風祭文庫・モラン変身の館






「姉妹」
(最終話:帰還)


作・風祭玲

Vol.403





深夜、

マサイ村は宵の口の喧騒はまるでウソのように寝静っていた。

『そんな…

 久美がマサイになっていただなんて…

 しかも、モランになってしまっていただなんて…』

つらい試練を経てモランとなった奈津美がこのマサイ村に帰ってきたが、

しかし、再会した妹・久美がマサイに…そしてモランへ変身していたことに奈津美はただショックを受けていた。

クー…

奈津美の背後から久美の寝息が聞こえてくる。

『久美…

 なんで…

 どうして…マサイになっちゃったの?

 久美だけは帰したい。思ってモランになったのよ、

 それなのに…

 マサイになっちゃうだんて…

 久美の馬鹿っ』

久美の寝息を聞きながら奈津美はそうつぶやくと、

ギュッ

手にしていた自分の制服を握り締める。

すると、

フワッ

体が変わり二度と着ることがない制服からかつての自分の体臭が立ち上ると、

奈津美の鼻腔を軽く刺激する。

『あぁ…いい匂い…

 あたし…昔はこんな匂いだったんだ…』

かつての自分の体臭を貪るように奈津美は嗅ぎ続けると、

ズキッ!

久美に犯された肛門が痛み始めた。

『うっ』

その痛みが奈津美を現実に戻し、

そして、制服を握り締める自分の手の肌の色と、

股間で突っ張っている肉棒の感覚に

いま自分が男に、そしてマサイになっていることを実感させた。

「帰りたい…」

これまで口が裂けても言えなかったその言葉が奈津美の口から漏れる。

『お姉ちゃん…』

そんな奈津美の気持ちを知ってか知らずか、

そう寝言を言いながら久美の手が奈津美の身体に触れると、

自分の身体を奈津美に寄せ、

そして、自分の股間を奈津美に擦りつけ始めた。

その途端、

『いやっ』

奈津美は声を上げて久美を押し返すと、

「いやよ…

 もぅ帰りたい…」

と言いながら声を殺しただ泣いていた。



そして、夜が更け…

やがて昇ってきた朝日と共に新たな日が始まった。

『え?

 あたしがですか?』

『そうだ』

夜が明けると同時に長に呼ばれた奈津美が長の小屋に出向くと、

長から奈津美に久美と共にウシの警護を申し付けた。

『その役目、シリンと共に出発するはずでは?』

前日にシリンから告げられていたコトと違っていることを奈津美が指摘すると、

『あぁ、

 最初はそのはずだったのだが、

 急にシリンが昨日割礼を受けた者と旅立ったのでな、

 シリンの代わりにクンと行ってもらいたい』

長は奈津美に向かってそう告げる。

『そんなぁ

 シリンと一緒に行けると思っていたのに…』

突然の予定変更に奈津美が肩を落とすと、

『そんなにガッカリしないでよ』

と言う声と共に久美が奈津美の肩の手を置き、

そして

『そんな顔をしないで

 元気出していこ』

と落ち込んだ様子の奈津美に向かって屈託のない笑顔を見せてそう言う。



モー

それから程なくして久美と奈津美…

クンとツンの二人のモランに付き添われて

ウシの隊列は村を出てサバンナへと向かっていった。

『えへへ…

 ついにお姉ちゃんと一緒に村を出られたね』

村が見えなくなった頃を見計らうように久美は奈津美に向かってそう言うと、

『そっそうねぇ』

奈津美は相変わらず元気のない返事をし、

『本当はシリンと一緒に行くはずだったのに…』

と呟いた。

『どうしたの?

 元気がないみたいだけど』

そんな奈津美の様子に久美が覗き込みながらたずねると、

『え?』

奈津美は慌てて顔を上げた。

『あたしと一緒じゃイヤなの?』

『うっ、そっそうじゃないわ』

『本当?』

『そうよ』

『良かったぁ

 だって、こうしてお姉ちゃんと一緒に出歩くのって

 あのマサイ村に来たとき以来だもん』

久美は少女だった頃のようにはしゃぎながら先を行くと

その後ろを奈津美がウシと共に歩いていく、

すると、

『ねぇあのときのこと覚えている?』

『え?』

『ここに来たときのコトよ』

『うっうん』

『いきなり連れて来られたんだよねぇ…あたし達

 気がついたらここに居て、

 そして途方にくれていたとき

 お姉ちゃんがここ知っているとか言ってマサイ村に向かってたんだよね』

クルリと振り返りながら久美があの日のことを話すと、

『そっそうねぇ』

奈津美は相槌を打つ。

すると、

『ねぇ、

 もしも、あの時お姉ちゃんがマサイ村に行かなかったら、

 あたし達、マサイになることなかったんじゃないかな?』

『え?』

ふと、久美が指摘したことに奈津美はドキリとした。

『確かに…

 あの時、自分がマサイ村に行かなければ、

 シンにマサイとなる呪術を施されることも、

 また久美もマサイになることも無かった…』

奈津美の脳裏にそんなことが浮かび上がると、

『いやっ

 ここに来たこと自体がシンの呪術だったんだから、

 どっちにしてもあたしはマサイにされていた…

 でも、久美をマサイにしてしまったのは…あたしのせい?』

奈津美は思わずそんなことを考えてしまうと、

『違う!』

突然首を振り声を上げた。

『どっどうしたのお姉ちゃん!』

奈津美の声に驚いた久美が駆け寄ってきた。

『なっ

 なんでもないよ』

視界に入ってきたマサイの顔に奈津美はそう返事をすると、

『お姉ちゃん、ちょっと変よ』

久美はそう言いながら奈津美の後ろに着くと、

ピタリと身体を寄せ、

『うふっ

 お姉ちゃん、大好き』

と囁きながら奈津美を後ろから抱きしめた。

『あっ』

グイッ

密着してきた男の肉体に奈津美は驚くと、

『うふっ

 感じる?

 あたしのイ・リ・ガ!

 まだこんなに日が高いのにすっかり硬くなっているの

 昨夜のお姉ちゃんとっても気持ちよかったよ。

 ねぇ、今夜、日が落ちたらまたやろうね、

 星空を眺めながら、あたしお姉ちゃんに精を授けてあげる』

グリグリと勃起したペニスを奈津美の尻に擦りつけながら

久美は奈津美にそう話しかけると、

『やっヤメテ、

 久美ちゃんっ』

奈津美は久美を拒絶するように、

久美の腕を振り払うとするが、

『なにがヤメテなの?

 ほらっ

 お姉ちゃんのイリガもすっかり固くなっているじゃないの』

久美は自分の手を奈津美のシュカをめくり上げて股間に忍び込ませると、

その中で勃起していたペニスを握り締め、

そして扱き始めた。

『あっいやっ!!!』

自分のペニスを扱かれる感覚に奈津美は悲鳴を上げると、

久美を腕を振り解き、

そして突き飛ばしてしまった。

『痛ぁーぃ

 何をするのよ、お姉ちゃん』

突き飛ばされた久美が奈津美に向かって文句を言うと、

『あたしに触らないでよっ

 汚らわしい!

 あなたが久美だって?

 ウソ!

 久美は貴方みたいな土人じゃないわっ

 居なくなってよ

 さぁ、あたしの前から今すぐ居なくなってよっ』

カッとなった奈津美は思わずそう怒鳴ってしまうと、

『むっ』

久美の口がへの字に曲がり

ツカツカと奈津美の傍によると、

拳を振り上げ、奈津美の頬を思いっきり殴りつけた。

『きゃっ』

悲鳴と共に奈津美の漆黒の体が中を舞い、

そして赤土を巻き上げながら地面の上を転がっていく。

『誰が土人だってぇ

 人が優しくしてやれば付け上がりやがって、

 土人はお前もだろうがっ』

奈津美を見下ろしながら男の低い声で久美は怒鳴ると、

さらに2・3回、奈津美を足蹴にする。

『うぐぅ…』

砂まみれになり、腹を押さえながら奈津美が転げまわると

バッ

久美は身体に巻いていた朱染めのシュカを剥ぎ取り、

奈津美に黒檀色の肌に覆われた引き締まった肉体を見せ付けながら、

『おらっ、

 よく見てみろ!

 これがお前の妹・久美の今の姿だ!』

と叫ぶ久美の股間には割礼を受け

昨夜、奈津美の肛門を犯した極太のペニスが聳え立っていた。

『久美ちゃん…』

日の下で始めてみる妹の肉体を奈津美がマジマジと見ていると

『元を正せばお前がここに連れてきたのが始まりじゃないか、

 まったく、マサイになるならお前だけがなれば良いのに

 人を巻き込みやがって…』

そう言いながら苦々しく久美が奈津美を見下ろす。

『そんな…

 だって久美ちゃんは自分の意思でマサイになったでしょう?』

妹の口から飛び出した意外な言葉に奈津美が驚くと、

『確かに俺の意思といえば俺の意思だったが、

 本当はマサイなんてものに成りたくなかったんだよ、

 だけど、いつまで経ってもお前は帰ってこない。

 その一方でシンにアレを見せられた以上、

 俺にはマサイになるしか道は無かったんだよ』

苦やしさを滲ませながら久美はそう言い放つと、

『え?

 なに?

 久美ちゃん…シンに何を見せられたの?』

久美の台詞の中にあったシンに見せられたものの事を奈津美は尋ねると、

『ふふ…

 お姉ちゃんも見たほうが良いかもね』

久美は意味深な笑みを浮かべ、

スッ

腰に差していた短剣を抜いた。

『?』

久美が始めようとしていることを奈津美はただ眺めていると、

久美は短剣の先で赤土の地面に呪術で使う文様を描き始めた。

『それは…』

『ふふ…

 知りたい?

 実はあたし達、自由に帰る事が出来るのよ、

 自分の世界にね』

文様を描きながら久美はそう言うと、

『なんですってぇ!!』

奈津美の驚いた声が響き渡った。

『そんな、帰る事が出来るなんて

 なんで教えてくれなかったの?』

『だって、もぅ必要ないもの』

『え?』

『さぁ出来たわ…

 お姉ちゃん

 あたし達の世界に戻って見ましょう』

奈津美の方を見ながら久美はそう言うと、

ザクッ!!

っと文様に短剣を突き刺した。

その瞬間。

パァァァァ!!!

奈津美は光に包み込まれた。




『…ちゃん』

『…姉ちゃん』

『お姉ちゃん!!』

『え?』

久美の声と共に身体を揺さぶられた奈津美が目を開けると、

そこは奈津美の高校がある駅の駅前だった。

駅前にある時計は夕刻の時間を指していて街は夕方の装いに変わりつつあった

『駅?』

懐かしさを感じながら奈津美が立ち上がると、

ハラリ

奈津美が身体に巻いていたシュカが捲りあがった。

『きゃっ』

それを見た瞬間奈津美は悲鳴を上げると、

『やだ、あたしマサイのままだわ

 どっどうしよう

 こんな格好じゃぁ…』

そう騒ぎながら慌てて物陰に逃げ込もうとすると、

『大丈夫よ、お姉ちゃん、

 誰もあたし達の事は気に止めないわ』

と落ち着いた口調で久美はそう告げた。

『気に留めない?』

久美のその言葉に奈津美が振り返ると、

『そう、見えているのに見えていない。

 ここではあたし達は空気のような存在なのよ。

 だから、こんな姿で居ても誰も気に留めないわ』

『それってどういうこと?』

『そのうち判るわ、

 さぁ、ここに来たという事は、

 お姉ちゃん、

 学校に会いたい人があるのね。

 行こうか、お姉ちゃんの学校に』

驚きもせず久美は淡々とそう言うと、

クルリと踵を返すと奈津美が通っていた高校へと進み始めた。

『あっ』

その様子に奈津美も久美の後を追って行く。



いつも猫がたむろする家…

帰りに必ず覗いていた店…

ハンバーガーを買って食べていた店…

奈津美にとってかつての日常が目前に繰り広げられる。

『…懐かしい…』

それらを一つ一つ丁寧に覗き込みながら奈津美は感慨にふけるが、

しかし、ショーウィンドゥに映る自分の姿は

この風景の中では異様に映っていた。

そしてその一方で、

そんな姿を指摘する人は無く、

出会う人は何事も無いように道を譲る…

『なっなんなの?

 これって』

街中を半裸のマサイが闊歩する。

それだけで十分に異様なはずなのに誰も指摘しないだなんて…

奈津美の頭の中にはこの違和感で一杯になっていた。

すると、

『お姉ちゃん、

 あたし達は誰からも関心を持ってもらわない存在になっているのよ、

 なぜなら、あたし達はこの世界には存在しない人間になっているから』

奈津美の疑問に答えるように久美はそう説明するが、

しかし、奈津美にはそれが理解できなかった。

そして、二人の前に奈津美が通う高校が姿を見せてきた。

『うっ』

『どうしたの?

 さっさと入れば、

 お姉ちゃんが通っていた学校でしょう?』

校門のところで躊躇する奈津美に向かって久美はそう言うと、

『だって、

 恥ずかしいよぉ』

奈津美はシュカの裾を押さえながらそう訴えた。

『何を言っているの?

 いまのお姉ちゃんは路傍の石よ、

 誰にも相手にされないわ、

 さぁ入ってみて、

 入ればお姉ちゃん諦めがつくから』

久美はそう言うと奈津美の背中を押した。

『え?諦め?』

久美の言葉を気にしながら奈津美は校舎の中へと入っていった。

約半年振りの校舎

ヒタヒタ

奈津美は足音を立てながら、

そして懐かしさを噛み締めながら廊下を歩いていく、

すると、

キーンコーン!!

チャイムが鳴り響くと、

ホームルームが終わったのか

ザワザワ

静まり返っていた廊下に声が響き渡り、

ゾロゾロと制服姿の生徒が廊下に出てきた。

『あっ』

その様子に慌てて奈津美が逃げ出そうとすると、

『お姉ちゃん』

そんな奈津美を久美が引き止めた。

『そっそうね

 あたし…誰にも見えないんだっけ』

奈津美はそう返事をすると

自分のクラスへと向かっていった。

そして、自分のクラスの札がかかる教室を見つけた途端、

『うそっ!!』

奈津美は目を丸く剥き立ち止まってしまった。

「やだぁ!!」

奈津美の目前には友達とふざけ合いながら

制服姿の奈津美…そうもう一人自分がこっちに向かって歩いてきた。

『なんで

 どうして』

困惑する奈津美に、

ニコッ

歩いてきた奈津美は軽く笑みを見せる。

『これで判った?

 お姉ちゃん』

通り過ぎていった奈津美を見送りながら久美がそう言うと、

『くっ久美ちゃん

 これってどういう…』

混乱しながら奈津美は久美に迫る。

『さぁ、

 シンに聞いた話では、

 あたし達がマサイ村に連れて来られた時と同時に、

 あたし達の影からあいつが生まれたそうなの

 そしてあいつはあたし達として振舞っているのよ』

『それって偽者ってコト?』

『まぁそういうことになるかな』

ダッ!!

久美のその話を聞いた途端、

奈津美は飛び出すと、去っていく自分を捕まえようとした。

すると、

『待って、お姉ちゃん』

そう叫びながら久美が奈津美の腕を抑える。

『離して久美ちゃん、

 あいつを、

 あいつを!!』

全身の力を振り絞って奈津美がそう訴えると、

『もぅ遅いのよ!!

 お姉ちゃん。

 あいつが作られてから1日以内なら、

 あいつを消して元に戻れたらしいけど、

 でも、既に時間が経ってしまったの、

 あいつはお姉ちゃんになってしまったのよ

 もぅ遅いのよ!!』

必死で引きとめながら久美はそう言うと、

『そんなぁ』

奈津美はその場に崩れるようにして座り込んだ。

ひやっ

露になっている太股に廊下の冷たさが伝わってくる。

『そんな…

 そんな…』

何度も同じ言葉を繰り返し続ける奈津美を見下ろしながら、

『本当はお姉ちゃんにこれを見せたくなかったの、

 あたし達の偽者がこうしてあたし達として振舞っているところなんて』

と呟くと、

『塩谷くん…』

奈津美は一言そう言うとふらりと立ち上がった。

『おっお姉ちゃん?』

立ち上がった奈津美に恐る恐る久美が声をかけると、

『塩谷君…

 そのあたしは偽者よ…』

まるで夢遊病者のように奈津美は廊下を歩き始めた。

『おっお姉ちゃん、

 どこに行くの?』

歩き始めた奈津美の後を久美が追っていく。

やがて目の前に体育館が姿を見せてくると奈津美はその中へと入っていった。



ダァン!!

体育館の中ではちょうど男子バスケ部の試合が始まったところだった。

「がんばってぇー」

「ふぁいとぉー」

バスケットコートを遠巻きにてギャラリーの女子生徒の声援が飛ぶ中、

コートの中ではユニフォームに身を固めた長身の選手達がボールの奪い合いを演じる。

そして、

「がんばってー、敦ぃ!!」

もぅ一人の奈津美がコート脇から盛んに声援を送っていた。

すると、

『違う!!
 
 そのあたしは偽者よ!!
 
 本物のあたしはここの居るの!!』

奈津美の声を掻き消すようにして奈津美は声を塩谷敦に向かって思いっきり怒鳴るが、

しかし、奈津美の声は敦の耳には届くことは無かった。

『塩谷君!!

 あたしはここよ!!

 ここに居るのよ!!』
 
ダッ!

コートの外で奈津美は幾度も叫んだのち、

ついに駆け出すとボールを手にした敦の前に立ちはだかった。

けど、敦は目の前に迫った奈津美の動きを巧みにかわすと、

その横をすり抜け、走り去っていく。

『あっ』

自分をかわした敦を追って奈津美は2・3歩追いかけたところで立ち止ると、

『あたしはここに居るのよ…』

と弱弱しく叫んだ。

『コレで判ったでしょう?

 お姉ちゃん
 
 こうして帰ってきてもマサイになったお姉ちゃんは誰にも相手にされない。
 
 ここはあたし達の世界じゃないのよ』

そう言いながら立ち止まった奈津美の前に久美が歩いてくると、

『久美…』

奈津美はジッと久美を見つめた。

『ねっ』

そんな奈津美を安心させるかのように久美は小さく笑みを見せ、

そして

ギュッ

と奈津美を抱きしめると、

『お姉ちゃん…マサイの匂いがするよ…』

と久美は囁き奈津美の盛り上がった胸板に顔をうずめた。

『久美ちゃん…やめて

 こんなところで』

『大丈夫、誰も見ていないよ

 ねぇお姉ちゃんのこの匂い、あたし好きよ』

久美はそう言いながら右手を伸ばすと、

奈津美のシュカの下に隠れているペニスにそっと触れた。

『あっ…

 久美ちゃん』

『お姉ちゃんのイガリ…

 もぅこんなに太くて大きっくなっているよ』

ギュッ

そうつぶやきながら久美は奈津美のペニスを握り締めると、

『ああっ』

奈津美は思わず身をよじらせた。

『興奮しているんでしょう、お姉ちゃん。

 こうしてマサイとなった体を友達に晒しながら、

 オチンチンを扱かれて…

 ねぇあたしのはどう?』

と尋ねながら久美は空いている左手で奈津美の右手を握り、

自分の股間へ導く。

ビクッ

奈津美の手が久美のペニスに触れると同時に小さく身体を動かし、

『うん、久美のも大きいわ』

ギュッ

そう答えながら奈津美は久美のペニスを握り締める。

『嬉しい…』

奈津美の返事に久美はそう呟くと、

ギュッ

そのお礼にとキツく奈津美のペニスを握り締めた。

そして、

久美は奈津美の、奈津美は久美のペニスをお互いに握り締め合った後、

『お姉ちゃん…』

『久美…』

『いくよ』

『うん』

お互いに確かめうと、

ゆっくりと二人の腕は動き始めペニスを扱き始めた。

「キャァァ!!」

バン!!

スローインで敦の手から離れたボールが相手のゴールリングに弾かれ、

ギャラリーの悲鳴があがる。

そんな会場内で

『あっ』

『うっ』

奈津美と久美はうめき声を上げ、

向かい合って固く勃起したお互いのペニスを扱き合う。

シュッシュッ

シュッシュッ

『あっいっいぃ

 いいよ、お姉ちゃん』

『くっ久美っ

 もっと
 
 もっと強く』

『あぁお姉ちゃん…

 硬い…』
 
『久美のも熱いよ』

『いっいぃ…』

シュッシュッ

シュッシュッ

顎を上げ、

あえぎ声を上げながら二人の腕は次第に速度を増していく

すると、

ジンッ…

『くはぁ!!』

お互いに熱いものがペニスの付け根に溜まり始めてきた。

『うっでっでちゃう』

『まだよ、

 まだ早い…』

シュッシュッ

シュッシュッ

『あっあぁ、

 だっ出させて』

『まだまだよ』

シュッシュッ

シュッシュッ

『だっダメ

 ガマンできない』

『辛抱して』

音を上げ始めた奈津美に久美がそう命令すると、

『お姉ちゃん、

 お尻を出して』

と告げた。

久美のその言葉に奈津美は久美のペニスから手を離し、

『こぅ?』

そう尋ねながら奈津美は腹ばいながらシュカを捲りあげると、

久美に向かって露にした尻を向けた。

『へへ

 お姉ちゃん』

突き出された奈津美の尻を撫で回して久美がそう呟いたと思った瞬間、

メリッ!!

久美の勃起したペニスが奈津美の肛門を突き刺した。

『あうっ!!』

その途端、奈津美の口からあえぎ声がもれる。

『あぁ…お姉ちゃんの中って熱い』

そう言いながら久美が腰を振り始めると、

ヌチャッ

ヌチャッ

イヤらしい音を奈津美の肛門からもれてくる。

『あぁ…

 久美…
 
 もっと
 
 もっとかき回して
 
 もっとあたしを滅茶苦茶に犯して!』

自分の内臓を掻き回す様に動く久美に向かって奈津美は懇願すると、

グリグリ

っと自分の尻を円を描くように動かし始めた。

そして、

コートの中の敦の方に視線を送ると、

『しっ塩谷君…

 見て
 
 あたしを見て…
 
 こんな黒い体のマサイになっちゃったのよ、
 
 そして、ほらっ
 
 マサイの戦士に犯してもらっているの、
 
 おかしいでしょう、
 
 面白でしょう
 
 塩谷君
 
 そこにあたしはあたしじゃないわ、
 
 本当のあたしはここで…
 
 あっあぁ!!』

汗を飛び散らせながら全力でバスケットの試合をしている敦に向かって

奈津美がそう告げた途端、

グィ!

久美の腕が奈津美を抱えあげ、

そして股を大きく開かせるとガンガンとつき上げ始めた。

『お姉ちゃん、どう?

 こうすると興奮するでしょう?
 
 さぁみんなの見ている前で出すのよ、
 
 この真っ黒なイリガから真っ白な精を吹き上げるのよ』
 
悪魔のような久美の言葉が奈津美の耳元で響き渡ると、

『あぁん、あぁ!!』

奈津美は首を左右に振り、

かきむしるようにして悶え苦しむ、

『いやっ

 やめて!!

 あぁっ
 
 もっと…
 
 もっと突いて
 
 もっとあたしを突き上げて!
 
 あっ

 でっ出ちゃう

 出ちゃうよ、久美ちゃん』

『おっお姉ちゃん

 そんなに締め付けないで

 あっあたしも、でちゃうっ』

激しく突き上げる久美が限界に達すると、

同じように奈津美も限界に達していた。

ズダン!!

「きゃぁぁぁぁ!!!」

敦の投げたボールがリングを潜ったのと同時に、

『うっ!!』

『あぁ!!』

奈津美と久美は声をあげ、

シュッ!!

シュッ!!

奈津美の股間にそそり立つペニスより敦を祝福するかのように、

白濁した粘液を思いっきり吹き上げた。

『あぁ…でちゃったぁ…』

シュッシュッ!

なおも精を吹き上げ続けるペニスを眺め奈津美がそうつぶやくと、

ドクッ!!

奈津美を犯していた久美のペニスからも精液が奈津美の体内へと注ぎ込まれていた。




ビチャッ!!

ビチャッ!!

奈津美が放った精液がまるでシャワーのようにバスケットコートへ降りしきる中、

『えへへ…

 お姉ちゃんの精液ってモランの味がする』

その精液を指で掬いそっと口の運び久美が囁くと、

『ふふ…

 久美ちゃんの…とっても熱いわ』

奈津美は自分の体内へ注ぎ込まれた久美の精液の観想を言い、

『久美…』

『お姉ちゃん』

二人はそう言い合いそっと唇を重ね合わせる。

そして、

『これから二人仲良くマサイとして生きていこうね』

『うん』

お互いにそう呟くと、

パァァァァ!!

再び現れた光が二人を包み込んだ。



「うわっ」

何かに足を取られ、叫び声を上げながら敦が突然ひっくり返るってしまうと、

「どうした」

「大丈夫か?」

試合は中断されたちまちチームメイトが倒れた敦の周りに集まった。

「いてててて…」

「滑ったか?」

「うっなんか、床に撒かれて…

 うわっこれなんだぁ?」

起き上がった敦は自分の足元に撒かれていた粘液を指で救うと

敦の指から異臭を放つ精液が滴り落ちる。

「うえっ

 ザーメンかよっ」

「えんがちょっ」

「おいっ

 誰か雑巾をもってこい!!」

「誰だ、こんな悪質な悪戯をしたのは」

そう文句を言いながらバスケ部の面々が掃除をし始めると、

「そういえば、さっき、

 俺のそばで奈津美の声がしたけど…
 
 …気のせいだな」

雑巾がけをしながら敦はそう呟くと、

コートの外からジッと自分を見ている奈津美の方を見た。

そして、同じ頃

『すっかり遅れちゃった、

 急ごう。クン!』

『あっツンっ

 待って
 
 そんなにあわてなくても』

サバンナの大地に二人のマサイの声が響き渡っていた。



おわり