風祭文庫・モラン変身の館






「ミルク」


作・風祭玲

Vol.254





「あーぁ、散々だったわ」

ある休日の夕方…

私と妻の弓子は二人並んで彼女が出場したテニス大会からの帰り道を歩いていた。

「まっ普段の練習をしっかりしていないからこういう結果になるんだよ」

私は軽く笑いながら

白のジャージにラケットが入ったバックを肩にかけて歩く彼女にそう言うと、

「あっ、いま笑ったでしょう…

 これでもあたし学生時代・地区大会では上位に入賞したんだからね。」

弓子は私にチラッと視線を送るなり不機嫌そうな顔で文句を言った。

しかし、急にその強気な表情が変わると、

「はぁ…でも身体が重いわ…、

 やっぱりダイエットをした方がいいのかなぁ…」

と夕暮れの空を見上げながら彼女がそう呟いた。

すると、その言葉を待ってましたとばかりに、

「それってこの間も言ってなかったか?」

すかさず私は突っ込みを入れた。

「(ムッ)うっるさいわねぇ

 よしっ、決めた。

 今度こそは徹底的にこの身体を絞って

 来年には目に物を見せてくれるわ」

弓子は一瞬、私を睨みつけそう力説をすると、

ググゥゥゥゥ〜っ

彼女のお腹から盛大な音が響き渡った。

その途端、

「うっ」

弓子は顔を真っ赤にしてお腹を押さえて見せ、

「やれやれ、身体は正直だな…

 さて、どこかで飯を食っていくか」

そんな弓子を横目で見ながら

私はちょうど行く手に現れてきたファミレスを指差しをしたのであった。



「はぁ、美味しかった…」

「良く喰ったな…」

「運動した後はお腹が空くのっ」

「それじゃぁ、ダイエットはまずムリだな」

「余計なお世話よ」

食事後、ファミレスから出てきた私達はそう言い合いながら、

すっかり日が暮れた夜道を歩き始めた。

そして、暫く歩いたところで、

『ソコノオフタリサン

 コッチコッチ

 ミテイカナイ』

と不意に声を掛けられた。

「はぃ?」

声の響いた方に視線を向けると、

そこにはアフリカ系と思われる青年が

漆黒色の身体に鮮やかな朱染めの布・シュカを巻きつけた姿で、

街路灯の明かりの下、

道端に広げた茣蓙に色々な品物を並べて私たちを見ていた。

「最近…流行っているか?…こういうの…?」

「でも、面白い衣装を着ているのね」

その青年を眺めながら私と弓子が言葉を交わしていると、

『コッチコッチ』

そう言いながら彼が笑みを浮かべながら手招きをする。

「ねぇ…ちょっとだけ寄っててみよ」

弓子は彼を指差しながら私にそういうと

前かがみになって興味津々茣蓙に並べられた品物を眺めはじめた。

「ふぅ〜ん」

私も、彼女の後ろから視線を一通り動かしていく、

茣蓙の上には日本では滅多に見かけられない様々な品物が置かれていた。

『イカガデスカ?』

そう言いながら青年は愛想良く

弓子の視線に合わせるようにして品物の説明を次々と始めた。

すると、ある品物のところで弓子の視線がピタリと止まった。

青年の説明によると

それはギブユと呼ばれるヒョタンで出来たマサイ族が飲み物の入れ物だった。

『コレニ、ウシノチチヲイレテ、ノメバイッキニヤセルヨ

 ホラ、ワタシヲミテゴラン、

 コノトオリ、

 マサイニハ、フトッタヒトイナイネ』

彼は自分の身体とともにギブユを掲げて弓子に説明する。

「ふううん…

 ねぇ、お兄さんってマサイ族なの?

 それに痩せるってホント?」

弓子は彼の言った”痩せる”と言う単語に反応すると

乗り出すようにして説明を聞き始めた。

すると、

『ソウ、ワタシハ”マサイ”

 ナカマヲアツメルタメニ

 コウシテタビヲシテイル

 ダカラコレイカガ』

自分はマサイを名乗る青年はそう自分を説明すると、

弓子と商談を始めだした。

そして、しばらく話し合った後、

「よしっ、決めた

 じゃそれ貰える?」

と弓子がマサイに告げると、

『アリガトウ、ユミコサン』

マサイは笑みを浮かべるとギブユを新聞紙に包みはじめた。

「おいおい、いいのか?

 そんなもん買って…」

代金と引き替えるようにして弓子がギブユを手に入れるのを横目で見ながら、

私は訝しげにそう言うと、

「いいのっ!!」

弓子は強い口調で私に向かってそう言い切った。

そして、マサイの前から立ち去ろうとしたとき。

『アァ…モシモシ』

マサイが声を掛けた。

「ん?」

私が振り返ると、

『コレ、オマケスルネ』

マサイはそう言いながら、

何かをシュカで刳るんだモノを差し出した。

「え?、それ、くれるの?」

マサイの言葉に弓子が喜びながら聞き返すと、

『カッテクレタ、オマケ』

マサイはそう返事をして弓子に目の前にそれを差し出した。

「ありがとう、じゃぁ貰っていくね」

弓子は遠慮しないでそれ受け取ると、

「行こう!!」

と言うなり私の腕を取ると歩き出した。

すると、

『…ソゥ…ソレハ、アナタニトッテヒツヨウニナルヨ』

そう囁くマサイの声が私の耳に入ってきた。

「え?」

それを聞いた私は思わず振り返ったが、

しかし、スグに角を曲がってしまったために、

マサイの姿を再び見ることができなかった。



「うわぁぁぁ、スゴイこれ」

「ほぉ…」

マンションの部屋に戻った私と弓子は

マサイから貰った包みを広げた途端声を上げた。

そう、朱染めの布・シュカの中から出てきたのは、

透き通るよな青や赤のトンボ玉で出来たマシパイの他に、

革製の鞘に入った短剣などだった。

「ねぇ。こっちの方が高いんじゃぁないか?」

それらを眺めながら私がそう言うと、

「なんか得をした感じね」

と興奮した口調で弓子は言う。

「ふぅ〜ん…」

しかし、私にはコレを只で弓子に差し出したマサイに

何か下心があるような気がしてどうも納得がいかなった。

そして、その翌朝…

「うげっ、まっずぅ…」

早速、弓子は前の晩にギブユの中に入れておいたミルクに口をつけると、

今にも吐き出しそうな顔をするなり飛び上がった。

「ははは…ほら言わんこちゃない」

彼女の様子を見ながら私は笑ったが、

けど弓子は我慢しながらもギブユの中のミルクをすべて飲み干してしまった。

「う〜っ」

必死に堪えている彼女の姿を眺めながら、

「辛かったら吐いてしまえよ」

私はそういい残して職場へと出勤していった。

ところが、

「頑張るなぁ…」

「ほっといてよ」

弓子は放り出すことなく毎日欠かさずギブユに入れたミルクを飲みつづけた。



それから半月後…

「あれ?

 お前…」

朝起きた私は台所で朝食の支度をする弓子の後ろ姿が

妙に細くなっていることに気づくと、

「えへへへ…

 判った?」

嬉しそうな顔をして弓子は振り返りった。

「ほぉぉ、これは…」

振り返った弓子の顔も

コレまでのやや下膨れ気味の顔もスッキリとした顔立ちになっていた。

「はぁ…」

そんな彼女の姿に私が感心していると、

弓子はあのマサイから買ったギブユを差し出して、

「頑張って飲んでいたら、

 ほらっ、こんなにスッキリした身体になったのよ、

 最近ようやくこの味に慣れたし、

 どう?あなたも飲んでみる?」

と得意満面にして言う。

「いや、俺はいいや

 でも、本当に効いたなぁ…」

手を振りながらも文字通り信じられないという表情で私が言うと、

「それにね、

 なんだか身体か軽くなってきたみたいで、

 まるで学生時代に戻ったみたいなのよっ」

と弓子は付け加えた。

「ほぉぉぉ…

 それはすごいわ

 あれ?」

そのとき、私は弓子の肌の色が茶褐色になっていることに気づくと、

「お前…随分と焼けたみたいだけど…

 そんなに、テニスの練習をしているのか?」

と尋ねた。

「え?、そう?」

私に指摘され、弓子は自分の腕を眺めたが、

「あらっ…変ね…

 このところ練習には行ってないから焼けていなかったのに…

 でも、健康的でいいじゃない」

と答えると、

彼女は自分の肌の変化には関心を大して持たなかったようだった。

けど、私はそのとき敢えて言わなかったが、

最近、彼女の体臭がキツくなっていることに気づいていた。

しかし、それを口にすることをできず、そのまま黙ることにしていた。

ところが、その夜、

「んっくっ」

「んっくっ」

かみ殺すような弓子の呻き声に私は目を覚ました。

「ん?」

寝ぼけ眼で隣の布団に寝ている弓子の方を見てみると、

彼女は私に背を向けて

モソモソ

となにやら腕を動かしている。

「何やってんだお前…?」

布団の中なら声を掛けると、

ビクッ!!

弓子の体が一瞬縮まると、

「なっ何でもないの…」

とやや慌てふためいた声で返事をした。

「ん?……

 あっそうか、ごめん、

 そういえばここんところご無沙汰だったね」

私は彼女とのSEXをしばらくしていないことに気づくと、

一言謝り、そして弓子の布団とへ手を伸ばした。

すると、

「触らないで!!」

弓子の声が響くなり、

パン!!

っと私の手が弾かれた。

「あっごっごめん」

予想外の弓子の態度に、

私はご無沙汰にしてしまったことを少し後悔しながら布団を被った。



そして、翌朝…

昨夜のこともあって弓子よりも先に目が覚めた私が台所に立っていると、

寝ぼけ眼の弓子が起きてきた。

「おっおはよう…」

やや緊張しながら挨拶をすると、

スッ

弓子は挨拶の返事をせずにそのまま洗面所へと向かっていった。

「まだ、怒っているのかなぁ…」

そんな彼女の姿を横目で見ながら朝食の支度をする。

ところが、弓子は私が作った朝食には手をつけず、

ギブユのミルクをひと飲みすると席を立ってしまった。

「………こりゃ相当重傷だなぁ」

目の前の空席を眺めながら私はそう思うと、

弓子については暫く静観することにした。



ところが、その夜も弓子は声をかみ殺しながら手を動かしていた。

そして、その日を境に徐々に弓子の体臭がさらにキツくなっていくと、

弓子は職場にも行かず、

また家事もせずに部屋に籠もるようになっていった。

「じゃぁ行ってくる…な

 もし、今日も休むのなら電話しておけよ」

私はまるで腫れ物に触るような感じで彼女にそう告げると

職場へと向かっていった。

ところが、夕方帰宅してみると弓子の姿は部屋には無かった。

「弓子?

 どうしたんだあいつ…」

そう思いながら私は部屋のあちらこちら探していると、

タッタッタッ

何かが飛び跳ねるような音が聞こえてきた。

「?」

不思議に思いながら窓を開けると、

なんと、弓子がベランダの下にある小さな庭で飛び跳ねていた。

「弓子っお前…なっ何をしているんだ?」

驚いた私が声を掛けたが、

しかし、弓子はまるで恍惚とした表情をしたまま飛び跳ね続ける。

「おいっ、弓子っ!!」

私は声を大きくして叫んだとき、

彼女の飛び方が少し変わっていることに気づいた。

普通ジャンプするときは膝を屈伸させて飛び上がるモノだが、

しかし、弓子は膝を屈伸させることなく足首の力だけで飛び上がっていたのだった。

「いい加減にしろ!!」

なかなか終わらないジャンプに痺れを切らした私は弓子の隣に飛び降りると、

弓子に抱きつくようにしてその行為を止めさせた。

その途端、

「あっあれ、あなた…」

まるで我に返ったような顔で弓子は私を見た。

「こんなところで一体お前…何をやっているんだ!!」

怒った口調で私が怒鳴ると、

「なにって?

 あれ?
 
 あたし何でこんな所にいるの?」

と自分が表にいることが理解できないようだった。



「えぇ!!、

 庭で飛び跳ねていた!?」

私から詳細を聞いた弓子は声を上げた。

「あぁ…

 恍惚とした表情で飛び跳ねていたぞ」

さらに色黒くなった弓子を眺めながら私はそう言うと、

「…………」

弓子は合点がいかない表情をする。

すると、

「変のなのよね…

 今日もなんか気分が優れなくって寝ていたんだけど、

 そしたら、どこからか太鼓の音共に歌声が聞こえてきたのよ、

 そしたら…」

弓子はそこまで言ったところで黙ってしまった。

そんな彼女を見ていた私は

「まぁいいか、

 さっ夕飯にしよう、

 その様子じゃまだ何も買っていないだろう」

と言うと着替えたシャツの腕をまくった。



ところが

その夜…私が寝ていると、

「んっく…」

「んっく…」

再び弓子のうめき声が聞こえてきた。

…またか…

私はそう思ったが、

しかし、

ミシッ

ミシッ

っと言う不気味な音が私の耳に入ってきた。

「?」

耳を澄ましてその音がしてくる方向を確かめると、

それは弓子の方から聞こえてきていた。

「何の音だ?」

不思議に思いながら私は起きあがると、

「おいっ…弓子…起きているか?」

そっと声を掛けた。

すると、

「んあぁ…起きているよ」

とまるで変声期の男の子のような声の返事が返ってきた。

「なっ、なんだその声は!!」

弓子のその声に私が驚くと、

「なによ」

そう返事とともにムワッと更にキツイ体臭が漂ってくる。

その途端、

パッ

と部屋の灯りがついた。

「うわっ!!」

灯りに照らし出された彼女の姿を見て私は更に驚いた。

黒光りに近い肌に、広い肩幅、

そして、獣を思わせる張りつめた筋肉、

ピンクのネグリジェの下に覗く弓子の身体は、

女性の肉体とは大きくかけ離れているどころか、

まるで、灼熱のサバンナを闊歩している…

そう、マサイ族の勇者を思わせる肉体に変貌していた。

「おっおいっ

 なんだそれは!!」

腰を抜かして私が叫ぶと、

「何をそんなに騒いでいるの?」

私の反応を鬱陶しそうに弓子はそう返事をすると、

「だから、お前っ、その身体は一体なんだ!!」

震える指を指して私が怒鳴った。

「え?、なに?」

弓子は視線を下に落とした途端、

見る見る表情が変わっていくと、

「イヤー!!」

と部屋中に響き渡るような声をあげると、

そのままバスルームへと駆け込んでいった。

「弓子!!」

私はスグに彼女の後を追いかけていく、

すると、バスルームにある鏡の前で座り込んでいる彼女の姿を見つけた。

「弓子…」

「来ないで!!」

私が彼女に近寄ろうとすると、弓子は反射的にそう叫んだ。

「え?」

その声と同時に私の足がピタリと止まる。

「いっ一体、何があったんだ?」

なおもゆっくりと近づきながら僕が訊ねると、

「お願い!!

 それ以上来ないで!!

 あっあたし…」

と彼女が両手で顔を塞いで叫んだが、

しかし、そうしている間にも弓子の身体はさらに逞しさが増し、

また、肌も黒味が増していった。



「とっとにかく、落ち着くんだ」

私はまるで自分に言い聞かせるようにしてそう言った途端、

『おぉ、コレは立派なマサイになりましたね』

と言う声が部屋にこだました。

「誰だ!!」

私が振り返ると、

漆黒色の逞しい身体に朱染めシュカを巻きつけた姿をした、

弓子にギブユを売ったあのマサイが私の後ろに立っていた。

「おっお前は!!

 どこから入ってきた!!」

突然現れた彼の姿に私が殴りかかろうとすると、

フンッ

マサイは鼻で軽く笑うと私が繰り出した拳をいとも簡単に受け止めてしまった。

グッ

ギリギリギリ!!

予想以上の握力でマサイは私の拳を握り潰してくる。

「いっイッタタタタ!!」

たまりかねた私が悲鳴を上げると、

『マサイでないお前がモランに挑むとは無謀な…

 ココがサバンナならその命は無い』

落ち着き払った口調でマサイは私にそう言うと、

グィッ

っと腕を捻ると持ち上げ始めた。

「うわっ!!」

猛烈な力に引きずられるようにして私の体が持ち上げられると、

『あなたには用はない、そこで大人しくしていなさい』

マサイが私にそう言や否や

まるで子猫のように私の身体を部屋の隅へと放り投げた。

ドタン!!

頭から落ちてしまった私は激痛にのた打ち回った。

そんな私を一目見てマサイはゆっくりとバスルームにいる弓子の方へと向かっていった。

「こっ来ないで!!」

怯えながら弓子が声を上げるが、

しかし、マサイは落ち着いており、

『ミルクを飲んでいただけたようですね。

 そんなに怯えなくてもいいですよ。

 私はあなたを迎えにきたのです』

と弓子に告げた。

「迎えにきた?」

私と弓子はマサイを見る。

「ふっ」

マサイは軽く笑みを浮かべると、

『そうです、私はあなたを迎えにきました。

 さぁサバンナへ行きましょう』

と言うと一歩弓子に近づいた。

「来ないで!!

 お願いだから」

弓子は後ずさりしながら声を上げると、

『何を拒絶しているんです?

 あなたはマサイ…それ以外の者ではありません』

とマサイは弓子に言った。

「弓子がマサイ?」

腕を押さえながら私が言い返すと、

マサイは私の方を見るなり、

『そうですね、では、証拠をお見せしましょう』

とマサイが言った途端、

「ヤメテ!!」

弓子が声を上げた。

「弓子?どうしたんだ!!

 コイツに言ってやれ!!

 あたしはマサイじゃないって」

私が叫ぶと、

「やめて、お願いだから」

弓子はそう言いながら泣きじゃくり始めた。

「なっ、お前…まさか…」

『ふふ、なかなか勘がいいですね

 そうですよ…』

そう言いながらマサイは弓子の後ろで回り込んで屈むと、

彼女の固く閉じている膝に手を添え、

そして、私に見えるようにゆっくりとこじ開けていった。

「あっあっあっ!!」

弓子の顔に徐々に恐怖感が増していき、

ビンッ!!

「いやぁぁぁ!!」

マサイの手によって開かされた弓子の股間には、

棍棒のような漆黒のペニスが力強く勃起していたのであった。

「そんな…

 弓子にチンコが…」

私は呆然と弓子の股間に起立するペニスを眺めていた。

「見ないで!!

 お願いだから!!」

弓子は両手で顔を覆いながら泣き叫ぶ、

「いっいっいっ一体、

 どうして…」

ようやく起き上がることが出来た私が詰め寄っていくと、

立ち上がったマサイはテーブルの横に置いてあるギブユを手に取ると、

『これには”勇者の精”をたっぷりと塗りこんでありました。

 そしてユミコさんはその”勇者の精”をミルクとともに飲んでくれました。

 マサイの”勇者の精”を飲んだ者はマサイになります。』

と答えると、

『では、ユミコさん、最後の仕上げをしてあげます…』

マサイは弓子を見下ろしながらそう言うと、

パサッ

っと腰に巻いていたシュカを剥ぎ取った。

ビクン!!

弓子のペニスよりも二周りも大きい勃起したペニスが姿を現した。

『どうです?、逞しいでしょう、

 これがモランのカァリィ(ペニス)です。

 モランはこのカァリィと獰猛なシンバにも臆する事のない強靭な魂を持って

 はじめてモランとなる。

 しかし、まだモランの魂を持っていないユミコのカァリィはまだ小さく、

 また心も弱い。

 さぁ、お前にモランの魂を授けよう、

 そして私に”勇者の証”を見せてください』

とマサイは弓子に言うと、ペニスを片手で持ち、

そして、ゆっくりとペニスを弓子の口へと近づけていった。

「いっイヤッ!!」

ペニスの先が弓子の膨れ始めた唇に触れた途端、

弓子はそう叫んで顔を横に振ったが、

『何を嫌がるのです、

 あなたのカァリィを見てください。

 身体はモランの魂を欲していますよ』

マサイは弓子にそう言うと、

グィッ!!

っと震えるように勃起している弓子のペニスを足で押した。

「あっ…」

マサイの行為に感じたのか弓子は軽く声を上げると、

ハァハァ

次第に彼女の呼吸が乱れ始めた。

「やっやめろ!!」

私は叫ぶとマサイに飛びかかろうとしたが、

しかし、

フンッ!!

マサイは私を軽くあしらうと、

再び部屋の隅へと投げ飛ばしてしまった。

「このやろう!!」

しかし、私は再び起き上がって

すべての力を振り絞ってマサイに襲い掛かろうとしたとき、

「待って…」

弓子の声が私の身体を束縛した。

「…待って…お願いだから…」

弓子は肩で息をしながら再び私にそう言うと、

「ごっ、ごめんなさい…あなた…

 あっあたし…

 がっ我慢が出来ないの…

 身体がさっきから訴えているの、

 モランの魂を…早くって

 だから…ごめんなさい!!」

涙を流しながら弓子が私にそう訴えると、

チュボツ

っとマサイのペニスにしゃぶりついてしまった。

ウゴッ!

グフッゴフッ!!

弓子は口一杯にマサイのペニスを頬張ると頭を前後に動かす。

「やめろ、

 止めるんだ!!」

マサイのペニスにしゃぶり付く弓子の姿に驚いた私は力いっぱい叫んだが、

しかし、

『そうです…

 ユミコさん、あなたはモランになるのです。

 さぁ、モランの魂をあなたの身体に入れてあげます。』

マサイは髪が生え変わった弓子の頭を撫でながらそう言うと、

グッグッグッ

っと腰を振り始めた。

そして、

『うっおぉぉぉぉぉぉ!!』

マサイが雄たけびを上げると、

ウグッ!!

弓子の盛り上がった喉仏が幾度も上下に動いた。

そして、しばらくした後、

プハァ…

弓子は銜え込んだマサイのペニスから口を離すと、

トロッ…

白濁した液体が弓子の口からこぼれ落ちていく。

「あなた…あたし…飲んじゃった…

 モランの魂を飲んじゃった…」

弓子は私の方に顔を向けるとそう訴えたが、

しかし、

ビクッ!!

弓子の次の変身はすでに始まっていた。

「あぁ…

 身体が熱い…熱いの」

ビクッ

ビクビクッ!!

弓子の体中の筋肉が蠢き始めると、

ビシビシビシ!!

股間で勃起しているペニスがゆっくりと太く長く変化し始めた。

「あっあっあっいや!!

 身体が変わるぅ…

 あぁ…」

頭を抱えながら弓子が仰け反ると、

『さぁ…ユミコさん、

 モランとなるのです。

 そして、勇者の証を立てるのです』

マサイは弓子に言い聞かせるように叫んだ。

「あぁ…

 いっいぃ!!」

次第に弓子の苦痛から快楽へと表情が変化していくと、

弓子は腕をゆっくりと下へ下ろすと、

すでに一回り大きく成長したペニスに手を添えた。

そして、

シュッ…シュッ…

とペニスを扱き始めた。

『そうです。

 さぁ、手伝ってあげましょう』

マサイは優しく弓子に告げると、

ペニスを扱く弓子の手にマサイの手が添えられ

シュッシュッ

シュッシュッ

4つの手によって弓子のペニスは緩急を付けながら扱かれる。

「あぁ…」

次第に弓子の口が開きはじめると、

「あっあっ、

 出る…
 
 出ちゃう…
 
 いやっ
 
 出ちゃう」
 
っとうわごとを言い始めた。

『さぁ…

 何を我慢しているんです?

 勇者の証を立てればモランになれるのです。

 早く証を立てるのです』

と催促するようにマサイは弓子に囁き、

「だっダメ!!

 出しちゃったらあたしじゃなくなっちゃう…
 
 でっでも、
 
 出したい!!
 
 出させて!!」

弓子が叫び声をあげた途端、

プシュッッ!!

弓子のペニスの先から白濁した液体が天高く吹き上げた。

「あっあっいぃ…

 あたし…

 蕩けていく…」

弓子は恍惚とした顔をしながら射精後の余韻に浸っていたが、

しかし、

徐々にその表情が変わり、

そして射精して萎えたはずのペニスが再び勃起してくると、

『あぁ…

 サバンナに…
 
 俺をサバンナ連れて行ってくれ』

とマサイに懇願し始めた。

『そうだ、ユミコ、

 お前は”勇者の証”を立てた、

 お前はもぅ立派なモランだ、

 さぁ、サバンナに行こう』

マサイは弓子にそう告げると、

バッ

っとあの時弓子に手渡した朱染めの布・シュカを取ると、

それを弓子の腰に巻きつけた。

そして、それに合わせて

『うぅ…』

弓子は唸り声を上げながらマシパイを次々と身に着けていく。

「弓子っ、

 待て、どうするつもりだお前は!!」

見る見るマサイのモランと化していく弓子の姿にたまりかねた私が声を上げると、

『ごっごめんなさい…

 あっあたし…

 マサイなの…

 だから…
 
 行かなくては』

マサイの手によって髪が結い上げられ

そう答える弓子の姿はモランの風格が醸し出されたいた。

その姿を満足そうにマサイは眺めると、

声を上げながら踊り始めた。

そして、踊りの最後に

ヒュン

っとベランダの方をやりで切り裂くまねをした途端、

ゴワッ

熱風とともに広大なサバンナの光景が姿を現した。

「なんだこれは!!」

私は目を丸くして驚くと、

『さぁ、サバンナへの道を開いた

 行こう!!』

マサイは弓子にそう告げると、

『はい…』

弓子はサバンナへ向かって歩き始めた。

「くそっ、行くなっ」

私が実力行使に出ると、

『よかろう…

 お前のその気持を汲んでチャンスをやろう』

とマサイが私に言った。

「チャンス?」

『そうだ、お前がユミコのカァリィから勇者の魂を吸い出すことが出来れば

 ユミコを返してやる』

マサイのその言葉が終わると弓子は股間を覆うシュカを持ち上げて見せた。

ビクン!!

勃起し棍棒のようになっている弓子のペニスが顔を出す。

「うっ」

血管を浮きだして勃起している弓子のペニスを一目見て私は一歩下がったが、

しかし、

「くそっ」

私は弓子の前に跪くと、

目の前に迫る弓子のペニスを口に含んだ。

チュボッチュボッ

頭を振りながら私は必死になってペニスを吸う。

『ははは…

 いいぞいいぞ』

私のその姿を見てマサイは笑うが、

しかし、私は真剣だった。

『うぅ…あなた…』

「弓子っ」

弓子は私にそう言うと、

そっと私の頭を抱えたとたん、

『うぉぉぉぉぉぉ!!!』

猛然と腰を振り始めた。

「ウゴォォォォォ!!」

速いスピードで口の中を往復し始めたペニスに私は目を丸くする。

『さぁ、ユミコよ

 お前の精をそいつにくれてやれるんだ』

マサイが弓子にそう言うのと同時に、

ブシュッ!!!

弓子は私の体内に精液を放出した。



それから、1年後。

パンパンパン!!

『あっいぃっ』

ウシの糞で塗り固められた小屋の中にあたしの喘ぎ声響く、

『うぉうぉうぉ』

黒光りする肌に覆われたあたしの後ろでは

筋骨逞しいモランが一心不乱に腰を振っていた。

モランの股間から伸びる太い肉棒は、

あたしの秘所を確実に貫き、

そして、子宮へと続く膣の中を何度も往復していく。

『あっあっあっ』

毛を剃られた坊主頭を振りながら、

あたしは首に幾重にも巻かれたマシパイを鳴らす。

ギュッ

モランの手が身体を這いずるようにして胸に行くと、

厚ぼったく膨れた乳輪や乳首を弄びはじめた。

『イッ…イィ

 イッチャウ』

ビクッ!!

ビクッ!!

その度にあたしは身体をこわばらせると喘いだ。

やがて、

『ウォォォォォォ!!』

『イクゥゥ』

モランの雄叫びと同時にあたしも絶頂を迎えると、

ジワッ

あたしのお腹の中に熱い精液が放たれた。

ジワッ

と広がるように子宮の中を駆け上がっていくのを感じながら

あたしはぐったりとしていると、

『セイイチ…ヨクシマッテヨカッタヨ』

と言いながら荒い息をするモランがあたしにキスをして見せる。

そう、あの時、

弓子の精を受けたあたしはマサイ族の女に変身してしまったのであった。

そして、モランとなってサバンナを闊歩する弓子の妻となり、

こうしてモランが村に帰ったときモランに抱かれるようになってしまうと、

『ユミコ…スッカリタクマシクナッタネ』

あたしは軽い寝息を立てる弓子の身体に手を這わせ、

厚く盛り上がった胸板にキスをしたのであった。



おわり