ザァァァァァァ… 降りしきる雨の夜、 「はぁ…疲れたな… もぅ残業ばっか、辞めようかなぁこの会社」 と呟きながら仕事帰りの女性が歩いていると、 『…せ…』 どこからともなく人の声が聞こえてきた。 「?」 その声に女性は立ち止まると周囲の気配を探り始める。 『…こせ…わた…』 「なに?」 声は着実に女性に向かって近づいて来ていた。 「なっなによぉ」 本能的に迫ってくる危険を感じ取り、 そして、女性が走り出そうとしたとき、 フワッ 突如、女性の目の前に薄汚れた着物姿の女性が姿を現をすと、 『…返せ… 私の顔を返せ!!』 恨めしように囁きながら髪を振り乱し女性に向かってきた。 「ひぃぃぃ!!」 バッ!! 風で顔を覆っていた髪の毛が蒔き上がると、 向かってくるその女の顔がハッキリと捕らえられた。 「かっ顔が…!!」 それが女性の最後の言葉だった。 『…では、次のニュースです… 先日、地下鉄14号線の工事現場で発見されたミイラ化した女性の遺体ですが、 その後の警察の調べで、遺体の着衣などから、 この女性はいまから200年ほど前の江戸時代後期に殺害され、 この場所に埋められたものと判明し、 現在、学識者などによるくわしい鑑定が行われています。 帝都大学教授の………』 「きゃはははは… お姉さまっくすぐったいですよぉ!!」 「ふふ、じゃココはどうかなぁ…」 「やっやめてくださぁい!!」 ビタンビタン!! TVから流れるニュースを背に真弓は朱色の鱗に覆われた尾鰭を 激しく揺らせながら嬉しそうに声を上げると、 桜子は彼女に馬乗りになると盛んに擽り責めをしていた。 すると、 ピンポーン!! 玄関の呼び鈴が部屋にこだました。 「はぁーぃ、 もぅいいトコだったのにぃ!!」 文句を言いながら桜子が玄関に向かうと、 「げっ!!」 と言う声と共に1・2歩後ずさりをした。 「?」 桜子の態度に真弓が首を傾ける。 すると、 「やれやれ、真っ昼間から何をしているかと思うと…」 と言う声と共に着物姿の老婆が部屋に入ってきた。 その途端、 『ばぁちゃん!!』 真弓の脳裏に恭平の叫び声が上がった。 『恭平さんのお婆さんなのですか?』 『あぁそうだけど…』 恭平と真弓が脳裏でそう囁いていると、 「ふむ?」 真弓の姿に気がついた老婆が近寄ってくるなり、 「ほぅ、人魚とは珍しい… 桜子、この人魚は何処で拾ってきた?」 と尋ねた。 「あっ、いえ…まぁその…」 桜子が答えに窮すると、 「まぁ、いい… あんまり弟にいらんものを背をわせるな、 元に戻れなくなるぞ」 と一言忠告をすると、 スタスタと居間に向かい、 「なんだ、お茶も出さないのか?」 と桜子に苦言を言った。 「あっはいはい…」 老婆の言葉に桜子は慌てて流し台に向かう。 『あのお姉さまを手玉に取るなんて、 恭平さんのお婆さんって凄いんですねぇ』 その様子を見ていた真弓が呟くと、 『姉貴も婆ちゃんには弱いからなぁ…』 恭平も納得した口調で言う。 「さて、今日ここに来たのは仕事の話じゃ」 「仕事…ですか?」 老婆の台詞と共に桜子の表情に緊張が走る。 すると、 ピッ 老婆は懐から1枚の写真を取り出すと桜子の前に置き、 「コレが被害者の写真じゃ」 と告げた。 「こっこれは…」 その写真を見て桜子の顔色が変わる。 「そう、見ての通り… 顔をごっそりと取られておる」 「顔を…」 桜子が見ている写真には顔を失い”のっぺらぼう”となっている女性の顔が映っていた。 「生きて…いるのですか?」 「うむっ、 目鼻口と耳を失いながらも、生きてはおる。 故に、妖怪の仕業として私の所に話が来た」 湯気の立つ湯飲みを啜りながら老婆は答えると、 「判りました。 この件、 私たちが解決します」 キリッ とした口調で桜子が返事をした。 「うむっ」 その言葉に老婆は大きく頷くと、 「で、茶菓子は無いのか?」 と一言催促をした。 「それで、俺の出番か…」 大きくため息をつきながら巫女装束に身を固めた真弓… いや、恭平が夜の街に立っていた。 「なによ、露骨に嫌がって…」 隣を立つ桜子がそう言うと、 「まぁ… 仕事だから仕方がないんだけど… でも、もぅちょっと仕事しやすい所にしないか?」 ネオンサインがきらめく周囲を眺めながら恭平が言うと、 「よう、巫女のねぇちゃん、 俺と一緒に飲まないか?」 と気安く声を掛けてくる声と共に酔っ払いが恭平の腕を握る。 「結構ですっ」 恭平はそう返事をして腕を振り払うと、 「なんでぃ、 そんな愛想じゃ客は取れないぞ!!」 とさらに酔っ払いが恭平に絡んでくる。 そのとき、 ヒュォォォォ… 一陣の冷風が吹き抜けると、周辺の気温が一気に引き下がり、 シャンッ!! 鈴を鳴らすような音共にサトが姿を現した。 「なっなんでぃお前は…」 サトの出現に酔っ払いが驚きの声をあげると、 「おやっ、サト、あなたから出てくるなんて珍しいわね」 恭平の顛末をタバコをくわえながら眺めていた桜子が声を掛ける、 『…………』 サトはジッと酔っ払いを見つめた後、 『去れッ』 と一言告げた途端、 ゴンッ!! 刺すような冷気が酔っ払いの顔を直撃した。 パキン!! たちまち酔っ払いの顔が白く変わると、 「はっはっはいっ!!」 一気に酔いが醒めたためか、酔っ払いは一目散に消えていった。 『酔っ払いは嫌いだ…』 サトはそう言い残すと スッ と姿を消した。 「ふぅ…ヤレヤレ」 「サトのお陰で助かったね」 「まぁそうだけど… で、この辺にその妖怪が出るという根拠はあるのか」 酔っ払いが姿を消したことに恭平はホッとしながらも桜子にそう尋ねると、 「うんまぁ、あたしの勘よ」 と桜子は答えた。 「はぁ?」 「あら、あたしの勘、疑うの?」 桜子の返事に恭平が呆れた顔をすると、 「姉貴の勘じゃねぇ… どれだけ徒労をさせられるかと思うと はぁ気が重い…」 と恭平は手近にあった電柱に手をついた。 とその時、 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」 突然響き渡った女性の悲鳴に、 「!!」 二人は顔を見合わせると、 「行くわよっ」 「あぁっ」 と言う声を残して、悲鳴が上がった場所へと向った。 そして、そう遠く離れていない路地に向かうとそこには 『…違う…これもあたしの顔じゃない…』 気絶した大学生風の女性を抱え、 髪を振り乱し和装を大きく着崩した女性が、 抱いている女性をジッと眺めているところだった。 「やはりね…」 桜子はあることを確信すると素早く退魔札を数枚取り出し、 「妖怪成敗!!」 と叫びながら妖怪に向かって投げつけた。 ボッ 桜子の手から放たれた退魔札は炎の矢となり妖怪に向かって突き刺さっていく、 「姉貴、人質人質!!」 桜子の問答無用の攻撃に驚いた恭平が声を上げると、 「ごちゃごちゃ五月蠅いのっ 捕り物に若干の被害はつきものよ」 とある意味開き直りとも取れる台詞を言う、 「ったくぅ…」 それを聞いた恭平は、素早く妖怪に近づき、 「その人を離せ!!」 と叫ぶなり右手に作った光弾を妖怪めがけて撃ち込もうとすると、 バッ!! 妖怪は抱きかかえていた女性を恭平に目かげて放り出した。 「おっと」 すかさず、恭平は女性を受け止めると、 「おいっ、大丈夫か?」 と女性に声を掛け、 そして、その顔を見た途端、 ピシッ! 見る見る恭平の顔が強ばると、 「うわぁぁぁぁ!! こっこの人っ顔が!!」 と悲鳴を上げた。 ベロン!! 恭平が助けた女性の顔には目鼻が何もなく、 まるで顔に漆喰を塗り込めたように何も無かった。 「そうか、婆ちゃんとの話の時いなかったっけ、 まぁ、改めて説明をすると、 ”面喰い”と言う妖怪よ、 徳川時代後期の江戸に突如姿を現した妖怪で、 主に女性のみを狙い、 襲った女性の顔を食べると言う… そして面喰いに顔を食べられた人は このような”のっぺらぼう”にされてしまうのよ、 でも、確か旅の高僧に封印されたって聞いていたけど」 首を捻りながら桜子はそう恭平に説明すると、 「ひぃぃぃ」 その話を聞いた恭平は思わず震え上がった。 「あら、自分の顔のことを気にするなんて、 真弓ちゃんの影響かな?」 恭平のその様子を見た桜子はそう笑うと、 「あのなっ、男でも震え上がるぞ!!」 そう恭平が抗議していると、 『お前のその顔をよこせぇ〜っ』 髪を振り乱しながら妖怪・面喰いが恭平の方に向かってきた。 「うわぁぁぁぁ!! 襲うのなら俺じゃなくて姉貴を襲え!!」 すっかり面喰いのペースに飲まれてしまった恭平は 向かってくる面喰いからただひたすら逃げ回っていた。 「全く…未熟者め」 恭平のその様子に桜子は呆れかえると、 「面喰いっ、 あたしが相手よっ」 退魔刀・東雲を抜き桜子が声を張り上げた。 「!!」 キィィン!! 東雲から湧き出る波動に面喰いはジリジリと後退を余儀なくされていく、 「ほらっ、恭平っ、 こんな雑魚妖怪になにビビっているの!!」 東雲を振りかざしながら桜子が恭平にハッパをかけると、 「やかましい、 ちょっと飲まれただけだろうが!! くおらっ、面喰いっ よくも俺に恥をかかせてくれたな」 体勢を立て直した恭平が、 掌に光弾を沸き上がらせながら声を上げると、 「コレでも食らえっ」 シュパァァァァン!! すかさず光弾を面喰いめがけて撃ち込んだ。 ギィェェェェェ!! 「やった!!」 光弾の直撃を受けた面喰いははじき飛ばされると、 パリパリ… 体中から淡い放電を放ちながら道路上に蹲った。 「さて、面喰い、 あなた、 この近くの地下鉄工事現場で発見されたミイラと関係があるんでしょう? だから、封印されたはずのあなたが蘇った。 違う?」 スチャッ 東雲を構えながら桜子が尋ねると、 『…そうだ…あたしは長い間封印されていた。 …恨めしい… …あたしの顔を奪った奴が恨めしい… …せっ、あたしの顔を返せ…』 面喰いは何度も呟くと、 むっくりと起きあがった。 「コイツ… 直撃を喰らったのに」 起きあがった面喰いのその様子を見た恭平も思わず一歩引いた。 その途端、 『私の顔を返せ〜っ』 面喰いは一番傍にいた桜子に飛びかかる。 「コイツ…顔が…」 間近に迫った面食いの顔を見た桜子は、 面食いの顔がまるで炭で塗りたくられたように 真っ黒になっている事に気がついた。 と同時に、 「そう言えば、工事で出てきたミイラって顔が焼かれていたっけ」 昼間ニュースで告げていたミイラの事が桜子の頭をよぎると、 『返せぇ〜』 面喰いの老婆のような手が桜子の顔に迫る。 すると、 「姉貴ッ」 恭平の叫び声と共に、 「くおのっ!!」 恭平の右ストレートが面食いの横顔に炸裂した。 しかし、 ズボッ!! 恭平の腕は大した手応えがないまま面喰いの顔の中を突き抜けると、 呆気なく反対側に突き出てしまった。 「なっ、こいつ…」 突き出た自分の腕を眺めながら恭平は驚いていると、 「ダメよ、恭平っ スグに離れて!! 面喰いには顔がないのよ!!」 桜子が声を上げる。 「判ったけど… うわっ腕が…」 ミシッ!! 面喰いの顔を突き抜けた恭平の腕が締め付けられる。 そして、 『私の顔を返せぇ』 自分の顔で恭平に利き腕を封じた面喰いは 今度は恭平の顔に手を伸ばして行った。 『いやぁぁぁ!! こないでぇ!!』 恭平の脳裏で真弓が叫び声をあげると、 『真弓は黙ってろ!!』 恭平は脳裏の真弓に向かって怒鳴った。 「…くっそう… ならば…」 迫る面食いの手を恭平は左手で押させると、 ズザザザザザ!! 面喰いを引きずるようにして、 バッ!! 橋の欄干から身を乗り出すと、 そのまま、川の中へと飛び込んだ。 バシャーン!! 水柱が上がり川の水が恭平の身体を包み込むと、 見る見る恭平の脚は一つにまとまり、 そして、朱色の鱗がその脚を湧くようにして覆い尽くすと魚の尾鰭へと変化した。 また、さらに髪の毛も長く伸びていくと、 『へへ…どうだ、 水の中じゃ思うように行動できないだろう、 いいんだぜ、俺は幾らでもココにいられるんだからな』 人魚に変身した恭平は川底に面喰いを押しつけながらそう言い放った。 しかし、面喰い川底に押さえ込まれながらも、 『うぉぉぉぉぉ』 声を上げ、そして手を伸ばすと恭平の顔に手を掛けた。 ミリミリミリ 面食いの爪が恭平の顔に食い込んでいく、 「こっコイツ…」 顔を襲う激痛に恭平は驚くと、 クッ ブワッ!! 激しく尾鰭を動かすと、 バシャッ!! 高く水面から飛び上がった。 そして、 落下を始めたとき光弾を浮かび上がせた左手を面食いの胸元に当てて、 「喰らえ!!」 と叫んだとき、 シャン!! サトの音が響き渡った。 と同時に、 パキーーン!! 川面が一気に氷結すると、 「うわぁぁぁ」 ドォォォン!! 恭平と面喰いは氷結した川面に思いっきり激突をした。 「あちゃぁぁ、この間の逆ね…」 その様子に桜子は先日の人魚退治の1シーンを思い出していた。 『うぅぅぅ、…返せ…あたしの顔を…』 むくり起きあがった面喰いが伸びたままの恭平の顔に再び手を掛けようとすると、 ヒュン カッカッカッ!! 氷結した川面に氷柱が次々と突き刺さった。 『うっ』 その氷柱を面喰いが驚くと、 『…タツ…あなたタツなんでしょう?』 と声と共にサトが面喰いの前に降り立った。 『…!!? その声は… …サト?、 サトなの?』 サトの声に面喰いの手が止まると、面喰いはサトの方を見る。 『うん…』 面喰いの問いにサトは軽く頷くと、 フワリ と面喰い前に立った。 そして、 『タツ… もぅやめよう… あなたが私と一緒に奉公に上がった大奥でどんな目にあったのか 私は忘れてはいないよ、 奥女中からの謂われのない虐め、 公方の様のお手つきがあったこと、 そして…そのことに嫉んだ側室からの…』 『やめて、聞きたくない!!』 サトがそこまで言うと面喰い・タツは耳を塞いで顔を振った。 『ごめんね、あたしがずっと傍に居てられないくて…』 『サトは悪くない… いつもあたしを庇ってくれた、 だから、体を壊して…』 サトの言葉に体を震わせながらタツはそう言うと、 『だから、憎いのよ、 あたしの顔を奪い、命を奪った彼奴らが!! だから… だから… 片っ端から、殺してやった… 根絶やしにしてやった… でも、あたしの奪われた顔は戻ってこなかった… だから…』 タツのその訴えを聞いたサトは優しい顔をすると、 『タツ…何を言っているの あなたの顔はもぅ戻っているのよ… ただ、あなたはそのことに気づいていないのよ』 と告げた。 『え?』 サトのその言葉に思わずタツは顔を上げると、 キラッ!! サトは鏡面の様な氷を取り出すと、 『全く、真っ黒な顔をしちゃって… ほらっ、ちゃんと拭けば良いじゃないの?』 と言いながらタツの顔を丁寧に拭いていく、 すると、 真っ黒だった顔の中から目と鼻と口が姿を現した。 『あっあたしの顔…』 氷の鏡をタツは真剣に眺める。 『だから言ったでしょう? 顔を拭かないからいけないのよ』 『………』 『はいっ、昔のタツちゃんに戻りました』 すっかり綺麗にふき取れたタツの顔を見ながらサトはそう言うと、 タツは肩を振るわせながら、 『…サト… ありがとう…もぅ会えないかと思ってた…』 と言うなりサトを抱きしめた。 『ごめんね…あたしがタツの傍に居れば』 サトはそう呟きながらタツの髪を幾度も撫でる。 『ううん、 怒りに自分を見失っていたあたしがいけないの だから…』 『もぅ、その話は止めよう』 コクリ… タツはそう頷くと、 『サト…あたし逝くね…』 とサトに告げた。 『うんっ そうするといいよ』 タツの言葉にサトは大きく頷くと 『サトはどうするの? 出来ればサトと一緒に逝きたいんだけど』 とタツが尋ねた。 すると、 『え?あたし? そうねぇ… タツと違って柵が残っているからまだ行けない、 あっ、でも気を使わなくても良いから… 取りあえず先に行ってて休んで良いよ』 そうサトは答えると、そっとタツの方を押した。 『うん… じゃぁ…』 タツはそう言い残すと、 スゥ… その姿は見る見る半透明になると、 やがて消えてしまった。 「へぇ…サト、 あんた面喰い…じゃなかったタツとは知り合いだったんだ」 感心しながら桜子が声を掛けると、 『うん… タツとあたしは同じ村の出身で… 仲がよかったんだ… だからどんなに苦しくても頑張ってこられた、 あのとき、病であたしが”いとま”を告げられなければ…』 サトはそう言うと悔しそうに拳を握っていた。 「イタタタ!! 痛いっ 痛いよぉ!!」 「えぇいっ我慢しろ!! 男の子だろうが!!」 バスルームに恭平の悲鳴と桜子の怒鳴り声が響く、 ゴシ!ゴシ!!ゴシ!!! そしてその中ではデッキブラシを持った桜子が、 痛がりながら魚の尾鰭を盛んに叩く恭平の身体を盛んに擦っていた。 「幾ら一件落着したからと言っても こんな汚水臭いのを部屋に入れるわけには行かないからね」 そう怒鳴りながら桜子がブラシで擦ると、 「あのなっ だからといって… 俺はモノじゃないんだから… 少しは労ったらどうだ!!」 恭平は怒鳴り声をあげた。 「えぇいっ、ごちゃごちゃ言うな!!」 「うぎゃぁぁぁ」 「ふぅ… あたしが逝けるのはまだ当分先か」 恭平の叫び後を横で聞きながらサトはしばしため息をついていた。 おわり