風祭文庫・モラン変身の館






「モランの魂」
最終話:踊り子


作・風祭玲

Vol.552





サワッ

「うっ寒い…」

どれくらい気を失っていただろうか、

凍えるような寒さに僕は気がつくと、

ヒヤッ

冷気が僕の頭をそっとなでていく、

「なっなんだ?」

まるで纏わりつくような冷気に僕は手を伸ばし、

そして頭を触ると、

ツルリ…

「え?」

手が触れる僕の頭には髪の毛が一本も生えてなかった。

「なっ何だこれは」

ツルツルの丸坊主となっている頭をなでながら僕は飛び起きると、

プルンッ!!

胸が盛大に躍り、

そして、何かが揺れる感覚がしばらく残った。

その感覚に僕は視線を下に向けると、

そこにはツンと乳首を上に向ける黒い乳房が2つ目に入る。

「え?

 え?
 
 えぇ…
 
 なっなにこれぇ!!」

乳房を手で寄せながら僕は悲鳴を上げると、

『やかましいわ!!』

ツツエの怒鳴り声が耳元で響き、

コツン!!

っと頭が何かで叩かれた。

『あっ

 こっ…これは?』

振り返りながらツツエに訳を尋ねると、

『ふむっ

 なかなかの美女に変身したものだな、
 
 それならどのモランもきっと声をかけるだろう
 
 はぁ、わしも若ければのぅ』

と感心しながらクムカンはそう言う。

『美女?

 美女って
 
 あの、僕は女性に…』

クムカンの言葉を受けて僕は聞き返すと、

『なにを寝ぼけた事を言っているのじゃ、

 自分の体をよく見て見い』

僕の問いにクムカンはそう言って、

僕の頭を下に向けさせた。

すると、

漆黒色の肌に覆われた僕の身体には

左右に膨らむ胸の膨らみと、

その下の股間には縦に口を開いた女性の性器が見て取れる。

『うっうそっ

 ほっ本当に女の人になっている』

細くなった指で性器の感触を確かめながら僕は声をあげると、

『おいっ

 あまり弄るでないっ
 
 おまえさんのそれはナクチャの秘術で植えつけられたモランの魂を吸い取る大切な場所じゃぞ』

とツツエは注意をする。

『え?

 そうなの?』

ツツエの注意に僕は聞き返すと、

村の中に太鼓の音色が響き渡り始めた。

『さて、始まったようじゃな…』

太鼓の音色を聞きながらクムカンはそう呟き、

そして、僕を見ると、

『今宵、この村ではサバンナを放浪しているモラン達を集めて、

 踊り明かすことになっている。
 
 無論、ナクチャの秘術でモランにされたお前の想い人も来ておるぞ』

クムカンはそう告げた。

「時恵が、ここに…」

クムカンの言葉に僕は腰を浮かすと、

『待て、

 いま行ってどうする』

とクムカンは僕を制止した。

『だって、

 時恵が
 
 時恵がここに!!』

静止させるクムカンに僕は叫ぶと、

『だーから、

 無闇に飛び出してどーるんだ。
 
 もし、他のモランに気に入られて連れ出されたりでもしてみろ、
 
 お前は一生、そのモランの”女”として生きていく事になるんだぞ』

とクムカンは警告をした。

『あっ…

 そうか…』

クムカンの言葉に僕はハッとすると、

『いま段取りを付けている。

 いいか、お前は村の踊り子として、
 
 モラン達に接近するんだ。
 
 踊り子には気に入ったモランを1度だけ誘惑できる。
 
 そして、その誘惑にモランが乗ればすぐに連れ出し、
 
 どこでもいい、モランと関係を持つのだ。
 
 お前の中にモランのイリガが入れば、
 
 お前に施したトートの秘術がモランの魂を一気に吸出す。
 
 そうすればお前の想い人は元の姿に戻れる。
 
 よいか、
 
 機会は一度だけだぞ』

そうクムカンは段取りと注意点を僕に言い聞かせると、

『わっ判ったよ』

僕はクムカンにそう返事をし、

そして、クムカンとツツエに

『ありがとう』

礼を言いながら頭を下げた。

『ふっ

 判ればいい』

『さて、

 まずはモランを誘惑できるように飾らないと』

僕の礼にクムカンとツツエはそう返事をすると、

『こっちに、来いっ』

ツツエは手招きをすると小屋の奥へと僕を引き込んだ。

そして、

赤土と様々なアクセサリーで僕はマサイの化粧を施され、

そして、性器をも露にした体中に脂が塗り込められると、

僕は艶やかな肉体を晒すマサイの踊り子となった。

『よしっ

 それなら大丈夫だ』

『ふふっ

 わしもなんだがイリガがこそばゆくなってきたわい』

踊り子に変身した僕を見ながらクムカンは股間を押さえると、

『襲うなよっ』

僕は一言クムカンに注意する。

『ほほほほっ

 さて、見てくれは踊り子になったが、
 
 じゃが、中身はまだだろう、
 
 スーラっ
 
 この者に踊りの方法と、
 
 誘惑の方法を仕込んでやれ』

踊り子の姿で立つ僕を見ながらツツエが声をあげると、

『はい…』

さっきツツエの術でオナニーをした女性が出てくると僕の前に立った。

そして、僕を一目見るなり、

ジロッ!

さっきとは違ったキツイ視線で見ると、

『・・・・〜っ』

声を張り上げ、

リズムを取りながら踊り始める。

「……すごい…」

彼女の踊りを見ながら僕は唖然としていると、

『ほれっ

 お主も踊るのだ』

ツツエは持っていた杖で僕のヒップをピシャリと叩いた。

『ひゃっ!!』

ヒップに走った痛みに僕は飛び上がると、

ツツエとスーラ、二人のマサイの手ほどきで踊りを仕込まれていった。



そしてそれから2時間ほどが過ぎ、

ハァハァ

ハァハァ

汗だくになりながらなんとか踊れるようになったころ、

カツンッ

『よーしっ

 まぁ、急ごしらえだけど、
 
 何とかなるだろう』

杖を突いてツツエが声をあげると、

『あっありがとうございました』

赤土の化粧を汗で流しながら僕は礼を言う。

『ふふっ

 ちょうどいい按配だな、
 
 それ位がモランにとってはもっとも誘惑されやすい姿

 どれ、化粧を直してやろう、

 そして、コレが終わったらすぐに広場に行け』
 
とツツエは言い、僕の顔に赤土を塗り始めた。



タタッ!!

満月の明かりを背に受けて僕は村の中を走っていく、

そして、かがり火が焚かれている広場へと向かうと、

そこにはサバンナより集まったモラン達が輪になり、

その中で踊る踊り子達を熱心に見入っていた。

「あそこか…」

身体に着けたアクセサリーのズレや、

その形を僕は再度確かめた後、

今度はモラン達の中に時恵の姿が無いか視線を動かし探してみる。

しかし、集まっていたモランは数十人近く居て、

かがり火の明かりだけでは見分ける事は困難だった。

「くっそぉ、

 誰が誰だかわからね」

そんな状況に僕は臍を噛んでいると、

ポンッ

と肩が叩かれた。

『え?』

それに僕が振り向くと、

クイッ

僕の後ろに立つ踊り子は顎で進めと合図をする。

『あっはいっ』

その合図に僕はモラン達の中に飛び出すと、

太鼓の音に合わせて舞い始めた。

「時恵…

 どこに居る?
 
 ここにいるんだろう?」

挑発的に胸を揺らし、

そして、股間を大きく開いて

僕はモラン達の中に居る筈である時恵を挑発する。

汗がほとばしり、

脂と汗で僕の身体はかがり火の光を艶かしく輝き始めた。

「違うっ

 お前じゃない」

「お前も違うっ」

そんな僕にモーションをかけてくるモラン達の手を弾き、

僕は時恵が現れてくるのを踊りながら待つ。

「くはぁ

 はぁはぁ
 
 うーっ
 
 苦しい…」

踊り始めて時間が過ぎ、

次第に疲れを感じ始めたころ、

「!!」

モラン達の中で一人、

俯き加減に座っているモランを見つけた。

「あれは?」

伏せたままの顔に僕の視線は釘付けになると、

そのモランの前で僕は踊り始める。

すると、

『おいっ!』

それに気がついた横にいるモランがそのモランを肩を揺すると、

『なんだよっ』

肩を揺すられたモランは伏せていた顔を上げた。

「!!!」

忘れるはずも無い。

クムカンの村に来たモラン。

そして、僕の姿を見て僕の名を叫んだモラン。

そのモランが僕の前に居る。

すぐに踊りをやめて飛びつきたかったが、

しかし、周りにはいまだ大勢のモランが座り、

良くは見えないけど、

時恵をモランにした、あのモラン達も居るはずだ。

「くっ」

その悔しさをかみ締めながら僕はモラン、

いや、時恵に向かって誘惑を始めたした。

「時恵、

 見るんだ、
 
 僕を見るんだ。
 
 そして、僕の誘いに乗ってくれ」

黒い肌をかがり火に輝かせ、

リズムに合わせて乳房を揺らし、

そして、股間を大きく開いて見せる。

男だった僕が…

妻に向かってオンナの身体を晒して挑発する。

普通に考えればあまりにも異常な話だ。

でも、時恵を元の姿に戻すのはこれしかない。

そうした思いが僕を躍らせていたのであった。

「(時恵っ

  僕だっ
 
  正之だっ)」

大声で叫ばないもどかしさを感じつつ、

首の飾りを揺らしていると、

ムクッ!

モランの股間が盛り上がりはじめ、

シュカにテントを作りだしたのが見えた。

「しめたっ

 僕に欲情している、
 
 そうだ、
 
 もっと、チンポを勃たせろ、
 
 もっと、犯したいと思え」

そんな時恵に僕はそう念じつつ、

一層激しく誘惑をする。

すると、

フーフー

フーフー

モランの鼻息が次第に荒くなり、

地面についていた手が股間へと移動していくと、

グッ!!

太く勃起しているペニスを握り締め、

ゆっくりと棍棒の様になっているペニスを扱く。

「そうだ、

 それでいいんだ、
 
 さぁ、時恵っ
 
 僕と一緒に来るんだ」

シュッ

シュッ

シュカに先走りのシミを作りながらペニスを扱くモランの姿を見て

僕は時が来た事を察すると、

ニコッ!

笑みを浮かべながらモランに向かって手をさしのばす。

しかし、別のモランが飛び出してその手を弾いた。

「なっ」

そのことに僕が驚き、

そして、そのモランを見ると、

「あっコイツ!!!」

そう、まさしくあの日、

時恵をモランにしてしまったあのモランの一味の一人だった。

しかも、時恵を最初に犯したモランだった。

「てめぇ!!

 あのときのっ」

キッ!!

僕はそのモランを睨みつけると、

リズムに乗って大きく身体をそらし力を貯める、

そして…

ダンッ!!

その力を爆発させるように脚を振り上げると、

ゲスッ!!

モランの股間目掛けてキツイ一撃をお見舞いし、

その瞬間、

グニュッ!!

何かがつぶれるような、

そんなイヤな触感が脚に伝わってきた。

すべては瞬時の事だった。

「けっ

 お返しだ。

 ざまーみろ」

スタッ!

すばやく脚を戻した僕は激痛で気を失い前めりになってるモランを尻目に、

再度、モランにアタックする。

すると、

スッ

ペニスを勃起させながらモランは立ち上がり、

僕が差し出した手を手に取ると、

グイッ

一気に僕を引き寄せた。

「あっ」

瞬く間に土と汗の臭いに僕は包み込まれ、

その臭いに身体の力が抜けていく。

「どっどうしたんだ?」

そのことに僕は困惑していると、

フーフー

モランの激しい鼻息が僕の顔に掛かり、

クチュッ!

股間に伸びたモランの指が僕の陰裂を弄り始めた。

「あんっ

 (はっ)
 
 だっだめっ

 ここではダメ」

一瞬このままモランに身体を委ねてしまおうか、

とも思ったが、

しかし、モランとなった時恵を連れて

この場から脱出しないとならないことを思い出すと、

『…あっち、で…して…』

僕はそう囁き、

タッ!

モランの手を引き踊り輪から飛び出す。

これが、脱出の第一歩である事に誰も気づかない。

手を引かれるモランいや時恵も、

また、時恵を変身させたモラン達も…



シャンシャンシャン

首に掛かる輪を鳴らしながら

手を引く僕はマサイ村の中を駆け抜けていく、

目指すはクムカンとツツエが待つ、村はずれの小屋。

「やった、成功した」

夜空に掛かる月が道しるべを照らし出し、

その中を走る僕はモラン達から時恵と共に脱出する作戦の成功を実感していた。

あとは、ツツエの小屋の中でセックスをすれば…

と次の手順に考えをめぐらせていたとき、

『うがぁぁっ』

突然、手を引かれていたモランが声をあげると、

ガバッ

後ろからタックルをするかのように僕に抱き付いてきた。

「うわっ

 ちょっと待て、
 
 もぅ少し、
 
 もぅ少し待て!」

抱きつくモランに向かって僕は怒鳴るが、

しかし、そのまま村はずれのブッシュの中へと僕は連れ込まれてしまうと、

ドサッ!!

一気に押し倒されてしまった。

「時恵…」

時恵の名を呼びながら僕の上にマウンティングするモランを見ると、

フーフー

モランは極太のペニスを硬く突き上げ、

野獣の目で僕を見下ろしていた。

「おっ犯される…」

その目に一瞬、僕は恐怖感を覚えると、

グッ

反射的に腕と股を閉じると守りの姿勢になる。

しかし、

『おいっ

 なにをしている。

 誘ったのはお前だろう…
 
 さっさと股を開け』

そんな僕に向かってモランはそういうと、

グニッ

僕の盛り上がっている乳房を鷲づかみにした。

『くっ

 痛い…』

まるで乳房を引きちぎってしまうくらいの強い力で引っ張られ、

その痛みに僕は歯を食いしばると、

『ふふっ

 俺を選んだこと、
 
 後悔させてやるからな…』

と耳元で囁く。

「(おっおいっ

  時恵ってこんな奴だっけ…
  
  まさか、心の奥までモランになってしまったのかよ)」

モランのその言葉に僕の背筋に冷たいものが走るが、

しかし、

クチュッ

股間をまさぐっていたモランの指が僕の陰裂の中へと潜り込むと

『あっ』

ビクッ

それと同時に身体の中を電撃が駆け抜け、思わず声を漏らす。

『なんだよっ
 
 すっかりビチョビチョじゃないかっ
 
 お前、見た目以上に淫乱女だな、
 
 へーっ
 
 この村の女ではなかなかの美人なのになっ
 
 いいぜっ
 
 期待通り、俺のイリガで貫いてやる、
 
 さぁ、ケツをあげろ!』

そんな僕に向かってモランはそう命じると、

僕の上から身体をどかし、

ピシャッ!

っと腿を叩いた。

『あうぅっ』

痛いはずなのにその痛みが気持ちよく感じながら

僕はうつ伏せに向きに変えると、

グイッ

プックリと膨らんだヒップを突き上げる。

『随分と素直じゃないかよっ
 
 そーか、
 
 そんなに欲しいか、
 
 じゃぁくれてやろうぅ』

秘術の罠が仕掛けられているとは知らずにモランはそう言うと、

ヒタッ

僕のヒップの両脇に手を置き、

そして、そのヒップに圧し掛かるように覆いかぶさる。

すると、

ツンッ!

陰裂に丸い肉球が押し当てられるや、

『うっ』

モランの声と同時に、

ヌプッ

陰裂を左右に押し広げ、

激痛と共にボールのような肉球…亀頭が僕の中に入ってきた。

『うん

 あっあぁぁっ

 あぁ…

 痛い…
 
 痛い…』

引き裂かれるような痛みがグリグリと体内に入ってくるのを感じながら、

僕は悲鳴を上げると、

『なんだよお前、

 男の経験は無いのか、
 
 珍しいなぁ』

とモランは言う。

『痛い

 痛いっ』

体中から汗を吹き上げ

そして坊主頭を振りまわしながら声をあげ、

「まっまだ、

 まだだ…」

僕は必死に耐える。

すると、

グッ!

痛みの移動が止まるのと同時に、

ヒタ…

モランの腿の付け根が僕のヒップにあたった。

『すげーな、お前、

 俺のイリガを全部飲み込みやがった、
 
 そーか、じゃぁ行くぜっ』

僕に向かってモランはそう言うのと同時に

ヌルッ

腰を引き、

ズルズルズル…

身体の中に挿入された異物が一気に引いていく、

そして、引き下がったあと、

ズンッ!!

今度は引いた腰を打ちつけた。

『うわぁぁぁ!!!』

身体の中に響く激痛に僕は声をあげると、

『まだまだっ』

俺に向かってモランは怒鳴り、

ズン

ズン

ズン

腰を振り始める。

『あぁんっ

 うぐぅぅ
 
 うがぁ』

内臓をかき回されるかと思う程の繰り返し襲ってくる痛みに僕は翻弄され、

そして、それがだんだんと快感に感じてくると、

『もっもっとぉ…』

と逆に更なる刺激を求めはじめだした。

『やっと感じ出したか、

 そーか、
 
 そーかよっ
 
 じゃぁっ
 
 これでどうだ!!』

ヌプヌプヌプ!!

僕の求めに応えるようにモランは激しく腰を振ると、

『あっ

 あっ
 
 あっ』

僕は目を剥き、

口を開け、

モランのイリガを身体全体で感じはじめていた。

「あぁ…

 これが、
 
 時恵の…
 
 時恵のチンポ…が僕の中で…
 
 あぁ…」

僕は乳房を揺らしながら僕はイリガを感じていると、

グッ!

いきなり抱えあげられ、

激しく下から突き上げられる。

『どうだっ
 
 これがモランの突きだっ
 
 気を失うなよ!!』

僕を下から突き上げながらモランは怒鳴ると、

『うっ』

射精が近いのか小さく声を漏らす。

『(きたっ!!)

 いいわっ

 出して、
 
 あたしの中に思いっきり出して』

モランのその変化を見逃さず僕は声をあげて、

ギュッ!!

身体の中を引き締めた。

その途端、

『うあっ

 あぁぁ!!』

僕を犯すモランが声をあげると、

ジワジワジワ…

身体の奥に熱いものが一気に広がりはじめた。

『あれ…

 いまので射精したのか…
 
 もぅ、こっちはまだイッてないのに…』

広がっていく熱を僕は感じながら僕はそう思っていると、

ズズズズズズ…

「え?」

広がっていった熱がまるで食い散らかされていくかのように縮小していくと、

瞬く間に消えてしまい、

消えた後には僕の身体は再び男の体液を求めはじめだした。



『ふーふー』

射精の後、モランは息を整えていると、

『ねぇ…

 もぅおしまい?
 
 もっと頂戴』

そんなモランの首に手を回しながら僕は次を求める。

すると、

『そーかっ
 
 身の程知らずとはお前のことを言うんだよ』

求める僕にモランはそういうと、

再び勃起したペニスを挿入する。

そして、激しい突き上げの後射精するが、

しかし、その熱も僕の身体の中で食い尽くされ消えてしまった。



『はーっ

 はーっ』

『もぅ終わり?』

『まっまだまだだ、

 俺はモランだ…
 
 マサイの勇者だ、
 
 こっコレくらいで…』

数え切れないくらいに僕の中で射精したモランはフラフラになりながら立ち上がるが、

しかし、

ガクッ!

その膝が折れてしまうと、

ドサッ!!

僕の胸の中に倒れこんでしまった。

すると、

『よしっ

 いまだ、お前の乳をそのモランに飲ませるんだ!』

ツツエの声が僕の頭に響いた。

『え?

 乳って、
 
 どうやって?』

その言葉に僕は聞き返すと、

『どうやってって、

 そんな事まで教えなければならんのかっ

 ほれっ
 
 お前の左右の胸についている乳を
 
 そのものの口に含ませろ』

とツツエは僕の乳房をモランにしゃぶらせるように指示をした。

『え?

 あっはいっ』

その言葉に僕は2つ返事をすると、

クイッ

乳房に手を当て、

乳首を半開きになっているモランの口に押し当てた。

すると、

クピッ

モランの口が動き、僕の乳房を吸い始めた。

『あっ

 あはっ』

言いようも無い快感が僕の身体の中を走り、

シュッ!

シュッ!

僕の乳首からミルクがモランの口の中に放たれる。

吸われるとはこのことなのか…

モランの身体を抱きしめながら僕はそう感じていると、

シュゥゥゥゥゥ…

僕の乳を吸うモランの身体より蒸気が上がり始め、

ズルズルズルズル…

その身体が崩れ始めた。

『あわわわ…』

内側から崩壊していくようなモランの姿に僕が驚くと、

『驚くことは無いっ

 トートの秘術が効き、
 
 ナクチャの秘術で作られた体が崩れていくだけだ。

 ほれっ
 
 術が掛けられる前の身体が出てきたぞ』

とツツエの声が指摘すると、

『あっ』

崩れ行くモランの肉体の中より、

時恵の肉体が白い肌と共に姿を見せてきた。

「時恵…」

それを見ながら僕は時恵の身体を抱きしめると、

「良かった…

 良かった…」

と涙を流しながら何度も呟いていた。



『ありがとうございました』

翌朝、目を覚ました時恵と共に僕はツツエ婆さんの小屋を辞した。

『そなたに秘術を掛けたモランどもには私より

 呪いが跳ね返ったためにそんな目に遭った。

 と脅しを掛けておいた。
 
 まっ連中も震え上がっていたから
 
 もぅ手出しはしないと思うけど、
 
 でも、気をつけるんだよ』

頭を下げる僕と時恵にツツエはそういうと、

『はいっ

 気をつけます』

と時恵は元気に返事をする。

『ところで、

 なんで、あいつ等は時恵をモランにしたんだ?』

そう僕が疑問をぶつけてみると、

『さぁねっ

 最近、マサイ達の生活も変わってきているから、
 
 それと関係があるんじゃないか?』

と言いながら村を改めてみる。

そんなほのぼのとした雰囲気の中、

『あの…』

僕が口を開くと、

『これ

 本当に戻れるんですか?』

と相変わらず黒い肌に覆われた乳房を指差す。

そう、時恵はモランより元の姿に戻れたものの、

しかし、僕はいまだにマサイの踊り子の姿のままだったのだ。

『あはは…

 大丈夫じゃっ
 
 トートの秘術、ナクチャの秘術

 共に相殺して消えておる。
 
 本来なら相殺した段階で戻れるのだが

 まぁ、ナクチャ以外にも秘術が掛けられていたし、
 
 その影響だろう。
 
 まっ、数日すれば元に戻れるって』

とツツエはそういうと、

『昨夜の踊り、

 見事だったぞ、
 
 マサイの踊り子として生きていく気はないか?』

と僕に向かって囁いた。

『じょ冗談じゃないですよっ』

ツツエのその言葉に僕は慌てて否定すると、

『ほほっ

 じゃなっ
 
 達者でな』

老呪術師クムカンはツツエに向かって手を振ると、

さっさとサファリカーに乗り込んでいく。

「慣れているのね…」

そんなクムカンの姿に時恵は呆れると、

「まぁ、仕方が無い。

 クムカンの村で男に戻るのを待つとするか」

呆れる時恵に向かって僕はそう言うとサファリカーの運転席に座る。



…あぁ、そうだお主らに一言言っておく、

…なんだよっまた金か?

…ばか者っ

 良いか、秘術が解けたらかといっても完全に消えたわけではない。

…え?そうなんですか?

…あぁ、マサイの秘術は月の霊力を源にしておるので

 その月の霊力が一番大きくなる満月には気をつけるんだ。
 
 特にナクチャの秘術を受けたそなたは

 満月の光を浴びただけで、秘術と同じ効果が出るであろう。

…えぇっ!!

 じゃぁどうすればいいんですか?

 あたし、またモランになってしまうの?

…安心しろ、

 そなたがナクチャの秘術の効果が出たときには、
 
 トートの秘術を受けたお前もその効果が出てきておる。
 
 だから、
 
 そうなったときはまた交わればよい、
 
 お互いに打ち消しあって元に戻れるのでな。
 
…えぇ!!

 またあのセックスをするんですかぁ?

…なによっ、その言い方。

…だって、時恵って底なし沼なんだもん。

…あら、正之さんだって、

 ビチョビチョに濡れていたくせに。

…うっ!!

…まっ仲良くな

 さて、村に着いたようじゃなっ
 
 そうだ、一つ頼みごとがあるのじゃが

…なっなんだよっ

…今宵、

 わしのために踊ってくれないか。

…えぇっ

…いいじゃない、

 踊ってあげれば、
 
 あたしがこうして元に戻れたのもこのお爺さんのおかげでしょう?

 それに、余計な気持ちが無い状態でゆっくり見てみたいし。

…うぅっ…

こうしてその夜、

僕はマサイの踊り子としてクムカンと時恵の前で、

乳房が膨らんだ女の裸体を晒し踊り続けた。

モランではなくなった時恵の前で

モランを誘惑する踊りを踊るのは恥ずかしかったけど、

でも、ホッとした環境の中での踊りは別に悪いものではなかった。

そして、次の朝、秘術が完全に解けた僕は男に戻っていた。



「はぁはぁはぁ」

「くはぁ…」

パンパンパンパン!!

部屋の中にモランとなった時恵が腰を打ち付ける音が響き渡る。

時恵のペニスの身体全体で感じていると、

ヌプッ…

ペニスの動きが止まる。

「どうしたの…」

動きを止めた時恵に僕が訳を尋ねると、

「ふふっ

 ねぇ…
 
 あたしを誘惑してよ、
 
 あなたの踊りで」

と僕に向かって囁いた。

「え?」

その言葉に僕は驚くと、

「ふふっ

 良かった、途中で目が覚めて、

 このまま流されてはいつもと一緒じゃない」

その言葉に僕はドキっとすると、

「また見たいの、

 あたしを誘惑して、
 
 あの、マサイ村でのあなたの踊り
 
 また味わいたいのよ、あの感覚を」

と時恵は僕に言う。

「うっうんっ」

その言葉に僕と時恵はいったん離れ、

胡坐をかく時恵に僕は誘惑の踊りを見せる。

あの大騒ぎだった新婚旅行で得たものとは、

野生だったのかも知れない。

とサバンナから遠く離れたこの場所で僕は感じていたのであった。



おわり