐっ

 あはっ」

満天の星が輝く夜空に刃向かうかの如く燃え上がる焚き火の光を受けて、

赤茶けた土が覆う地面に這い蹲る少年が喘ぎ声を上げると、

「おらっ、新入りっ

 誰が腰を落とせと言った。

 もっと腰を上げろ、

 俺のイリガが出ちまうじゃないか」

男の声が響くと、

ピシャリ

黒い肌が覆う少年の尻が叩かれる。

「は、はいっ」

その声と痛みに少年は従うかのように、

クイッ

自分と尻を上げてみせると、

ヌプッ…

少年の穴に挿入しながらも残りの部分を見せていた漆黒のイチモツがめり込みようにして少年の体内へと潜り始め、

その感触と共に襲ってきた痛みに少年は大きく目を開けると、

「あっ

 あぁっ、

 入る…

 入ってくるっ

 うっうぐぅぅ」

地面の土をかきむしりなら痛みを堪える。

「おぉっ、締まってくるぅ

 そんなに痛いか、新入りぃ、

 あはは…

 その痛みを乗り越えた時、お前はモランになるのだからな」

挿入したイチモツを締め付けて来る力を感じながら男は笑うと、

少年の腰を鷲づかみにし、

「おらっ」

「おらっ」

っと腰を振り始める。

「ぐわぁぁっ

 うっ動かないで

 お腹が…

 お腹の中が全部出ちゃう…」

身体の奥深くまで深々と突いてくる男のイチモツの動きに

少年は自分の内蔵全てが持って行かれてしまうような錯覚に陥るが、

自分の穴をこじ開け動いているのは男のイチモツのみであり、

炎の灯りを受けてヌラヌラと輝く肉棒の姿は

周囲で男と少年の交わりを見ている他の男達の鼻息を荒くさせるには十分すぎる刺激であった。

グニッ

グニッ

グニッ

「あはっ、

 あはっ、

 あぁん」

厚い唇を半開きにし、

黒い肌が覆う身体を汗で光らせながら少年は次第に”高み”へと昇っていくと、

それと呼吸を合わせるかのように少年を犯す男の動きも活発になってきた。

そして、

「うぉっ」

「うぉっうぉっ」

少年と男は呼吸を合わせて身体を動かし始めると、

「あっ、

 あぁぁぁぁぁ」

突然、少年の絶叫が辺りに木霊し、

ピュッ

ピュッピュッ!

少年の股間で伸びきっていたイチモツから白濁した体液が噴き出していく。

と同時に、

「おっおぉぉぉぉ!!!」

男もまた身体を小刻みに震わせながら少年の体内へと己の熱い体液を放ったのであった。

「あぁぁぁ」

「おぉぉぉ」

一つとなっていた男と少年は互いに体液”精”を放ち合い、

そして、男が放った”精”は少年の身体に染みこみ、

少年の心に”モラン”としての最初の魂を植え付けたのであった。



「はぁはぁはぁ」

「はぁはぁ…はぁぁ」

互いに果て合った少年と男は崩れるようにして抱き合い唇を重ね合うと

ギャラリー達は腰を上げ、2人の側から離れていく。

そして、少年は男の逞しい胸に抱かれるようにして身体を預けていると、

「お前、今夜で何夜になる…」

と男は少年の縮れた頭の毛を撫でながら尋ねてきた。

「え?」

男の問いかけに少年は返す言葉に困る仕草をしてみせると、

ニヤッ

男は少年に向かって笑みを見せ、

「…あたし達のモラン倶楽部に来てからよ」

と男はその厳つい顔とは似合わない女言葉で少年に尋ねたのであった。

「あっ…

 それは…その…今日が初めてで…」

男のその問いに少年は声を小さくして返事をすると、

「うそぉ、

 今日が始めてって…

 初めてでいきなりここまでしちゃったの」

と返事を聞いた男は思わず声を上げた。

「いや、

 その…よく判らなかったし…

 それにみんなしていたから、

 まさか、こんなに痛いものだなんて…」

男を上目遣いで見ながら少年はそう返すと、

「そっかぁ…

 本当に新人なんだね。

 お尻は慣れれば痛くなくなるよ。

 ところで、誰の紹介?

 あなたをここに紹介した人っていまこの場にいるの?」

少年の返事を聞いた男は矢継ぎ早に質問をしてくると、

「いえ、

 その…

 まだここには…」

答えに窮しながら少年はしどろもどろの返事をして見せた。

「そっかぁ、

 じゃぁ仕方がないわね、

 うふっ、

 あなたとっても良いわ、

 あたしがこれまでに仕込んできた新入りとは違って見込みがあるわ」

と男は囁くと、

「ありがとうございます…」

少年は小さく返事をする。

すると、

「ダメよ、

 ここはサバンナ…

 弱肉強食の世界よぉ、

 君もスグに槍一本で生きていかなければならないんだから

 えっと、モラン名なんて言うんだっけ…」

と男は少年に名前を尋ねる。

「いや、その…」

自分の名前を聞かれてまた少年は答えに窮してしまうと、

「あら、まだ付けて貰ってないの。

 もぅいい加減ね、

 いいわあたしが付けてあげる…

 ロロア…

 うん、あなたのモラン名はロロアよ、

 モラン・ロロア!

 それがあなたの名前、いいわね。

 コホン。

 じゃなかった、良いな、お前はロロアだ」

と男は初めは女言葉で、

咳払いをしてからは男言葉で少年に告げると、

「はっはいっ」

少年は急かされるようにして返事をしてみせる。

「ふふんっ、

 あたし…じゃなかった、俺はモラン・ヌルバ…

 よろしくな」

そんな少年に向かって男・ヌルバはそう自己紹介をしてみせると、

ギュッ!

っとロロアの身体を抱きしめ、

「俺。お前みたいな弟が欲しかったんだ」

と囁いてみせる。

「ぬっ、ヌルバ…」

ヌルバのその言葉にロロアは驚くと、

チュッ

ヌルバはロロアの唇に自分の唇をタッチするように付け、

「ロロア…

 お前は俺の弟だ」

そう囁きながらトンボ玉の腕飾りが光る自分の手をロロアの股間に押し込むと、

ギュッ!

っとロロアのイチモツを握りしめた。

「あっ、

 そんなに強く掴んでは…

 だっだめ」

射精したばかりのイチモツをまた掴まれたことにロロアは身を捩ると、

「嫌がるなよ、

 俺たち兄弟だろう」

とヌルバは囁きながら握っていたイチモツから手を離し、

その後ろで垂れている袋を掴み上げると、

さらに中指を伸ばして、

ヌプッ

ロロアの穴へと指を入れる。

「あっあぁぁ…

 やめて、

 出して、

 お願い、指を出して」

再び侵入してきたヌルバの指をロロアは拒絶するように締め上げると、

「兄貴の言うことは大人しく聞け、

 もぅ一発やるぞ。

 一日も早くお前にはモランになって貰って、

 俺と一緒に狩りに出て貰わないからな」

嫌がるロロアに向かってヌルバはそう告げると、

「尻を出せ」

と命じたのであった。



翌朝、

朝日を浴びる広大なサバンナの空間に突如仕切りが姿を見せると、

ザザザザ…

そのサバンナを分け隔てるように砂が盛り上がり見る見る壁へとなっていく。

そして、砂の壁が築き上がると、

ザラザラザラ…

赤茶色の砂はまるで意志を持って逃げ出すかのように動き出しすと、

砂の壁によって作られていた空間は

次第にフローリングの床にクロスが張られた壁を持つ文化的な部屋へと変貌していった。

それと同時に、

「うっ」

漆黒の裸体を晒し寝入っていたモラン・ロロアの姿も変わり始め、

黒い肌は色が抜けるように白くなり、

縮れ毛が覆う頭は黒い散切り頭へと姿を換え、

さらに体中の筋肉が緩んでいくと脂肪が幾分つき始めた。

厚い唇は薄くなり、

突きだしていた眼窩は引っ込んでいく。

こうしてロロアは野生部族の男戦士からごく普通の男子へと姿を変えたとき、

ジリリリリリ…

目覚まし時計が鳴り響いたのであった。

「うっ、

 はぁぁぁ、

 うっ、

 お尻が痛い…」

目覚まし時計に起こされた少年は身体を起こすと、

スグにそう言いながらお尻を押さえる。

そして【LOGOFF】の文字が光るパソコンのディスプレイを横目で見ながら、

「モラン倶楽部って…

 女の子だけの秘密倶楽部って聞いていたけど、

 なんか凄いところなんだな」

そう感想を呟くと、

「あっ、桜子さんからメールが来ている」

彼が現実世界で付き合っている彼女からケータイにメールが来ているのに気づき、

「おはよー、翔。

 桜子だよ。

 今日も良い天気だね。

 学校で会おうね」

と言うメールの文章が絵文字付きでケータイに表示される。

すると、

カチッ

カチカチカチ

素早く少年は返事のメールを入力するとそれを送信してみせるが、

「でも、ヌルガさんって…

 どんな女の子なんだろう…

 モラン倶楽部の中では凄かったな

 でも、僕が男の子だったなんてバレたらどうなるんだろう。

 まさか、あそこのモラン達がよってたかって僕に襲いかかるんじゃぁ…」

メールの返信後、

少年はもしも自分が偽って倶楽部に入っている事がばれた時のことを思うと、

ゾワッ

思わず背筋が寒くなり、

「やっぱり、アクセスするのはもぅやめた方が…」

と思うものの、

あの中で出合ったヌルガの黒く逞しい肉体を思い出した途端、

ムクッ!

少年の股間が一気に硬くなってしまったのであった。

「あっ、

 そんな…男の人を思い出しただけでこんなになるだなんて

 僕、ヌルバさんが好きに…

 違うっ

 僕は男だ。

 男が男に…だなんて…

 でも、また…して欲しい…」

少年は幾度も首を振りながらも固く勃起するイチモツを握りしめると、

シュッシュッ

シュッシュッ

オナニーを始めだしたのであった。



結局それからひと月間、少年は自分を偽ってモラン倶楽部に通い、

モランの魂を毎晩植え付けられ続けたおかげで、

ムキッ!

少年は筋骨逞しい漆黒のモランへと成長したのであった。

そして、

『ヌルバ兄ぃ』

タッタッタッ!

声を響かせながらヌルバの元へと漆黒の肉体を晒しロロアが駆け寄って行くと、

その場で二人は硬く抱き合ってみせ、唇と唇を重ね合わせる。

そして、そのまま長く抱き合っていると、

『さっ、

 兄弟揃ったようだな、出発するぞ』

と二人に向かって裸体の男達が話しかけると、

『はいっ』

『はいっ』

ヌルバとヌルバの弟のロロアは互いに頷き、手槍を握ったのであった。



おわり