風祭文庫・モラン変身の館






「モランへの道」
(後編)


作・風祭玲

Vol.593





『あの…これに…』

『何をしているっ

 さっさとそれで髪を洗うんだ』

村に戻った由美子に向かってムクイはある液体が入った器を差し出すと、

それで髪を洗うように告げた。

『でっでも…』

ハエがたかる器を見て由美子が躊躇していると、

『なんだ、

 なにに戸惑っているのだ』

とムクイはその訳を尋ねた。

『だって、

 これ、牛のオシッコでしょう?

 しかも、日にちがたっている…』

アンモニア臭を放つ液体を横目に見ながら由美子は呟いていると、

グッ!

いきなりムクイは由美子の頭を押さえつけると、

ザバッ!!

器に入っている牛の尿を由美子の頭の上から掛け、

ガシガシとそれを髪に馴染ませはじめた。

「うっ

 くっクサイ!!」

強烈なアンモニア臭に由美子は思わず息を止めるが、

しかし、それも長続きさせることが出来ず

「ぷはぁ」

再び深呼吸をしたのと同時に、

ムワッ

アンモニアの臭いが由美子の鼻の中へと入ってきた。

「ゴホッ

 ゲホ

 ゴホゴホ!」

その臭いに由美子は思わず噎せてしまうと、

『なんだ、だらしがない、

 それでもモランか、

 神聖な牛の尿で髪を染めるのもモランのたしなみ…

 よいか、お前のその髪の色が私と同じ紅に染まるまで、

 毎日これで洗うのだ』

グッ!

器を由美子に差し出しながらムクイはそう告げると、

噎せ続けている由美子に押しつけた。

そして、その日から由美子にとってある意味地獄の日々が続き、

髪の色が少しずつ抜けていく反面、

由美子の体臭もアンモニア臭くなってしまい、

その臭いは遠く離れた者からも

はっきり嗅ぎ分けることが出来るほどになってしまった。

こうした由美子の努力もあって、

彼女の髪は燃えるような紅に染まり、

また、染まっていくのにあわせるようにして、

髪を十数本単位でより分け、

赤土を練り込めながら簾状に整えていった。



バラバラバラ…

「これがあたしの髪…」

紅に染められた上に、赤土が練り込められ、

そして細かくより分けられた自分の髪をつかみながら、

村の広場の木陰でに座る由美子は

かつて黒い輝きを放っていた自分の髪の変貌ぶりを眺めていた。

すると、

『ふんっ

 どうした』

そんな由美子の傍にムクイが立つと、

手を伸ばし、

ぎゅっ!

由美子の前髪を掴み上げ縛り始めた。

『あの…』

『じっとしていろ、

 モランは身だしなみは髪で決まる。

 髪の結い方が悪いと

 みっともない上に、

 シンバを倒すことが出来ない。

 お前、

 モランの身だしなみを疎かにするな』

驚く由美子にムクイはそう言いながら、

ギュッ

ギュッ

由美子の髪を手際よく結い上げ、

『むっ

 これでモランらしくなった』

と言いながら離れていくと、

そこには額の上と両耳の上の3カ所で前髪を結い、

そして、背中に流れる髪の裾を縛り上げるモラン独特のヘアスタイルをした

由美子が座っていたのであった。

『これ…』

視界に覗く結われた髪を指で触りながら由美子は呟くと、

『お前はモランの末席に着くことが出来た。

 たったいまからお前はモラン・モタイだ、

 これを持て』

とムクイは告げ、

唖然とする由美子に一本の槍を手渡した。

『これは…』

『その槍はこのサバンナでお前の命を繋ぎ守る槍だ。

 粗末にする事は許さない。

 よいな』

手渡された槍を抱きしめる由美子に向かって

ムクイはそう言うと、

『あっありがとうございます』

由美子は立ち上がるとムクイに向かって幾度も頭を下げた。

すると、

『さて、モタイのイリガもすっかり大きくなった。

 そろそろ、割礼を受けなくてはならない。

 ムカンベと日取りを話し合わなくてなは…』

そう言い残してムクイが立ち去っていくと、

『割礼…』

由美子はその言葉を繰り返していた。

モランになる者は必ず割礼を受けなくてはならない。

このマサイの掟は無論、由美子も従わなくてはならなかった。

『そうか、

 もぅ割礼をしなければならないか』

ムクイの進言にムカンベは感慨深そうに呟くと、

『そうだ、

 モタイは立派なモランだ

 割礼は受けなくてはならない』

とムクイは言う。

『そうか、

 ムクイ、

 お前がそこまでモタイのことを評価するなら割礼をしよう。

 さぁ、モタイよ、

 その服を脱ぎ、私の前に立て』

由美子に向かってムカンベはそう告げると、

マサイの朱染めの衣・シュカを脱ぎ、

裸になって自分の前に立つように指示をした。

『はい』

その声に由美子は返事と共に頷くと、

スッ

チャラ…

胸飾りのトンボ玉の音を立てながら、

身につけていたシュカを脱ぎ、

全裸になってムカンベの前に立った。

『ほほーう

 あの白い女の身体がここまで逞しくなったか』

女と言うより筋骨逞しい男の裸と言っても過言ではない由美子の肉体を眺め、

ムカンベは感慨深そうに呟くと、

『ここまで変化をさせた。

 あとは、割礼と共にムカンベの秘術を施せばモタイはモランとなる』

とムクイは言う。

『うむ…

 では、先に秘術を施すとしよう』

ムクイの言葉にムカンベは座り直すと、

『むんっ!!』

由美子の身体を前にムカンベは呪文を唱えた。

すると、

トクン!!

『あっ

 身体が…熱い…』

すぐに由美子は自分の身体が異常に火照りだしたことに気づくと、

『くはぁっ

 あっ』

あえぎ声を上げながらその場に膝を突いてしまった。

すると、

『誰が座っていいと言った』

そんな由美子にムクイの言葉が突き刺さるが、

しかし、

『うっ

 くはぁ』

由美子は幾度も立ち上がろうとするものの、

膝に力が入らないのか、

少し腰を上げては膝を折ってしまっていた。

『…………』

その間にもムカンベの呪詛は続き、

『うぐっ

 がぁぁっ』

悲鳴を上げる由美子の身体に変化が始まりだした。

ミシッ

ミシミシミシっ

響くような音を上げながら由美子の手足が伸びてゆくと、

グッググググ…

その身長が伸び始め。

また、

ムリムリムリ!!

すでに盛り上がっていた筋肉がさらにしなやかに

そして、逞しく盛り上がり、

由美子のシルエットをモランのそれへと変えてゆく。

『あっあぁ…

 あたし…

 変わっていく…

 モランに…

 なってゆく…』

変化してゆく自分の姿に由美子は至福と興奮を感じているとき、

『……っ!!』

突然、ムカンベの呪文が途絶えた。

すると、

シュゥゥゥゥン…

由美子の身体の変化が止まり、

それどころがまた以前の姿へと戻り始めてしまった。

『あっ

 あっ

 なっなにが…

 やめて、

 あたし、モランになりたいのに』

呪文がかけられる前の状態へと戻っていく自分の体に由美子は戸惑っていると、

『ふむ』

呪文を中断したムカンベは大きく頷き、

『モタイ、

 お前に最後の試練を与える。

 その試練を乗り越えたらモランにしよう』

と告げた。

『試練ですか?』

ムカンベのその言葉に由美子は驚くと、

スッ

ムカンベは由美子を指さし、

『自分のクニに戻り、

 お前を生んでくれた親にモランになることを告げてくるのだ。

 よいなっ』

と指示を告げた。

『え?』

ムカンベが告げたその言葉に由美子は驚くと、

『ふふっ

 モタイ、お前はすでに私の養子となっている。

 だが、まだそのことを二親には告げていないであろう。

 行ってくるがいい、

 そして、戻ってきたとき、

 モタイはモランとなる』

そんな由美子にムカンベは言い聞かせるように告げた。

こうして、年末の日本にモタイ、

いや由美子は3年ぶりに帰国したのであった。



ガラッ

「たっただい・ま…」

やや不自由になりつつある日本語で挨拶をしながら由美子は自宅の玄関を開けると、

「由美子っ!!」

真っ先に飛んできたのは母親の声だった。

「あっあの…」

「あんたって子は3年近くもどこをほっつき歩いていたのよ」

「あの…」

「ちょっとお父さん」

すぐにムカンベの事を話そうとした由美子だったが、

しかし、場の主導権を瞬く間に母親にとられ、

そのまま両親と妹が待ちかまえるいまへと引きづり込まれてしまった。

そして、その場で由美子は自分の想いとともに、

マサイに…モランになりたい旨を伝えたのだが、

「なに馬鹿なことを言っているんだ」

「そーですよっ

 マサイ族のそのモラなんとか言うものになったからと言って、

 何かに役立つわけではないでしょう?」

「全くだ、

 3年も音信不通になりおって、

 やっと戻ってきたと思ったら…」

「そうですよ、

 どれだけお父さんが心配したのか判っているの?

 もぅ、その変な髪型、

 さっさと直すんですよ」

「まったく、

 東京の学校に行きたいと言うから行かせてやったのに、

 学校にはろくに出ず、

 挙げ句の果てにはずっとアフリカにいただなんて、

 しかも、モランになりたい。だなんて…」

由美子の両親は彼女の言葉を全く相手にせず、

そう結論づけると、腰を上げてしまった。

「あっあの…」

そんな親を由美子は引き留めようとするが、

しかし、

「もぅ、

 みぃんな、お姉ちゃんの身勝手のせいだからね」

妹の敬子が文句を言うようにして由美子の肩を叩くと、

「あっちょっと、

 お父さん、

 お母さん、

 あたし、もう女の子じゃないのよっ!」

と由美子は叫ぶものの、

その声に返ってくる言葉はなかった。

「もぅ…

 女の子じゃないんだから…」

一人取り残された居間で由美子はそう呟き続けるものの、

「私はもうマサイの戦士・モランの身体になってしまってるの」

と日本人女性ではなくなりかけているこの自分の身体を

両親や妹に見せつけることはどうしてもできなかった。



パタン…

3年ぶりに由美子はかつて自分が過ごした部屋へと入った。

「あっ…

 昔のままだ…」

そう、由美子の部屋は3年前のあの日、

彼女が東京の学校へと進学し、

親元を離れていったときのまま、

まるで時間が止まったかのように由美子を迎え入れてくれた。

そして由美子は高校卒業の時にクラスメイトともに写した写真を見つけると、

懐かしそうに眺め始める。

「みっちゃんに、

 あゆちゃんに、

 しょうこちゃんに、

 さよちゃん。
 
 みんなどうしているかなぁ…」

写真を見つめながら由美子はささやくと、

この3年という時間を思わず実感するものの、

ビクンっ

そんな由美子の股間に下がる、

女性には絶対にあってはならない男の器官・ペニスが反応すると、

「あっ」

由美子は思わず前屈みになり股間を押さえる。

そして、自分の姿を映し出す姿見に視線を送ると、

そこには墨汁を塗ったかと思えるほどの黒い肌に、

紅に染め上げ前髪を結い上げている者の姿が映し出されていた。

「はぁはぁ…」

鏡に映るマサイ化した自分の姿を見つめながら由美子の息が次第に荒くなっていくと、

「あたし…

 モラン…
 
 マサイのモランになっちゃったの…」

と荒い息と共にそう呟き、

そして、

パサ…

着ていた服を脱ぎ去ると、

ムキッ!

その鏡に逞しく変化した自分の身体を映し出した。

「ハァハァ

 ハァハァ
 
 見て…あたし…

 モランよ…
 
 マサイのモラン…
 
 夢にまで見ていたモランになったのよ、
 
 すごいでしょう、
 
 ねぇ見て、
 
 ほら、マサイ村を訪れるモラン達のたくましいペニスを受け入れ、

 大量のモランの魂を飲み込んできたこの褐色のアヌス、

 筋肉が張り、へこみも出来たお尻、

 田形の溝が彫り込まれたオヘソ周り、

 乳房の代わりに盛り上がっている胸。

 すっかりサバンナの戦士・モランとなったあたしを見て、

 モランに憧れていた昔のあたし…
 
 あたしね。
 
 念願叶ってモランになったのよ」

ムクッ!

股間より肉棒を奮い立たせながら由美子は鏡の中のもぅ一人の自分に話しかける。

そして、

シュシュッ

シュシュッ

無意識に肉棒をしごき始めると、

「あっぁぁん、

 感じちゃう。
 
 あっあたし…
 
 モランなのに感じちゃう!」

あえぎ声を上げながら、

シュシュッ

シュシュッ

さらに激しくしごき始めた。

すると、

「ちょっと、お姉ちゃんっ

 さっきから何騒いで…」

と隣の部屋にいた妹の敬子が怒鳴り込んできた。

そして、姉である由美子に一言文句を言おうとしたとき、

鏡と向かい合っている姉の肉体を見て思わず言葉を詰まらせた。

「敬子…」

「おっお姉ちゃん…

 そっそれなによっ」

姉の股間からいきり立つ肉棒を指さして敬子が声を震わせると、

「うふっ

 お姉ちゃんね。
 
 マサイ族のモランになったのよ。
 
 ねぇあたしって逞しいでしょう(ムンッ)」

そんな敬子を見据えながら由美子は誇るかのように身体に力を入れると、

ムキッ!

屈強のボディビルダーとまでは行かないものの、

由美子の身体が逞しく盛り上がる。

「きゃっ!」

それを見た敬子が思わず悲鳴を上げると、

バッ!!

それを見た由美子は素早く敬子に飛びかかり、

そして、口を思いっきり塞ぐ。

「んーっ

 んんっ
 
 んーっ」

姉に組み敷かれた途端、

敬子は目を剥いて抵抗を試みるが

しかし、モランとなっている由美子に叶うはずもなく、

逆に由美子の黒い手が敬子の股間をまさぐり始めだしていたのであった。

「んんっ

 んーっ!!!」

痴漢を思わせる由美子の手の動きに敬子は目で抗議するが、

由美子はそれらを一切無視すると、

いきなり69の姿勢になるなり、

「さぁ、

 あたしのオチンチンを嘗めて」

と言いながら固く勃起している自分のペニスを敬子の口元に押し当てた。

「(ぷはっ)

 やめて!!
 
 おねえちゃん。やめて!!
 
 あたしよ、妹の敬子よ」

敬子は由美子に言う、

しかし、

「えぇ判っているわ、

 さぁ、嘗めて、
 
 嘗めなさい敬子、
 
 じゃないと痛い思いするのはあなたよ」

とはじめは柔らかく、

そして、後の方では脅すかのような台詞で告げた後、

クィ

ペニスを一端離し、

そして、手を添えながら、

ヌプッ!!

開きかけていた敬子の口中に自分の発達途上のペニスを押し込んだ。

「むぐっ!」

無理矢理押し込められた姉のペニスに敬子は目を白黒させていると、

「噛んだら承知しないからね」

由美子は囁き、自分の腰を振り始めた。

「むぐぅぅぅ!!!」

「あぁいいわ…

 敬子があたしのイリガを嘗めている、
 
 あぁ、いっ
 
 いぃ
 
 いいよぉ」

ジュボ!

ジュボジュボ!!

由美子は恍惚としながら

妹の口に黒くヌラヌラ光る自分のペニスを出したり入れたりをしていると、

「えへへへ…」

その表情の中に、次第に野獣を思わせる表情が現れ、

そして、激しくつき始めた。

ジュボジュボ!!

ジュボジュボ!!

「あぁっ

 うくっ
 
 あぁぁっ
 
 もっもぅ…
 
 あぁぁぁ!!!」

モランの紅髪を振り乱し、

敬子の股を押さえつけながら激しく腰を動かしてきた由美子だったが、

限界点に到達する直前。

ヌポッ!

いきなりペニスを抜き取ると、

「あぁっ

 我慢できない!!」

と叫ぶや否や、

目の前の敬子の下着をはぎ取り、

ドタン!!

姿勢を変えると、

彼女の秘部に自分のペニスを押し込み始めた。

「いやぁぁぁ!!!」

「んあぁぁぁ!!!」

まさに悪夢であった。

野獣と化した姉・由美子が妹に襲いかかり、強姦をする。

敬子にとってまさに悪夢としか言えない光景であった。

「やっ

 やめて、お姉ちゃん」

由美子に突かれながら敬子は必死に訴えるが、

しかし、妹のその声は由美子には伝わらず、

由美子はただ身体の中からわき上がってくる獣のような欲望の赴くまま

妹を突きまくっていた。

そして、その中で由美子は次第に男として、雄として染まってゆき、

ムリムリムリ!!

ベキベキベキ!!

妹を犯すその身体が大きくなって行くと、

ムリッ!!!

股間から生えるペニスもその太さと長さを増していく。

パンパンパン!!

「ひぃぃ

 ひぃぃ
 
 ひぃぃ」

「あっあぁ

 あぁぁ!!
 
 でっでるぅぅぅぅ!!!!」

身体の奥からわき出してくる射出感に酔いしれながらも、

由美子が力を込めた途端。

パチン!

「あっ!」

一瞬、由美子の視界が弾けると、

ジュゥゥゥゥッ!!!!

由美子は妹の膣の奥深くに自分の熱い体液を放ってしまった。

「あっあっ

 あぁぁぁぁぁ!!!」

自分の身体からほとばしる熱い体液。

それはまさにモランの象徴でもあった。

そして、その感覚を由美子が味わっていると、

ムリンッ!!!

由美子の股間に一対の睾丸を納めた袋が垂れ下がっていった。



「お父さん、

 お母さん、
 
 突然、出発してごめんなさい。

 あたし、やはりこの家には居られません。

 実は言えなかったのですが、
 
 あたし、すでにマサイ族になって居るんです。
 
 憧れだったマサイ…
 
 サバンナの勇者マサイ…
 
 あたしの身体にはそのマサイの魂が息づかい。
 
 そして、その証も刻み込まれていました。
 
 あたしが乗っている飛行機はもうすぐアフリカに着きます。

 そして、マサイ村に戻ったら、

 次の秘術があたしの施されます。

 そう、この顔を

 唯一、三枝由美子としての証である、

 この顔をモランの精悍な顔にして貰うのです。

 そうなれば、仮にお父さんやお母さんがサバンナに
 
 マサイ村にきたとしても

 マサイ達の中からあたしを見つけ出すことは出来ないでしょう。

 あたしは正真正銘のマサイ族の戦士モランになるのです。

 辛くはありません。

 悲しくはありません。

 いえ、それどころか、

 ずっと憧れだったマサイ族の戦士になれることが嬉しいのです。

 あぁ…

 おちんちんが…イリガが固くなってきちゃった。

 あたし…マサイになります。

 マサイになったら、

 きっと、日本語のしゃべり方や数の数えかた、

 そして、計算の仕方なども忘れていくでしょう。

 でも、それらを失ってもあたしはかまいません。

 だって、あたしはマサイの戦士・モランなんですから、

 あぁ…いまとっても幸せです。
 
 最後に、敬子、ごめんね」



おわり