風祭文庫・モラン変身の館






「入魂」


作・風祭玲


Vol.642






ヒュゥゥゥゥ…

サバンナに乾いたが風が吹き抜ける。

「うっ」

その風にあたしは思わず身構えてしまうと、

「何をしている」

と声が上がった。

「え?

 あっあの…
 
 風が…」

その声に向かってあたしは理由を告げると、

「馬鹿者っ

 モランとなる者が風ごときで怯んでどうする」

と怒鳴り声が鳴り響いた。

「ひっ」

その声にあたしは思わず怯んでしまうと、

「ツバイ!」

人の名前が怒鳴り声となって鳴り響いた。

「はっはいっ」

その声にあたしは返事をすると、

ズイッ

あたしの目の前に黒い顔に赤茶けた髪を細かく選りった男の顔が迫り、

ギュッ!

あたしの両肩が鷲づかみに掴み上げられると、

「ツバイっ

 お前はモランとなる男なんだぞ、

 もっと堂々としろ」

とあたしに向けて言い聞かせる。

「でっでも…」

その言葉にあたしは反論しようとすると、

ムギュッ!

いきなり股間が掴み上げられた。

肌触りの粗いシュカの感覚があたしの股間から突き出ている肉棒を包み込み、

そして、強い圧迫感がそれに伴うと、

「ひゃっ」

あたしは小さな悲鳴を上げた。

「ふんっ、

 みよっ

 お前にはこのような立派なイリガがついているではないか、

 イリガを持つ者、
 
 それは、モランとなる宿命を宿している者だ、
 
 良いか、
 
 これから、あのような情けないことを言うでない、
 
 お前はマサイであり、
 
 そしてモランなんだからな」

男はあたしに向かってそう告げると、

スス…

肉棒を掴んだ手をゆっくりと動かし、

あたしの真下を通ると後ろ側へと移動してゆく。

「あっ」

その感覚にあたしは思わず声を漏らすと、

クニクニ

クニクニ

まるで揉みほぐすかのように菊門を刺激し始めた。

「カゾン…」

刺激に身体を捩らせながらあたしは男の名前を呼ぶと、

「お前はまだモランの魂が足りない。

 だからあのようなことで声を上げるのだ。

 いまから、お前にモランの魂を注ぎ込む」

とあたしの耳元でカゾンは告げる。

すると、

「はい」

あたしの口からその返事が漏れた。



ブッシュの中、人目が付かないこのなかで腹ばいになったあたしは

マサイのシンボルである朱染めの衣・シュカが捲り上げなげらお尻を突き上げる。

すると、

ヒタッ

「うっ」

その露わになっている菊門にカゾンの肉棒の先が当てられ、

「行くぞ…」

と言う低い声が響くと、

グッ!

あたしの腰をカゾンの手が握りしめる。

ズンッ!

メリッ

「うあっ」

菊門をこじ開け、

カゾンの肉棒が入りはじめる。

身体をマサイに作り替えられたあの日から幾度も経験をしているけど、

でも、この瞬間に走る激痛はいまも応える。

メリ

メリッ!

肉棒のひときわ開いた傘の部分が通り過ぎ、

あたしの菊門がすこしすぼまると、

「うっ」

あたしは小さく声を漏らした。

でも、これからが本番である。

カゾンの肉棒先はあたしの体内に潜り込んだのだから。

ググッ!

一休みした後、カゾンの手に力が入り、

メリメリメリ!!

肉棒があたしの奥へと突き刺さる。

「うあっ

 あぁっ」

赤土を握りしめ、

あたしが声を上げると、

「静かにしないか」

とカゾンの声が響き、

ガッ

いきなりあたしの頭を鷲づかみにすると、

そのまま地面に押しつけた。

ズルズルズル…

突き刺した肉棒が引き抜かれ、

メリメリメリ!

また突いてくる。

「あはっ

 うくっ」

体内を往復する痛みにあたしは口の周りより砂埃を噴き上げながら、

声を上げてしまうと、

ズッ

ジュッ

ズッ

ジュッ

カゾンの動きが早くなり始めた。

「あっ

 あっ
 
 あっ」

その動きに合わせてあたしは声を上げ、

そして、押さえて付けているカゾンの手を押し退けながら顔を上げた。

「はっ

 はっ
 
 はっ」

ズ・シャッ

ズ・シャッ

ズ・シャッ

既にカゾンはあたしを突くことだけに夢中になり、

荒い呼吸をしながら腰を動かしていた。

「あっ

 あっ
 
 あぁっ」

お尻が…熱い…

身体が…熱い…

あぁいぃ…

お尻を襲っていた痛みは次第に小さくなり、

熱さと共に快感があたしの中を支配する。

男に肛門を犯される。

女の子だった時には考えられなかったこの行為にあたしは酔いしれていた。

そして、それが行き着く先は…

「うぉぉぉぉ!!!」

激しく腰を動かしていたカゾンが雄叫びを上げると、

ジュワァァァ…

あたしの中に熱く煮えたぎる魂が押し込められた。

「うわぁぁぁぁ」

それを感じながらあたしも声を上げ、

そしてお股で固くなっていたあたしのオチンチンからも

白濁した粘液が吹き出した。

ピッ!

ピピッ!

粘液は勢い良く飛び、

身体に巻いているシュカに染みを作っていく。

ズルッ!

カゾンのオチンチンがお尻から抜かれ、

あたしはグッタリとしながら、

身体の中を蠢くモランの魂を静かに受け止めていく。

はじめてこの感覚を感じたとき

あたしのお股にマサイのオチンチンが生え、

さらに肌に色、体格、

そして、髪の毛も変わり、

あたしはマサイの少年・ツバイになったのだ。

”あぁ…

 身体が熱い…

 あぁ…

 闘いたい…”

カゾンが放ったモランの魂はあたしの心を

マサイにモランへと染めてゆき、

あたしはモランへとなっていく。



ガサッ…

カゾンが去った後、

あたしはブッシュから出ると、

サバンナの遙か彼方でそびえる山々を見つめ、

「はぁ…」

小さくため息をつき、

「マサイになってひと月かぁ」

と呟いた。

一月前、あたしは日本人の女の子だった。

でも、いまは…

お股にオチンチンを持つマサイの少年・ツバイ

そして、マサイの戦士・モランとなるために割礼を受け、

あたしはモランの末席に加えられていたのであった。



もぅこの身体にもすっかり慣れちゃったし、

仮に女の子に戻って帰る事が出来ても

あたし…元通りの生活に戻れるのかしら…

もしも、戻れないのなら…

いっそこのままマサイとして生きたほうが…

ううんっダメよっ

そんな弱気じゃカゾンに叱られる。

絶対に元の女の子に戻んだから、

だって、あたしは…

戦士・モランなんだから!

あっ、ダメッ

オチンチンが…勃ってきちゃった。

どっどうしよう…

まさか、

いまここで”証”を立てろって言うの?



おわり