風祭文庫・バレリーナ変身の館






「彩子のバレエ教室」



作・風祭玲

Vol.1025





真咲彩子バレエスタジオ…

それはどこの街中でも見かける普通のバレエ教室であり、

そのレッスン室には黒の七分袖レオタードに白いバレエタイツを穿き、

髪をシニヨンの引っ詰め頭にしたレッスン生達の華やかな会話が響き渡る。

しかし、教室の主催者であり講師でもある真咲彩子がレッスン室に入るや、

たちまち会話は消え、

ポロン〜っ

軽やかなピアノの音色が響き渡ると、

「そこっ、

 遅れていますよ」

「ちがうっ、

 どっちを向いているのですかっ」

彩子の注意と的確な指摘が飛び始める。

さらに年に数回の公演が近づいてくると、

「ダメダメダメ!

 もう一回やり直しっ!

 ここが出来るまで帰しませんよ」

レッスン生に向けて彩子はダメだしを連発して、

自分が納得できるまで皆を徹底的にシゴくが、

そのシゴキに音を上げてレッスン室に姿を見せなくなる者は当然でてくる。

しかし、姿を見せなくなる者は決まって入会からさほど時間がたってない者達が中心で、

ある程度時間が過ぎたレッスン生にとってはこのシゴキがある種の快感を生んでいるのか、

彩子のシゴキに皆はにしっかりと付いて行き、

そのために公演間近のレッスン室はレッスン生達が流す汗に満たされていったのであった。



さて、そんな彩子のバレエ教室だが、

男性にも広く門戸を開けていることもあってか、

月に数人、男性の希望者が訪問してくる。

意を決して門戸を叩く希望者を彩子は分け隔て無く迎え入れるが、

しかし、いざレッスンが始まるとある試練が彼らを待ち受けたのであった。

「バレエを習うのであるならレオタード姿になるのは当たり前でしょう?

 バレエを習う気があるのですか?

 バレエを習う気がある。っていうのなら早くレオタード姿になってレッスン室に来なさい」

困惑する彼らに向かって彩子はそう言い放つが、

しかし、顔を真っ赤にする彼らの手には黒のレオタードと白いバレエタイツが握りしめられていた。

そう、彩子のバレエ教室では女性も男性も

みな同じ黒レオタードに白いバレエタイツ姿となってレッスンを受けることが決められているのである。

女性ならともかく男性にとっては屈辱的ともいえるレオタードの強制によって、

男性希望者の殆どは入会早々にやめていくが、

だが、それを受け入れる男性もわずかながら居るのも事実である。

こうして、彼女のレッスン室は常に黒と白のモノトーンで統一されるが、

そのわずかな男性達もしばらくするとなぜか姿を消してしまうのである。



「はいっ、

 今日は身体測定を致します」

レッスンが始まる前のレッスン室に彩子の声がこだまする。

ザワッ

その声を受けてレッスン生達の間からざわめきが広がっていくが、

「はいっ、

 ではいつも通りに呼ばれた方から測定室に入って下さい」

皆に向かって彩子はそう指示をすると、

レッスン室の隣にある測定室へと入っていく。

「バレリーナにとって体型の維持は必須です。

 そして、その維持はバレリーナの義務であります」

日頃から彩子はレッスン生に向かって言っている。

確かに観客の前にて華麗に舞うバレリーナの体型が著しく崩れていては、

折角の公演が台無しになってしまう。

それを防ぐための身体測定なのだが、

だが、彩子にとってこの測定は別の一面を持っているのであった。

「…はいっ、

 バスト・ウェスト・ヒップ共に良い値を出していますね」

レオタードを脱ぎ肌を晒すレッスン生にメジャーを当てながら彩子は笑みを見せると、

「あつありがとうございます」

プルン

と乳房を揺らせるレッスン生は頬を赤らめてみせる。

「うんっ、

 計るごとに体型が良くなっているのが判るわぁ」

そんなレッスン生の胸の頂を自分の指先で軽くもてあそびながら彩子は意味深な笑いを見せ、

そして、

「こっちはどうなっているのかな?」

と質問をしつつ、

飾り毛が覆う股間へと指を滑らせていく、

「あっ…」

彼女の指先が股間に潜り込むのと同時にレッスン生は軽いあえぎ声を上げて身をよじってみせるが、

「うふふふふ…」

彩子は悪戯っぽく笑うと

クニクニ

クニクニ

と股間を弄び、

さらに

キュッ!

何かを掴むと、

グイッ!

それを引き延ばしてみせる。

すると、

ニュルンッ!

なんとレッスン生の股間から細くて小さな肉の棒が顔を出したのであった。

「あぁ…

 いや…」

ピクン!

小指のような小さな肉棒を股間から突き立ててレッスン生は恥ずかしがっていると、

「うふっ、

 最大勃起時でも長さは3cm…

 うん、すっかり小さくなったわね」

肉棒を計りながら彩子はその長さと感想を言う。

「はっはい…

 普段は体の中に隠れるようになりました」

その言葉に応えるようにしてレッスン生は日頃状態を説明すると、

「それで良いのよ、

 孝夫君っ」

と彩子はレッスン生の名前を呼ぶ。

「うっ」

半ば忘れかけていた自分の名前を呼ばれたレッスン生は複雑な表情を見せると、

「バスト…

 ウェスト…

 ヒップ…

 どれも女性として恥ずかしくはない数字ね。

 あたしの言いつけを守りお薬を飲み続けてくれた証拠ね。

 大丈夫、あなたは立派なバレリーナよ、

 もっと自信を持ちなさい」

と言いながら、

クニクニ

クニクニ

彼女、いや彼の股間から伸びる肉棒を扱いてみせる。

「あぁ…

 いやっ、

 そんなに…

 あっだめっ」

かつての姿からすっかり萎縮してしまった彼の肉棒は少しの刺激でも反応し、

そして、

「あっあっあぁぁぁぁっ!」

瞬く間に絶頂へと導いてしまうと、

ピュッ!

その先端からサラサラした液体を吹き上げてしまうのであった。



このバレエ教室では男性にもレオタードを強要していることを説明をしたが、

それによって多くの男性達は教室から去るものの、

しかし、レオタード姿になってレッスンを受けることを受け入れた男性に対して、

彩子はある薬を飲ませているのである。

その薬とは女性ホルモンを抽出して作った錠剤であり、

それを飲み続けることによって男性の身体は次第に女性化し、

みなレオタードが似合う女性へと姿を変えていくのである。

それ故に教室から男性の姿が消えていくのであった。

「ふふふふ…

 そうよ。

 バレリーナは美しくなければなりません。

 大丈夫、あたしがあなたを美しいバレリーナにしてあげます」

レオタード姿にさせられた上に女性化されていく男性の姿を眺めながら彩子は心の中で笑い続け、

そしてこの教室で汗を流すレッスン生の殆どは女性化された男性によって占められているのである。

「アン

 ドゥ

 トワァ

 アン

 ドゥ

 トワァ」

レッスン室に彩子の声が響き渡ると、

その声にあわせてバーに沿って立ち並ぶレッスン生達はレッスンを続ける。

そして、そんなレッスン生達を見据えながら、

「また新しい希望者が来るのね。

 しかも、男の人が…

 うふっ、

 いつも通りにレオタードの虜にした後にバレリーナにしてあげるわ…」

と呟きながら、

クニッ

彩子は自分の股間に指を滑らし、

そして、その下で小さく膨らんでいる自分のペニスを突くと、

キュッ!

キュッ!

とシゴくのであった。



真咲彩子バレエスタジオ…

このバレエ教室に踏み入れた者は皆バレリーナにされていくのである。



おわり