風祭文庫・モランの館






「取引」


作・風祭玲

Vol.528





ギシッ

あんあんあん

明け方の俺の部屋に美奈のあえぎ声が響き渡る。

うっくっ

くっ

くっ

リズミカルなリズムを刻みつつ

俺は美奈の体内へ挿入した己の肉棒を盛んに腰を打ち付ける。

やがて、

「うっ」

ビクン!

俺は腰を震わせながらフィニッシュすると、

「ふぅ…」

シュボッ

美奈から離れ、

余韻を味わうかのようにタバコに火をつけた。

しかし、

「ねぇっ

 正行ぃっ」

不満顔の美奈が俺に向かって声を上げた。

「なんだよ」

「あんただけイッてそれでおしまい?」

「はぁ?」

「あたし…

 まだ…」

ふくれっ面をしながら美奈は自分がフィニッシュしていない事を言うと、

「あー…

 悪かった悪かった」

俺は軽く謝り、

「じゃっ

 今度はこれを首につけてやろう」

と言いながら

チャラッ

皮の紐に吊るされた銀色に光る首飾りを美奈に見せた。

「なにこれ?」

円形で中に模様が刻まれている首飾りを受け取った美奈は

少し首をかしげながらそれを見ると、

「ん?

 あぁ、それをつけて”する”と燃えるんだよ」

と俺は言い、

バッ

美奈の手から首飾りをひったくると、

半ば強引に彼女の首に掛けた。

「あっちょっと…

 これ、へんな臭いがするよ」

首飾りから漂う臭いに美奈は文句を言うが、

「あぁ、

 前につけていた奴の臭いだろう、
 
 気にするな」

俺はそう言いながら首飾りをつけた美奈を抱き寄せると、

自分の手を彼女の局所へともぐりこませる。

「あっちょっと、

 あっ
 
 あん
 
 んっ
 
 くっ」

俺の一方的な行為に最初は嫌がった美奈だったが、

しかし、陰核を刺激されスグにあえぎ声を上げ始めた。

「ふふっ

 そのしぐさ、可愛いよ美奈」

「んっくっ

 もっもっとまじめにしてよ」

耳元で囁く俺に美奈はそう返事をするが、

クリクリ

俺は美奈の核をひたすら刺激する。

「ねぇ

 も・もぅいい加減、頂戴」

俺の手淫に我慢しきれなくなったのか、

大量の愛液を流しながら美奈が懇願してくると、

「もうちょっと…」

俺は美奈がつけている首飾りが仄かに輝きだした事を確認し、

そう返事をする。

すると、

ぐっ

ぐっ

ぐぐ…

摘んでいた美奈の淫核が少しずつ膨れ始め、

また、長さも伸びはじめだした。

「あっ

 なっなに…
 
 何かが…
 
 あぁ…」

それを感じてか美奈はあえぎ声を上げ、

俺に体を預ける。

「そーそ、

 いいぞぉ
 
 その調子その調子」

美奈の陰核が成長していくのを確認しながら俺はそう呟くと、

シュッ

シュッ

扱ける大きさに成長した陰核をしごき始めだした。

その瞬間

「ひゃうんっ」

美奈の体が大きく飛び跳ねると、

「どうした?」

俺は訳を訊く、

「いっいま…

 すっごく気持ちよかった」

俺の質問に美奈はそう応えると、

「そうか、

 じゃぁもっとしてあげよう」

俺はそう言いながら

ギュッ

長さと太さを増し、

肉棒と化した美奈の陰核を握り締め、

そして扱く。

「あっ

 ダメっ
 
 感じちゃう

 なっなにをしたの?」

これまでに感じた事が無い快感に美奈は訳を尋ねると、

「ふふっ

 美奈…
 
 いま君はすばらしい体になっているところだよ」

俺はそう囁きながら美奈の体を抱え、

そして、鏡のように俺達を映し出すガラス戸に美奈の体を映し出させた。

すると、

「え?

 なっなに?
 
 これ…」

自分股間からにょっきりと生える肉棒に美奈の目が釘付けになると、

「知りたいかい?

 これはね。
 
 美奈のオチンチンだよ」

俺はそう説明をすると、

カリを張り出しつるりとした亀頭をもつ肉棒を扱いてみせる。

「ひゃぁぁぁ!

 なっなんで…
 
 なんで、あたしにオチンチンが」

いきなり見せられた肉棒・ペニスの存在に美奈は悲鳴を上げると、

「さぁ、美奈っ

 お前は、男だ
 
 だけど、もっとすばらしい姿にしてあげるよ、
 
 この真っ黒なちんぽに似合う姿にな」

美奈に身かって俺はそう告げ、

そして激しくペニスを扱き始めた。



シュッ

シュッ

「はっ

 ぐっ
 
 うっ
 
 くはぁ」

それから1時間近くが過ぎ、

ポゥ…

首に掛かる首飾りを輝かせて美奈は快楽の中にいた。

「どうだ?

 気持ちいいか?」

あの時よりもさらに太さ・長さを増し、

茎に血管を絡ませるグロテスクな姿となったペニスを扱きながら俺は尋ねると、

「くはぁ

 きっ気持ちいいいよぉ」

涎を垂らしながら美奈はそう訴える。

「ふふ、そうか、

 そんなに気持ちいいか」

ぶらんっ

1時間ほど前までは陰裂があったところより下がる

陰嚢を弄びながら俺はそう返事をすると、

「はぐっ
 
 あっいぃっ
 
 ダメっ
 
 でっ出ちゃうっ
 
 やっやめて!
 
 てっ手を止めて!!」

射精が近づいてきたのか美奈は

動く俺の手に自分の手を重ねて止めようとした。

しかし、

「ふっ

 いまさら何を言っているんだよ美奈っ
 
 さっき、あれだけ感じていたじゃないかよっ」

そんな美奈に向かって俺はそう怒鳴ると、

シュッシュッ!!

さらに激しくペニスを扱く。

「いやぁぁ!!

 なっ何かが来るのよっ
 
 やめて、
 
 いやだ、
 
 あたしを…
 
 あたしを…
 
 変えないで!!」

ニュプ

ぶちゅっ

股間より生える漆黒のペニスより夥しい先走りを流しながら

美奈は涙を流しながら訴える。

恐らく美奈自身も体の奥から来る何かを感じ取っているだろう。

しかし俺は泣き叫ぶ美奈に構うことなくペニスを扱き続ける。

「いやっ

 やめてよっ
 
 お願いだから手を止めて!!」

なおも手淫を続ける俺に美奈は本気になって叫ぶと、

ぐいっ

空いている右腕で美奈の体を固定して激しく扱く。

「やめて!

 やめて!!」

目を剥き美奈は暴れようとするが、

力づくで美奈の動きを封じた。

すると、

「いやぁぁ…

 いやぁ…
 
 出ちゃう
 
 出ちゃうよぉ」

ついに限界が近づいてきたのか、

美奈は体をこわばらせ、

そして、

キラッ

一瞬、首飾りを輝かせた後、

ふぐぅぅぅ

上げたうめき声と共に

ブチュッ

シュッシュッシュッ!!

硬く勃起していたペニスの先端より、

白濁した精液を高く吹き上げた。

「あっあぁぁぁ…」

それに合わせるように美奈は目の前に吹き上がる粘液を見つめ、

呆然としたような声を上げていると、

ビクン!

美奈の体が一瞬はねる。

「ふっ

 始まったか」

彼女のその動きに俺はそう呟くと、

「うっくっ」

何かを堪えるような声を上げている美奈を

ドンッ!

と突き飛ばした。

すると、

俺に突き飛ばされた美奈は

ドサッ!!

物音を立てながらベッド下へと転がり落ちるが、

しかし、そのことに彼女は文句を言わず、

ベッド下の床の上でペニスをさらに伸ばし、

「ふぐぅぅぅぅぅっ」

体を強張らせていた。

そして、

メキッ

メキメキメキ!!

何かがきしむ音が響き始めると、

「うがぁぁぁぁ!」

美奈は這い蹲るように腕を伸ばし悲鳴を上げる。

すると、

グッググググ…

美奈の腕が伸び始め、

また、脚も伸び、

体からは筋肉が盛り上がり始めた。

「ぐわぁぁっ

 ぐぉぉぉぉ」

まるで獣を思わせる声を上げながら美奈はのた打ち回り、

そして、ある姿へと変身していく。

しかし、俺はそんな美奈の姿を冷静な眼で見つめ、

「勇者の証を立てから、スグに変身か…」

と呟く。

そのとき

『いいのか、

 この女…
 
 お前を好いていたのではないのか?』

そんな声が俺の耳元で囁く、

「ん?

 いや、俺にとってはどうなっても構わないよ」

心配するその声に俺はそう返事をすると、

再びタバコを銜え煙を揺らした。

その一方で美奈の変身はさらに進み、

色白で柔らかかった肌は

ペニスと同じ漆黒色に変わり、

また、手入れの行き届いていたストレートの髪は、

短い縮れ毛へと変わっていく、

そして、街中でも衆人の注目を浴びていた顔も、

唇が厚く、

眼窩が突き出、

そして鼻は低く横へ広がる形へと変化していった。

「うぉぉぉぉ…

 うぉぉぉぉ…」

頭を抱えながら何度も美奈は転がりまわり、

そして、その口から漏れる単語は次第に意味不明のものへと変わっていく、

「もぅ、日本語もしゃべれなくなったか」

そんな美奈の姿に俺はそう呟くと、

『ふむ、

 ボディ族の言葉をしゃべっておるぞ、
 
 盛んにお前に助けを呼んでおる』

と声は俺に言う。

「ふんっ

 もぅコイツは美奈じゃないよ
 
 グロイちんぽをおっ勃てているボディ族の土人さ、
 
 さぁ、連れて行ってくれ」

変身が終わり、

以前の姿と似ても似つかない姿になった美奈を見下ろしながら、

俺はそう言うと、

グィ!

縮れ毛に覆われた美奈の頭を鷲掴みにする。

『よかろう…

 お前が差し出した贄、
 
 確かに受け取った。
 
 この者はボディの勇者となり、
 
 わたしのために働くであろう』

俺に向かって声は返事をする。

それを聞いた俺は

「という訳だ。

 悪いな、美奈っ

 向こうの世界も捨てたもんじゃないと思うから、
 
 がんばって生きろよな。
 
 あっでも、
 
 服なんて無い素っ裸で生きていかなければならないから、

 ブランド物好きのお前にはちょっと辛いかもな」

と言い聞かせるが、

「………」

いま俺が言った言葉が判らないのか、

美奈…いや、ボディ族の勇者はポカンと俺を見つめていた。

「じゃぁな、美奈っ

 達者でな」

そんな勇者の頬を軽く叩いて見せたとき、

スッ…

目の前の勇者の姿が見る見る薄くなっていくと、

最初からそこには誰も居なかったかのように消えてしまった。

「おいっ

 判っていると思うけど、
 
 約束忘れるなよ」

ボディ族となった美奈が消えた後、

俺は天井に向かって怒鳴ると、

『ふふっ

 約束は守ろう』

と声が響いた。



その声を聞いた後、

「さぁて、これで今度の仕事は楽勝っと…

 まぁ、美奈も俺の役に立つんだから本望だろう」

美奈が消えた跡を見つめながら俺はそう言っていると、

コンコン!

誰かが部屋のドアをノックし、

「おはようございます、奈緒子です」

と女性の声が響いた。

「よぉ、

 いま起きたところだ」

奈緒子の声に俺はそう返事をすると腰を上げた。

新しい”贄”の登場である。



おわり