風祭文庫・モラン変身の館






「キルカ」


作・風祭玲

Vol.273





「くはぁ……

 はぁはぁ…

 うぐっ!!」

あたしは大きく荒い呼吸をした後、

再び唇をかみしめる。

ポタ…ポタ…

大粒の汗が頬を幾度も伝わると、

顎の下から滴となって床に小さな水たまりを作っていく、

その一方で、

ミシッ

ミシッ!

あたしの身体中から筋肉が軋む音がこぼれ、

そして、漆黒色の肌からは獣を思わせる体臭が立ち上っていた。

「なかなかしぶといのね

 さっさと勇者の証を立ててしまえばそんなに苦しむことは無いのに…」

そんなあたしを見下ろすように女の声が響き渡ると、

プルン!!

漆黒の肌に露わにした乳房、

腰に巻いた朱染めの布・シュカと幾重にも首に巻かれた首飾り・マシパイ…

そうマサイの女・キルカがあたしの前に跪き話しかけてきた。

「うっうるさいっ」

あたしは野太い男の声で怒鳴り返すと、

「ふふふ…」

キルカはそっと手を差し出すと

ギュッ

あたしの股間でその存在を誇示している肉棒=ペニスを掴んだ。

「(ビクッ)やっやめてっ」

まだ敏感な状態の器官を鷲掴みにされた感覚に

あたしは思わず声を張り上げながらキルカの手を掴むと、

「何をするの?

 あなたがなかなか勇者の証を立てようとしないから

 あたしが代わりに立ててやろうとしているじゃないの』

キルカの厚い唇があたしにそう告げるように動くと、

「戻して!!

 あたしの身体を元の女の子の姿に戻してよ!!」

あたしは叫び声を上げた。

すると、

クッ

その様子を見ていたキルカはあたしの顎を指で上げ、

「ふぅぅん、それは無理ね、

 だって、ほらっ

 見ての通り、あなたの身体はもぅマサイの勇者・モランなのよ、

 だから、なにもかもすべて任せてしまいなさい。

 そうすればこんなに苦しまなくていいのだから」

キルカはそうあたしに告げるが、

「そんなことよりも、

 あたしのお兄ちゃんを返してよ、

 あなたが乗っ取ったお兄ちゃんを返してよ」

苦しい息を吐きながらあたしは訴えた。

「お兄ちゃん?

 あぁ、この身体の持ち主だった男?」

キルカはあたしに向かってそう答える。

すると、

「ふふふ…

 あの男はもぅ居ないわ、

 だって、とっくに心も体もあたしの中に溶け込んじゃったのよ、

 ほらっ、もぅ何処にもあの男の面影は無いでしょう」

キルカはそういながら

黒い肌に包まれた女の身体をあたしに見せつけるように軽快にクルリを回った。

「溶けた?

 それじゃぁ…」

「そう…もぅどこにも居ないわ、

 だから、あなたもそんなに意地を張らずにモランになりなさい」

「そんな…お兄ちゃんが…」

あたしはキルカの言葉にただ呆然としながら

あたし達を襲ったこの事件の始まりのことを思い出していた。



そうあれは、バスケ部の試合の後のことだった…

タンタンタンッ!!

「きゃぁぁぁぁ」

大声援の中、あたしは次々を襲いかかってくる手をかいくぐるように

ボールをバウンドさせながらすり抜けていくと、

バッ!!

相手の虚を突き高く飛び上がると相手のゴールめがけてシュートをした。

「………」

すべての騒音が消え、

茶色のボールは音の存在しない空間をゆっくり弧を描きながら突き進む、

そして、

カシャン…

ボードに軽い音を立てながらボールはリングの中へと沈んでいった。

「きゃぁぁぁ!!

 やったぁ!!」

わき起こるような大歓声があたしを包み込む。

「おっしっ!!」

床に足を着いたあたしはガッツポーズをした。



「やったぁ!!」

「ベスト4よベスト4!!」

「次勝てば夢の決勝進出よ!!」

試合後の更衣室の中は文字通りのお祭り騒ぎになっていた。

「ほらほら、あまりはしゃがないのっ

 あんまりはしゃぐと勝利の女神に愛想を尽かされるわよ」

女子バスケ部キャプテンの声が響くと、

「そうよ、あんまり浮いていると、

 次は一気に奈落の底っていうのは良くある話なんだからね」

「はぁ〜ぃ」

あたしも浮き上がるみんなに忠告をすると騒ぎは一段落した。

「でも、新井さんのシュート、今日も冴えていましたね」

「そう?」

部員達の声にあたしは嬉しそうな顔をすると、

タオルを片手にシャワー室へと入っていった。

「はぁ…」

湯煙と共にあたしはシャワーを浴びると、

「コレも、お兄ちゃんに貰ったマサイの腕輪のお陰かな?」

っと右腕につけたままのビーズ製の腕輪に視線を向けた。

そうこの腕輪はアフリカ旅行をしてきたおにいちゃんのお土産だった。

キラリ…

お湯を被ったビーズの腕輪が光を放つ、

「ふぅ…」

身体を暖めるお湯にあたしはしばしまどろむと、

ビン!!

「え?」

突如股間を走った突っ張ったような感覚に思わず股間を覗き込むと、

ビクン!!

あたしの割れ目から小さな肉芽が飛び出すと真っ赤に充血をしていた。

「やだ…なにこれ?」

突然のことにあたしは動揺しながらそっと肉芽を突っつくと、

ビクン!!

体の中を電撃が走り抜けたような衝撃が襲った。

「ヒャウン!!」

フラリ…

強烈な快感にあたしは思わずしゃがみ込んだが、

しかし、肉芽の突っ張り感はさらに強くなり、

ムクッ

ムクッ!

少しずつ成長していった。



「どうしちゃったんだろう…あたし…」

ピョコン

っと顔を出したままの肉芽をそのままにシャワー室から出ると、

すでに更衣室には部員達の姿は消え、

「あぁ、やっと出て来た…

 もぅ長湯は止めてよね」

一人であたしを待っていたキャプテンはそう言いながら、

「あとは、ココの戸締まりをするだけだから、

 カギのほうよろしくね」

と言い残してキャプテンはあたしにカギを手渡すと更衣室から出て行った。

「はぁ…」

誰も居なくなった更衣室であたしはそっとタオルを外すと

ムクリッ!!

更に大きさを増した肉芽をシゲシゲと眺めた。

「うわぁぁぁ…

 また大きくなっている…」

既に小指の大きさに成長した肉芽をそっと指で触ると、

ビクン!!

「あぅぅぅぅ」

強烈な刺激が体の中を突き抜けていった。

ガックリと腰を落としたあたしはその場に座り込むと、

「はぁはぁ…きっ気持ち良い…」

肩で息を吐きながら親指と人差し指で肉芽をそっと抓むと、

グリッグリッ

っと軽く扱き始めた。

「あっあっあっ」

ビリビリと快感のさざ波があたしを襲う、

「くはぁぁ、いぃ…いぃ…」

あたしは無意識に自分が着たいたユニホームに手を伸ばすと、

その匂いを嗅ぎ始めた。

ムワァァァァ

っと香ってくる甘い汗の匂いが溜まらなく感じられる。

「あぁ、ダメ、イッちゃう、イッちゃう!!」

徐々に込みあげてきた絶頂にあたしは翻弄させると、

ついに、

「あっあぁぁぁぁぁ!!」

あたしは絶頂を迎えてしまった。

「はぁ…はぁ…

 凄い…なんで…こんなに感じるの?」

ふらふらになりながらあたしは再びシャワー室に向かうと

すっかり洪水状態の股間をシャワーで洗い流した。

ムクッ!!

しかし、肉芽は萎えることなく相変わらず勃起したままだった。



ガチャッ!!

股間を気にしながらあたしが更衣室から出てくると、

「よっ、あゆみ!!」

と言う声と共に一人の男性が片手を上げてあたしを出迎えてくれた。

「お兄ちゃん!!」

あたしはそう叫ぶとちょっと顔を赤らめた。

「随分と時間が掛かったようだけど」

腕時計を眺めながらお兄ちゃんがそう言うと、

「え?そっそう、

 女の子は色々と掛かるものなのよ」

あたしはさっき更衣室でした行為を悟られないように返事をした。

「あゆみ…

 それにしてもお前でかくなってないか?」

あたしの傍に寄ったお兄ちゃんがあたしを見上げながらそう言うと、

「え?…」

そのとき、あたしは自分の視野が少し高くなっていることに気づいたが、

しかし、

試合後に掛けてくれた言葉がお祝いの言葉でなかったことに

あたしはカチンと来ると

「なによ、お祝いを言ってくれるんじゃないの?」

とやや膨れ気味に文句を言った。

「いやぁ…

 直前までそれを言おうと思ったんだけど、

 あゆみの傍に来たらなんか体の大きさに圧倒されちゃって」

「もぅなに言ってんの、

 お兄ちゃんとなら毎日会ってるじゃないのっ」

相変わらずの兄ちゃんにあたしはちょっと怒鳴り気味に文句を言うと、

「あはは、すまんすまん…」

そう謝りながら笑うお兄ちゃんの腕にもあのマサイの腕輪がキラリと光った。

マサイの腕輪はペアで作られていて

あたしとお兄ちゃんの腕に巻かれていたのだった。



「んくっ」

「んっく」

夜、試合の疲れもあって早々と床についたあたしだったが、

でも、無意識に両手が股間をまさぐると、

すっかり人差し指サイズに成長した肉棒を扱いていた。

ジーン…

「あぅぅぅ!!」

指で擦るたびにあたしは仰け反り荒い息をする。

そして、身体の奥からこみ上げてくる熱いモノを感じながら

「(かは)いっいくぅぅぅ」

絶頂を迎えていた。

そして、

絶頂を迎える事に肉棒はさらに成長し、

そして、身体からミシミシと軋むような音がこぼれ始めていた。

「くはぁ…」

もぅ何回逝ったか判らない…

ふと気がつくと、窓の外は白々と明け始めていた。

「はぁ…

 もっもぅ朝?」

フラフラになりながらあたしが床から抜け出ると、

「え?なに?コレ…うっそぉ!!」

あたしは着ていたパジャマがすっかり小さくなり、

さらに肌の色がまるで日焼けしたように黒く染まっていることに気づいた。

「なんで?

 どうして?」

慌ててパジャマを脱ぎ捨てたとたん、

「そんなっ」

あたしはその場にへたり込んでしまった。

ミシッ

あたしのお腹には田形のクッキリとした溝が姿を現していた。

「なんで…」

呆然としていると、

「うわぁぁぁー」

突如、お兄ちゃんの叫び声が鳴り響いた。

「(はっ)お兄ちゃん!!」

その悲鳴に思わずあたしは飛び出すとお兄ちゃんお部屋に駆け込むと、

「あっあっあっ…」

お兄ちゃんは信じられないような表情をしたまま呆然と自分の掌を眺めていた。

「どっどうしたの?お兄ちゃん?」

お兄ちゃんのただならない様子に声を掛けると、

「あっあっあゆみ……か?」

そう言いながらお兄ちゃんはあたしの方に振り向いた。

すると、

「なっ?」

じわっ…

あたしの前に差し出したお兄ちゃんの手は徐々にそしてゆっくりと

まるで日焼けしたように色が濃くなっていくと

茶色からさらに漆黒色へと変わっていった。

「おっお兄ちゃん……そっそれ…」

あたしにはそれ以上の声は出なかった。

しかし、お兄ちゃんを襲った異変は手だけに留まらず

手先からジワジワと腕の方へと広がっていき、

そして肌の色が変色したところから、

見る見る萎むように筋肉の張りが消え、そして細くなっていく。

「おっお兄ちゃん!!」

指を指しながらあたしが声を上げると、

「あっ!!」

何かに気づいたのかお兄ちゃんが胸を押させた。

その途端、

プクッ!!

ムリムリムリ!!

その手を押し退けるようにお兄ちゃんの胸が膨らみはじめた。

「あっあっあっ」

膨らんでいく胸はシャツを押し上げ、

勃った乳首をクッキリと浮かび上げる。

「うわぁぁ!!」

その様子にお兄ちゃんは大慌てでシャツを脱ぎ捨てると、

プルンっ!!

黒光りする肌に覆われた2つのオッパイがこぼれ落ちて見せる。

「うわぁぁ…

 あたしのよりスゴイ!!」

あたしはたわわに揺れるお兄ちゃんのオッパイを興味津々そうに眺めると、

「いやぁぁぁ!!

 見ないでぇ!!」

まるで女の声のような声色でお兄ちゃんが声を上げると、

厚く盛り上がった乳輪を両手で隠しながらあたしに背を向けた。

「あっ」

ドキン!!

お兄ちゃんの後ろ姿を見たあたしの胸は高鳴った。

そして、それに惹かれるようにあたしの手が伸びていくと、

お兄ちゃんを後ろから抱きしめた。

「あゆみ…何を…」

怯えるようにしてお兄ちゃんはあたしを見るが、

あたしの手はお兄ちゃんの手の下に潜り込んでいくと、

固くなっている乳首を弄び始めた。

ビクン!!

お兄ちゃんの身体が小さく揺れる。

「お兄ちゃん…感じているの?」

そう言うあたしの股間はいつの間にか肉棒が痛いくらいに勃起し、

そしてそれお兄ちゃんの身体にこすりつけながら尋ねた。

「やっやめて…こんな事は…

 そっそれに、あゆみっ、

 お前、これはなんだ!!」

お兄ちゃんは歯を食いしばるように叫んだ。

「ふふ…かわいい…

 お兄ちゃん…かわいいよ」

お兄ちゃんの耳元であたしはそう囁く、

すると、

「いっ痛いっ

 痛いっ痛いよ

 あゆみ!!」

お兄ちゃんが泣き出しそうな声を上げた。

「いやよ」

すっかり黒い肌に覆われてしまったお兄ちゃんの姿にあたしは興奮すると、

そのまま股間の方へと手を伸ばしていく、

そのとき、

メキメキ!!

お兄ちゃんの体から骨が軋むとうな音が響き渡ると、

肩幅が徐々に狭まり、

それに合わせるようにしてお兄ちゃんのウェストも引き締まっていく。

「お兄ちゃん…女の子になっていっているんだ」

ズボンの中に手を入れたあたしは、

お兄ちゃんの股間からオチンチンが消えているのを知るとそう囁く、

すると、

「いやぁぁぁ!!」

すっかり顔が変わり女の子のような丸い顔をしたお兄ちゃんは両手で顔を隠した。

「ふふ…」

あたしは小さく笑いながらお兄ちゃんの出来たばかりの秘所に手を這わせた。

すると、堰を切ったように愛液が噴出した。

「お兄ちゃん…

 スゴイよ…

 洪水になっているよ」

心臓の動機を押さえながらあたしはお兄ちゃんそう告げると、

「んっんっんっ」

お兄ちゃんは歯を噛みしめ眉間にしわを寄せる。

ニュプッ

あたしの手は徐々に大胆になり、

片手でお兄ちゃんの秘所を開くと、

もう片方の手でまるで抉るようにしてお兄ちゃんを攻めた。

「あっうぅっ!!」

お兄ちゃんは腰をくねらせながらあたしの攻めに耐える。

そして、その姿があたしをより一層興奮させた。

クチョクチョ!!

卑猥な音を立てながら

「あぁ…だめっ、いっいっちゃうっ」

お兄ちゃんは声を上げると、

「あっあぁぁぁぁっ!!」

ついに絶頂を迎えてしまったのであった。



「ふふ…お兄ちゃん…」

グッタリしているお兄ちゃんを眺めながら、

あたしは手に着いた愛液を一口舐めていると、

「うふっ、ありがとう…」

女の口調でお兄ちゃんが起きあがっると、

妖美な視線であたしを見据えた。

「え?、どうしたのお兄ちゃん?」

お兄ちゃんのただならない様子にあたしは慌てると、

「お兄ちゃん?

 ふふ…あたしの名はキルカ…マサイの女よ…」

そう言いながらお兄ちゃんはあたしの前に立つと、

「あなたには感謝しなくてはね、

 あなたのお陰であたしはこうして現世に戻ってくることが出来たのだから」

と言いながら漆黒の手であたしの頬を撫でた。

「どっどうしたの?

 お兄ちゃん、しっかりして」

あたしはそう訴えると、

「お兄ちゃんの心配よりも自分の心配をしたらどうなの?」

キルカはあたしにそう告げ、

そっと、あたしの股間に手を伸ばすと、

ギュッ!!

と股間の肉棒を掴んだ。

「あぁっ!!」

肉棒を捕まれたあたしは身体をよじると、

「こっちもすっかり成長したみたいね

 見事なカーリィよ」

キルカはあたしにそう言うと、

シュッシュッ

いつの間にか棍棒のように成長していた

あたしの肉棒を扱き始めた。

「あぁっやっやめて!!」

あたしは両手でキルカの手を押さえようとしたが、

しかし、キルカが激しく攻めてくると、

「あっあっあっ」

オチンチンからくる快感に酔いしれてしまった。

そして、快感に身を委ねていると、

ボコッ!!

ボコボコボコ!!

あたしの身体の筋肉が膨張するかのように張り出し始めた。

「いっいやぁぁぁ!!」

変化していく身体にあたしが驚くと、

「さぁ、今度はお前の番だよ、

 勇者の証を立ててモランになるんだよ」

とキルカはあたしに言うと、

「勇者の証?」

悶えながらあたしはキルカに聞き返した。

すると、

「なんだ、勇者の証も知らないのか、

 勇者の証はこうして、

 カーリィを扱いて男の精を飛ばすことさ」

キルカはあたしにそう告げると更に強く攻めてきた。

「あっあっあっ

 いやぁぁぁ!!」

快感に溺れそうになりながらもあたしは必死に堪えていると、

ムリムリムリ!!

あたしの胸の乳房は消失し、

代わりに厚く横の広がった形の胸板がムクムクと張り出してくる、

「いやいやいや」

あたしは首を振り必死に抵抗しているが、

白く細い足は程なく漆黒色の逞しい足へと変貌し、

また顔も女性のマスクから精悍なマスクへと変貌した。

長い髪はことごとく抜け落ち、

後には短く縮れた毛髪が生えていく、

「…そっそんな…」

あたしは鏡に映る、

漆黒色の皮膚に覆われた筋骨逞しい男へと変身していく自分の姿を呆然と眺めていた。

そして、その日から

あたしはマサイ族の女・キルカとなってしまったお兄ちゃんの攻めを受けるようになった。

「はぁはぁはぁ…

 くっ、出したい…

 でも、出したらあたしはあたしではなくなる…」

すっかりマサイとなった自分の姿を横目で見ながら必死に耐えていた。




「あゆみ…」

「ん?」

「あゆみ…」

あたしの名前を呼ぶ声にあたしは顔を上げると、

目の前には優しい顔をしたキルカが座っていた。

「なっなによっ、

 急に口調を変えて」

キルカの姿にあたしは警戒しながらそう言うと、

「何を言っているんだ、

 僕だよ」

とキルカはお兄ちゃんの口調であたしに話しかける。

「まっ、まさか…お兄ちゃん?」

あたしは”ひょっとしたら…”と言う思いで尋ねると、

コクリ…

「そうだよ、判ってくれた?」

キルカは大きく頷いた。

「そんな…だってお兄ちゃんは…」

あたしはキルカの言葉を容易には信じられなかったが

「そんなことないよ、

 だってほらココにいるじゃないか」

キルカはそう言うとあたしの顔を優しく撫でた。

「本当にお兄ちゃんなの?」

あたしは起きあがると、確かめるように尋ねた。

「はははは…

 さっきからそう言っているじゃないか」

お兄ちゃんはそうあたしに言うと、

「うわぁぁん、心細かったよう」

あたしは泣きながらお兄ちゃんに抱きついた。

「そうか、心配掛けちゃったね」

お兄ちゃんは何度もあたしの頭を撫でながらそう言うと、

抱きしめてくれた。

「うん」

お兄ちゃんの胸の中であたしは小さく頷くと、

スッ

「あっ」

いつの間にかお兄ちゃんの細い手があたしの股間に触れると、

そっとオチンチンになてしまった肉棒を包み込んだ。

「お兄ちゃん…何を…」

「あゆみ…すっかり逞しくなっちゃったな」

とお兄ちゃんはあたしの顔を凝視しながら呟いた。

「(あん)そんな…そんなこと言わないで」

恥ずかしさのあまりあたしは目をそらすと、

ヒタッ

お兄ちゃんはオチンチンから手を離すとあたしの胸にそっと身を寄せ、

「お願い…こんどは僕を抱いてくれないか」

と懇願した。

「え?、うっうん」

あたしは両手でお兄ちゃんの身体を抱きしめた。

すると、

クニャッ

っと細い女性の感触が身体全体で感じた。

「あっ…あたし女の人を抱きしめているんだ」

そう感じた途端、

ムクッ!!

股間のオチンチンが見る見る膨らみ始める。

「あぁダメぇ」

あたしはお兄ちゃんに気づかれないように腰を捻ろうとしたが、

「あゆみ…お前のチンポ凄く大きくなっているよ」

と再びあたしのオチンチンを触りながら呟いた。

「いやぁ、そんなこと言わないでぇ」

「うぅん、嬉しい…

 僕を女の子として感じてくれたんだね」

あたしの顔を見ながらお兄ちゃんがそう言うと、

コクリ…

顔から火が出るほどの恥ずかしさを感じながらあたしは首を縦に振った。

すると、

「そう…」

それを見たお兄ちゃんはあたしの前に跪くと、

チュクッ

固く勃起しているあたしのオチンチンに軽くキスをすると、

チュポ

っとそのまま銜えてしまった。

「あぁっ、おにいちゃんっ、

 止めて、そんなことをしたら出ちゃう!!」

お兄ちゃんの行為に驚いたあたしはスグに腰を引くと、

「いいのよ、出しても」

と囁くと、再びしゃぶり始めた。

「だだだだダメぇ…

 出したらあたし、あたしじゃ無くなっちゃうの、

 モランになっちゃうのよ、

 だからお願い、離して!!」

あたしはそう叫ぶと、

お兄ちゃんの身体を思いっきり突き飛ばしてしまった。

「痛ぁい」

あたしに突き飛ばされて尻餅をついてしまったお兄ちゃんは起きあがると、

ハラリ

腰に巻いていたシュカを取り、

「ねぇ、怪我してない?」

とあたしにお尻を向けて聞いてきた。

ドクン!!

「あっ」

お兄ちゃんの黒くて丸いお尻を見たあたしの心臓が大きく高鳴る。

トクン…

トクン…

一度は萎えたはずのオチンチンが再び固くなってくると、

「どうしたの?」

あたしを振り返りながらお兄ちゃんが尋ねた。

「くはぁ…

 だっダメよ、

 あの人はお兄ちゃんよっ、

 ダメよ、変なことを考えては…」

ムラムラと胸の奥を押し上げてくるその感覚に

あたしは戸惑いながらも押し込もうとすると、

「あゆみ……」

いつの間にかお兄ちゃんは蹲るとお尻をあたしに向けて高く上げた。

そして、

「入れたいんだろう、

 いいんだよ…さぁ、来て…」

と囁いた。

「だっダメよっ

 そんなことしちゃぁ!!」

そんなお兄ちゃんお姿を見たあたしは両手で顔を塞いだけど、

でも、あたしの瞳にはお兄ちゃんのお尻が焼き付いていた。

ドクン!!

ドクン!!!

「ハァ…ハァ…」

スグにも犯したい願望があたしの胸の奥を強烈につつく、

「あゆみぃ…きてぇ…

 あゆみのそのオチンチンでお兄ちゃんを犯してぇ

 もぅ…我慢が出来ないの」

あたし惑わすようなお兄ちゃんの声が耳にまとわりつく、

「くぅぅぅぅ…」

あたしは思いっきり唇をかみしめて堪えるが、

「さぁ…はやくぅ…」

お兄ちゃんのその声にまるで吸い寄せられるように

一歩一歩近づいていくと、

そっと、お兄ちゃんのお尻に手を触れた。

その瞬間、

「あっ」

お兄ちゃんの身体が微かに動く、

ハァハァ…

荒い息と身体中から滝のように吹き出す汗を感じながら

あたしは目の前に大きく迫ったお兄ちゃんのお尻を眺めていた。

「ねぇ、どうしたの?

 はやくぅ、

 そのオチンチンを入れてぇ…」

更に一段高くお兄ちゃんがお尻を上げると、

あたしは黒い棍棒のようになったオチンチンを握ると、

そっと、お兄ちゃんのお尻へと突き出した。

ツンッ

オチンチンの先がお兄ちゃんの割れ目に軽く触れる。

すると、

「あっ」

あたしは思わず声を漏らす。

すると、

グッ!!

今度はお兄ちゃんがお尻をあたしに向けて寄せてきた。

グニィ!!

お兄ちゃんの割れ目は左右にゆっくりと開くと

あたしのオチンチンを先を潜り込ませる。

ヌル…

割れ目は既に愛液でベトベトになっていて、

オチンチンは割れ目の中で見る見る粘液まみれになっていく、

その途端、

「あぁぁ…」

あたしの中で何かが弾けた。

グッ!!

無意識にあたしの手はお兄ちゃんの腰を掴むと

激しく腰をお兄ちゃんの身体に打ち付けた。

ヌポッ!!

あたしのオチンチンはお兄ちゃんの体の中へと入っていく、

「あぁぁっ、

 いいっ」

たちまちお兄ちゃんは喘ぎ声を上げると身体をくねらすが、

その一方で、

「あっ熱い…オチンチンが熱いよぉ!!

 それに、ウネウネって

 あぁダメぇ」

あたしも声を上げると、

無我夢中に腰を打ち付け始めた。

パンパンパン!!

辺りにあたしが腰を打ち付ける音がこだまする。

「あぁ…

 セックスってこんなに気持ちのいいモノだったの」

涎を垂らしながらあたしは腰を動かしていると、

「そうよ…

 凄いわ…さすがはモランね」

とお兄ちゃんが振り向きながらキルカの口調であたしに言った。

「え?、お兄ちゃん?

 はっまさか…」

その時、あたしはあることに気がつくと、

「そうよ、キルカよ(あん)、

 あなたがなかなかモランになろうとしないから、

 一芝居を打ったのよ」

「そんな、じゃぁお兄ちゃんは…」

「さっき言ったじゃない、

 あの男はもぅあたしに喰われちゃったって、

 さぁ、あなたも勇者の証を立てて、喰われちゃいな」

「イヤあぁぁ、あぁ止まらない…

 なんで、止まらないよぉ!!」

あたしはキルカから離れようとしたが、

しかし、あたしの腰は止まることなくさらにキルカを犯し続けていた。

「あははは…

 無理よ、射精して果てるまでお前の腰は止まらないわ、

 さぁ、お前の心は段々モランとなっていくわ、

 そして、あたしの中に射精をしたとき、

 お前はモランになりきっているのよ」

「いやぁぁぁ!!

 止めてぇ」

キルカの声にあたしは耳を塞いだが、

しかし、

あたしの心は徐々に別のモノへと変化し始めていた。

「………あぁ…

 いいぜ…

 早く、俺を自由にしろっ

 自由になってサバンナを…」

全くあたしとは異質の感情だった。

そして、コレをあたしは自分の心をむさぼり食うモランの心だと思ったけど、

しかし、それを止める術は何処にもなかった。

「うぉぉぉぉぉ!!」

あたしは雄叫びをあげると

徐々に自分の身体が自分のものでなくなっていくのを感じていた。

そして、

ビクン!!

お兄ちゃんを犯し続けていたオチンチンが痺れてくると、

ジワジワジワ

まるで、煮えたぎる溶岩が沸き出てくるかのように

オチンチンの根本に男の体液が溜まり始めた。

「あぁ…出ちゃう…

 お兄ちゃんっ助けてぇ…」

あたしは天を仰ぎながらそう訴えると、

「……あゆみ…その…マシパイだ」

突然キルカの口から苦しそうな声が漏れた。

「え?」

その声に驚いてあたしがキルカを見ると、

「…この腕輪を切るんだ」

とキルカはあたしを見ながら右腕の掲げた。

「貴様っ、消えたのではないのかっ」

表情を変えたキルカがそう怒鳴ると、

「腕輪?、そうか」

あたしは腕を伸ばすとキルカの右腕の腕輪に手を掛ける、

一方、キルカもあたしがしている腕輪に手を掛けた。

「ヤメロ」

『止めるんだ』

キルカとモランが声を上げると、

「お兄ちゃん」

「あぁ…」

「1・2・3で…」

あたしはそう言うと、

グッ

っとお兄ちゃんの腕輪の掴む手に力を込めた。

ビクン!!

その一方でお兄ちゃんに挿入しているあたしのオチンチンは爆発寸前になっている。

時間がない。

あたしは

「1・2・3!!」

と声を掛けると、

エイッ

っとお兄ちゃんの腕輪を一気に引きちぎった。

ビシッ!!

あたしがしていた腕輪も音を立てると、

ビーズをまき散らしながら引きちぎれていく、

と同時に、

ビクビクビク!!

あたしはお兄ちゃんの体内に溜まりに溜まった精液を射精をしてしまった。

「はぁはぁはぁ…

 おっお兄ちゃん?」

仰向けに倒れたままあたしが声を掛けると、

「あっあゆみ?」

隣で倒れているお兄ちゃんが返事をしてくれた。

「ごめんね、出ちゃった…」

キルカ達のことよりもあたしはお兄ちゃんのなかに射精したことをわびると、

「いっいいよ、そんなこと…

 でも…」

お兄ちゃんはそんなことは気にせずに別のことを気にしている言葉を発した。

「うん…

 どうしよう…」

あたしもそう呟きながら、

ふと鏡をみると、

そこには筋骨逞しいマサイ族の勇者・モランと

豊満な乳房を曝したままのマサイの女がじっと眺めている姿が映っていたのであった。



おわり