風祭文庫・モラン変身の館






「姉妹」
(第1話:変身)


作・風祭玲

Vol.393





ザッザッザッザ!!

風でなびく一面の草原の中を

身体に巻きつけた朱染めの衣・シュカより黒光りをした肌を晒し

片手に槍を持った少年が走り抜けていく、

『ツンっ!

 無理をするなっ』

すると、その少年の後を同じ服装をした年上の男性が追いかけ

そして彼の行動を引き止めるかのように声を上げる。

『大丈夫だよ兄さん。

 あのシンバを絶対に僕がしとめてみせる』

『引き返せ、

 お前には無理だ』

『もぅ兄さんは…』

次第に焦りの色を伺わせる男性に向かって

恐れを知らない少年の無邪気そうな声が響いたとき、

ゴフッ!!

突然、唸るような獣の声が響き渡ると、

『うわぁぁぁ』

少年の絶叫が響き渡った。



「はっ

 またこの夢?」

少年の叫び後のところで目を覚ました新島奈津美はそう呟くと薄暗い天井を眺めた。

チッチッチッ

窓の外は暗く、彼女の頭もとにある時計はまだ起床時間が来ていないことを指し示している。

「はぁ、

 まったく毎晩毎晩同じ夢ばかり、

 もぅ!」

そう呟きながら日の出前に起こされてしまったことに奈津美は腹を立てると、

八つ当たりをするかのように

ポンッ

と枕を壁に向かって放り投げた。



「お早うお姉ちゃん」

「おはよう…」

朝日が差し込むダイニングで明らかに寝不足の目で朝食を食べている奈津美に向かって、

元気よく2つ年下の妹である久美が朝の挨拶をした。

奈津美は17歳の高校2年生、

妹の久美は15歳・中学3年生である。

「どうしたのお姉ちゃん?

 目の隈すごいよ!!」

姉の顔を覗き込みながらその顔にはっきりと浮き出ている隈を見て久美が驚くと、

「どうしたのじゃないわよ、

 毎晩毎晩、同じ夢ばかり…

 もぅいい加減にして、

 って言いたいわよ」

どよーんとした顔で奈津美はそう呟き、パンをかじる。

「夢?

 夢って、

 なんだっけ、裸のなんとか族とか言う男の子が出てくる夢のこと?

 まだ見ているの?」

姉の話に呆れながら久美はそう返事をすると、

「マサイ族よ、

 マサイ族、

 夢に出てくる連中の身なりから一応調べてみたわ、

 そしたら、どうもアフリカのマサイ族っていう部族らしいのよ」

「へぇ…」

「なに感心しているのよ」

「だって、たかが夢にそこまで調べるお姉ちゃんって凄いなってね」

「あのね」

「で、夢を見る原因はわかったの?」

「それがわかれば苦労はしないわよ」

朝食を食べながら二人はそんな会話をしていると、

「あなたたち、時間は大丈夫なの?」

その会話を遮るように母親の声が響き渡った。



「いってきまーす」

朝食後、

それぞれの制服に着替え終わった奈津美と久美は元気よく玄関から飛び出していくと、

朝の街中へと踊りだした。

「でも、不思議ねぇ…

 同じ夢ばかりを見るだなんて」

毎朝、駅の交差点まで奈津美と久美は仲良く並んで登校するが、

その日は家から出た途端、久美はそう話しかけると、

「うん、そうねぇ」

奈津美は首を傾けた。

サラッ

手入れが行き届いた奈津美の髪が揺れ朝日を受けキラリと輝く、

「うーん

 じゃぁ、そのマサイの人からのSOSなのかな?」

腕を頭の後ろに組みながら久美が空を見上げながらそう呟くと、

「なにそれ?」

奈津美は怪訝そうな顔で聞き返した。

「だってほらっ

 SFなんかであるじゃない。

 どこかの国のお姫様がピンチになって、

 そして、自分を助ける勇者を求めてメッセージを流すの…」

「あのねぇ、

 じゃぁなんでそれがあたしなのよ、

 そして、なんでお姫様じゃなくてマサイ族なのよ」

久美の話に呆れた顔をしながら奈津美が言い返すと、

「でも、あのマサイの子どうなったのかな?…

 どう見ても…」

と夢の中に出てくる少年のその後の安否を心配していた。

すると、

『ツン…』

夢で聞いたその声が奈津美の耳に響き渡った。

「え?」

耳に響き渡ったその声に奈津美が思わず振り返ると、

バッ

周囲の風景がいきなり朝の街中ら見渡す限りの草原へと変わり、

タッタッタッ

奈津美の後の方からシュカを身にまとったあのマサイの少年が走ってきた。

「どうしたのお姉ちゃん?」

突然立ち止まった奈津美に久美が訳を尋ねるが、

しかし、奈津美は答えないまま唖然と立ち尽くしている。

「え?、誰かいるの?」

そんな奈津美の様子に久美は誰か居るのかと、

奈津美が見つめる先を見るが、

しかし、そこには人影は無く、

朝日に照らし出された通学路があるだけだった。

「?」

不思議そうに久美は奈津美の方を見ると、

「なんで…」

奈津美はそう呟き、

まるで、近づいてくる誰かを追うようにその目が動いた。



『大丈夫だよ、兄さん』

奈津美に近づいてくるマサイの少年はそう声を上げると、

彼女のスグ脇をすり抜けようとする。

そのとき、

「あっ…向こうへ言ってはダメ!!」

奈津美はとっさに声を上げると、

いままさに走り抜けようとする少年の腕を掴んでしまった。

その途端、

パァァァァッ!!!

少年の身体は眩い光の塊と化し、

「な?」

「え?」

瞬く間に奈津美と目の前に現れた光に驚いた久美を飲み込んでしまうと、

シュッン!!

かき消すかのように消えてしまった。



「お姉ちゃん、

 お姉ちゃん!」

「ん…

 お願い…

 もう少し寝かせて…」

耳元で響く久美の声と同時に身体を揺り動かされた奈津美はそう返事をしながら体を横に捻る。

その途端、

「もぅ!!

 お姉ちゃん!!!」

炸裂したかのように久美の怒鳴り声が奈津美の耳元で響いた途端、

ハッと奈津美は目を開け、

「え?

 なっなに?」

慌てふためきながら飛び起きると、

「あっあれ?

 久美?」

目の前の久美の姿を見るなり思わずそう言った。

すると、見る見る久美の表情に安堵の色が広がると、

「よかったぁ」

と叫びながら奈津美に抱きついてきた。

「え?

 ちょちょっと」

久美に抱きつかれた奈津美は困惑をしていると、

かさっ

枯れた草の音が身体の下から響き、

そして、抱きつく久美の背後にはオレンジ色がかった青空が広がっていた。

「あれ?

 なんで夕方?

 いま朝じゃなかったっけ?」

夕方を思わせるその空の色に奈津美が驚きの声を上げると、

「そっそう

 たっ大変なのよ!!

 お姉ちゃん!!」

「大変って何が?」

「いいからこれを見て」

「え?…」

あることに気づいた久美はそう言いながら身体をどかすと、

久美の背後から地平線まで見渡すことが出来る荒涼とした台地の光景が

奈津美の目に飛び込んできた。

「え?

 あっあれ?

 ここって?

 えぇ?」

夢の中で散々見てきた風景…

そう、まさにあのマサイの少年が出てくる風景を思わせるそれに

「なっなにこれ?

 あたしまだ夢を見ているの?」

奈津美は思わず困惑した口調でそう口走ると、

「夢じゃないわよ、お姉ちゃん。

 本当のことよ!!」

久美はそんな奈津美に怒鳴ると彼女の頬を思いっきりつねり上げる。

その途端、

「痛い!!」

頬をつねられた奈津美は思わず悲鳴を上げると、

「ほらね」

と言いながら久美は胸を張った。

「でも、なんで?」

「あたしも知らないよ、

 気がついたらここに居たんだもん」

「じゃなに?

 ここってあのマサイの少年が居る所?」

「そんなの知らないわよ!!」

奈津美と久美はそう言いながらお互いに抱き合い、

そして周囲を見渡していた。



「ねぇ、本当にこっちでいいの?」

「知らない」

「えぇ、それって、

 ただ当てもなく歩いているだけなの?」

立ち上がって歩き始めた奈津美の後に続くこと

小一時間、前を歩く奈津美に向かって久美は目的地を尋ねると、

奈津美からの答えは意外なものだった。

「そんな…」

「なに言っているの?

 あんな草地でボケってしているよりも

 こうして動いていたほうがいいに決まっているでしょう」

唖然とする久美に奈津美はそう言い聞かせると、

「でも、お姉ちゃん、

 遭難したら動かないほうがいいと思うけど…」

と久美は奈津美に指摘するが、

しかし、

「とにかくこっちでいいのよ」

奈津美はそう言い切るとズカズカと歩いて行く。



やがて陽が地平線に近づき、

周囲に黄昏の色が濃くなった頃、

「あっ

 この景色…確か…」

奈津美は周囲の景色が夢の中の出てきた光景とそっくりであることに気づくと、

周囲を見渡し始めた。

「どうしたの?」

「うん、夢なら確かこの向こうにマサイの村が…」

久美の質問に奈津美はそう呟きながら

夢に出てきたツンというマサイの少年が住んでいる村を探し始めた。

とそのとき、

「お姉ちゃん!!」

何かを見つけたのか、久美が声を上げた。

「なに?」

その声に奈津美が振り返ると、

「ほらあそこ、

 なんか村見たいのがある」

久美は遠くに見える土壁の集合体を指差し叫んだ。

「あっ、あそこだ!!」

久美が指差したそれを見たとき、

奈津美は夢で見たマサイの村だと確信すると

一目散にその村へ向かって走り出した。

「ちょっと、お姉ちゃん!!」

「間違いない、

 あれはマサイの村よ、

 久美っ助かったのよあたし達!!」

「え?」

「あの村のことあたし知っているから、

 あそこに行けば…」

奈津美はそう叫びながら村めがけて必死で走る。

そして、村が間近に迫ったとき、

『○○○○、○○!!!』

奈津美達を引き止めるような男性の叫び声が響き渡ると、

ザッ!!

草むらより一斉に黒い肌に朱染めのシュカを身にまとった男達・マサイが姿を現し、

『○○○!!』

と叫びながら、

一斉に手にした槍を奈津美たちに向けて放った。

「きゃっ!!」

その光景に奈津美は悲鳴を上げながら即座に立ち止まると、

サクサクサク!!

彼女の周囲に槍が降り注いだ。

「なっなによ!!」

槍に当たることは無かったものの、

しかし、周囲を槍に取り囲まれた奈津美が震えながら声を上げると、

ザッ

マサイ達はゆっくりと奈津美と久美に迫り、

そして、地面に突き刺さった槍を引き抜くと奈津美たちに突きつけた。

「おねえちゃぁん」

奈津美と久美を取り囲んだマサイの様子に

久美は震え上がると泣きそうな声をあげた。

けど、マサイたちはそんな久美の都合などお構いなしに、

『○○○!!』

と声をあげ威嚇した。

するとそのとき、

『○○○!!』

と声がマサイの村の方から響くと

村より奈津美たちを取り囲んでいるマサイ達とは明らかに違う男が出てきた。

「なんか変なのが出てきたよ」

村から出てきた男の姿を久美はそう言いながら指差しすと、

その男の姿は体中に刺青を入れ、

首や腕に怪しげな飾りを見につけ、

全身の筋肉が盛り上がり野性を思わせる男達とは対照的に貧弱で

しかし、なにか呪術でも使いそうな様相だった。

『○○○○○!!』

『○○?』

『○○○っ!』

『○○○』

マサイ達のリーダーと思えしき者と呪術師が少し会話をすると、

やがて話がまとまったらしく、

『○○○!!』

とリーダーが声を上げると、

ザッ

一度は下げられた槍が再び奈津美達に突きつけられた。

「結局何も変わらないじゃない」

その様子に久美が悲鳴を上げると、

『○○○!!』

リーダーは突きつけた槍の矛先で奈津美たちに村に入るように指示をする。

「行けって言っているみたい」

「そうね、行くしかないみたいね」

リーダーの言葉が理解できない奈津美は久美にそういうと、

その指示のおとなしく従い、

奈津美と久美は半裸のマサイ達に取り囲まれながら

マサイの村へと連行されていった。



「痛いっ

 もぅ!

 女の子をもっと大事にエスコートしなさいよ!」

村の奥にある一軒の小屋に奈津美と久美が押し込まれると、

久美は思わずそう悲鳴を上げた。

しかし、

『………』

奈津美たちを小屋に押し込んだマサイ達は何も答えずに、

まるで、忌まわしきものから逃げるようにそそくさと立ち去って行くと、

「まったく(べぇ)」

去っていくマサイ達の後姿を見ながら久美は舌を出す。

すると、いつの間にかあの呪術師が奈津美たちの後ろに立つと、

『○○○○!!』

と話しかけてきた。

「うわっ出たぁ」

突然話しかけてきた呪術師に奈津美と久美が悲鳴を上げると、

『○○○っ!』

呪術師は不機嫌そうな顔をすると、

トンッ

っと右手の人差し指で久美の眉間をつついた。

その途端、

「おっお姉ちゃん…」

久美はそう声を上げ、まるで人形のように動けなくなってしまった。

「久美ちゃん?

 ちょちょっと!!」

妹の変化に奈津美は驚くと、

「ちょっと、

 妹になってことをしてくれるのよっ

 さっさと妹を自由にしなさいよ!!」

怒った奈津美は呪術師に食って掛かった。

しかし、

『○○○○!!』

呪術師は奈津美の文句には一言も答えずに別の呪文を唱えると、

トンッ

っと今度は迫る奈津美の眉間をつついた。

すると、

「あっ…」

奈津美はその場に崩れるように倒れ、気を失ってしまった。

『くくっ』

倒れた奈津美を抱き上げながら呪術師は不敵な笑みを浮かべる。

「こらぁ!!

 この変態!!

 お姉ちゃんに何をしようとしているのよ」

体の自由を奪われても目と口を動かすことが出来る久美は、

姉の身体を抱き上げる呪術師に向かって悪言雑言を言い放つが、

呪術師はまるでこれから起きることを久美に見せ付けるかのように

奈津美を久美から良く見える位置に仰向けに寝かすと、

呪術師はテキパキと作業をはじめた。

「なっ何を始める気?」

次第に高まってくる異様な雰囲気に強気の久美の勢いが押されたとき、

『○○○○!!』

突如、呪術師は声を張り上げると呪術を開始した。

「なっ」

『○○○○○〜っ』

呪術師は歌のように呪文を唱えると、

「うっ」

気を失っている奈津美の口から声が漏れた。

「お姉ちゃん?」

奈津美から声が漏れたことに久美はスグに声をかけるが、

しかし、奈津美は目を瞑ったまま横たわっている。

すると、

『○○○!!』

呪術師は声を張り上げると、

サッ

っとぬ所から短剣を翳し、

その刃先を奈津美の制服の胸元に入れると、

一気に引き下ろした。

ジャァァァァ

呪術師の手によって引き下ろされた短剣は奈津美が着ていた制服が2つに引き裂けると、

ハラリ

奈津美の白い胸の肌が外にさらけ出される。

「なんてことをするのよっ」

その様子に久美は抗議をするが、

しかし、呪術師はチラリと久美を見ただけで、

続いてスカートを引き裂くと奈津美を下着姿にし呪術を再開した。

『○○○〜』

『○○○○、○○』

呪術師の声はあるときは勇ましく、

そしてまたあるときは小さく、

巧みに強弱をつけながら唱えて行く、

すると気を失っているはずの奈津美がうめき声をあげ始めた。

『○○○○…』

「う…ぅ…」

『○○○○…』

「うぅぅ…」

時間の経過とともに二人は徐々にシンクロし始め、

奈津美があげるうめき声と呪術師が唱える呪術とが完全に一致したとき、

『○○○!!!』

呪術師は力強く呪文を唱えた。

その途端、奈津美は白目を剥き、

「ふぐぅぅぅぅぅぅ」

っと全身を強張らせ身体を痙攣させながら力むと、

ムクッ!!

奈津美の股間を包み込む下着の中央部が蠢き、

ムリッ!!

っと何かが奈津美の股間から突き出した。

「え?」

その様子を目の当たりにした久美は驚くと、

ムクッ

ムクッ

ムクッ

まるで脈を打つようにして姉の股間から飛び出した”それ”は蠢き

そして、グングンと伸びていく、

「なっなんなの?

 これぇ!!」

奈津美の股間から下着を押し上げながら成長していく”それ”は、

次第にキノコの傘を思わせるような影を下着に作ると、

グググググ…

下から下着を持ち上げていく。

『○○○○』

その様子に呪術師は満足そうに頷くと、

『○○○!!!』

っと再び呪文の言葉を上げた。

すると、

「うぐうううううう…」

奈津美がさらに声をあげ、

グン!!

彼女の股間で伸びていた”それ”は力強く一気に伸び、

下着を限界まで引き伸ばした。

グググググ…

下着を伸ばしきってもさらに”それ”は伸びようとしたために、

バリッ!!

ついに限界まで引き伸ばしていた下着を引きちぎれてしまうと、

その下着によって隠されていた”それ”は久美の目の前にその姿をさらけ出す。

ビクン!!

「おっおちんちん?」

奈津美の下着を引きちぎって飛び出したそれは紛れも無い男性の性器・ペニスだった。

「なっなんで、お姉ちゃんにおちんちんが…」

ビクンビクン!!

奈津美のペニスは全身ピンク色のままだが、

しかし、まるで刺す相手を探す槍のように脈打ち、そして震えている。

『ふふふふ…』

奈津美の股間から突き出したペニスの姿に呪術師は不敵な笑いをしながら、

祭壇の前で、いまだ身体を震わせ寝ている奈津美の前に跪くと、

手を差し出し、生えたばかりのペニスを握りしめる。

その途端、

「うっ」

ビクッ

奈津美の体は声と共に大きく跳ねると、

「うっうっうっ」

奈津美はしきりに首を振る。

『○○○…』

その様子に呪術師は満足そうな声で呪文を呟き、

そして、ゆっくりとピンク色をしたペニスをしごき始めた。

「うっううう…」

刺激が強いのか意識を失ったままでありながらも奈津美はうめき声を上げ体を激しくゆする。

「やめて!!

 やめてよ」

その様子に久美はそう叫び声を上げるが、

しかし、呪術師はそんな久美の訴えには耳を貸さずに奈津美のペニスをしごき続ける。

シュッシュッ

シュッシュッ

呪術師の手はまるで奈津美のペニスに絡みつくなぞの生き物のごとく、

絡みつき、締め上げ、そして捻りあげる。

すると、しばらくしてから奈津美のペニスが少しづつ変化し始めた。

ペニス全身を覆うピンク色の肌が次第に白くなり、

そして一瞬青みがかった後に次第に漆黒色へと色が変わると、

長さも、大きさも一回り大きくなり、

そして周囲に張り出すカリも厚みも増していく。

「うっうっうっうっ」

奈津美は首を左右に振り、

必死になって呪術師の攻めをに耐えるが、

しかし、

シュシュ

シュシュ

シュシュ

奈津美のペニスが姿を変えてきても呪術師は容赦なくペニスをしごき続け、

呪術師の手が動くたびに、

「あうっ!!」

「うっ」

「うっ」

「うっ」

奈津美は顎を上げうめき声を上げていた。

「おっお姉ちゃん…」

ペニスをしごかれうめき声を上げる奈津美の姿を久美はただ呆然と眺めていると、

「あっでるっ

 でるっ

 でるっ」

突然奈津美はうわごとのようにその言葉を幾度も繰り返し始めた。

「でるって…

 まさか!!」

学校で男のオナニーのことを話で聞いていた久美は

一瞬そのコトを思い浮かべると喘ぎ続ける奈津美を見た。

すると、

「でっるぅぅぅぅぅ!!」

奈津美の力んだその声と同時に

一瞬、腰を激しく上下に動かすと、

プシュッ!!

ピュッ

ピュッ

ピュッ

硬く勃起していた奈津美のペニスの先より

生臭い匂いを放ちながら白濁した粘液が激しく吹き上がった。

「うそっ

 お姉ちゃんが…」

奈津美が射精をした。

その衝撃の光景に久美の目は釘付けになるが、

しかし、奈津美のペニスは溜まりに溜まったものを吐き出すかのように精液を吐き出し続ける。

すると、

ムリムリムリ!!

ヌニュゥゥゥッ

突然、奈津美の女性器の周囲が垂れ下がるように盛り上がると、

見る見る女性器の口が閉じていき

完全に閉じてしまうと皺を刻んだ袋へと変化していった。

そして、

ニュルッ!!

奈津美の体内から飛び出してきた球のような物体がその袋の中に零れ落ちると、

ビクン!!

奈津美の股間にペニスに続いて陰嚢が姿を現す。

「そんな…」

姉の股間に出来上がった男性器の姿に久美は言葉を失うと、

「うぉぉぉぉ!!!」

突然、奈津美は悲鳴を上げると、

メリメリメリ

ググググググ…

今度は奈津美の体全体に変化が始まった。

ミシミシミシ…

最初は両手、

そして後を追うように両足からも何かが軋むような音が響き始めると、

グイグイグイ

奈津美の手足は伸び始め、

次第に奈津美の体には不釣合いな長い手と長い足へと変化していく、

そして手足の変化が終わると今度は

ムクムク!!

っと胸板が盛り上がりはじめると、

ブチッ

胸に着けていたブラを弾き飛ばすと、

奈津美の胸板は乳房を吸収しながらさらに成長し、

それにつれて胸の下の腹筋も盛り上がっていくと、

その腹部に見事な田形を刻み込んでいった。

「お姉ちゃんが…

 おっ男になっていく…」

目の前の姉の肉体が性器だけではなく

その姿も女性から男性へと変化していく光景に久美は目をむき、

そして、衝撃を受けた。

「うっうぉぉぉ」

体の変化が苦しいのか、

奈津美はうめき声のようなものを上げるが、

けど、その声色も女性のトーンの高い声が次第に男性のような低い声へと変わり、

その咽下には咽仏が盛り上がっていた。

しかし、奈津美の変化はこれで終わりではなかった、

すっかり男性の肉体となった奈津美に最後の変化が襲った。

それは色白だった奈津美の肌にまるで墨汁をたらしたような黒ずみが現れると、

その黒ずみは上下左右へと広がり、次第に奈津美の身体全体を覆い尽くしていく。

「まさか…」

すっかり黒くなってしまった奈津美の姿に久美はハッとして呪術師を見ると、

ニヤッ

呪術師は不敵な笑みを浮かべた。

「おっお前の目的はお姉ちゃんを!!…」

それを見た久美はキッと呪術師をにらみつけ、

そして思い切り怒鳴ろうとしたとき、

グッ

呪術師はそれを邪魔をするかのように久美に向けて手を伸ばすとその口を塞いだ。

「うう…」

「んん…」

それでも久美は必死に抗議しようとしていると、

「うん?」

顔と髪だけを残したところで変身が終わったのか、

絶え間なく襲っていた苦しみより解き放たれた奈津美が気が付いた。

「あっあれ?

 あたし…どうしたんだろう…

 確か、呪術師に…」

変身していないことに気が付いていないのか、

目を開けた奈津美は気を失う前の記憶を思い起こしていると

「あれ?久美ちゃん?

 そんなところで何をしているの?」

と唖然としながら呪術師に口を塞がれている妹の姿をじっと見つめた。

「んんっ!!」

久美は力を思いっきり振り絞り、

「こ・のっ!!」

呪術で動けないはずの足を動かすと、

自分の口をふさいでいる呪術師を足払いし、

「(ぶはっ)お姉ちゃん、

 何のんびりしたことを言っているのよっ

 お姉ちゃん。マサイにされちゃったのよ!!」

と思いっきり怒鳴った。

「マサイ?

 なんのこと?」

久美の声に奈津美はコトの事態が飲み込めずそんな返事をしながら、

ふと自分の腕を見ると、

「え?」

視界に入ってきた自分の手の変化に驚き、

そしてすぐに自分の体を見ると、

「え?

 え?
 
 え?
 
 なっなによこれぇ!!!」

と大きな叫び声をあげた。

すると、

久美に足払いされた呪術師がゆっくりと起き上がると、

『ふんっ』

自分を足払いした久美を殴り倒し、

そして、ゆっくりと奈津美の傍に立った。

「いっ妹に何をするの!」

殴り倒された久美をかばうように奈津美が怒鳴る。

しかし、

『○○○○』

呪術師は奈津美達を見下ろすと、

スッ

っと奈津美を指差し、

『ツン…○○○○○○』

と奈津美に向かって告げた。

「ツン?」

呪術師が告げた言葉を奈津美は思わず復唱する。

すると、

「あっ」

奈津美の視界に夢で見た少年の兄であるマサイの顔が一面に浮かび上がると、

何かを必死に叫んでいる様子が彼女の視界に飛び込んできた。

「いやっ

 止めて!!」

それを見た途端

奈津美は悲鳴をあげ、

そして頭を抱え込んだ。

『○○○!!!』

そんな奈津美の姿を見ながら呪術師は声を張り上げると、

ザザザザザ!!

小屋の外で待機していたのであろうか、

再びマサイたちが入ってくると、

気を失ったままの久美と取り乱している奈津美を抱えあげ、

そして、そのまま村はずれにある小屋へ二人を連行していったのだった。



「おっお姉ちゃん?」

翌朝になってようやく気が付いた久美は

呪術師に殴られた頬を抑えながら奈津美に恐る恐る話しかけると、

「こっちに来ないで!!」

ヒステリックに叫ぶ男の声が小屋の中に響き渡った。

その声に久美は一瞬縮こまると、

「あっあの…」

と再度話しかけてみるが、

「見ないで…

 お願いだからあたしを見ないで…

 お願い…」

奈津美は何度もそう呟きながら黒光りする巨体を小さくした。

「……」

昨日、学校に向かって家を出たときは色白の女性の姿をした姉が

いまでは自慢の髪と顔の面影のみを残して、

それ以外は漆黒の肌に覆われた逞しいマサイの姿へと変わってしまっている。

これが夢なら覚めて欲しい…

久美は全裸のまま蹲る姉の姿を見ながらそう思っていると、

すると、

ワイワイ…

早朝の村でマサイ達がなにやら騒ぎ始めた。

「ん?

 なにかな?」

その物音に気づいた久美がその方向を見ると、

「いやぁぁ………」

奈津美は小屋の隅でまるで怯えるかのように両耳を押さえうずくまった。

「お姉ちゃん…」

ようやく差し込み始めた朝日に照らし出される姉のたくましいマサイの肉体を見たとき、

間違いなく奈津美は呪術によってマサイに変身させられてしまった。

そのことを久美は改めて認識していると、

『○○○○○!!』

マサイの言葉を叫びながら数人のマサイ達がこの小屋に近寄ってくると

『○○○○○!!』

『○○○○○!!』

と叫びながら小屋の周りをグルグルと回り始めた。

「なっなんなの?」

まるで小屋の中に居る者を威嚇するようなその声に久美は怯えると、

「やめて

 やめて

 こないでぇ」

彼らの言っている言葉の意味がわかるのか、奈津美はそんなことを叫び始めた。

「あっお姉ちゃん?

 あいつらが言っている言葉の意味がわかるの?」

姉の言葉に久美が思わず尋ねると、

「しっ知らないよっ

 でも、判るのよ、

 あいつら”迎えにきた”って言っているのよ」

と奈津美は久美を見上げそう叫ぶ。

「えぇ?

 そんな事言っているの?」

奈津美の説明に久美が驚くと、

『○○○○○!!』

マサイ達が声をそろえて一斉に叫び声をあげた。

「きゃっ」

叫び声に久美が思わず悲鳴をあげると、

バン!!

小屋の戸が開かれ、

シュカを身にまとい頭にはライオンの鬣で作った冠を被ったマサイがなだれ込んできた。

そして、小屋の隅で蹲る奈津美を見つけるなり、

一斉に彼女の周囲をがっちりと取り囲むと、

『○○○○○!!』

『○○○っ』

と調子をそろえて話しかける。

しかし、

「……」

奈津美は黙ったままマサイ達の問いかけに答えないでいると、

『○○○○○!!』

『○○○っ』

マサイたちは再度同じ言葉で話しかけてきた。

「なっ何をお姉ちゃんに言っているの?」

幾度幾度も話しかけるマサイ達の様子を

マサイ達の後ろから覗き込みながら久美がそう思っていると、

『○○!!』

ついに痺れを切らしたらしく、

一人のマサイが奈津美を指差し叫び声をあげると、

『○○!!』

『○○!!』

他のマサイたちも同じように声を上げ、

質問には答えずに蹲ったままの奈津美に向かって一斉に手を伸ばすと、

奈津美の身体を抱えあげてしまった。

「何をするの?

 やっ止めて!!」

マサイ達の行動に奈津美は驚き悲鳴を上げるが、

しかし、マサイ達はそのまま奈津美を小屋の外へと担ぎ出ていく、

「やめてよ、

 お姉ちゃんに何をするの?

 もぅ十分でしょう!!」

連れ出される姉の姿に思わずマサイたちの前に出でた久美が

一人のマサイの腕にしがみついて引きとめようとするが、

しかし、マサイは拳を振り上げると、

『○○○!!』

と叫び遠慮なく久美の頬を殴りつけた。

「キャッ」

マサイの拳を頬に受けた久美は悲鳴を上げ、

その弾みでつかんでいた腕を離してしまうと、

そのまま尻餅をついてしまった久美を残し、

奈津美はマサイ達と共に連れ出されてしまった。

「お願い、

 これ以上お姉ちゃんに酷いことをしないで!!」

去っていくマサイ達に向かって久美はそう懇願するが、

しかし、彼女のその声はスグに閉められた戸によって最後まで届くことはなかった。



つづく