風祭文庫・モラン変身の館






「オレンルガイの槍」
(最終話:月夜のケモノ)

作・風祭玲

Vol.808





煌々と月が輝く夜更け、

タッ!

その月を背景に一匹のケモノが走り抜けていく、

タッタッタッ!

朱染めの衣・シュカを風になびかせ、

頭と胸周りを飾り立てるアクセサリーを微かに鳴らし、

漆黒の肌、

逞しくしなやかな肉体美を見せながら、

人の姿をしたケモノは夜の街を疾走してゆく、

タタッ!

ケモノは街から潮騒の音が響く海岸通を抜け、

坂を上っていくと、

その先に木々が鬱蒼と茂る森が姿を見せて来る。

ザンッ!

すかさずケモノはその森の中へと飛び込むと、

ザザザ!!!

森の中を一気に駆け抜け、

やがて一本の巨樹が姿を見せると、

チャッ!

手にした槍を構え、

大きく振りかぶると、

ザザザッ!

足を止めた反動を使い一気に投げつけた。

シュッ!

手をはなれた槍は空を切り、

カシンッ!

乾いた音を立てて巨樹に突き刺ささった。

『ハァハァ

 ハァハァ

 ハァハァ』

見事、巨樹に突き刺さった槍を見つめながら、

”あたし”は肩で大きく息をすると、

その根元に腰を落とした。

サァァァァァ…

夜風を受けて巨木は木の葉を大きく揺らす。

『はぁ…

 気持ちいい…』

そう言いながらあたしは漆黒の肌が覆う自分の手を掲げ、

改めて自分の身体を抱きしめる。

乳房の無い、

胸板の盛り上がった男の胸、

その胸を両手で感じると、

『あたし、

 いな、オレンルガイになっているんだ…』

と口から男の低い声が漏れる。

サァァァァ…

一瞬の間を開けて夜風が吹きぬけると、

巨樹の葉が揺れる。

そしてその風を受けながら、

ススッ

あたしは股間に手を入れると、

ビンッ!

風を受けはためくシュカの下で硬く勃起しているオチンチンに触れた。

『はぁ…

 こんなになっている…』

長く、そして太くなっているオチンチンをさすりながら、

あたしはそう呟くと、

一瞬ためらった後、

ギュッ!

と握り締めると、

シュッシュッ

シュッシュッ

オチンチンを扱き始めた。

『んっ

 あんっ

 んくっ

 んぁぁ…』

長さは30cmはゆうにあるだろうか、

巨大なオチンチンを扱きながらあたしは仰け反り、

巨樹の根に身体を預けると快感に身体をゆだねる。

『あぁ…

 見てください。

 あたしマサイなんです。

 オレンルガイと言うマサイのモランなんです。

 女だったのに…

 こんな大きなオチンチンを生やしているんです』

巨樹に向かってあたしはそう訴え、

そして、キツク激しく扱き続ける。

シュッシュッ

シュッシュッ

『んあぁあ…

 いぃ

 いぃよぉ!

 ハァハァ

 あぁ…

 あたしはオレンルガイ…

 マサイの勇者…』

ピクピクと身体を震わせ、

体中から汗を流しながらあたしは訴える。

すると、雲間から月が顔を出し、

そんなあたしを照らし出した。

キラッ

頭や首に下げたビーズのアクセサリーが月の明かりを受けて光り輝く、

そして、光を放ちながら、

『あっ

 あっ
 
 あっあぁぁ〜』

あたしは一線を越えてしまうと、

ビュッ!

シュシュシュッ!!!

扱いていたオチンチンより白濁した精液を高く飛ばした。



『はぁはぁ…

 ふぅ…』

射精後の虚脱感を感じながらあたしは呼吸を整え、

そして、煌々と照らす月を見上げた。

あたしがマサイになったあのサバンナで見た月と

何も代わらないその姿につい見入ってしまう。

すると、

ピクッ!

あたしの身体の奥に入っているモランのトンボ球がかすかに動くと、

『!!っ

 どうしたの、

 オレンルガイ?』

お腹に手を添えてあたしは尋ねるが、

だが、その問いへの確かな返答は無かった。

『そう、

 オレンルガイもお月様を見たいの。

 でも、

 そろそろ帰ろうか』

炎熱のサバンナとは違ってここの夜は確かに冷える。

ブルッ

朱染めのシュカを纏うだけの半裸の姿でいたために、

冷えてきた体を気遣い、

あたしは巨樹に突き刺さっている槍を引き抜くと、

森を後にしようとした。

すると、

どこかで悲鳴が上がったような気がした。

『あれ?』

その音にあたしは聞き耳を立てるが、

だが、それを確認することは出来ず。

『何か聞こえたような気がしたけど…

 気のせいか』

そう結論付けると、

周囲に気を配りながらあたしは立ち去っていった。



翌日、

「八幡さんって確かK市に住んでいるんだっけ」

雑誌の編集の打ち合わせに来たあたしに向かって、

編集者はそう切り出してきた。

「はぁ…

 K市のY凪町ですが…」

その問いにあたしはそう答えると、

編集者は少し驚いたフリをして、

「今朝のニュース見たぁ?」

と聞き返してきた。

「え?」

その言葉にあたしは戸惑うと、

「申し訳ありません、

 支度に忙しくて見てませんでしたが」

と返事をする。

無理も無い、

日の出と共にあたしはマサイのモラン・オレンルガイの姿から

本来の明美の姿に戻るのだけど、

でも、変身後、

猛烈な疲れを感じてしまい、

ベッドに突っ伏したあたしはとても起き上がれる状況ではなく、

今日も危うく時間に遅れるところだったのである。

「わたしも詳しくは判らないけど、

 なんでも最近、

 Y凪町で夜な夜な裸の姿で徘徊する外国人が目撃されているんだって」

と編集者はあたしの顔を見ながらそう告げた。

「え?」

その言葉に強烈な心当たりがあるあたしは思わず

ギクッ

っとしながら、

「そっそれで…」

と胸をドキドキさせながら先を尋ねると、

「それで、

 なんでも、昨夜帰宅途中のOLがその外国人に襲われたとか」

と編集者は犠牲者が出たことを話す。

「…襲われたですか?」

今度は全く心当たりの無いことにあたしは呆気に取られながら聞き返すと、

「Y凪町周辺では最近、物が壊れたり化け物が目撃されたりって

 変なことが多いって聞くからね、

 八幡さんも注意したほうがいいよ」

と編集者はあたしに警告をした。

確かにここ最近、あたしの住む町では奇妙なことが続発している。

いきなり数多くの流れ星が流れたとか、

走っていた電車が行方不明になったとか、

または海岸や中学校のあたりで得体の知れない化け物を見た。

などなど…

どうも、沖合いに浮かぶひょうたん岩から、

あの山の巨樹の当たりで集中しているみたいだけど、

でも、裸の外国人…っていう話は初耳だし、

もし、それがあたしを見間違えたものだとしたら…

そう思うとあたしは居ても経っても居られなかった。



『一体誰が…

 どこかの変態かしら』

その夜、

オレンルガイに変身したあたしはあの巨樹の上から、

眼下に望む街を見下ろしていた。

ヒュッゥゥ…

夜風が吹き抜け、

身体に纏っているシュカをはためかせる。

『夕べ聞こえたあの悲鳴、

 恐らく…』

昨夜聞いた悲鳴のような声の場所が犯行現場だと確信したあたしは、

ジッと聞き耳を立てる。

そして、待つこと1時間近く、

「いやぁぁぁ!」

かすかに女性の悲鳴らしきものが聞こえてきた。

『!!っ』

その声にあたしは反応し、

素早く視線を動かした。

あのパン屋?

あのドームの家?

もっと海岸より?

声の響いた方向を確かめながら、

あたしは槍を手に取ると、

巨樹から飛び降り、

一気に街を駆け抜けていく、



黒蛇堂という看板が掛かる古風な店の横を曲がり、

海岸通りを走っていくと、

やがて、一軒のディスカウントストアが姿を見せた。

「業屋?」

ディスカウントストアに掛かる看板を見ながら、

その前を通り過ぎようとしたとき、

『!!』

ある臭いがあたしの鼻を刺激した。

『この臭いは…』

間違いない、

これはウシの臭いと人間の体臭が混ざったもの。

しかも、人間の体臭は…

槍を持つ手に力を込めて

あたしはディスカウントストアの駐車場へと進んでいく。

『間違いない…

 この体臭を持つ者…は』

サバンナでモラン・オレンルガイと共に旅していたとき、

あたしはある野生部族の男達と出会っていた。

『奴らとは口を利くな』

露骨に敵意を見せながら

あたしに警告をする男達のいでたちは、

黒々とした肌を誇らしげに見せ、

腰にトンボ球の腰紐、

胸には幾重にも重ねた胸飾り、

そして、剥き出しのオチンチンを見せ付けるように歩くボディ族の男達であった。

『いっ』

シュカを巻いただけのマサイの姿でも、

あたしにとっては驚きなのに、

まさになにも身に着けてない。

と言っても過言ではない男達の姿に、

あたしは呆気に取られると、

『奴らは野蛮だ』

とオレンルガイは付け加えた。

『野蛮って…

 オレンルガイも立派にそう見えますけど』

その言葉にあたしは思わず突っ込みを入れたくなったが、

でも、この場であたしがそう言ったとたん、

シンバの牙に切り裂かれるよりも先に

オレンルガイの槍に串刺しにされそうで、

それ以上は言えなかった。

そのとき見たボディ族の男達が漂わせていた体臭と同じ体臭を、

いまあたは嗅いでいたのであった。

『ボディ族の男がここにいる?

 まさか』

信じられないような気分であたしは慎重に進んでいくと、

「んんっ

 あんっ

 んくっ」

女性の喘ぐ声が聞こえてきた。

『ちょちょっと

 なっなにこれぇ…』

響き渡るその声にあたしの身体は敏感に反応し、

ムクッ

ムクムクムク!

股間のオチンチンが反り返って来てしまった。

『ちょっと待て』

持ち上がってきた股間をあたしは慌てて抑えると、

ムワッ!

漂っていた体臭は濃くなり、

そして、

「あっ

 あっ

 あっ」

『ふぅ

 ふぅ

 ふぅ』

喘ぐ女の声と、

荒い鼻息の音と共に、

クチュッ!

クチュクチュクチュ!

淫らな音が響き渡ってきた。

するお、

『あら、

 警察が来たと思ったら、

 マサイ族のお兄さんじゃない

 こんなところで珍しい』

と言う声が響き渡った。

『!!っ』

その声にあたしは驚きながら振り返ると、

OLだろうか、

眼鏡をかけた女性が、

闇の中の路面に這い蹲ると、

露になっている白いお尻を突き出し、

空ろな目線であたしを見つめ、

喘ぎ声を上げているのである。

そして、その女性の上を見ると、

ニィ…

白い灰を顔に塗り、

黒い肌を周囲からもれてくる明かりに光らせているボディ族の男が

あたしを見ながら笑っているのか歯を見せた。

『あっあなたね』

ボディの男を指差しながらあたしは声を上げると、

「あぁ…

 女っていいわねぇ…

 柔らかくて、

 ヌメヌメしてて、

 うふっ、

 とっても癖になりそうだわぁ」

と日本語の女言葉で話し始めた。

「あなた、

 女の人だったの?」

それを聞いたあたしはそう尋ねると、

「おや、

 日本語?

 あなたもお仲間なのかしら?」

と男はそう尋ねると、

スンスン

と潰れた鼻を動かし、

そして、

「そう、同じ臭いね」

と言うなり急に腰を激しく降り始めると、

「あっ

 あっ

 あっ

 あぐぅぅぅ!」

彼に犯されている女性が激しくうめき声を上げ、

そして、

「おぉっ

 出る出る出る!」

ボディの男も顎を上げると、

その腰を痙攣させるように細かく振った。

「くはあ…」

ドサッ!

女性の胎内に射精をしたらしく、

二人は大きく深呼吸をすると、

女性はその場に倒れ、

一方、ボディの男はヌラヌラと光るオチンチンを

ピンと勃起させながら立ち上がると、

「どう、わたしの身体、

 黒くって、

 臭くって、

 とってもエッチでしょう?」

とあたしに尋ねてきた。

「だっだから何だって言うの?」

手にした槍を構えながらあたしは言い返すと、

「そんな怖いものはしまってよ、

 似た者同士でしょう?」

と男はあたしに言う。

「似た者だってぇ?」

その言葉にあたしは反発すると、

「あたしはねぇ…

 淳と新婚旅行で行ったボディ族の村でこんな身体にされたのよ、

 淳の目のまでお尻を犯されて、

 たっぷりと精を注がれて、

 そしたら、こんな身体になっちゃった。

 ほら見て、

 足はこんなに長くって、

 手も長いのよ。

 髪はウシのオシッコで染められて、

 黒い身体にはウシのウンチを燃やした灰で真っ白にされて、

 オチンチン丸出しのそんな生活をあたしはさせられたのよ」

と男は言うと、

確かに男の身体には灰のようなものがこびりつき、

それがこの独特な臭いにもとになっているのである。



すると男はヌメッと光るオチンチンを握ると、

それを扱き始めた。

「なっ何をする気?」

男の行為を見ながらあたしは問い尋ねると、

「うふっ、

 ねぇマサイのお兄さん。

 あたしね、

 一度サバンナでマサイのお兄さん達と会ったことがあるの、

 スラリとした体、

 朱染めのシュカ、

 綺麗な飾り、

 どれをとってもボデイ族のあたしとは雲低の差。

 そんなマサイのお兄さんのお尻の味はどうかな…

 っと思ってね」

男はそういうと、

ムクリ…

男の背後で人影が立ち上がった。

そう、さっきまでこの男に犯されていたOL風の女性である。

だが、

「ふーっ、

 ふーっ」

男の背後で荒い呼吸をする女性は、

着ているスカートスーツを鬱陶しそうに脱ぎすてると、

そのまま裸になり、

ゆっくりとあたしに向かって近づいてきた。

「ちょっとぉ、

 どうしちゃったの」

ヒタヒタと近づいてくる女性の姿にあたしは思わず後ろに下がる。

ムキッ!

近づいてくる女性の身体は身体の筋肉が盛り上がり、

お腹には田形の溝が浮き上がっているが、

だが、胸板には筋肉の盛り上がりはあまりなく

代わりに弾力を持つ乳房が揺れ、

また、股間からはピンと勃った“豆”が縦溝を押しのけて空を睨んでいた。

まさに女性勇者と言っていいその姿に、

ゾクッ!

あたしは背筋を寒くすると、

「ふふっ、

 そいつのお尻にはわたしの精をたっぷりを注ぎ込んでいるのよ、

 精を受けたものは皆ボディの男になっていく、

 わたしもそうやってボディ族にされたのよ、

 心の中では嫌でも、

 精を注がれボディになるまで精を注いだ者の言いなり…

 うふっ

 さぁそのマサイのお兄さんにもボディの精を注いで上げなくっちゃ」

男はそういうと、

「んがぁぁ!」

あたしに近づいてきていた女性は

ケモノのような声を上げて飛び掛かってきた。

「なにっ」

カラン!

あたしの手から槍が落ち、

女性はあたしを押し倒す。

「くっ

 このぉ!」

想定外の取っ組み合いと、

ケモノの並みの女性の素早い動きにあたしは梃子摺り、

身体に巻いていたシュカが外れてしまうと、

あたしは裸を晒した。

そして、素早く背後に回った女性にあたしの動きが封じられてしまうと、

無防備のお尻を大きく開かされた。

「くっ

 離せ!」

スースーと感じる冷気を感じながら

あたしは抵抗をするが、

「ぐるるるる」

あたしを封じる女性は歯をむき出しにして、

あらん限りの力であたしを拘束する。

「うふふっ、

 いい格好ね、

 マサイのお兄さん」

そんなあたしをボディの男はニヤケながら呟くと、

シュッシュッ

シュッシュッ

その長く伸びたオチンチンを激しく擦り、

ドロッ!

むき出しの亀頭の先から”先走り”を垂らし始めた。

「こいつ、

 本気だ」

それを見たあたしは男が本気であること再確認すると、

「何でこんなことをするのよ、

 あたしだってマサイの精をお尻に受けてマサイになったのよ」

と怒鳴るが、

「煩いわねぇ、

 好き好んでこんな臭いボディなんかになりたくは無かったわよ。

 それに比べれば、

 あなたなんかずっとマシじゃない」

男はそういうと、

あたしの上に覆いかぶさってくる、

そして、

「ふふっ、

 マサイとボディ、

 二つの精を受けたらどうなっちゃうかな」

と囁くと、

メリッ!

あたしの肛門にいきり立つオチンチンを押し込み始めた。

「うぐっ」

オレンルガイとの契りのときに感じた激痛よりもはるかに大きな激痛があたしのお尻に走り、

あたしは歯を食いしばった。

そして、

メリメリ

メリメリ

と音を立てるようにボディのオチンチンがあたしの中に侵入し、

ヌプッ!

ついにあたしのお尻はそのオチンチンを全て飲み込んでしまった。

「うぐぅぅぅぅぅ」

黒い槍にお尻を貫かれたあたしは目を剥き、

全身の力を入れていると、

「あぁん、

 良い締まり具合、

 やっぱ、マサイのお尻は一味違うわぁ」

男は全身で感じようとしているのか、

お尻を大きく回しながら、

あたしの身体を撫で回し始めた。

「ふぐうぅぅぅ!」

「ふぐぅぅぅぅ!」

男の腰の動きに合わせるように、

腸の中で円を描くオチンチンの動きにあたしは堪えると、

「さぁ、

 じゃぁ、行きましょうか」

とあたしの顔に手を添えて男はそういうと、

ズルズルズル!

一気に挿入しているオチンチンを引いた。

そして、それを突こうとしたとき、

「弓子ぉ!」

と男の声が響き渡った。

「はっ!」

「え?」

響き渡った声にあたしと男は振り向くと、

Tシャツに短パン姿の男性が身体を震わせながらあたし達を見詰め、

「なぁ、

 もぅ止めようよ」

と話しかけてきた。

すると、

「なっ何を言っているのっ

 あたしのことを捨てたくせに」

あたしを犯していたボディの男は立ち上がり、

Tシャツの男に向かって怒鳴ると、

「あの時はすまなかったぁ、

 短気を起こしたことは謝る、

 だから…」

とTシャツの男は泣きながら謝る。

「もぅ遅いわよ、

 あたしはボディ族の男…

 この臭いは絶対に取ることは出来ないのっ

 あたしのことは放っておいて」

それを聞いたボディの男はそう怒鳴ると、

タタッ!

Tシャツの男は近寄り、

そして、無謀にも男に抱きつくと、

「君が居なくなってから気付いたんだ、

 この臭いと

 このチンポが無いと俺はダメなんだと、

 だからまた俺を犯してくれ、

 この強烈な臭いで俺を包み込んでくれ」

と懇願をした。

「へ?」

思いがけないその言葉にあたしは呆気に取られると、

「…本当なのか?

 本当にあたしが居ないとダメなのか」

とボディの男は尋ねると、

「あぁ…

 だから、俺と一緒に帰ろう」

Tシャツの男は大きく頷き、

ボディの男の厚い唇に自分の唇と重ね合わせた。

「………」

いきなり始まったお惚気な展開にあたしは唖然としていると、

「わかった、

 じゃぁ、罰としてあたしのチンポを舐めな、

 そして、あたしが出すボディの精を全て飲み干すんだよ」

ボディの男は言うと、

「わかった…」

Tシャツの男は頷き、

ボディの男の前に跪くと、

そのオチンチンを口に含もうとした。

すると、

「バカァ…

 人が見ているだろう。

 向こうでやろう」

あたしの視線が恥ずかしいのか、

ボディの男はそういうと、

トンボ球のみの全裸のボディの男と

二人並んで夜の闇に消えていった。

「をーぃ、

 ちょっとぉ、

 あたしはどうなるの?」

そんな二人に向かってあたしは声を上げていた。



翌朝、

「ふわぁぁぁ

 眠い…」

寝不足気味のあたしが起き上がると、

あたしは元のあたしの姿に戻っていた。

「はぁ…

 月の光を受けるとマサイに変身して、

 朝になると元のあたしか」

昨夜、マサイの戦士に変身したことを微塵も感じさせない、

女の体を見ながらあたしはそう呟くと、

「よしっ、

 今日も月の光を浴びるまで元気に働きますか」

と言いながら飛び起きるが、

ズキッ!

それと同時に肛門に痛みが走ると、

「いたたた…」

あたしは腰を抑えながらその場に蹲った。

身体は元に戻っても夕べ犯されかけた痛みは引き継ぐらしい。

「それにしてもあの二人、

 今頃何をやっているのかな…

 それとあの被害者の女の人、

 ちゃんと出勤できればいいけど」

腰を抑えながらあたしはカーテンを開けると、

眼下に見える朝の海を見詰めていた。



ps、

カーテンが閉じられ、

薄暗い部屋の中に

シュッシュッ

シュッシュッ

何かを扱く音がこだまする。

そして、

「うっ、

 うおぉぉぉぉっ!」

男の雄たけびが上がると、

ビュッ!

ビュビュッ!

白濁した精液が放物線を描き、

部屋を汚していく、

「あはぁぁ、

 あはぁぁ…」

掛けていた眼鏡を顔からずらして、

漆黒色の肉体を持つ男は、

狂ったようにオナニーを続けていたのであった。



おわり