風祭文庫・モランの館






「真弓の想い」


作・風祭玲

Vol.320





トンコトンコ!!

朝靄が立ちこめるサバンナに太鼓の音が響き渡る。

「ん?」

音に目を覚ました浩司はムックリと起きあがると、

大きく背伸びをした。

そして、

「うぅ寒い…」

と呟きながら身を縮こまらせた。

猛暑の昼間とは打って変わって早朝はまるで初冬のような寒さである。

「この方角は…」

聞き耳を立てながら

浩司は手で盛んに身体をこすりながら何かを探しはじめた。

彼がいま身につけている服と呼べるのは胸元に下げている

青い石を数珠つなぎにして作られた首飾りと

股間からそびえる一本のウルカ(ペニスケース)のみで

それ以外は黒光りする漆黒の肌が露出した文字通り全裸の状態だった。

「あった」

カラン!!

浩司はようやく見つけた薪を消えかかっていた焚き火に突っ込むと、

パチパチパチ!!

乾いていた音を立てながら薪が燃え上がり出し始めた。

すると、炎の灯りで周囲がほんのりと明るくなる。

「あと少しでズールー族の村か…

 僕の体も旅の間にすっかりズールーの勇者になってしまったなぁ」

と呟きながら、浩司は、

漆黒の肌に覆われたくましく筋肉が盛り上がった自分の体を見つめ、

(着ているものと言えるのはこのウルカだけ…

 もぅずっとズールーの勇者として

 この裸の姿で生きていかなければならないのか)

と思っていると、

ムクッ

ズズズズズ…

ビンっ

見る見る浩司のペニスが大きくなっていくと、

ウルカの中で棍棒のように勃起してしまった。

「…はぁはぁ

 …おっ俺…

 なちゃったんだ…

 ズールー族に…」

浩司は次第に荒い息を立てると、

そっとウルカに右手を添えた。

そして、

シュッ

ウルカ越しに片手を添えるとそれをしごき始めた。

シュッシュッ

「あぁ…おっ俺……」

浩司はズールー族の勇者になった自分に興奮をしながらウルカを扱く、

と、そのとき、

「おはよう…」

朝の挨拶の声と共に浩司の横から漆黒の小山がムクリと動くと、

浩司と同じ裸体の青年が漆黒の顔の中に白い歯を浮かべながら笑顔を見せた。

「(どきっ)おっお早う、真弓…」

浩司は慌ててウルカから手を離すと、

心の動揺を隠しながらそう挨拶をした。

そう、彼の隣で起き上がったのは浩司の恋人である真弓なのだが、

「ちがう…浩司…

 あたし…ツツウ…」

と真弓は自分を指差して浩司にそう告げた。

「なにが、ツツウだよ、

 たとえ身体がズールーになっても君は真弓だよ」

真弓の頬を撫でながら浩司はそう言うと、

そっと顔を寄せ、その厚い唇にキスをした。

「あっ…」

口を塞がれた真弓は思わず身をよじると、

グッ

浩司の首に腕を絡ませると一気に引き倒した。

ザッ

「あっ」

たちまち浩司の体は床の上に横倒しにされると、

その上に真弓はのしかかった。

そして、

「ふふ…

 あたしの…勝ちね」

と真弓が囁くと、

「おいっいくらなんでも不意打ちは卑怯だぞ」

と組み落とされた浩司が文句をいう。

しかし、

「ふふ…浩司…ココ…勃っている」

真弓はそう言いながら、

ヌッ

っと漆黒の手が浩司の股間に伸びると、

ウルカを外し、中で勃起していた浩司のペニスをしごき始めた。

「あっ」

真弓の行為に浩司は驚くと、

「浩司…オナニーしていた…」

と真弓は浩司に囁く。

「気づいていたのか?」

「うん…

 だから…あたし…して…」

浩司の言葉に真弓はそう返事をすると、

グィッ

っと浩司の目の前にウルカがそびえたつ股間を突き出した。



「くはぁ…」

「うぉっうぉっ」

パチパチ…

燃え盛る火をバックに漆黒の肌に覆われた二人の男が

絡み合いながら互いのペニスをしごきあう。

「好きよ…浩司…」

「ごめん、真弓…俺のせいでこんな体にしてしまって…」

「いいの…ツツウ…起こしてしまったのは…あたし…

 それに…あたし…もぅ…ズールーの勇者…

 後悔…しない」

「そうか…」

筋肉を盛り上がらせながら浩司と真弓はそう囁きあうと、

さらに激しく硬く勃起したペニスをしごき始めた。

シュッシュッ

シュッシュッ

「うっく」

「あぁ…」

サバンナに二人の男のうめき声が高らかに響く、

「さっ先に出した方が負けだぞ」

ペニスの根元がしびれてきたのを感じ取った浩司がそぅ真弓に言うと、

「あたし…負けないよ」

真弓もそう言いいながら様々な攻めを始めた。

「あっあっあっ」

先に爆発しかけたのは浩司の方だった。

「さっ…はやく…出して」

浩司の変化に気づいた真弓はそう言うと激しく攻める。

しかし、浩司も負けてはなかった。

「くそう」

シュッシュッシュッ

浩司は真弓以上の攻めをはじめだすと、

「あぁ…いぃ…出るぅ!!」

次第に真弓は顎を上に上げると股間をきつく閉じ始めた。

「出すときは一緒に出そう」

浩司はそう真弓に耳打ちをすると、

ピタッ

お互いのペニスを寄り添えると一緒に扱き始めた。

そして、

「浩司…」

「真弓…」

互いに縮れ毛が生え揃っている頭を撫であいながら再びキスをすると、

シュッシュッシュッ

シュッシュッシュッ

一気に射精への階段を突き進んでいった。

「あぁ…出る出る出る!!」

「おぉ…出るぅ…」

そして、ついに二人の男は共に叫び合うと、

ブシュッ!!

ピュッ!!

白濁した精液をお互いに高く吹き上げてしまった。

「はぁはぁ」

ゴロン!!

手にベットリと付いた精液眺めながら

浩司と真弓は仲良く並んで余韻に浸っていると、

ピタッ

浩司は真弓の逞しく筋肉が盛り上がった漆黒色の身体を叩き、

「なぁ真弓…

 ここに来て、更に出るようになったんじゃないか?」

と尋ねた。

すると

「浩司…だって、

 濃い…よ」

真弓はそう返すと手に付いた精液を浩司に見せた。

「そうだな…

 お互いにズールー族になったんだな」

天井を眺めながら浩司はそう呟くと、

コクリ…

と真弓は素直に肯いた。

そして、

それを横目にしながら、

「それにしてまさか俺がズールー族になっているなんて、

 そんなこと思いもしなかった」

と呟きながら浩司は彼と真弓がズールー族の勇者の姿になったときのことを

思い出していた。



「うわぁぁぁ…凄い!!」

浩司と真弓がつきあい始めて約半年が過ぎたその日、

浩司は初めて自分の部屋に真弓を連れてきていた。

「うわぁぁぁぁ…」

目を丸くしながら真弓は浩司の部屋の中をじっくりと眺めている。

そう、画家志望の浩司の部屋はまさにアトリエを言っても過言でなく、

また部屋中の至るところに置かれたアフリカ系の彫り物が独特の雰囲気を醸し出していた。

「親父がこう言ったのを集めるのが趣味でね、

 いつもそれを見ながら育って来たせいか

 こう言うのが無いと落ち着かないんだよ」

と笑いながら浩司はそう説明をすると、

「すごいよ」

そう言いながら真弓は部屋を見渡しながらしきりに肯いていた。

とそのとき、

「あら?」

真弓は部屋の中央に置いてあるイーゼルに置かれた書きかけの絵を見つると、

それに吸い寄せられるように近づいていくとじっくりと絵を眺めた。

そんな彼女の後ろに浩司が立つと、

彼の気配を察した真弓は絵を指さしながら、

「描きかけなの?」

と浩司に尋ねた。

「うん…

 まぁね…」

鼻の頭を掻きながら浩司がそう答えると、

「これって何の絵?」

と真弓は絵の詳細を尋ねる。

どうやら何かの人物像の様だったが、

しかし、背景は出来上がっているのに

肝心の人物が書きかけのまま放置されていた。

「あぁ…

 実はズールー族と言うアフリカの勇者の姿を描こうと思ったんだけど」

「だけど?」

「うん、途中で筆が止まってしまったんだよ」

と浩司は真弓に事情を説明をする。

「そうなんだ…」

頷きながら真弓は絵に視線を戻すと、

「でも、なんで描けなくなったの?」

と聞き返してきた。

「うんまぁ…」

浩司は言葉を選びながら

「なんて言うかなぁ…

 こんなこと言うと変かもしれないけど、

 俺ってこう言う環境で育って来ただろう、

 で、さらに親父から向こうで暮らす勇者たちの話を聞かされたり来たものだから、

 ふとズールーの勇者になりたい。なんて、思うようになってね。

 まぁ、ズールーの勇者なんてなりたくてもなれるモノではないから、

 こうして絵にしてみようと思ったけど、

 いざ実際に書いてみるとなかなか勇者のイメージが浮かばなくてね、

 だから書きかけなんだよ」

と浩司は説明をする。

「ふぅぅぅん、そうなんだ…」

真弓は浩司の話に大きく肯くと、

チャラッ

青い石を数珠つなぎにして作られた輪を指差し、

「ねぇこれは…」

と尋ねると、

「ん?

 あぁそれは…

 ズールー族の首飾りだよ…」

一瞬、考えるそぶりをした後、浩司はそう答えると、

「へぇぇぇ、首飾りなんだ…

 ズールー族の勇者って結構オシャレなんだね」

浩司の説明に真弓は大きく肯きながらそう言うと、

「あっ、そうだ、それ真弓にあげるよ」

と浩司は真弓に言った。

「え?、でっでも、悪いよ」

浩司の突然の申し出に真弓は驚くと、

「いやっ、

 実はこれペアだったらしく同じのがもぅひとつあるから」

浩司はそう説明をすると、

チャラッ

同じデザインの輪を取り出すと真弓に見せた。

「え?、

 で、でも…」

「いいからいいから、

 ほらっこの間の真弓から貰ったお土産のお返しもしていないしね。」

浩司は先日貰った真弓からの旅行土産のお礼の意味もかねての意味もあることを言うと、

「うっうん…

 じゃぁ貰うね…」

真弓は浩司の申し出を無為にすることができず、

その首飾りを受け取った。

しかし…

真弓にはこの首飾りに潜むもうひとつの念の存在が気が気でなかった。

そして、浩司の手から首飾りを受け取った瞬間、

ドクン!!

「あっ」

真弓の身体は大きく波打った。

「どっどうしたの?」

彼女の様子に驚いた浩司は慌てて彼女の肩を抱きかかえると、

「だっ大丈夫、

 うん、ちょっと貧血を起こしただけ…」

真弓は浩司にそう言うと貰った首飾りを大事そうに抱きかかえていた。



それから数日後…

シュッシュッシュッ

カーテンを閉め切り真っ暗の真弓の部屋の中に何かを擦る音が響き渡る。

ハァハァ…

ハァハァ…

まるで獣の息づかいのような声と共に

その中で黒い人影が蠢いていると、

「うぉぉぉぉぉっ

 うぉぉぉぉぉっ」

「うぐっ!!」

「くはぁ…」

「うっあっあぁぁぁぁっ」

ブチュッ

ビュッ!!

っと言う音を立てて人影は精液を吹き上げた。

「く…はぁはぁはぁ…

 あぁ…

 ダメッ

 またオチンチンが勃ってきちゃった。

 この首飾りにこんなに凄い念が詰まっていただなんて…

 あっあたし…

 あぁん、だめ

 すぐに次が溜まって来ちゃうよぉ」

勃起した巨大なペニスを扱きながら、

顎を上げ真弓は射精の快感に耐えていた。

ミシッ!!

メキメキメキ!!

ムキッ!!

青い首飾りが光る真弓の身体は射精をする度に筋肉が盛り上がり、

骨格が変わっていく、

そして、

ピチョン!!

雄の匂いをまき散らしながらその黒檀色に染まった肌に汗が流れ落ちてくと、

「あぁ…いっいぃ…

 ズールーの勇者ってこんなに気持ちいいだなんて…

 あぁ!!」

うめき声を上げながら真弓は再びペニスを鷲掴みにすると

激しくオナニーを始めだした。

「うっうぉぉぉぉ!!!」

プシュッ!!

シュシュ!!

「くはぁ…はぁはぁ」

「あぁ…」

モリッ

真弓の喉に喉仏が盛り上がると口から野太い男の声が漏れだす。

そして棍棒のような姿のペニスから再び白濁した精液を吹き上げた後に、

「うぉっうぉっ」

がっくりと手を床に付き最後の一滴まで絞りだそうとする真弓の姿は

まさにズールー族の勇者の姿だった。



元々真弓は手にしたモノの残留思念の影響を受けると、

その者の姿に身体が変質してしまう能力を持っていたのだった。

だから、首飾りを見たときに

真弓は首飾りからたち上る残留思念に貰うのをためらったのだが、

しかし、浩司の申し出を無為にすることができず、

渋々首飾りを受け取った時から真弓の変身は始まっていたのだった。

そして、

変身していく真弓の身体には顔以外には昔の面影は無く、

漆黒の肌に覆われた筋骨たくましい身体と、

股間にそびえるように硬く勃起しているペニスが勇者の貫禄を示していた。

「はぁはぁ…

 あっあたし…ズールー族の勇者なの…
 
 それとも、真弓なの…
 
 あぁ…判らなくなってきた。」

肉体の変化に合わせて真弓の心はズールー族にそしてその勇者へと染まって行くと、

真弓は次第に自分が何者であるのか判らなくなり始めていた。

「でっでも…
 
 だめっ

 このままじゃ…

 あっあたし…は真弓よ」

真弓は必死になって自分をたぐり寄せてそう呟いていると、

『別に無理をしなくてもいいんだよ』

と言う声が真弓の脳裏に響き渡った。

「え?

 だっ誰?」

突然響き渡った声に真弓は左右を見ると、

『ふふふ…やっぱりお前は俺の声が聞こえるんだな』

と確信をしたような声が響く、

「だっ誰よ、

 姿を見せなさいよ」

痺れを切らせた真弓はそう叫ぶと、

『俺か?

 良いだろう、教えてやろう、

 俺の名はツツウ、ズールー族の勇者さ、

 とはいっても俺の身体はとっくの昔に消えてしまったが、

 ただ、消える前にお前がしている首飾りに魂を封じ込められてしまったのさ』

とツツウと名乗る声は真弓に告げた。

「え?、それってどう言う…」

言葉の意味がわからずに真弓は混乱すると、

『それにしてもお前の身体は面白いな、

 勝手に俺の姿になっていくじゃないか、

 折角呪術者に変身の呪いを掛けて貰ったのに

 無駄になったな、ははは』

と声が真弓に告げると、

「うっうそ!」

真弓はそう叫ぶと慌てて鏡に自分の姿を映し出した。

「そんな…これが…」

『どうだ、ズールー族の勇者の姿は、

 なかなか立派なものだろう』

と声は真弓に言うと、

「あっあたしの身体を元に戻してよ」

真弓は逆に言い返した。

『ふんっ、それは無理な相談だ。

 お前の方から勝手に俺様の姿になってくれたのに、

 その言い草は無いだろう、

 さぁ観念してこの身体、俺に渡しちないな』

「いっ嫌よっ

 誰が好き好んでズールー族なんかになりますか」

『はははは…

 お前、散々俺の身体でオナニーをしてきたじゃないか、

 そのつけだと思えばいい』

「そんな…」

『そうだ、折角ズールー族になったんだから、

 ちゃんと正装をしてもらわないとな』

声は真弓にそう告げると、

フッ

真弓の目の前に茶色い角のような物体が姿をあらわした。

「これは?」

使い込まれているのか至る所に染みのような黒ずみがあるのを気にしながら

恐る恐る真弓が尋ねると、

『何を言う勇者の象徴・ウルカだ。

 しかもただのウルカではない。

 ズールー1と言われた勇者、そう俺様のウルカだ。

 そして、これをつければお前は立派なズールーの勇者になる。

 さぁつけるんだ』

と声は真弓に命令をすると、

「いっいやよ

 そんな人が使った汚ないのを誰が付けるもんですかっ」

真弓は強い口調で即座に拒否をした。

しかし、

『おぃおぃ、

 汚ないとは言ってくれたな、

 でも、そんなことを言っても

 お前の本心はこのウルカを付けたくて仕方が無いはずだ、

 ウルカを付けてズールーの勇者になるんだろう?』

「やっやめて!!」

声がそこまで言ったとたん両耳をふさぎながら真弓は悲鳴をあげた。

『…威勢が良いなぁ…

 それでこそ、ズールーの勇者、

 さぁウルカを付けるんだ』

命令調の声が真弓の頭の中に響き渡ると、

「うっ」

真弓の右手がまるで誘われるかのようにウルカへと伸びていく

『さぁ…』

「あぁ…いやっ

 あたし…勇者になんてなりたくない

 だから…やめて!!」

ウルカを前にして真弓はなおもそう訴えるが、

ギュ…

ついに真弓の手がウルカを手にとると

左手で硬く勃起しているペニスを鷲づかみに握り、

そして、右手に持ったペニスケース・ウルカをゆっくりと被せ始めた。

ズ・ズズズズズズ…

ペニスの先がウルカに触れたとたん、

大きく張り出している亀頭のカリがウルカの内面を擦りながら移動していく、

「あっ…いっイヤ…」

『いいぜ…この感覚…

 あぁ生きていた頃を思い出すぜ』

その強烈な感覚に声は酔いしれると、

「あうっ!!

 うぐっ!!」

真弓は思わず声を漏らしてしまった。

そしてウルカがペニスの付け根まで押し込まれたとき、

ニョキッ

真弓の漆黒の身体をバックにしてペニスを飲み込んだ薄茶色のウルカの姿が映える。

すると、

ズォォォォォォッ

真弓の頭の中に勇者・ツツウの記憶が一気に流れ込んできた。

「くはぁ…

 あぁぁぁ…

 いっいやぁぁぁぁぁ!!

 入ってこないで!!

 あっあたしは勇者なんかじゃない!!

 普通の女の子の真弓よ!

 いやぁぁ、あたしをズールー族にしないで!!」

ウルカを震わせ頭を抱えながら真弓は訴えると。

『さぁ…俺の記憶を受け取れ、

 そして俺になるんだ』

追い討ちをかけるように声はそう言うと、

真弓の脳裏に勇者・ツツウが会得していた狩の仕方や戦い方、

そして女を犯し時などの記憶が押し込まれていく、

「うぅぅぅ…」

ようやく記憶の流れが収まると、

「あぁ、あた…おっ俺…」

真弓の表情はまさにズールー族の勇者と言っても過言ではなかった。

しかし、

「俺…違う…あたしは…あっ真弓よ」

幾度も頭を振りながら真弓は自分が勇者・ツツウで無いことを意識するが、

しかし、それも時間の問題だった。

すると、

ノソッ

真弓は立ち上がると、

「いっ行かな…きゃぁ…

 浩司…ところに…」

とそう呟きながら携帯電話を取ると、

震える手で浩司の所に電話をかけはじめた。

『はいっ前野です』

ベル3回で浩司が電話口に出ると、

「あっあのぅ…

 あっあたしです。

 真弓です
 
 霧島真弓です」

と真弓は自分の名前を名乗ると、

『どっどうしたの?

 その声…』

浩司は真弓の声に疑問を持ちながら返事をする、

「はぁはぁ…」

真弓は荒い息をしながら、

「いっいまから、浩司さんの所に向かいます

 だから、待っててください…」

と告げるなり電話を切ってしまった。



カチャッ

恐る恐る真弓が部屋のドアを開けると、

外はすでに日が落ち夜の闇が支配していた。

「だっ誰もいない…」

真弓はツツウの嗅覚で周囲に人がいないのを察すると、

裸体にペニスケース・ウルカ姿のまま

夜陰にまぎれるように夜の街の中に走り出していった。



「はぁはぁ…

 あぁ…」

いくらペニスケース・ウルカを身につけているとはいえ、

事実上全裸状態では一目がつく表通りを走るわけにも行かず、

真弓はひたすら身を隠せるところが多い裏道を進みながら浩司の元へと走っていく、

そして、

コンコン!!

突然、浩司の部屋のドアがたたかれると、

「あっ、あたしです、

 真弓です」

と言う声が浩司の部屋の中に響き渡った。

「真弓ちゃん?

 どうしたの?」

そう言いながら浩司がドアをあけると、

「なっ」

思わずその場で固まってしまった。

無理もあるまい、

ドアの向こうには黒い裸体にペニスケース・ウルカのみをつけた

ズールー族の勇者が立っていたのだから、



「おっ驚かないで…・

 あたし…
 
 まっ前嶋…真弓…」

と真弓は自分を指差しながら浩司に向かってそう言うと、

「うっうそ…

 ほっ本当に真弓ちゃんなの?」

浩司は彼の前に立つズールー族の勇者が

あの真弓であることがまるで信じられない様子だった。

「あっ真弓…です、浩司…

 そう…じゃなかったら、
 
 ズールー…の勇者が…来ること…ない」

笑みを浮かべながら真弓は一つ一つ言葉を手繰り寄せながらそう言うと、

「たっ確かにその顔は真弓だけど…」

浩司は髪がズールー族の縮れ毛に生え変わってしまったものの、

顔の面影が真弓であることに気づいてそう言うと納得をした表情をした。

「でっでも、なんで真弓ちゃん、そんな身体になったんだ?」

と浩司が尋ねると、

「あたし…

 念…感じると…変身してしまう。

 だから…この首飾りの…念を…感じて…この身体に…

 変身しちゃった…の」

そう説明をしながら首飾りを指差すと、

「そんな大事なこと…

 なんで、あの時言ってくれなかったんだ」

浩司は自分がした行為が真弓の変身の原因であることを知ると驚きながらそう言った。

「あたし…大丈夫だと…思った。

 でっでも…この首飾りには…あっ!!」

と真弓がそこまで言うと、

突然、表情が変わり、

「…と言うことだ、浩司さんよ」

と男言葉でしゃべり始めた。

「どっ、どうした、真弓!!」

真弓の豹変に浩司は驚くと、

「ふんっ、俺様は真弓だなんて女じゃない、

 ズールー族の勇者・ツツウだ。

 お前には俺様を復活させた礼を言っておこうと思ってな、

 こうして、お前のところに着たんだ」

ツツウは浩司にそう言うと、

「さてと、言うことは言ったし、

 あとはこの邪魔な女を始末するだけだ…

 そうだ、この女、お前のことを好いていたようだから、

 お前の手で女を始末して貰おうか 」

ツツウはそう返事をすると、

ズィッ

浩司の部屋の奥へと入っていった。

そして、

「ふふ」

不適に笑いながら

スポッ

っとウルカを外すと、

ビンっ

その股間には棍棒のように勃起したペニスが飛び出した。

「なっ何を…」

ツツウの行動に驚きながら浩司が尋ねると、

「なぁに、お前の手で勇者の証を立てて貰おうと思ってな」

ツツウはそう言いながら勃起しているペニスを指差した。

「なんだと」

ツツウに言葉に浩司が突っかかると、

「さぁ、早くしろ」

にらむような視線でツツウは浩司にそう言った。

その途端、

「あっ」

浩司の身体が自由が突然利かなくなると、

ツツウの前にひざまづき、

そっと両手でツツウのペニスを扱き始めた。

シュッ

シュッ

「ははは…上手い上手い、

 知っているぞ、

 お前、ズールー族になりたいんだろう?

 最初はお前の身体を頂こうと機会を狙っていたんだが、

 その前にこの女が俺様のモノになってしまったからな、

 そうだ、

 お前をズールーの女にしてやろう

 どうだ嬉しいか?

 ズールーの女として俺様の子を生め、

 勇者の子だ、

 ズールーの女にとって勇者の子を生むのは名誉なことだ。

 さぁ、これを舐めるんだ」

ツツウはそう浩司に言うと、

勃起しているペニスを付きだした。

「いっ…いやだ」

浩司はツツウの言葉を一度は拒否したが、

しかし、

浩司はツツウを見上げたのち、

何かを決心すると、

自分からゆっくりとペニスに顔を近づけ、

ヌプッ

とそれを口に含んだ。

「あぁ…いいぜ…

 お前、良い女になるぜ…

 俺がズールー族で1番の女にしてやるから安心しろ」

顎をあげ、うめき声をながらツツウがそう呟くが、

しかし、浩司は、

(真弓…スマン、

 俺のせいでこんな身体にしてしまってしまって…)

と思いながら首を動かしていた。

チュパチュパ

浩司のフェラが延々と続く、

「おっおぉ…

 いきそうだ、

 いいか、お前

 俺が出す勇者の証をしっかりと飲み干すんだぞ。

 この勇者の証はお前の身体を女にするからな」

そう、ツツウが浩司に言うと、

ビクッ

射精まであと僅かに近づいたのかツツウの身体が小さく動くと、

「あっあぁ…」

とうめき声をあげた。

ペニスからこぼれ始めた先走りの味が浩司の口の中に広がっていく。

「真弓…ずっと一緒だ」

浩司は覚悟をした途端、

「なっ何をしやがる!!」

突然、ツツウが声を張り上げると、

「浩司さん、はっ離れて!!!」

ツツウが真弓の口調に変わると

ドンッ

っと浩司の身体を突き飛ばしてしまった。

「わっなんだ!!」

突然のことに浩司は声をあげると、

ブシュッシュッシュッ!!!

ツツウはペニスから大量の精液を吹き上げてしまった。

ピチャピチャ

吹き上がった精液は浩司の身体にも降りかかる。

「くはぁはぁはぁ…

 あっあたし…

 勇者の証を立ててしまったの?」

自分のペニスからダラダラと流れる精液を眺めながら真弓はそう呟くと、

「お前、なんて事してくれたんだ」

今度は男の口調で真弓は怒鳴った。

「こっ浩司、この首輪を切って!!

 そうすればツツウは消えてなくなる!!」

真弓の口調でそう訴えると、

「あっ」

浩司は反射的に真弓の首にかかっている首飾りに手を掛けた。

「やっやめろ!!!」

「このぅ!!」

ツツウの静止する声を無視して浩司は思いっきり手を引くと、

パンッ

軽い音を立てて首飾りは引きちぎれてしまった。

「うぎゃぁぁぁぁ…」

ツツウが絶叫をあげた後、スグに、

ふっ

真弓の目が元に戻ると、

「あっあたし…」

と呟いた。

「あっ真弓か?」

恐る恐る浩司が尋ねると、

真弓はゆっくりと浩司のほうを見て、

「こっ浩司なの?」

と聞き返した。

「本当に真弓なんだな…」

再度確認をした後に浩司が真弓を抱きしめようとすると、

「来ないで!!」

真弓は声をあげた。

「どっどうして…」

思わず浩司が尋ねると、

「ダメ…

 だってあたし…ズールーの勇者になちゃったし、

 それに…勇者の証を立てちゃったもん」

と俯きながら呟いた。

「そっそんな事無いよ、

 真弓は真弓だよ」

「見てわからない、

 あたし、肌がこんなに黒いし、

 筋肉ムキムキだし、

 それにオチンチンが生えちゃったし、

 それに、勇者の証を立てちゃったし

 それに…

 それに、勇者の魂を注ぎこまれたのよ、

 もぅ、あたしはズールー族の勇者として生きていくしかないのよ、

 裸で、ウルカをつけて、

 そして、獲物を求めて走り回ることしかできなくなっちゃったのよ」

と涙ながらに訴えると、

グッ

浩司は真弓を抱きしめると、

「判っている

 判っているよ」

と言いながら真弓の縮れ毛が生え揃った頭を幾度も撫でていた。



「ねぇ…」

どれくらいの時間が過ぎたのだろうか、

真弓から掛けてきた声に

「ん?」

浩司が返事をすると、

「あたし…勇者らしい?」

「え?」

「だから、あたしズールー族の勇者の風格ある?」

と真弓が尋ねた。

「まっそうだなぁ」

真弓に言われて浩司はシゲシゲと真弓を見てみると、

勇者の証を立ててしまったためだろうか、

真弓の唇はさっきよりも厚くなり、

また、頬骨も突きだして、

徐々にではあるがズールー族の勇者の顔になりつつあった。

「そうだなぁ…

 だいぶ勇ましくなってきたな」

と浩司が言うと、

「そう…」

真弓はそう返事をした。

すると、

「あたしをモデルにしてあの絵を完成させて」

と浩司に言った。

「……」

真弓の申し出に浩司は真弓を見つめていると、

「ねっ」

真弓は言葉で浩司の背中を押した。



カチャッ

浩司は無言でイーゼルを部屋の真中に引き出すと絵筆を持った。

そして、その前では真弓が勇ましいズールー族の勇者の構えをする。

無言の時間が経過する。

どれくらいの時間が過ぎたのだろうか、

ピタリと浩司の絵筆がとまると、

「できた…」

浩司の口からその言葉がもれた。

「出来上がっ…たの?」

「あぁ…ほらっ」

傍によってきた真弓に

浩司が出来上がった絵を見せると、

その中には股間にウルカを身につけた屈強のズールーの勇者が

ジッと獲物を狙っている構図の絵が描かれていた。

「あたし…

 そんな…凄い顔…してた?」

絵を見た真弓は恥ずかしそうに両頬に手を当てながらそう言うと、

「なにいってんだよ、

 真弓はズールー1の勇者じゃないか」

と露わになっている真弓の肩を叩きながら浩司は言う。

「………」

浩司の台詞を真弓は複雑な思いで聞いていると、

「さてと、

 で、これからどうしようか…」

腰を上げた浩司はそう呟くと、

「あたし…ズールー族の村にいくわ」

と真弓は畏まった表情で浩司に言った。

「なに?」

思いがけない彼女の声に浩司が聞き返すと、

「ツツウが残していった秘術に、

 ツツウが生きていたところにいく術があるの、

 だからあたし、それを使っていくわ」

そう言うと、

スッ

真弓はドアのほうへと向かって行き、

「だめだ、行かさないよ」

と浩司は真弓に告げる。

「浩司さん、お願い

 そこを通して…
 
 じゃないと…あたし…サバンナに行けない」

祈るような目つきで真弓はそう懇願すると、

「だめだ、真弓っ

 お前一人で行くなんて僕は認めない」

首を振りながら浩司はそう言うと、

真弓は両手を浩司の手に合わせると、

「お願い…

 あたし…行かせて欲しいの」

と真弓は幸一に告げる。

「ダメだダメだダメだ、

 どうしても行くというのなら俺も一緒に連れて行け」

浩司はそう怒鳴ると、

グィッ

っとシャツをめくり上げた。

「こっこれは…」

信じられないような目で真弓は浩司を見る。

「あぁ…あの時、ツツウの精液を浴びた影響だと思う」

浩司はそう説明をすると、

真弓と同じ様に黒く染まっていく肌と、

盛り上がっていく筋肉を見せていた。



「さぁ、行くか、

 もぅすぐスールー族の村だ」

浩司はそう真弓に告げると、

「うっうん」

腰を上げた真弓が身体についた誇りを叩き始めた。

「いっ、いこ…」

既に日本語での日常会話すら満足に出来なくなった真弓が精一杯そう訴えると、

ザッ

浩司と真弓は一路ズールー族の村へと向かっていった。



おわり