風祭文庫・尼僧変身の館






「夕林院の尼僧」
(前編)


作・風祭玲

Vol.440




ブオワァァァァァ…

覆いかぶさるように緑が生い茂る山中の国道を1台のバスが走り抜けていく、

オゥアァァァァァ…

きつい勾配にバスは唸り声をあげると、

九十九折の峠道をひたすら登り詰めていった。

「まったく、

 じっちゃんも困ったものだよなぁ…
 
 死ぬ間際になって
 
 お寺に預けている小太刀を俺に受け取ってもらって墓前に上げてくれだなんて」

右へ左へと揺れるバスの車内で蔵句健太は

先日他界した祖父からの遺言を呟きながら車窓を眺めていた。

そして、それからしばらくして、

「はぁ

 はぁ…

 はぁ…
 
 きっついなぁコレ」

峠のバス停でバスを降りた健太はひたすら山道を登り始めていた。



「え?

 夕淋寺?」
 
「はぁそうですが…」

「ねぇ、夕淋寺って聞いたことがある?」

ほんの1時間ほど前、

とあるローカル線の駅に隣接しているバスターミナルで

健太の祖父がかつて小太刀を預けたという寺、夕淋寺について尋ねると、

窓口の中年女性は首を傾げ奥にいる事務員に尋ねた。

すると、

「あぁ…

 えっと殿山峠に確かそんな名前のお寺があったっけ」

一人の事務員がそう返事をすると、

「あぁじゃぁ

 きっとそれです
 
 なんか峠にあるような話を聞いていたので」

その会話を聞いていた健太はそう声を挟むと、

窓口の女性からその峠へと向かうバスの乗り場を教えてもらい、

そして、寺がバス停から続く山道を登りつめたところにあることも

教えてもらったのであった。



チチチ…

周囲から野鳥の鳴き声が響き渡るが、

しかし、日はすでに西に傾き、

山道を歩く健太の影は徐々に長く伸びていっていた。

「まったく、

 バス停からこんなに登らされるだなんて聞いてないぞ、
 
 帰りのバスまでに間に合うかなぁ」

まるで立ちはだかる壁のような山道を健太は文句を言いながら登り、

そして、やっとの思いで上り詰めた時、

彼の正面に夕林院と書かれた額が掛かる聳え立つ山門と、

その奥にその寺の本堂が姿を見せた。

「はぁぁぁぁ…

 やっと着いたぜ」

優雅なカーブを描く本堂を眺めながら健太は大きく息を吐くと、

流れ落ちる汗をタオルでぬぐった。

「あーもぅ

 さっさと用を済ませて帰ろう、
 
 バスの時間まで…うわっあまり時間が無いな」

健太はここでの滞在時間が残り少ないことに気づくと

慌てるようにして夕林院の門を潜り抜けた。

「へぇぇぇ…

 こんな山奥にあるからどんな寺かと思ったけど
 
 なかなか、大きな寺じゃないか」

壮麗さを見せ付ける本堂と整然と整えられた境内の佇まいに感心しながら

健太が境内を進んでいくと、

「どなた?」

その声と共に本堂の裏手より黒衣に黄袈裟をまとい

白い尼僧頭巾を被った尼僧が姿を見せた。

「うわっ

 あっ尼さんかよ!
 
 しかも、めちゃ美人!!」

予想外の尼僧の登場に健太は目を丸くしていると、

「あのぅ」

尼僧は固まったままの健太に声をかけた。

「え?

 いっいやぁ
 
 あはははははは」

不安そうな尼僧の表情に健太は慌てて作り笑いをすると、

「うふっ

 面白い人」
 
尼僧はそう言うとつられるように笑い始めた。

そして、その尼僧に本堂へ通された健太は蓮台の傍で出された白湯を啜ると、

「こんな、山奥の尼寺で何もありませんが…」

「いぇいぇ

 しかし、見事な寺ですねぇ」

湯飲みを置いた健太は高い天井の本堂の中をぐるりと見渡しながら感想を言う。

「えぇ…

 なんでも500年の歴史があるとか先代から聞きました」

健太に蓮華尼と名乗った尼僧は衣で口を隠しながらそう返事をする。

「へぇ

 500年ですか!
 
 それでは掃除なんか大変でしょう」

「えぇまぁ」

そんな会話をしていると、

「あれ?」

健太は蓮台の上が空になっていることに気づき、

「この上って…確か…」

と指を指しながら尋ねた。

すると、

「えぇ…

 普通のお寺ではここにご本尊様があるのですが、
 
 この寺では別のところに置いてあるんです」

と蓮華尼は返事をした。

「別のところ?」

蓮華尼の返事に健太が首をかしげると、

「えぇ…

 そうです」

蓮華尼はそう呟きながら自分のお腹をさする仕草をする。



「まぁ、おじいさんの遺言で…」

「えぇ

 そうなんですよ

 で、俺のじっちゃん…じゃなかった祖父がココに預けた言う

 小太刀って返してもらえるものなのでしょうか?」

しばらく雑談をした後、

健太はかつて祖父がこの寺に預けたという小太刀の事を蓮華尼に尋ねると、

「はぁ?

 小太刀ですか?」

蓮華尼は考える素振りをした。

「結構昔の話ですから

 蓮華尼さんはご存じないかもしれませんが」

困惑した表情の蓮華尼に健太は笑いながらそう返事をすると、

「そうですね

 恐らく先代が預かったのかもしれませんから

 ちょっと探してみますね」

手にしていた湯飲みを置き

腰を上げた蓮華尼は早速棟続きの蔵へと向かうと、

健太の言う小太刀を探しはじめだした。



「はぁ…奇麗な尼さんだったなぁ…」

蓮華尼が蔵で小太刀を探している間、

健太は一人本堂で蓮華尼が戻ってくるのを待っていた。

サァ…

本堂の開け放たれた戸口から秋の風が吹き込んでくると、

キラリ

よく手入れが行き届いた蓮台が夕日に光りだす。

「それにしても、

 誰の気配も無いけど

 この寺には蓮華尼さんしかいないのかな?」

何の気配もしてこない寺の様子に健太はふと不審に思うと、

トタ…

立ち上がり本堂のあちらこちらを見て回り始めた。

「ふぅぅん

 見たところ、普通の寺だよなぁ…」

そう呟きながら本来なら仏像が安置されているはずの空の蓮台を覗き込むと、

ちょうど蓮台の上で何か大量の液体を流し溜めた

そんな黒い染みが目に入ってきた。

「なんだこれ?」

染みはすっかり乾燥しているらしく、

ちょっと手で触ってみ見ても乾燥した木の肌触りしか返ってこない。

「雨漏り…かな?」

そう思いながら健太は天井を見上げてみるが、

けど、天井には雨漏りを流したような跡はなかった。

「変なの…」

手に付いた埃を払いながら再び座ろうとしたとき、

トタトタ

奥から蓮華尼の足音が響いてくると、

「う〜ん、やはりありませんね…」

申し訳なさそうな表情の蓮華尼が健太の前に姿を見せ

それらしきものが見当たらないことを告げると、

「そうですか…

 じっちゃん、
 
 いや、祖父は少しボケていたので
 
 夕淋寺に小太刀を預けたというのは
 
 ただの思い込みでしょう」

と返事をした。

すると、

「え?

 夕淋寺ですか?」

健太のその言葉に蓮華尼はハッとした表情で聞き返すと、

「えぇそうですが…」

「あのぅ、ここは夕林院と言う寺なのですが」

「え?

 違うの?」
 
「えぇ

 ここはこういう字を書きますが…」

「え?

 でも…」

蓮華尼の言葉に言葉に健太は慌てて祖父の遺言を書き写した紙を広げ、

そして、蓮華尼が書いた文字とを比較すると、

「あぁ!!!」

っと声を上げた。

「あの…夕淋寺と言ったら山向こうにそのような名前のお寺がありますが…」

驚く健太に蓮華尼は申し訳なさそうにそう告げると、

「バスターミナルのおばちゃん

 違うじゃん!!」

健太はさらに大きな声をあげてしまった。



「間違えて押しかけた上に

 こうしていただいてしまって…

 どうもすみません」

「いいんですよ、

 気になさらないで」

結局、場所を間違えた上に帰りのバスを逃してしまった健太は、

その夜、蓮華尼の計らいでこの夕林院に泊めてもらうことになった。

そして、ランプの明かりの下、質素な食事を蓮華尼と共にしながら

健太は自分がココに来た理由となった祖父の小太刀のいわれなどを話すと、

「そうなのですか…」

蓮華尼は健太の言葉すべてに大きく頷いていた。

「そういえば、

 蓮華尼さんって
 
 なんでこんな山深い尼寺にいるのですか?」

話がひと段落した後、

ふと健太が尋ねると、

「えぇ…まぁ

 なんといいますか、
 
 この寺に呼ばれた…
 
 とでも言いましょうか…」

蓮華尼は視線をそらせながらそう呟くと、

軽く下腹部をさする。

「へぇ、そうなのですか…

 じゃぁ俺も似たようなものですね」

蓮華尼の言葉に健太は返事をすると、

「そうですわね…

 あなた様ここに来られたのも
 
 きっと御仏のお導きなのでしょう」

蓮華尼はそういいながら手を合わせた。



「御仏のお導きねぇ…

 それで、こんな尼寺に来るのかなぁ…
 
 見た目は俺と変わらないくらい若いんだけどな…」

風呂上り、健太はそう思いながら蓮華尼から与えられた部屋で寛いでいると、

「そうだ」

何かに気づいた健太は自分の荷物をあさりはじめた、

そして

「あれ?

 携帯が無い…」

持ってきたかばんの中に携帯電話が無いことに気づくと、

「そうだ、

 夕食を頂いたときに置いてきたまんまだった」

と気づくと、

手にしたランプの明かりを頼りに食事を食べた部屋へと向かっていった。

ギシッ

築数百年が過ぎているといわれる廊下をきしませながら健太が歩いていくと、

やがて

ユラッ

ランプの明かりが揺れるの風呂場が見えてきた。

「あっ

 蓮華尼さんがいるのかな?」

そのランプの動きを見ながら健太の視線が風呂場のほうへと動いた途端、

「!!!」

彼の視界に女性の白い柔肌と少年を思わせる青い剃りを見せる蓮華尼の裸体が映った。

「うっ」

ドクン!!

女性特有の柔らかな肉体と、

少年のような頭髪の無いツルリとした頭…

そのアンバランスな蓮華尼の姿に健太の胸は大きく高鳴り、

瞬く間に股間の彼のペニスは硬くなってしまった。

「うわっ

 やば!!!」

ビンッ

っと勇ましく勃起し、

そして股間を力強く持ち上げてしまったペニスに

健太は内股になって押さえ込むと、

置き忘れてきた携帯電話のことなど忘れ、

慌てて部屋へと戻っていった。

しかし、

彼が見てしまった蓮華尼の下腹部が奇妙に膨らんでいることに

健太は気づくことはなかった。



ギンッ!!

「う〜っ

 寝られねぇ!!」

深夜…

健太は逃げるようにして床に就いたものの、

しかし風呂場で目撃した蓮華尼の裸体の衝撃からいまだ醒めてはいなかった。

ビンッ!!

「くぅぅぅぅ

 参ったなぁ、
 
 チンポが硬くなったままで全然解けないや、
 
 どーすっかぁ」

そう呟きながらあの時以来

硬く勃起したままのペニスを扱きながら布団の中で幾度も寝返りを打つと、

「えぇい!」

っと飛び起き、

「しょんべんしてこよ

 小便をすれば少しは収まるだろう」

といい言いながら健太は襖を開けた。

すると、

「れっ蓮華尼さん?」

襖の向こうにはあの蓮華尼が座っていて、

出てきた健太に向かって静に頭を下げた。

「なっなんで?」

健太にとっては突然の蓮華尼の登場に驚いていると、

「すっすみません」

蓮華尼は俯きながら健太に向かって謝る。

「あの…なにか」

蓮華尼の謝罪に健太は困惑をしながら訳を尋ねると、

「まことにお恥ずかしいのですが、

 このような山奥深い尼寺で一人で過ごすうちに、

 すっかり人の温もり恋しくなってしまい、
 
 つい、ここに来てしまいました。
 
 申し訳ありません、
 
 すぐに戻りますので」

蓮華尼はうつむきながらそう返事をすると、

そそくさと立ち上がり自分の寝所へと小走りで向かって行った。

「あっ

 こういうのって…
 
 ひょっとして、蓮華尼さん
 
 俺を誘っていたのか?」

廊下の奥へと消えていく蓮華尼の後姿に健太はそう呟くと、

ギンッ!!

彼のペニスはさらに一段と固くなり、

「よっよしっ」

股間で荒々しく起立するペニスの赴くまま、

ダッ!!

健太は蓮華尼の後を追っていく、

そして、

ゴクリ!!

蓮華尼の寝所の前で健太は生唾を飲み込むと

「あっあのぅ…」

襖越しに声をかけた。

すると、

スッ

目の前の襖が音もなく開き、

その奥で尼僧頭巾に覆われた蓮華尼の白い頭が静に下がるのが見えた。

「うっ」

その様子に健太の心臓ははちきれんばかりに鼓動を打ち、

喉はカラカラに乾ききってしまった。

「………」

まるで空間が凍結をしてしまったかような沈黙が流れていく中、

「あの…」

蓮華尼が発したその声に、

健太はハッとすると、

「いっいいですか?」

と蓮華尼に向かって尋ねた。

再び沈黙の時間が過ぎていく、

そして、

「……」

健太のその声に答える様に蓮華尼は無言のまま視界から姿を消すと、

「いっいいのかな…

 行って良いんだよな
 
 うっうん
 
 でっでは、失礼します」

これから起こることを想像逞しくその脳裏で描いてしまった健太は

散々躊躇した後、覚悟を決めるとそう言いながら、

一歩

また一歩と

踏みしめるようにして蓮華尼の寝所へと踏み込んでいった。

その途端、

フワッ

言いようもない香りが健太の鼻をくすぐる。

「香?」

その香りに健太は寝所の中を見渡すと、

畳の上に引かれた布団の枕元に置かれた器から香の煙がほのかに立ち昇っていた。

「お気に召しませんか?」

健太の視線が香に釘付けになっていることに蓮華尼はそっと尋ねると、

「いっいえっ」

健太は蓮華尼の懸念を追い払うように返事をし

そして、視線を蓮華尼へとむけた。

その途端、

「!!」

健太の瞳がまん丸になると、

「れっ蓮華尼さん

 それは…」

と震える手で蓮華尼を指差した。

「はっはいっ」

健太の声にはにかみながら返事をする蓮華尼の姿は

頭には尼僧頭巾を被っているものの、

しかし、それより下はさっきまで着ていた床着を脱ぎ捨て、

白い柔肌を晒していのであった。

「なっなんで、そんな格好を…」

「いやですか?」

「いやっそんな…」

「あたし待っていたんです」

「え?」

「この尼寺に殿方が訪ねてくる日を」

「待っていた?」

「あたしを

 この尼のあたしを救い抱いてくださる殿方を…」

「そっそうですか?」

「そして、今日あなたが来てくれた。

 これも御仏のお導き…
 
 お願いです。
 
 あたしを抱いてください。
 
 そして、あたしを…」

蓮華尼はそう呟きながら健太に抱きつくと唇を重ね合わせた。

「うっぷっ」

いきなりのキスに健太は困惑をしながら蓮華尼を抱きしめると、

ギンッ

その間にも彼のペニスは痛いほどに硬くなり、

彼の股間でその存在を誇示する。

そのとき、

ゴリッ

健太の体に膨らんだ蓮華尼の下腹部が押し当てられ、

その中から硬い何かが健太の体をつついた。

「え?」

そのことに健太が気づくと、

スッ

すばやく蓮華尼の細い腕が健太の股間へと伸び、

そして、

「まぁ

 なんてすばらしい…」
 
蓮華尼はいきり立つ健太のペニスに手を触れ、ゆっくりと扱き始めた。

「あっ」

「うふっ

 感じます?」
 
「うっ」

「ふふ…」

蓮華尼はとても山深い尼寺にいる尼とは思えないくらいの手さばきで、

健太を翻弄しはじめる。

シュッシュッシュッ

「あっ

 あぁ
 
 すげー
 
 なんて、すげー
 
 あぁ出るぅぅぅぅ」

「そう?

 だも、まだ出しては駄目よ」
 
「そんなぁ」

「男ならガマンなさい」

「そんなぁ」

月明かりが照らし出す蓮華尼の寝所で健太を犯す蓮華尼の腕が上下に動く、

そして、

「ふふ

 出したい?」

悪戯っぽく蓮華尼が尋ねると、

「お願いだ、

 出させてくれ!!!」

健太の懇願する声が響き渡った。

すると、

「いいわっ、

 でも、その前に、
 
 あたしのココを舐めて…」

と囁きながら蓮華尼は健太の顔に自分の股間を押し付け股を大きく開いた。



その途端、

ビチャッ!!

「うっ」

健太の顔に蓮華尼の愛液が噴きかかり、

彼の頬に幾本もの筋を流していく、

「さぁ

 イキたいんでしょう
 
 だったら、ココをきれいにしなさい」

すっかり主導権をとってしまった蓮華尼の声が響き渡ると、

「あぁ…はい…」

漂う香の香りのせいだろうか、

健太は蓮華尼の言われるまま口から舌を伸ばすと、

愛液が溢れかえる蓮華尼の女唇に口をつけ、

ピチャッ

ピチャッ

寝所の中に淫らな音が響かせはじめた。



「あぁ、そうよ、

 いいわ
 
 そこよ、
 
 もっとを舐めて…

 ううん、吸って
 
 強く、

 そう、強く吸って
 
 うっ
 
 あぁん、
 
 いっいぃ」

健太に秘所を嘗め回せている蓮華尼は身体をくねらせながら、

右へ左へと腰を動かし、

健太の舌を巧みに誘導していく、

そして、

ガシッ

健太の頭をわし掴みにすると、

「さぁ

 いまからあたしが出すのをしっかりと舐め取るのよ」

と告げた途端、

「うんっ」

と力んだ。

すると、

グリッ!!

蓮華尼の膨らんだ下腹部の中で何かが動くと、

ドロッ

彼女の女唇から一際濃い愛液が流れ出し、

「うっぷ

 こっ濃い…」

健太は濃さと粘りを増した愛液をすべて舐め取らされてしまった。



つづく