風祭文庫・尼僧変身の館






「尼僧工房」


作・風祭玲

Vol.1044





西に大きく傾いた太陽が空をオレンジ色に染めて沈んでいく。

「ほぉ…」

誰もが息を呑むであろう雄大な光景を前にして、

つい足を止めて見入ってしまうが、

しかし、それはほんのひと時の安らぎであり、

最後の光を一瞬放って沈んでいくのを見届けると

スグに歩き始めた。

俺の名前は庄田敬一郎、高校2年・17歳である。

グゥゥゥ〜っ

再び歩き始めた途端、

俺の腹から盛大に鳴る音が響くと、

「うっ」

腹を押さえながら俺は近くの石に腰掛け背負っていたリュックを下ろした。

そして無言のままリュックの中を漁るものの、

中から出てきたのはチョコレートの欠片1個であった。

「はぁ、これが最後の一つか」

ある種の絶望を感じながら俺はチョコの欠片を見つめた後、

口の中へと放り込むと、

ゆっくりと味わいながらそれを飲み込んで見せる。

「やばいなぁ…

 これってもぅ立派な遭難じゃないか」

最後の食料を食べつくした俺はそう呟くと、

「はぁ…

 何でこうなったんだろう」

と自分の運命を分けた一昨日の出来事を恨んでみせる。



そもそも俺がこの山に入ったのは学校の行事としてだった。

今年の春頃から経営難が噂されていた俺の高校は、

夏休み前、とうとうとある宗教法人に買収されてしまい、

迎えた二学期の始業式、

校庭に並ばされた俺たちの前には校長以下の教師たちの姿はなく、

代わりに墨染めの黒衣に白頭巾姿の女性達…

そう一学期までの教師達と同数の尼さん達が居たのであった。

「おぃおぃ…

 尼さんが二学期からの先生かよ」

それを見た級友である高木健二がやや興奮した口調でそっと囁くが、

「あっあぁ…」

俺は何て言っていいのか分からずただ頷くだけだった。

そして、俺達の前に立つ新しい校長だという尼さんは俺達に向かって話しかけるが、

彼女の言葉はどれも馴染みのない言葉ばかりで

はっきり言ってお経を聞かされているような気分になっていく。

長い校長の話が終わり、

代わりに校長と同じ姿の教頭が立つと、

彼女の口から出た言葉に俺達はいっせいにざわめきだったのである。

それは全校生徒を男女別のクラス分けとするクラス替えの話だった。

抗議の声もチラホラあがったものの、

結局俺達は尼さん達の指示に従い、

新しいクラスへと割り振られたのであった。

こうして俺達の前から女子の姿が消えてしまったのだが、

さらに追い討ちをかけるようにして通学も全寮制へとなってしまったのである。

「いつの間に…こんな寮を準備したんだ…」

面倒を見るためが省けると大喜びの家族から送り出された俺は

学校の隣に用意された男子寮を仰いで見ると、

「夏前に倒産した会社の寮を買い取ったらしいよ、

 前からここにあっただろうが」

と荷物を運ぶ高木は言う。

「まっまぁ…確かに」

奴の指摘に俺は以前からここに建物があったことを思い出すが、

「なんか、

 社会から切り離されているような気がするな…」

と俺は呟いていた。



その後、校内寮内での男女の交流は禁止され、

さらに外出すらも規制されてしまうと、

「あーぁ、

 こんなことならもっと楽しめばよかったなぁ

 これじゃぁ収容所だよ」

とぼやく級友達があっちこっちに増えて行く。

その一方で、

「はぁ…

 由利の奴、どうしているかな」

そんな連中を横目に俺は彼女でもある須賀崎由利のことを思っていたのであった。

1学期まで同じクラスだった由利が女子クラスとなり、

俺と別れてから一ヶ月が経とうとしていた。

連絡手段であるケータイは当の昔に取り上げられ、

至急な連絡が必要な場合は尼さんの教師か、

もしくはこれも同じ尼さんである寮の管理人に取り次いでもらわないとならない。

そんな状況の中でも何回かチャレンジしたものもあるが、

どれも正当な理由でない。ということで却下されたのであった。



こんな異様ともいえる状況から逃げ出したくなったのか、

退学者の噂も聞こえ始めた秋、

俺達2年生は山篭りをすることになった。

なんでも、学校を買収した宗教法人の道場が山中にあり、

俺達はその道場にて1週間にわたる修行をするのである。

「なぁ、修行って何をやるんだ?」

寮を出発したバスの中で高木は不安そうに尋ねてくると、

「さぁな…

 先週、3年生が行って今日戻ってくるそうだ、

 修行を終えたらこれまでの俺達が背負ってきた業がすっかり洗い流され、

 清い体に生まれ変わっている。なんて尼さんは言っていたけど、

 なんか胡散臭いなぁ…」

これまでの経緯を脳裏に思い浮かべながら俺はそう返事をする。

やがてバスは道場がある山の麓に到着し、

そこからは徒歩で道場に向けて俺達は進み始める。



「あの尼さんって化け物か?」

歩き出してから小一時間が過ぎても

黒衣に白頭巾、藁草履を履く尼さん達のテンポは落ちることなく

急傾斜と曲がりくねる山道をまるで街中を歩くかのようにして先導していた。

そんな力強く先導していく彼女の姿を見て俺はただ感心して見せると、

「ハァッ

 ハァッ

 確かに只者ではないな…」

と息を切らせつつも懸命に追いかける高木も感心したとき、

グルッ

これまでなんともなかった俺の腹が急に渋りだし、

「うっ、

 これって」

腹に手を当てた俺は冷や汗を流し始めた。

「ん?

 どうした庄田?

 顔色が悪いようだけど」

そんな俺の姿に気づいたのか高木が話しかけてくると、

「腹を壊したみたいだ…」

と俺は返事をしてみせる。

「はぁ?

 バスの中で馬鹿みたいにジュースを飲んでいただろう。

 それのせいじゃないか?」

俺の話を聞いた高木はあきれて見せると、

「悪い…ちょっとトイレに行って来る」

と言うなり俺は腹を押さえながら列から外れたのだが、

その行為が現在の状況を招いたのであった。



「参ったなぁ…

 これって完璧に遭難だよな」

口の中に残るチョコの味を未練がましく味わいながら俺は呟くと、

「行くこともできず、

 かといって戻るとしても戻る方向が分からない…

 参ったなぁ…

 今日一日歩いてみたけど他に登山者なんて会わなかったし、

 ケータイなんて持ってこれなかったから連絡手段もない。

 全く、何で俺を探しにこないんだよぉ、

 あの腐れ尼がぁ!!」

俺を置いていった尼さん達にに向かって恨み節を言いつつ

俺は立ち上がるとトボトボと暗くなっていく山道を歩きはじめた。

そして、尾根伝いから姿を見せてきた薄暗い森の中へと踏み込んでしまうと、

フッ

進むべき道は闇の中へと溶ける様にして消え、

道を見失った俺は暗闇の中をひたすら徘徊して行ったのであった。

「こまったなぁ…

 昨日野宿をしたような場所があればいいけど」

昨夜野宿をした際に使った林業用作業小屋のようなものを探しては見るものの、

上ってきた月明かりに照らし出された森の中にはそのようなものはなく、

これ以上進むと遭難状態にさらに拍車が掛かると判断した俺は、

「えぇぃっ、

 こうなったらここで野宿だ!」

そう声を上げ適当な石を見つけ、

ドッカ

と腰を下ろした。

とそのとき、

「ん?」

俺は腰を下ろした石が妙に平らであることに気づくと、

グルリ

と目を凝らしながら周辺を見回してみる。

すると、

「これって…

 何かの門?」

そう呟く俺の目には木造の門とその門を囲う構造物が飛び込んでいたのであった。

「随分立派な門だなぁ…

 てことは…

 ここ奥に誰か人が住んでいる?」

とても自然が作り上げた造形ではありえない、

人の手によって組み上げられた門を見上げ俺はそう呟くと、

次の瞬間、

ザッ

俺は有無も言わずに門を潜り抜けたのであった。

ジャリ…ジャリ…

門より内側は手入れが行き届いている玉砂利の道が続き、

俺はその道を突き進んでいくと背後から月の明かりが差し込んでくる。

そして、その玉砂利の道が行き当たったところで、

「これってお寺…かぁ…」

俺の目の前に急勾配を描く屋根を頂くお寺の本堂を思わせる木造の建物が聳え立ったのであった。

「坊さんか誰かが居るのかな?」

本堂を仰ぎ見ながら俺はそう呟いていると、

「…………」

どこからか人の声のようなものが聞こえてくる。

「!!っ

 やっぱり誰か居るんだ」

それを聞いた俺は無性に嬉しくなって声が響いてくる方へと向かっていくと、

「……んっ、

 ……はんっ、

 ……はぁんっ

 …はぁぁん

 あはぁぁぁん…」

と声は明瞭になってくるのと同時に、

それがあえぎ声…しかも、大人数のあえぎ声であることが分かったのであった。

「え?

 なにこれぇ」

本道から棟続きになっている建物の横で俺は響き渡ってくる喘ぎ声を聞いているうちに、

ムラムラと胸の奥が燃え上がり、

股間はギンギンに硬くなっていくのを感じていた。

そして、耳をそばだて

建物の壁に張り付くようにして耳を澄ますと、

「あはぁぁんっ」

「あんあんあん」

「あぁ、いくいくいくぅぅ」

「あぁん、許してぇぇ」

「だめっ、いっちゃうぅぅ」

と言う声が飛び交っていたのであった。

「ゴクリっ

 すげぇぇ

 中で何をしているんだ?」

生唾を飲み込みつつ俺はこの建物の中で行われているであろう酒池肉林を妄想してしまうと、

どうしても一目見たくなり、

「よっこらしょっ」

疲れも忘れて壁をよじ登ると、

換気用に開けられているであろう窓から中を覗き込んで見た。

すると俺の眼下には

まるで学校の体育館を思わせる広大な空間が開け、

無数の蝋燭で照らし出される板張りの床には何列にも並ぶ木の柱が聳え立っていたのであった。

そして、一本一本の柱には裸の状態で人が一人ずつ縛り付けられ、

さらに天井から吊り下げられたロープに両足をピンと伸ばした状態に縛られると、

Vの字に股間を開かされたれていたのであった。

「なんなんだこれは?」

異様なその光景に俺は言葉を失うが、

縛り付けられている者達をよく見てみると、

皆胸が膨らんだ女性であるが、

しかし誰の頭にも髪は無く青い剃りみせる坊主頭だった。

「坊さん…いや、尼さんか…

 ってなんでこんなところに尼さんがこんなに居るんだ?」

裸の状態で柱に縛り付けられ、

さらに、両足を大きく開かされている尼さんの集団を眺めつつ俺は疑問に思っていると、

「ほらっ、

 あなた達の修行はまだ始まったばかりです。

 手を休めてはいけません」

と聞きなれた声が響いたのであった。

「え?

 この声って?」

毎日、学校内で聞かされていたその声に俺は驚くと、

スッ

俺の眼下を黒衣に白い頭巾を被った尼さんがゆっくりと進み始め、

床を濡らし、

ぐったりとしている裸の尼さんの前で止まるなり、

ピシッ!

っと手にしていた板のような棒でその肩を叩いてみせる。

「うわっ」

響き渡ったその音に俺は肩をすくめると、

「もっ申し訳ありません」

肩を叩かれた尼さんは詫びの声を上げ、

股間を塞いでいる手を動かしはじめた。

すると、

「あふんっ、

 んっ

 ぐっ」

たちまち尼さんは頬を赤らめてしまうと、

「はぁぁんっ

 はぁぁん」

その透き通った声であえぎ声を上げ始めたのであった。



「なんだよここは…」

どう観想を言えばいいのか判らなくなった俺はそっとしたに降りると、

言いようもない悪寒を感じてみせる。

そして周囲に気づかれないように移動していくと、

出入り口と思われるところに木が彫られた看板らしきものがかかっているに気づき、

「ん?

 なんて書いてあるんだ?」

目を凝らしながらそれを見ると、

「尼僧工房」

と書かれていたのであった。

「尼僧工房…

 って、確か、俺達が向かっていた修業道場のことじゃないか…」

看板を見上げながら俺はここが目的地であったことに気づくと、

「って…

 じゃぁ、中にいる大勢の裸の尼さんたちはなんだ?」

とさっき見た光景に不審に思う。

そして、

「まさか…」

俺に脳裏に恐ろしいくもそして、あまりにも滑稽な考えが浮かんだ時、

「誰だ、

 そこにいるのは?」

と俺に向かって掛けられた声が響いたのであった。

「!!っ」

その声に驚いた俺が思わず振り返ると、

俺から4・5メートル離れたところに白い頭巾を頭に被り、

黒い衣を身にまとった一人の尼さんが立っていたのであった。

「あっいや…」

夜に浮き上がるような頭巾を見ながら俺はそう呟くと、

「ん?

 何者だ?

 お前…」

そう尋ねながら尼さんは一歩一歩近づいてくると、

「!!っ、

 お前はここに来る途中、脱走をしたB組の庄田!」

と声を上げたのであった。

「いやっ、

 脱走だなんて…

 単に俺は道に迷っただけで…」

俺を指差す尼さんが

日々学校の生活指導で小煩く文句を言ってくる尼さんであることに気づくと、

彼女がいった言葉を俺は否定してみせる。

だが、

「そうか、

 逃げ出しては見たものの、

 結局道に迷わされ、

 ここに連れて来られたわけか、

 ふふっ、

 これも御仏のお導き…

 さぁ、こちらに参れ」

と俺に向かって手招きをしてみせる。

「いっいやだ、

 だっ誰が」

手招きをする尼さんに向かって俺は声を上げるが、

「うふふ…

 門をくぐりし来たものは、

 この場にて出家し、

 御仏に仕えるのです。

 さぁ、こっちに来なさい。

 お前は私達に最も反抗的でしたので、

 念入りに尼にしてあげましょう」

と囁いてみせる。

「いやだ、

 絶対にいやだ。

 誰が尼さんになんて…」

尼さんに向かって俺はそういったところで、

「まさかとは思うが、

 この中にいる裸の尼さん達って…」

と疑問をぶつけてみた。

すると、

「ほほほ…

 覗き見をしたのですか、

 相変わらず行儀が悪いですね」

蛇のごとく俺を見据えつつ尼さんは呟く。

「おっ俺の質問に答えろ、

 まさか…お前、

 みんなを…おっ女にして尼さんにしたのか」

尼さんに向かって俺はそういうと、

「ならば…

 ご自分で確かめてみては?」

尼さんはそう言うなり、

工房のドアを徐に開けて見せた。

その途端、

ゴワッ!!

無数の手がドアの中から沸きあがってくると、

瞬く間に俺の体に絡みつき、

そして、工房の中へと引き込み始めた。

「やっやめろ!

 よせっ

 俺は帰るんだ。

 引っ張る込むなぁぁぁ」

ズルズルと引き込まれながら俺はそう訴えるが、

しかし、引き込もうとする手の力に抗する事も出来ず

俺は中へと引き込まれてしまうと、

バタンッ!

とドアが閉められ、

「うわぁぁぁぁ!!!!」

同時に俺は闇の中へと突き落とされてしまったのであった。



「うっ」

どれくらい時間が経っただろうか、

寒さを覚えた俺は目を覚ますと、

ギシッ

俺は着ていた服を全て脱がされた全裸の状態で太い柱に縛りつけられていて、

さらに、両足は天井から下がる紐に縛られてV字型に大きく開かされていたのであった。

「うっ、

 これって」

まさしく換気の窓から見た尼さん達がされていた状態に俺はなっていることに気がつくと、

「うふっ、

 ようこそ尼僧工房へ、

 ご気分は如何でしょうか、

 庄田君?」

の声と共にあの生活指導の尼さんが俺の前に立ってみせる。

「うっ、

 まさか…」

尼さんの顔を見上げながら俺はもぅ既に尼さんにされているのかと、

大きく開かされている股間に視線を移動させると、

そこには見慣れた男のシンボルと、

平らな胸が視界に飛び込んでくる。

「はぁ…

 良かったぁ

 まだ男だ…」

頭の髪もちゃんとあることに安堵しつつ俺はホッとしてみせると、

「ふふっ」

尼さんは小さく笑い、

「あなた様がこの尼僧工房に参られたのも何かの縁。

 如何でございましょうか、

 出家し尼となって修行をされてみては?」

と話しかけてくる。

「はぁ?

 何を言っているんだ?

 お前達が俺達ここに連れてきたんだろうが」

尼さんの言葉を聞いた俺は怪訝そうな顔をして見せ、

「大体、尼って言うのは女がなるもんだろう。

 男の俺を尼にして何が楽しいんだ。

 そもそもの目的は何だ」

と問い尋ねる。

すると、

「ほほほほ…

 目的ですか、

 そうですね。

 我等の主に男達の精を捧げるため…とでも言いましょうか」

黒衣の袖口で口を隠しながら尼さんは笑ってみせる。

「はぁ?

 じゃぁなにか?

 あんたはあんたの主のためにこんなことをしているのか?

 おぃおぃ頭大丈夫か?

 ふつー男が仏門に入ったら坊さんになるんじゃないか、

 言っておくが俺は坊主になんてなる気はないぞ、

 それよりも早くこれを解け」

笑う尼さんに向かって俺はそう言うと、

頑丈に縛り付けられている足を引っ張ってみせる。

しかし、

ギシッ

俺の体を束縛している紐は容易に解けることはなく、

逆に締め付けをきつくしてきた。

「くっ」

痛いほどに締め付けてきた紐に俺は歯を食いしばって見せると、

「ほほほ…

 判りました。

 ではお見せいたしましょう、

 御仏のお導きによって尼へとなりしかつてのクラスメイト達を」

俺に向かって尼さんはそう告げるや、

「お入りなさい」

と声を上げて見せる。

すると、

白い尼僧頭巾を被り黒衣・黄袈裟姿の尼さん達が数人、

俺の前に姿を見せたのであった。

「おっお前達は…」

白い頭巾を被っているものの皆見覚えのある顔に俺は目を丸くして驚いていると、

「さぁ、お前達、

 袈裟を取り衣を脱いでその肉体をお見せするのです」

と尼さんは命じたのであった。

「え?」

その命令に俺は驚くと、

「……」

尼さん達は命じられたとおり無言で袈裟を取り衣を脱ぎ始める。

そして、次々とその裸体と剃りあげた頭を俺の前に晒して見せると、

「なんだ…

 それは…」

俺は恥ずかしさよりも尼僧達が見せる裸体の奇妙さに声を詰まらせたのあった。



俺から見て向かって左側に立つ尼さんは白い肌に美しいボディライン、

そしてツンッと上を向く乳房など、

髪を伸ばし挑発的な水着でも着ていれば

たちまち男達が言い寄ってくるプロポーションの持ち主だが、

右に向かって移動していくうちに白い肌は浅黒くなり、

骨太で直線的になっていくボディライン、

乳房は小さくなり代わりに胸板が盛り上がっていくのであった。

そして、一番右端に立つ尼僧となると、

見事な腹筋の下に女性器が口を閉じていて、

まるで無理矢理男の股間に女性器をつけたような姿であった。

「ほほほっ、

 気がつきましたか、

 そう、この者たちの右側は未だ男に未練があるのか修行があまり進んでない者であり、

 修行を受け入れ、尼であることを受け入れるにつれ左側のような尼となっていくのです」

と尼さんは俺に説明をしてみせる。

「なに?」

それを聞いた俺は驚きの声を上げ、

改めて尼さん達を一人一人見つめなおして見ると、

尼さん達がまさに男から女へ性転換されていくように見えたのであった。

「まっマジで男が女に…尼さんにされていっている…のか」

尼さん達を見つめながら俺はそう呟くと、

「さぁ、

 お前も尼にしてあげましょう。

 尼であることを受け入れ、

 身も心も尼となれば山を降りることが出来ますよ」

俺に向かって尼さんはそう告げるや、

棟続きになっている本堂へと向かうと、

観音菩薩像が見下ろしている奥の蓮台から何かを手にして戻ってきた。

「なっ何をする気だ」

戻ってきた尼さんに向かって俺は怒鳴り声を上げると、

「ほほ…」

尼さんは俺の質問には答えず、

俺の前を通り過ぎていくと、

「さぁ、

 この御仏をこの者の中に収めさせるのです」

と裸で立つ尼さんに告げる。

すると、

「はい…」

尼さんの口から甲高い小さな声が響きゆっくりと腰を降ろす。

そして、手にした御仏を俺の肉棒と袋の間に突き立てると、

グッ!

と押し込み始めたのであった。

「いてて、

 痛いっ

 そんなところ無理やり押し込んでも入るわけないだろう」

御仏をつき立てられた痛みに俺は体をよじりながら抗議するが、

しかし、尼さんは無言でグィグィと仏様を押し込んでみせる。

「痛いって!

 やめろ、

 マジで怪我をさせる気かよ」

続く痛みに耐えかねた俺はさらに声を上げるが、

「お黙りなさい」

と俺に向かって眺めていた尼さんが声を荒げた。

「うっ」

その声に俺は唇をかみ締めると、

「ふふっ、

 大丈夫ですよ。

 あなたの体は御仏を受け入れています」

と尼さんは優しく告げたのであった。

「え?」

思いがけないその言葉に俺は驚くと、

確かにさっきまで響いていたはずの痛みは幾分弱くなり、

それどころか、

グィ

グィ

っと俺の体内へと潜り込んでくる感触が響いてくる。

「まっまさか…」

それを感じた俺は慌てて股間を見ると、

尼さんの手に握られていたはずの仏様が既に半分ほどになっていて、

半分近くが俺の体内に潜り込んでいたのである。

「そんな…

 あっ」

ビクンッ!

「あっあはんっ」

衝撃の光景と共に体の中を突き抜けてきた快感に俺は思わず声を上げてしまうと、

「ふふっ、

 いい声…」

俺があげたあえぎ声を聞いた尼さんは小さく笑って見せた。

「くっ」

あまりにも屈辱的なその笑みを見て俺は歯を食いしばって見せるが、

次第に股間がしびれ始めてくると、

ビクビクビク

俺の体内を言いようもない快感が幾度も通り過ぎていく。

そして、それに合わせる様に俺は喘いでしまうと、

ニュルッ!

ついに俺の体は押し込まれていた仏様を飲み込んでしまったのであった。

「!!!っ

 ひっ

 ひゃぁぁぁぁ!!!」

体内奥深くに向かって潜り込んでくるその快感に俺は声を上げてしまうと、

シャァァァァ!!!

思わず失禁してしまうが、

しかし、その小水は高く飛ばずに、

広がるようにして床を濡らして行ったのであった。

「え?」

急速に感じなくなっていく肉棒の感覚に俺は股間を見ると、

クチュゥゥ…

ついさっきまで男のシンボルが会ったはずの俺の股間からはその姿が消え、

代わりに卑猥な縦口を閉じてみせる溝が刻まれていたのであった。

「これって、まさか、

 おっおまん…」

言いたくても途中で声が出なくなってしまうその名前を俺は呟くと、

「うふふっ、

 ほらっ、

 オッパイも膨らんで…

 さぁ、この者の髪を剃髪してあげなさい」

と尼さんは指示をする。

そして、嫌がる俺の頭から髪が全て剃り落とされてしまうと、

「さぁ、綺麗な尼が出来ました」

の声と共に俺の頭に白い頭巾が被されたのであった。



「はぁん、

 はぁん

 はぁん」

グチュッグチュッ

グチュッグチュッ

翌朝、

俺は股間から飛び出しては沈んでいく御仏にもてあそばされるようにして、

あえぎ声を上げていた。

「はぁん、

 はぁん

 はぁっ、

 あぐっ、

 いっいっちゃう…」

もぅ何度目だろうか突き上げられるような絶頂に俺は声を上げてしまうと、

「はぁぁぁん」

俺の隣で縛られている高木も坊主頭を振りながら同時に絶頂を迎えたのであった。

そして、

「はぁん…だめ…

 もぅ…」

ぐったりとしながら高木はそう呟くと、

プルンッ!

とおっぱいを一回り大きく膨らませて見せる。

「高木…」

それを見た俺は思わず名前を叫ぶと、

「ふふっ。

 たったいまこの者は己が尼であることを受け入れた。

 さぁ、お前も早くこの者と同じように尼であることを受け入れなさい」

と高木の拘束を解きながら尼さんは俺に言う。

「だっ誰が…」

その言葉に向かって俺は言い返すと、

グチュッ!

俺の体内に収められた仏様が再び動き出し、

「あっあぁぁ…」

見る見る頬を赤らめながら俺はあえぎ声を上げたのであった。



「誰が尼さんなんかになるかっ、

 俺は…俺は男として由利に会うんだ…

 あっあひっ!」



おわり