風祭文庫・バレリーナ変身の館






「ジュンの決意」



作・風祭玲

Vol.984





何処かの世界の何時かの時代。

青空に向かって突き出し、

街のシンボルとなっている尖塔の下に建つレンガ造りの建物、

その建物の中に街の誇りでもあるバレエ団があった。



カラン…

朝、尖塔より時を告げる鐘の音が鳴り響り。

コト…

その鐘の音を合図にして白銀のクラシックチュチュを身にまとうバレリーナたちが

トゥシューズの音を響かせながら一人二人と姿を現すと、

その数は時を追うごとに増えていく。

そして、チュチュのスカートを揺らしながら、

白い流れとなって塔が聳える建物の中へと吸い込まれ消えて行く、

そう、この街の名物となっているバレリーナの大行進。

やがて塔に続く道からバレリーナ達の姿が消えてしまった後、

静かに街の一日が始まるのであった。



ポロン…

レンガ色の建物の各所からピアノの音色が響き始める。

すると、

「あちゃぁ〜

 もぅ始まっちゃったよ」

の声と共に建物傍の物陰から残念がってみせる白い影が姿を見せた。

「どうしよう…」

シニョンに結い上げた髪に手を当て、

初々しさを見せるバレリーナは建物をしばらく見上げると、

「…うーん、

 今更ってもなぁ…

 そうだ。

 今日は休みと言うことで…」

と呟きながらそのまま回れ右をしようとしたとき、

「いっけなんだ、

 サボっちゃうの?」

と少女の声が響く。

「いっ!」

その声にバレリーナの表情がたちまち硬くなり、

ゆっくりと振り返って見せると、

「おはよう…」

と言う挨拶の声と共に制服姿の少女が話しかけてくる。

「あっアリサ…」

ルージュが塗られたバレリーナの口から幼馴染である少女の名前が出てくると、

「何しているの?

 こんなところで」

と小首を傾けながらアリサはバレリーナ・ジュンに向かって

なぜこの場に居るのか尋ねた。

「え?

 いっいや…

 それはその…」

アリサの質問にジュンはシドロモドロになってしまうと、

「レッスン、始まっているね…」

アリサはレンガ造りの建物を見上げながら呟いてみせる。

「うん…

 そうだね」

その声にジュンは頷いてみせると、

「行かなくていいの?」

とアリサは尋ねた。

「うっ、

 うん…そうなんだけど…」

じっと自分を見据えてみせるアリサの視線に顔を背けながらジュンは何かを言いかけると、

「もぅ、

 じれったいわねっ

 男の子でしょう」

アリサはハッパを掛けるように、

パンッ!

とジュンの背中を叩いて見せるが、

「…ボク、

 もぅ男の子じゃないよ、

 バレリーナなんだよ」

力なくジュンは呟く。

「あっそうだっけ、

 取っちゃったんだっけね、

 オチンチン」

それを聞いたアリサは”しまった”と言う顔をしながらジュンを見ると

「いいよ、

 もぅ」

話を打ち切るようにしてジュンは立ち去って行く、

「あぁ、待って」

ポアント立ちのまま去って行くジュンをアリサは追いかけて行くと、

「しつこいなぁ、

 アリサこそ、

 学校に行かなくていいの?」

とジュンはアリサに学校のことを指摘する。

「あぁ、

 あたしはいいのよ、

 うんっ」

満面の笑みを見せアリサは頷いてみせる。

「いいわけないだろう、

 それこそサボりじゃないか」

そんなアリサをジュンは軽蔑の眼差しで見ると、

「んじゃ、

 お互い様ってことにしよう」

と言いながら再度ジュンの肩を叩いた。

「もぅ!」

どこか無責任に見えるアリサの様子にジュンは口を尖らせ、

「性格、変わったね、

 昔はサボりなんてしなかったのに」

と問い尋ねた。

「え?」

ジュンのその問いにアリサはハッとした顔をして見せると、

「…ねぇ…

 やっぱりそう思う?」

と顔を伏せ尋ねる。

「え?」

思いがけないアリサの態度にジュンは驚き、

「いっいや、

 前と違ったように…見えただけで、

 なんか、気に触ったこといった?」

と言いながら慌て始めると、

「ううん、

 ジュンは悪くないよ」

顔を伏せつつアリサは首を横に振り、

そして、顔を上げた途端、

「ちょっと付き合って!」

そう言いながらジュンの手を掴んだのであった。



「あぁ、アリサっ

 ちょっと痛いって」

腕を掴まれ声をあげるジュンの腕を引っ張ると、

アリサは無人となっている入り口より建物に入って行く、

そして、

「ここがいいわ」

無人のレッスン室を見つけるや否やそのドアを開けると、

ドンッ

連れてきたジュンを突き飛ばして押し込み、

自分もそれに続いてレッスン室に入って行った。

「痛ぁ〜っ、

 何をするんだよぉ、

 それにバレエ団員以外の者が勝手に入ってはいけないんだよ」

チュチュのスカートを大きく開かせジュンは文句を言うと、

「細かいことなんていいじゃない。

 ジュンだって性格変わっているわよ、

 バレリーナになっちゃったせいかな?」

とアリサは言い返してみせる。

「なっなに…」

アリサの言葉にジュンは食って掛かろうとするが

勢いが無くなってしまったのか急にシュンとしてしまうと、

「だって…仕方が無いじゃないか」

口を尖らせて見せる。

すると、

「ねぇ、ジュン…

 バレエを続けるのが嫌になったの?」

とアリサは尋ねた。

「え?」

思いがけないアリサのその一言は

文字通りジュンの胸の奥にある本心を打ち抜くと、

「そっそっそんなことはないよ」

と否定をして見せるが、

「うそ、

 ジュンはバレリーナなんかになりたくない。

 そう思っている」

アリサはそう指摘する。

「うっ」

まさにその通りであった。

元々ジュンはバレリーナにはなりたくは無かったのであった。

しかし、その気持ちを誰にも告げられなかったために、

ここまで来てしまっていたのであった。

「いまさら…

 そんなことを言っても」

アリサの指摘にジュンは俯いてしまうと、

「やっぱり、そうだったんだ」

アリサは自分の指摘が図星であることに自信を持ち、

そして、ジュンの前に立つなり、

バッ!

制服のスカートをめくり上げて見せる、

そして、下着が覆う股間に手を押し当てながら

「そうよね、

 ジュンはオチンチンを取られてバレリーナになっちゃったもんね、

 オチンチンを取って、

 オッパイを膨らましたジュンはバレリーナ。

 うふっ、

 この間まで砂まみれになってボールを追いかけていたのに、

 チュチュを着てぇ、

 トゥシューズを履いているバレリーナになっちゃったんだもんね」

とジュンを見下ろしつつそう言うが、

股間に押し当てていた手が何かを掴み出すと、

シュッシュッ

と扱きはじめだしたのであった。

「あっアリサ?

 そっそれ…なに?」

アリサの手に握られているモノを指差しながらジュンが尋ねると、

「え?

 これぇ?

 うふっ、

 学校で付けられたのよ、

 オチンチンを…」

と囁きながら、

アリサは露になっている下着をずり下ろして見せた。

その途端、

ビンッ!

アリサの股間から丸い肉の頭を持ち血管を浮き立たせる肉の棒が突き出したのであった。

「おっオチンチン?」

幼馴染の股間から起立した肉棒・イチモツに目を釘付けされながらジュンが声をあげると、

「ねぇ、ジュン」

とアリサはジュンの名前を呼び、

「これ舐めて…」

そう囁きながらアンモニアの臭いを放つイチモツをジュンの顔へと近づけていく。

「いっいやぁぁ!

 こっ来ないで」

声をあげてジュンは這い蹲りながら迫るアリサから逃れようとするが、

「うふっ、

 無駄よ無駄」

逃げるジュンを追いかけるアリサは白タイツが覆う脚を掴みあげるなり、

グィッ!

っと一気に引き寄せ、

「さぁ、

 俺のチンポをその口でしゃぶるんだよ」

立膝になったアリサは男言葉で怒鳴り

ジュンの口に自分のイチモツを押し当てて見せる。

「いっいやぁぁ」

なおもジュンは抵抗してみせると、

「へぇ、そうかい…」

アリサは笑みを浮かべながらジュンの背中に手を回し、

背中で止まっているチュチュのホックを外し始める、

そして、腰の上の所まで外したとき、

ハラリ

チュチュの背中が肌蹴け、

プルンと震える柔らかい胸の膨らみがチュチュの隙間から顔をのぞかせたのであった。

「いやぁ」

それに気付いたジュンが慌てて胸を押さえようとすると、

それよりも早くアリサの手がジュンの胸にもぐりこみ、

「もぅこんなにオッパイを膨らませちゃってぇ

 バレリーナってとってもエッチなんだぁ」

そう囁きつつ、

アリサはジュンの胸を揉み始め、

「あふんっ、

 んふっ」

最初は嫌がっていたはずのジュンもアリサのまさぐりに次第に感じてくると、

頬を赤らめつつアリサの為すがままになって行く、

そして、

クチュッ

ジュンの股間が次第に湿ってくると、

ジワッ

とチュチュが覆う股にシミを広げ始めたのであった。



「ジュン?

 濡れちゃったの?」

染みに気付いたアリサが囁くように尋ねると、

「ちっちがう」

すっかり広く染みが広がる股間を隠すようにチュールのスカート押さえ

ジュンは否定をするが

「だーめっ

 見せなさい」

アリサのそういうや否やジュンの腕を掴み上げて一気に押し倒す。

そしてバタバタと暴れる白タイツの脚をピシャリと叩くと、

動きを止めた足を掴み直し

一気に股間を広げたのであった。

シチュリ…

「うふっ、

 ジュンのオマンコ…

 ベチョベチョになっているじゃない」

アンダーショーツからタイツ、

そして、チュチュにまで広がっているシミを見ながらアリサは悪戯っぽく言うと、

クチュクチュ

クチュクチュ

とジュンの股間に刻まれた縦溝にそって指で弄り始める。

「あっ、

 やめて、

 お願い。

 感じちゃう。

 いやっ

 それ以上弄らないで」

アリサの指の動きにあわせて放浪してくる快感の波にジュンは耐えながら訴えるが、

だが、指は決して止まることは無く、

逆にさらに大胆へと動き始めた。

それに呼応するかのようにジュンは声をあげるが、

ついに、

「あひあひあひっ

 はっはっあぁぁぁん」

絶頂に達してしまうと縦溝から夥しい愛液を吹き上げてしまったのであった。

「すっごーぃ、

 すっかりビチャビチャじゃない」

体の中から溢れ出しチュチュを汚していく愛液を見ながらアリサは驚くと、

「バレリーナって感度良いって聞いたけど、

 本当だったんだ」

と関心をすると、

「あたしもなりたかったな…

 バレリーナ」

そう呟いてみせる。

その時、

「そうだ」

ある考えが彼女の頭の中に閃き、

「ふふっ」

イカされぐったりとしているジュンを見ながら腰を上げると

レッスン室から出て行く、

それから程なくしてアリサはレッスン室に戻ってくるが、

そのときのアリサは制服姿ではなく、

トゥシューズを履き、

白タイツにチュチュを身に着けたバレリーナの姿であった。

コト

コトコトコト

ポアンとの音を響かせながらアリサはジュンの傍によって行くと、

「いつまで寝ているの?

 さぁ、レッスンよ」

と声を掛ける。

「え?

 アリサ…その格好は」

アリサの声に意識を取り戻したジュンは彼女の姿を見て思わず驚くと、

「さぁ、ジュン…

 起きなさい」

驚くジュンに構わずアリサは手を差し出し、

ジュンの手を握り締めると、

「ジュン…

 これを着るのよ」

と告げながらあるものを差し出したのであった。



「はっ恥ずかしいよぉ」

プックリと膨らむ尻が恥ずかしいのか、

王子の衣装を身に着けたジュンは手を後ろに回して声をあげると、

「何を言うのっ

 これがあたし達の本当の姿なの」

とアリサは声を上げ、

「さぁさぁ、

 レッスンレッスン」

そう言いながらアリサはバーを掴み、

「アンッ

 ドゥッ

 トワァ」

とバーレッスンを始める。

「アリサ?

 バレエできるの?」

それを見たジュンは尋ねると、

「ふふっ、

 あたしねっ

 バレリーナになりたかったの」

ジュンの質問にアリサは答え、

「でも、女の子だから…

 それは叶わない望みよね」

と続ける。

「そっそんなこと無いよ、

 アリサ、とっても綺麗だよ」

それを聞いたジュンは戸惑いながら言うと、

「そう言ってくれると嬉しい」

ジュンの言葉にアリサは笑みで返すと、

「でも…」

と表情を曇らせるが、

ムクッ

ムクムクムク

鏡に映る自分のバレリーナ姿を見て反応したのか、

アリサの股間が膨らみ始める。

「見てぇ、

 これがいまのあたしよ、

 自分のチュチュ姿を見て興奮してきちゃった。

 オチンチンが痛いくらいに硬くなっているの」

とジュンを見ながら告げる。

「アリサ…」

股間を膨らませるアリサを見てか、

ジュンの股間が濡れ始めてくると、

ジワッ

股間にシミが浮き出てくる。

そして、二人がじっと見詰め合ったのち、

アリサの手が伸び、

そっとジュンを抱きしめたのであった。

そしてアリサに抱きしめられながらジュンは片足を高く上げ、

またアリサはチュールのスカートをたくし上げて見せると、

「うふっ」

笑みを見せながら自分が穿いているタイツを切り裂くと、

股間で起立しているイチモツをチュチュに中から引っ張り出し、

ジュンの股間へと導き始める。

ツン

ツンツン

チュチュから飛び出したアリサのイチモツがジュンの秘所を突付き始め、

「あっアリサ?

 なっなにを…」

こわばった顔でジュンはアリサの意思を確かめる。

すると、

「うふっ、

 決まっているじゃない。

 こうするのよっ」

という声が響くのと同時にアリサの手がジュンのタイツを引き裂いてしまうと、

ズンッ!

メリッ!

股間を引き裂くような痛みが走ったのであった。

「いっ痛い!

 痛いよぉ!」

メリメリメリ

アリサの股間から伸びるイチモツを秘所へと押し込まれたジュンは思わず悲鳴を上げてしまうが、

「我慢しなさい。

 バレリーナでしょ?」

とアリサは言い、

そのままジュンを抱き上げてしまうと、

「くっ、

 しっ締まるぅ」

そう訴えながらアリサはジュンを背後から突き始める。




「痛い、

 痛い、

 痛い、

 アリサぁ

 抜いてぇ

 やっ破れちゃうよぉ」

アリサのイチモツに秘所を貫かれたジュンは必死になって訴えるが、

「ふふっ、

 今更何を言っているの?

 ジュンの処女はとっくに頂いているわよ、

 さぁ、あたしのオチンチンをたっぷり味わいなさい」

悲鳴を上げるジュンと対照的にアリサはそう囁きながら、

パンパンパン

と腰を振り続ける。

すると、

チュチュ姿のお姫様の股間から伸びる肉棒が縦溝が刻まれた王子の秘所を貫く様子が鏡に映し出され、

「あうんっ、

 んくっ、

 あぁんっ、

 痛いけど、

 でも、どこか気持ちが…

 良い」

アリサに貫かれるジュンは最初は痛がっていたものの、

しだいに痛みが快感へと変わってきたことを感じてくると、

「あんっ、

 もっと、

 もっと突いて、

 あぁっ、

 くる

 くる

 あぁん、

 とんじゃうよぉ」

と訴えながら絶頂へと向かって行く、

その一方でアリサも、

「あっぐっ

 凄い…

 締まる締まる

 絡み付くよぁ、

 あぁつ

 あぁあぁっ

 でっ出ちゃう、

 出ちゃう

 出ちゃう」

腰を振りながら射精の時を迎えようとしていた。

そして、

「あぁ」

「あぁぁ」

「あぁぁぁん」

二人合わせて声をあげながら果てたのであった。



…ごめん、アリサ…君がバレリーナになりたかっただなんて知らなかったから。

 ううん、いいのよ、

 でも、バレリーナになりたくてもなれなかった人が居るってコト、覚えていてね。

 うん、判ったよ。

 ねぇ、約束してくれる。

 なに?

 あたしの代わりにプリマ・バレリーナになって。

 え?

 驚くことは無いでしょう。

 ジュンは既にプリマ・バレリーナを目指して歩きだしているのよ。

 プリマ・バレリーナになるにはいっぱいレッスンしないといけないけど、

 ジュンならきっとできるよ。

 でも、プリマ・バレリーナって一番のバレリーナのことでしょう?

 えぇそうよ、このバレエ団で一番のバレリーナ。

 ジュンなら大丈夫、あたしが保証をする。

 うん、判ったよ。

 ぼっ僕、

 ううん、

 あたし、プリマ・バレリーナになるよ。

 うん、じゃぁ約束しよ、ジュンはプリマ・バレリーナになるって…



「まだ、レッスンを続ける気か?」

それから数ヶ月後、

人影が消えたレッスン室に白銀のチュチュを翻して踊り続けるジュンに向かって、

シルクハットにマントを羽織った老人が呆れてみせる。

「はい、先生」

バレエ団の振り付け師でもある老人にチラリと視線を送りながらジュンは声をあげると、

スッ、

老人は手にしているステッキで床を叩き、

「やれやれ、

 私も長く講師をしているが

 君みたいに熱心な者を見るのは久しぶりのような気がする」

と言うと、

キッ!

鋭い視線でジュンの動きを見据え、

「脚が下がっておるぞ」

とジュンに指摘する。

「はいっ」

その指摘にジュンはすぐに応えながら、

「あたしは…

 プリマバレリーナになる」

と心の中でそう呟いたのであった。



おわり