風祭文庫・モランの館






「勇者変身」


作・風祭玲

Vol.007





「真理子?」

ふっ

と目を覚ました僕の手は

無意識のうちに隣に寝ている妻の姿を求め這いずり回っていた。

しかし、隣には彼女の姿はなかった。

僕はムックリと起き上がると寝ぼけ眼のまま部屋の中を見回すと、

ネグリジェ姿のままベランダの柵にもたれ掛かる彼女の姿が目に入ってきた。

「真理子…」

妻は何やらぼんやりとした感じで外を眺めていた。

僕はベッドから降りると

ゆっくりとベランダに立つの彼女の隣に立った。

眼下には夜明け前の街が広がっていて、

空は夜の墨色からわずかながらに青色に染まってきていた。

妻は手にした筒状のモノをみながら、

「この景色ともまた暫くお別れね…」

っとポツリと呟いた。

僕は彼女を刺激しないようにそっと肩に手を置くと、

「そうだな

 早く、お前にかけられた呪いを解く方法を見つけなくっちゃな」

と言うと、妻は僕を見つめ、

「本当に元に身体に戻れる方法なんてあるの?

 もし、一生このままだったらあたし…」

と言いかけた所で、

「戻れる!、絶対戻れるさ…」

僕はそう言うと妻の肩を叩き夜明けの空を見上げた。

空の色にほんのりと赤みがさしてきた。

「あなた……」

「なんだい?」

「お願い……、

 あたしが変身するところを見て…」

と妻は視線を逸らすとそう言った。

「えっ?」

彼女の意外な申し出に僕が戸惑うと、

「あたしの変身…見て欲しいの。」

と妻は僕の身体にしがみきながらそう言う、

「どうしたの?、

 いつもは見せないのに…」

妻の心変わりの原因を探るようにそう聞き返すと、

「今日は…あたしの変身をちゃんと見て欲しいの…お願い。」

まるで、何かに怯える子犬の様に彼女はそう呟くと、

ギュッっと僕のシャツを掴んでいた。

「わかった、ちゃんと見届けてあげるよ」

彼女の両肩を握りしめ僕がそう言うと、妻は

「ありがとう」

と顔を上げて微笑んだ。

空の赤みはどんどんと増し、

やがて、一筋の光と共に日が昇ってきた。

ビクッ!!

一瞬妻の身体が動くと、

「あっ、始まったわ」

と自分の身体を見ながら彼女はそう言った。

すると、僕の目の前にある妻の身体がムクリと大きく動いた。

クッ!!

ベランダの手すりを掴んでいる妻の手に力が入ると

白々だった彼女の手が徐々に茶色く変色しはじめた。

そして、見る見るうちに濃くなっていくと

まるで炭を塗ったような漆黒色へと変わっていった。

その変化は手だけではなく、

妻の身体全体が褐色に染まり、そして漆黒色へと変色していった。

その一方で、

肌の色が黒く変色すると筋肉がムクムクと張り出し、

そして、

メキメキ

と言う音と共に真理子の肩幅は広がり始め、

筋肉は更に盛り上がっていった。

突如”ブチッ”と音がすると

彼女が身に付けていたブラジャーがはじけ飛ぶ。

そして、はじけ飛んだブラの下にあった

自慢のボリュームのある乳房は、

厚く成長する胸板へと飲み込まれてゆき、

そこには萎縮した乳首が胸板の影に小さく取り残されていた。

妻は手すりをさらに

ギュッ

と握りしめ、

んっく…んっく…

肩を震わせ荒い息づかいをしながら、

自分の身体に起きている変化に必死になって耐えていた。

彼女の変身はさらに続き、

メリメリ

と言う音共に手足が伸び、

そこに張り付くようにして筋肉が大きく張り出していく。

着ていたネグリジェはいつの間にか

ピッチリ

と妻の身体に張り付くと、

その下に身につけていたパンティに

プクっ

とした小さな突起が現れた。

「あっ」

顔を出したそれとパンティの生地が擦れる感覚に妻は腰を落とした。

咄嗟に手を出した僕の手を妻は叩くと、

「お願い…手を出さないで」

と低い男の声に変わった声が響いた。

彼女の喉を見ると喉仏が飛び出してる。

パンティに盛り上がりを作ったそれは

まるで植物が生長するようにムクムク成長し、

やがて、パンティを円錐形に持ち上げると、

ついには、

ビリィィィ…

っとパンティを引きちぎって表に飛び出した。

ブルン

と震えるそれは、黒い棍棒を思わせるペニスだった。

「はぁはぁ」

妻はその棍棒のように勃起したペニスに両手を添えると

シュッシュッ

っと扱き始めた。

その間にも彼女の白く細い足は漆黒色の逞しい足へと変貌し、

丸く甘いマスクだった顔も、

徐々に逞しい勇者の顔へと変貌して行った。

「あぁ…」

ペニスを扱き続ける妻の頭から長い髪はことごとく抜け落ちると

その後には短く縮れた毛髪が残っていた。

「うっあぁぁぁぁ!!!」

ビリビリビリ…

そして、最後に着ていたネグリジェが

身体の変化についていけずに無惨に引きちぎれると

真理子は朝日の中漆黒色の皮膚におおわれた

筋骨逞しいアフリカの裸族の勇者へと変身した。

「ふぅ〜っ」

自分の身体が裸族の勇者となったは妻は大きく息を吐き、

変化が終わったことを感じとると、

ペニスを扱くのを止め、

変わりに手でその巨大なペニスを隠しながら、

「アナタ……コ・コレ…オネガイ」

と言ってベランダの隅に置いてあった赤や青のトンボ球で出来た飾り紐と筒状の物体を僕に渡した。

「あぁ…」

と僕はそう答える妻からそれ受け取り、

チャラッ!!

まずトンボ球の首飾りを掛け、

そして、その前にしゃがみこむと

彼女のペニスを掴み

そのまま筒の中へと差し込もうとした。

妻はジッと目を瞑って僕の作業が終わるのを待っていた。

しかし、妻のペニスは変身の影響で力強く勃起していて、

容易には筒の中に収まってくれなかった。

「ダイジョウブ?」

僕が手間どっている様子に彼女は心配そうに覗き込んだが、

「う〜ん…」

暫く考えた後、僕は意を決すると、

パクッ

っと妻のペニスをくわえ込んだ、

「!!」

彼女はビックリして、

「アァ…アナタ…ダメ…ソンナコトヲシテハ」

と言って僕を引き離そうとしたが、

チュパチュパ

僕は口いっぱい妻の巨大ペニスをしゃぶ続けた、

そのうち妻は

「アァァ…アァァ…」

と喘ぎはじめ腰を振り始めた。

そして、

「デル

 デル
 
 デル」
 
と僕に合図を送ったが、

しかし、僕は妻のペニスを吐き出すことはしないで、

そのまま深くくわえ込んだ。

「アッ、アァァァァ」

シュッシュッ

ついに妻はそう叫ぶと熱い精液を僕の口の中に吐き出した。



プハァ…

僕はそれをすべて飲み干すと彼女のペニスは縮小し、

そしてあっさりと筒の中へと収まっていった。

「ふぅ…」

僕は筒に巻き付けてあった紐を解くと彼女の腰に巻き付け結んで上げた。

こうして、妻が身につけることが出来る唯一の衣装を

”着せて”

あげると彼女はベランダに隅にへと向かい、 

そこに置いてある瓶の中から白く固まった脂を取り出しながら、

「コレ…ヌッテ」

と言ってそれを僕に手渡した。

僕は手渡された脂を妻の身体に塗って上げる。

塗り終わると妻の漆黒色の身体は、

脂でヌラヌラと怪しく光り僕を不思議な気持ちにさせた。

すると妻は、槍と動物の皮で出来た盾を持ち、

そしてベランダで踊り始めた。

タン・タタン・タン・タタン…

シャシャン、シャシャン…

妻の動きに合わせてトンボ球の首飾りも踊りリズムを刻む、

すると、

ぶわっ

突如、どこからか熱い風がベランダを吹き抜けた。

「来たか…」

僕は周囲を見回す。

ぶぅぅぅぅぅぅん

するとあたりの景色は見慣れた街の景色から

サバンナの乾燥した景色へと変わった。


それを見た妻は僕に近づくと

「アナタ、アリガトウ」

と言って僕の唇に自分の唇を重ね合わせた。

僕は妻とキスをしながら彼女をギュッと抱きしめると、

「モゥイカナクテハ…

 ジャ…アナタ…イッテクルネ」

「あぁ…身体に気をつけてな」

と別れの挨拶をかわすと、

妻は僕の手を振り解いて、

声を上げながらサバンナの大地へ駆け出して行った。

そして、彼女の黒い身体が小さくなったところで

振り向くと僕に向かって大きく手を振った。

僕は負けじと大きく手を振って応えたると、

すると、冷たい風が吹き、あたりの景色は元の街の景色へと戻った。


こうして僕の妻は自分の身にかけられた呪いのために、

月に一夜の僕の妻から、

裸体にトンボ球の首飾りを掛け、

そしてペニスケースのみの出で立ちでサバンナで狩をする

裸族勇者としての生活に戻って行った。



僕の口の中には彼女が出した精液の香りが広がってきた。



おわり