風祭文庫・モラン変身の館






「姉妹」
(第4話:勇者)


作・風祭玲

Vol.396





翌日…

サバンナを歩く奈津美の横にケルヤが並ぶと、

そっとすっかり伸びた髪を避けながら奈津美の肩の手をかけ、

『今夜はお前だ』

と言葉短めに告げた。

『え?』

ケルヤのその言葉に奈津美が驚いて振り返ると、

『ふふ…』

ケルヤは不適な笑いを浮かべながら奈津美の後ろにつき、

手を伸ばすと奈津美の尻をそっとなでる。

ゾワァァァ!!

言いようもない悪寒が奈津美の背筋を一気に駆け上がっていくと

奈津美は駆け出し、そして先頭を歩くシリンの腕にしがみついてしまった。

『どうした!』

突然しがみついてきた奈津美にシリンが話し掛けると、

『あっすみません」

奈津美は慌ててしがみついていた腕を放し、

そして、おとなしく後ろに下がってくると、

『?』

そんな奈津美の姿をシリンが不思議そうな顔で見つめていた。



『ここで、日が落ち着くまで一休みするか…』

昼近く生い茂るブッシュの傍を通ったときにシリンがそう声をあげると、

その場に槍を突き刺す。

すると、それを合図にシカフ達も次々と槍と突き刺すと、

めいめい自分の居場所を確保しはじめだした。

槍を突き刺すという行為はマサイがそこに留まるという意味でもある。

村を出てから半月近くが過ぎ、

すっかりこの生活スタイルに慣れてしまった奈津美も、

自分のケルヤのことを警戒しつつ少し離れたブッシュに居場所を見つけると

そこに腰をおろした。

『はぁ…

 あたし…すっかりマサイになっちゃったなぁ…』

土と自分の汗の匂いが染み込んだシュカの匂いを嗅ぎながら

ふと

「村を出てから結構過ぎちゃったけど、

 久美どうしているかなぁ…」

人質同然にマサイ村に残してきた妹・久美の身を奈津美が案じていると、

『おいっ

 何ださっきの態度は』

という言葉と共に怒った表情をしたケルヤが奈津美の前に姿を現した。

『なっなんですか』

突然やってきたケルヤに奈津美は慌てて警戒をすると、

いかにも不快そうな表情をしながらケルヤに聞き返す。

すると、

『なんだぁ?

 その顔は?

 俺を露骨に嫌いやがって、
 
 俺よりもリシンの腰抜け方が良いというのか?
 
 やめておけ、あんな奴、

 弟ひとり守れない奴よりも、
 
 俺のほうがずっといいぜ、
 
 なぁ、ツンよ俺の精を受けてくれないか、
 
 へへ、悪いことはないと思うぜ』

ケルヤは卑しい笑いを浮かべながら奈津美の隣に腰を下ろすと手を廻し抱き寄せてきた。

『やめてください!!』

奈津美は抱き寄せてきたケルヤの手を振り解き、

『シリンのこと悪く言わないでください』

と叫ぶと、

『なんだぁ?

 人がせっかくお前のことを心配して誘っているのに、

 お前は俺よりもシリンの方が良いというのか?』

ケルヤは奈津美を睨み付けながらそう怒鳴ると、

ゲシッ!!

腕を振り上げ、そして奈津美を思いっきり殴りつける。

『うっ』

ドサッ!!

頬を殴られた奈津美はそのまま倒れると、

グイッ!!

ケルヤは奈津美の束ねた髪を鷲掴みにしながら、

『いいかっ

 俺のほうがモランとしてもシリンよりも格が上なんだよ、
 
 まったく、長は何を考えているのかは知らないが、
 
 俺よりもシリンのほうを買いやがって、
 
 いいかっ、
 
 お前もモランとして生きていくのなら
 
 強い奴の傍にいろ、
 
 わかったか』

と言い聞かせるように怒鳴る。

しかし、

奈津美はケルヤを一瞥し

『あなたって、

 こうして人を脅すのが上手なんですね』

と皮肉をこめて返事をすると、

『てめぇ!!』

ケルヤの顔に殺意がよぎった。

その途端、

ドゥッ

ケルヤの膝が奈津美の腹を蹴り上げると、

『うぐっ』

奈津美は腹を抑え転げまわる。

『よーし、

 じゃぁ誰が一番がお前に教えてやる…』

転げまわる奈津美の顔を足で踏みつけにしながらケルヤはそう告げると、

パサッ

自分の身体に巻きつけていたシュカを脱いだ。

すると、

ビンッ

ケルヤの股間にはまるで棍棒のようなペニスが聳え立ち、

その亀頭の先からは先走りが滴り落ちていた。

そして、

『さぁこれを咥えろ!!』

と奈津美の顔を持ち上げると勃起しているペニスに奈津美の顔を近づけ、

そして、硬く閉じている口に押し当てた。

『いやっ』

すると奈津美は抵抗をするかのように顔をそむけると、

『反抗するんじゃねぇ!!』

怒ったケルヤは奈津美を再び殴る。

そんなケルヤの行為に奈津美は力いっぱい抵抗をするが、

しかし、ケルヤは奈津美の顎に手を当てると、

グィ

と自分の方に向かせ強引に唇を重ね合わせた

『うっうぐぅぅぅ』

口をこじ開けねじ込んでくるケルヤの舌を拒絶しようとして

奈津美は首を振ろうとするが

ジュル…

ケルヤは奈津美の舌を吸い出すとまるでそれを味わうかのように、

自分の舌と奈津美の舌を絡み合わせる。

そして、自分の荒い鼻息を奈津美に掛けながら、

ケルヤは

ギュッ!!

と奈津美を抱きしめると硬く勃起している自分のペニスを奈津美の股間に押し当てる。

その一方で

ムニュッ

下腹部に押し付けられるケルヤのペニスの感覚に

奈津美のペニスは本人意思とは反して硬くなり始めた。

すると、奈津美のペニスが固くなったことに気づいたケルヤは、

奈津美の下腹部に手を這わせるとペニスを握り締め、

『ふふっ

 なんだよっ

 お前のイリガ、固くなってきているじゃないか

 何だかんだ言っても身体は正直だな』

と呟き、そして扱き始めた。

『あんっ』

ケルヤの手で扱かれるその感覚に奈津美は思わずあえぎ声を上げると、

ハッ

とした表情をすると慌てて口に手を当てる。

『ふふふ、

 いいんだぜ、

 気持ち良いんだろう?

 どうだ?

 イガリをこうされる感覚は、

 自分でするよりも気持ちが良いだろう?』

言葉で嬲るかのようにケルヤが囁くと、

『んっんん!』

それに抵抗するかのように奈津美は首を横に振る。

しかし、

『ははは、

 無理をするな

 お前…

 村にやってきた異郷の女なんだろう。
 
 どうだ?

 女と男、どっちが気持ちい?』

奈津美にとって触れて欲しくない事情をケルヤは口走りながら

ムギュッ!!

と奈津美のペニスをキツく握り締めた。

『あぁ!

 やめて

 やめて

 やめて』

奈津美は必死に訴えながらケルヤの行為を止めさせようとするが、

しかし、ケルヤは止めるどころか激しく扱く、

『おっ、さらに硬くなってきやがった。

 はは

 何だかんだ言っても、お前、相当な淫乱女だったんだな、

 お前だろう?

 夕べ俺がしているとき影でこっそり覗いていたのは?
 
 随分と盛大に出したじゃないかよ』

「え?(ばれていた)」

ケルヤから昨夜カフと行為をしているときに奈津美が影から覗いていたこと、

そして、二人をおかずにオナニーをしてしまったことを突かれると、

奈津美の抵抗はピタリと止んでしまった。

『へへ、

 どうした?

 図星か?

 どうしたよ、

 さっきまでの勢いはよ、
 
 本当のことを言われて抵抗をする気もなくなったか、

 そうだ、

 黙って俺に従えばいいんだよ
 
 さぁて、じゃぁ望みどおり、
 
 お前のケツをいただいていやる。

 ほらっこれを咥えろ!

 痛い思いをしたくなかったらな』

ケルヤはそう言いながら再び自分のペニスを奈津美の前に突き出すと、

その切っ先を奈津美の口に当てた。

『うっ』

さっきのケルヤの一言で抵抗する気力を失ってしまった奈津美は

口を開くと突きつけられたどす黒い肉の槍をほおばり始めた。

チュバッ

ゴフッ

咽びながらも奈津美はケルヤのペニスを嘗め回す。

『クク…

 そうだそうだ、

 うまいじゃないかお前…』

そう言いながら自分のペニスを嘗め回す奈津美の顔に手を這わせると、

グッ

っと奈津美の顔を固定した途端。

『おらっ!』

と一声を上げると、

激しく腰を振り始めた。

ただでさえ奈津美の口の中一杯一杯にだったケルヤのペニスが

激しくグラインドし始めたのだからたまらない。

『うごぉっ!』

奈津美は目を剥き、

両手をバタバタさせ暴れるが、

しかし、ケルヤはそんな奈津美にお構いなく腰を振る。

そして、

グッ!!

奈津美の喉奥深くにペニスを突き立てると、

『うぉぉぉぉ!!』

と声を上げながら、

シュッ!!

熱い精液を奈津美の体内奥深くに流し込んだ。

『うごっ』

喉の奥からこみ上げてくるケルヤの精液の香りを嗅ぎながら奈津美はそれを飲み込む、

すると、

『どうだ俺のは?

 濃いだろう』

ケルヤはまるで自慢するかのようにそう告げると、

ヌプッ

奈津美の口からペニスを引き離し、

そして、不適な笑みを浮かべながら

奈津美が身体に巻いているシュカを引きずり下ろすと

『おらっ!

 うつ伏せになって、

 ケツを突き出せ』

と命じた。

クィっ

ケルヤの命令に従って奈津美が言うとおりにすると、

『へへへ…

 元が女だっただけに綺麗なケツをしていやがる。
 
 まったく、シンも男になんかしないで女のままなら
 
 俺の5番目の妻にしてあげたにな』

奈津美の尻を眺めながら残念そうにケルヤは呟くと

ピシャリ

と奈津美の尻を叩き、

『じゃぁ行くぜ、

 へへ、

 モランのイガリの味、

 とくと味わえよ』
 
と告げながら漆黒の肉槍を奈津美の肛門に突きつけた。

ヒタッ!

肛門に突きつけられたペニスの感覚に

『犯される』

奈津美はキツク目を瞑りそして覚悟をするのと同時に

ケツヤの手が奈津美の腰を鷲掴みにした。

そして、

グッ

ケルヤの腰に力が入ると、

勃起したペニスが奈津美の肛門にねじ込まれて来た。



『くぅ…』

女としての男性経験がないまま男に…マサイにされ、

そしていま、女のように排泄器官を犯されようとしている。

しかし、それがマサイの仕来りなら受け入れよう、

でも、奈津美を犯しているのがケルヤだと言うことが奈津美には屈辱だった。

「なんで、こんな男の…」

メリッ!

硬く閉じられたドアをこじ開けるようにペニスが奈津美の肛門をこじ開けていく感覚に

奈津美は歯を食いしばり、悔し涙を流す。

『ケツの力を抜け、

 入らないじゃないか』

そんな奈津美に向かってケルヤが文句を言うと、

『そんな事言ったって…』

その言葉に思わず奈津美が口答えようとしたとき、

ピタッ

なぜかケルヤのペニスがその場で止まってしまった。

『?』

止まったペニスの感覚に奈津美が不思議に思いながら振り返ると、

あっあぁぁぁぁ…

ケルヤは目を大きく見開き、

そして、何かを言おうとしながら前の方を指差す。

『え?』

その様子に奈津美がケルヤが指差す方を見ると、

ガサッ

コフゥゥゥゥゥ…

コフゥゥゥゥゥ…

鬣を揺らしながら1頭のシンバが鼻息荒く二人を見据えていた。



『しっしっシンバだ!!』

じっと二人を見ているシンバにようやくケルヤが悲鳴をあげると、

『どけっ』

さっきまで犯そうとしていた奈津美を突き飛ばし、

そして這いつくばるように逃げ出した。

『あっ待って』

逃げるケルヤを奈津美は追いかけようとしたが、

ゴゥ!!!

突然、シンバは一声吼えると、

ダンっ

その体からは想像できないくらいのジャンプをして、

背中を見せたケルヤに飛び掛った。

そして、間髪居れずに

『ウギャァァァ!!』

周囲にケルヤの悲鳴が響き渡る。

『あっあっあっ』

目の前で起こる惨劇に奈津美は

『ダメ、気を失ってはダメ』

と懸命に自分に言い聞かせ、

『そっそうだ、槍…槍を』

っと村を出るときにシンから手渡された槍を探し始めた。

しかし、奈津美の槍はシリンが突き刺したところに刺してあり、

とてもここから取りに行くことは出来なかった。

グルルル…

動かなくなってしまったケルヤからシンバは顔を離すと

じっと奈津美を見据える。

「くっ

 もぅダメか…
 
 久美…ごめん」

観念した奈津美はそう思っていると、

『おーぃ、

 ツン、ケルヤ!!』

シリンとシカフ・ククル達の声が響き渡り

見る見る足音が近づいてきた。

『だめっこっちに来ては!!』

その声に奈津美は声をあげると、

『シンバだぁ!!』

『ツンのすぐ傍にシンバが居るぞ!!』

『大変だケルヤが倒れているぞ!!』

奈津美の目の前にシンバが居ることにシカフ達が驚き

そして、いっせいに声をあげながら一斉に手にした槍を構えた。

ルルルルルル…

槍を構え近づいてくるマサイたちにシンバは一人一人確認するかのように眺める。

すると、

『待て』

遅れてやってきたシリンが皆の動きを止めると、

『ツン、これを受け取れ!!』

と声をあげながら奈津美に向かって槍を放り投げた。

しかしそれを合図にするかのように

ゴゥ!!

シンバは唸り声を上げると、

ザザザザ…

奈津美に向けて槍を投げたシリンに向かって走り始めた。

『あっ』

一直線にシリンにめがけて突進して行くシンバの姿に、

奈津美は反射的に駆け出すと、

『だめぇぇぇぇぇ!!!』

と叫びながらシンバの尻尾にしがみついた。

『止めろ!!

 手を離すんだ!!』
 
その様子にシリンは叫び声をあげるが、

しかし、

『だめっ』

奈津美はそういい続けながらシンバの尻尾にしがみ続ける。

すると、

ガウッ!!

尻尾を握り締められたシンバはその場に止まると、

自分の尻尾にしがみつく奈津美に向かって前足を大きく上げた。

その瞬間、

『二度と同じことはしない!!』

奈津美の心の中にあの少年の声が響き渡ると、

「そうよ、負けて溜まるものですか!!」

奈津美はその声に応えるようにそういうと意地でも尻尾を手放さなかった。

すると、

『お前にまた殺させやしない!!』

というシリンの声が響きわたると、

ドスッ

リシンの槍がシンバの咽元から首筋に向けて突き抜け、

『いまだ!』

シカフやククル達の槍も次々をシンバを襲った。

こうして、4本の槍で体を貫かれたシンバは

ゴゥゥゥゥゥゥ!!!

最後の鳴き声をあげると、

ズシン!!!

っとその場に倒れ、そして絶命をした。

『ツン

 ツン』

『え?』

かけられた声に奈津美は恐る恐る目を開けると、

目の前には槍で貫かれ絶命をしたシンバと、

そっと手を差し伸べるシリンの姿があった。

『あっ』

その光景に奈津美の目からはドッと涙があふれると、

『怖かったぁ!!』

と叫びながら奈津美はシリンに抱きついた。



『え?

 これは?』

シリンから手渡されたシンバの尻尾と、

鬣で作られた冠に奈津美が驚くと、

『何を言っているんだ、

 シンバの尾に触れる、

 これはマサイにとってもっとも名誉あることだ、

 これまでにシンバの尾に触れようとして成し遂げなかったものは命を落とし、
 
 そして、尾に触れることが出来たものはモランとなった。
 
 ツン、お前はその尾に触れた。
 
 お前はもぅ立派なモランだ』

シリンは奈津美にそう告げ、

そして、自分の首に下げていた首飾りのうち一つを外すと、

そっと奈津美の首に下げてあげた。

『すげーよなぁツンは』

『あぁ…

 シンバの尾にしがみつくだなんてとても出来ないよ』
 
『負けたよ』

その様子を見ていたシカフ達は口々にそういうと、

これまで馬鹿にしていた奈津美に敬意を表した。

そんな声を他所に

『あっあのぅ、

 ケルヤ…さんは?』

奈津美は自分を手篭めにしようとしたケルヤのことを聞くと、

『あぁ…

 怪我はしたが命には別条はない。
 
 しかし、シンバに背を向けるとは…モランとして情けない』

シリンは軽蔑気味にそう言うと、

マサイ流の応急処置を受け横たわっているケルヤの方を見る。



怪我をしたケルヤを近くの村に運び込み、

その村の長の好意で村内に留まることを許された奈津美達は

与えられた小屋のそれぞれの場所で横になった。

そして、ある決心をした奈津美は

少し離れたところで横になっているシリンの傍に行くと、

『シリン…』

と声をかける。

『ん?』

奈津美の声にシリンが目を覚ますと、

『あっあのぅ…』

奈津美は”自分にシリンの精を注いで欲しい”と頼もうとしたが、

しかし、なかなかその言葉が出てこなくて、

ただそう言いながらモジモジとしていた。

『表に行こうか』

そんな奈津美の様子にシリンはそう誘うと小屋から出て行くと、

『あっ』

奈津美もシリンの後を追って慌てて小屋を出て行った、

小屋肩でたシリンは集落の間を抜けて行き、

そして村はずれの所までくると、

そのままそこに腰を下ろす。

そして、その横に奈津美はおとなしく座ると、

一緒になって夜空を眺めた。

『………』

沈黙の時間が静に流れていく、

『あっあのぅ』

静けさに耐えかねた奈津美がシリンに声をかけてみると、

間髪居れずに

『モランになった気分はどうだ?』

とシリンが奈津美に尋ねてきた。

『え?』

その質問に奈津美は一瞬言葉に詰まると、

『判りません、

 あたし無我夢中だったから、
 
 ただ、シリン、あなたを守りたいという想いでいっぱいでしたので…』

と答えた。

『……そうか…』

奈津美の答えにシリンは短くそう言って頷くと、

『シリン…

 えっえっと
 
 昼間ケルヤが言っていました、
 
 弟を亡くしてから腑抜けになったと…
 
 あっあたしなんてことを』

奈津美は思わず言っていけないことを言ってしまったことに後悔をする。

すると、

『そうだ、

 私は私の不手際で弟を亡くした。
 
 私は私を許すことが出来なかった。
 
 そしてシンに自分の命と引き換えに弟・ツンの復活を頼み込んだ。
 
 すると、シンはツンの魂は遠い国へ行った。
 
 いまは出来ないが時がきたら呼び戻そう
 
 と私に告げたのだ』

とシリンは奈津美に告げた。

『そんな…

 じゃぁあたしって元々マサイだったの?』

シリンの思いがけない言葉に奈津美が驚くと、

すぐにそれは奈津美が思っていたことを口走させるきっかけになってしまった。

『あっあのぅ!!』

そう声をあげた奈津美はシリンの前に跪き、

『あっあたし…、

 今日、シンバを倒してモランになりました。

 でも、まだ誰からもモランの精を受けていません。
 
 でっですから
 
 しっシリンの精を…
 
 あたしにシリンの精を下さい!!』

と懇願して頭を下げた。

言いようもない無言の時間が過ぎていく、

『(だめ?)』

なかなか返ってこない返事に奈津美がそう思ったとき、

『俺のでいいのか?』

と言うシリンの返事が返ってきた。

その答えに奈津美の表情は一気に明るくなると、

『はいっ

 シリンにはあたしの割礼からしていただき、
 
 名前のシリンの弟さんのをもらいました。
 
 ですから、あたしを…
 
 あたしをシリンの弟・ツンとしてモランの精も授けてください』

と元気欲返事をした。

『そんな、大声を出すな、

 みんなが起きる。
 
 こっちに尻を出せ』

奈津美の言葉にシリンは恥ずかしそうにそう告げると、

『はいっ』

奈津美は喜んでシュカをめくりあげ、

シリンに向かって尻を突き出した。

ヒタッ

少し間をおいてシリンの手が奈津美の尻をゆっくりと撫で回しはじめると、

『あっ、いまシリンがあたしのお尻を…』

ゆっくりと動く手の感触に奈津美の股間のペニスは硬く勃起をしていた。

そして、しばらくの間なでまわしていたシリンの手がピタリと止まると、

ヌプッ!!

奈津美の肛門にシリンの指が挿入された。

『ひっ!!』

その瞬間、奈津美の目に火花が散ると、

ビュッ!!

奈津美のペニスから精液が勢い良く吹き上げた。

カァァァァ…

指を入れられただけで射精をしてしまったことに奈津美は恥ずかしくなると、

『恥ずかしがることはない』

シリンは奈津美にそう告げ、

そして、

肛門の筋肉を解きほぐすかのように差し込んだ指を動かし始めた。

『うっ

 あぁっ』

肛門を弄られるその快感に奈津美が腰を捻ると、

グリグリ…

奈津美の反応を弄ぶかのようにシリンの指が動く、

そして、しばらくの間シリンは指を動かし、

やがて、奈津美の肛門が解きほぐれてくると、

『はっ』

シリンは一回大きく深呼吸をした後、

奈津美の臀部に顔を埋め、

ピチョッ

肛門に舌を這わせ始めた。

『はっ!

 シリン!!

 一体何を!!』

自分の肛門の周囲を這い回り始めた舌の感覚に驚いた奈津美が慌てると、

『ジッとしていろ』

シリンの静止させる声が響いた。

『でも』

『痛いのは嫌だろう』

『だって』

『いいからジッとしろ』

『………』

旅立ってからマサイミルクをずっと主食にしてきたために

奈津美は殆ど排泄行為をしてこなかったが、

しかし、肛門を舐めまわされるという事実に

奈津美は恥ずかしさのあまり突っ伏したまま顔をあげようとはしなかった。

やがて奈津美の肛門の周囲がシリンの唾液でべとべとになると、

シリンは顔を上げ、変わりに自分のペニスを静に当てた。

『行くぞ』

『はっはいっ』

シリンのその言葉と共に

グッ!

彼は腰に力を入れると、

ヌプッ!!

奈津美の肛門を犯し始めた。



メリメリメリ!!!

軋むような音を上げ、

シリンのペニスが奈津美の腸管の中に侵入してくる。

しかし、ケルヤのときと違い、

十二分に解きほぐされていた奈津美の肛門はシリンのペニスをすんなりと受付け、

そして飲み込んで行く。

『あっケルヤと違って、

 優しい…』

シリンのペニスを体内に納めつつ奈津美は感覚的にシリンとケルヤの違いを感じ取ると、

ヌプッ!!

シリンのペニスは奈津美の体内奥まで挿入された。

『うぅっ

 あっあぁ…

 あたしの中に
 
 シリンのおちんちんが、
 
 あっあぁ』

自分の体内でピクピクと動くペニスの感覚に

奈津美は自分の体が女の戻ったかのような錯覚に陥ると、

いつしか全身でシリンのペニスを味わっていた。

すると、

ズズズズズズ…

シリンが腰を引き始め、

それと同時に挿入されていたシリンのペニスがゆっくりと引きずり出されて行くと、

グリグリ…

ペニスのエラが奈津美の腸の中を引っかくようにして動いて行く、

『うっあぁ!!』

その快感に奈津美は思わず悶えると、

それを見越したかのように

ズンッ!!!

っと激しくペニスが押し込まれた。

『ぐはっ!』

ズズズ…

『んくっ』

ズンッ

『うっ』

ズル…

『くぅっ』

ズン!!

『んぐっ』

最初はゆっくりとした動きだったシリンの腰の動きが

次第に早くなっていくと、

『んあっ

 くはっ

 んくっ

 あっあぁぁぁ!!』

奈津美は絶え間なく襲ってくる快感に翻弄され始めた。

『いっいぃ

 あっ

 んくっ
 
 あっ、
 
 体の中が
 
 くはぁ
 
 滅茶苦茶になるぅぅぅ』

奈津美は叫び声を上げると、

ペニスも再び硬くなり、

そしてドクドクと先走りを流し始めた。



ハァハァハァ

『うっくっ

 いっいぃ…』

夜空に2人の男のうめき声が響き渡る。

すると、

『ツンよ…』

腰を振りながらシリンが奈津美に声を掛けた。

『んぁ』

しかし、快感に翻弄されている奈津美は呂律の回らない返事をすると

グッ

シリンの腕が奈津美を後ろから抱きしめ、

そして、

『お前は立派なモランだ、

 いま、私がその証を記してあげよう』

と奈津美に告げると、

スチャッ

腰に挿していた短剣を抜き取ると、

奈津美のペニスの下に鶏冠のように垂れているペニスの皮に静かに当て、

『お前が私の精を受け、

 そして自分の精を吹き上げたとき、
 
 コレを取る』

と告げた。

そして、その言葉と共にシリンの腰の動きは速くなっていくと、

『うぉぉぉぉ』

『あっあっあっ

 あぁぁ!!
 
 でるぅぅぅぅぅ!!!』

ついに頂点へと達した。

ドクッ!!

ビュッ!!

シリンは奈津美の体の中に精を注ぎ込み、

奈津美は夜空に向かって精液を高く飛ばした。

「あっあぁ…

 あたしの中に…
 
 あたしの中に…モランの魂が入ってくるぅ…』

奈津美は注ぎ込まれる熱い精にモランの魂を感じ取ると同時に、

スパッ!!

奈津美のペニスに鶏冠の様に下がっていた皮が一気に切られると、

グンッ

血を流しながらエラの張ったモランのペニスが空に向かって聳え立つ。

そして、

『ツン…』

2度目の割礼を施したシリンが奈津美をそう呼びながら背後から抱きしめ、

そして、

『ツンっ

 もぅ、お前を離しはしない』

と囁きながら余韻を味わっていた。



その夜以降、奈津美は以前とはすっかり変わり、

マサイとして…

そしてモランとして逞しく振舞うようになった。

『え?

 村に帰るんですか?』

『そうだ、

 お前達は力を合わせシンバを倒した。
 
 もぅ立派なモランだ』

翌日、驚く奈津美達に向かってシリンはそう告げると、

『やった!!』

シカフ達は声をあげ飛び上がった。

そしてその横では

『村に…』

奈津美は村の方角を見ると思わず手に力が入る。

『どうした?』

『いえ…』

『不安そうな顔をしているぞ』

『そんなことは無いです』

シリンからそう尋ねられた奈津美は気丈に答えるが、

しかし、心の中では、

モランとなった自分の姿を久美が見たらどぅ思うか不安で満ち溢れたいた。

それから数週間後、

奈津美はモランとして久美が居るあのマサイ村へと凱旋した。



つづく