風祭文庫・アスリートの館






「相手」



原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-021





「うおぉぉぉすげぇ…」

「モロ見えだぁ!」

「うへへへへ…」

「もーオレダメ!!」

「馬鹿!!、ここでシゴき始めるヤツが居るか!!」

「だって先輩…」

「後でしろ!!」



ミーンミンミン…

蝉が激しく鳴き始めた夏の朝…

”レスリング部”

と言う表札のかかった蒸れた汗の臭いが立ちこめる薄暗い部室の奥で、

レスリングのユニホームであるシングレット姿の男子部員数人が

車座になって数冊の妖しげ雑誌をギラギラとした視線で廻し読みをしていた。

「さすが洋モノッスね先輩…」

股間のいきり立つ逸物を宥めるようにして一人が感想を言うと、

「だろう?」

と雑誌の持ち主である伊神一弥がニヤケながら呟いた。

と、その時、

バン!!

突然部室のドアが開け放たれると、

「あなたたち、そこで何をしているの!!

 もぅ練習の時間はとっくに始まっているのよ!!」

とレスリング部のマネージャである田所真弓が声を張り上げながら部室に入ってきた。

「げっマネージャ!!」

「ヤバっ!!」

ドタタタ!!

Tシャツにスパッツ姿の彼女を見るなり、

たちまち部屋の中にいた部員達は取り乱した。

「まったく、なんでコーチが怪我で病院に行った途端ダラけるの…

 これじゃぁ合宿をしている意味がないじゃないの!!

 もぅ、インハイの予選までそれほど無いんだからね…」

と真弓が小言を言い始めたとき、

「あっ」

一弥は回収に漏れた1冊の雑誌が真弓の足下に落ちていることに気づいた。

そして、真弓に気づかれないようにそっと手を伸ばそうとしたとき、

「!?、なにこれ?」

それに気づいた真弓の手が先に延びると、

サッ!!

っと雑誌を拾い上げてしまった。

「ヤバ…」

一弥の口からその言葉が漏れる。

その途端、

「いやぁぁぁぁ!!

 何よコレ!!」

真弓は悲鳴を上げると雑誌を開け放たれたドアの外へと放り投げてしまった。

「わったったったっ!!」

放り投げられた雑誌を追って一弥が慌てて表へと飛び出して行くと、

ダダダ!!

その後を追うようにして部室の中にいた部員達が

蜘蛛の子を散らすようにして逃げ出していった。

「なっなんなの!!

 あれは!!」

一人高鳴っている胸を押さえながら、

真弓が表にいる一弥に向かって抗議をすると、

「なにって…

 折角入ってくれた新入部員へのサービスだよ」

と言いながら一弥は何食わぬ顔をしながら部室に戻ってきた。

「あれがサービスですってぇ…」

真弓は怒りに満ちた顔で一弥に迫ると、

「そんな下らないエロ本にエネルギーを使う暇があるなら、

 さっさと練習をしなさいよ!!」

と怒鳴った。

すると、

「おいおいっ、

 コレは男にとっては必要な物なんだぜ」

と言いながら一弥は真弓に見えるようにして雑誌を掲げた途端、

「コレが必要ですってぇ!!」

パシッ

真弓はそう叫びながら一弥の手から雑誌を奪い取ると、

ビィィィ!!

っと真っ二つに引き裂いてしまった。

「あぁ!!、なんてコトをするんだよ!!」

目に涙をためて一弥が抗議すると、

「いーぃ、2度とこんな馬鹿なマネはしないこと、

 これは、あたしの命令よ!!」

ときつく注意した。

「何が馬鹿なマネだ!!

 お前…コレの重要性がまるで判っていないな!!」

引き裂かれた雑誌を大事そうに抱えながら一弥が声を上げると、

「重要性?、こんな雑誌の重要性って何よ」

真弓も負けじと反論をする。

それを見た一弥も一歩も引き下がらず、

「…あのなぁ、男にとっては溜まったモノは抜かないと生きていけないんだぞ」

と声を上げたが、

「一体…何を抜くって言うのよ!!」

真弓のその言葉に一弥の次の台詞は出てこなかった。

「ねぇ…一体なにを抜くっていのよ!!」

言い返せない一弥に真弓が更に詰め寄ると、

一弥は真弓を一瞬にらみ付けると、

「コレだコレ!!」

っと言って股間のペニスをしごく振りをした。

それを見た真弓は顔を真っ赤にすると、

ハァァァン!!

「このスケベ!!」

と怒鳴りながら一弥の頬を思いっきりひっぱたいた。

「ってぇなぁ!!」

右頬を押さえながら一弥が文句を言うと、

「女の子に向かってなんてコトを言うの!!」

となおも真弓は怒鳴った。

「ったくぅ…

 何が”女の子”だ、男みたいな真似をしているくせに、

 あのな、言って置くが男とはそう言う生き物なんだよ、

 まぁコレくらいのサービスはしないと新入部員は入ってこないし

 第一、ウチの部で俺の練習相手なんているのかよ」

と呆れながら一弥が真弓に向かって言った。

「う゛っ」

現時点の問題点を鋭くつく一弥の言葉に今度は真弓が返答を出来くなった。

確かに一弥の相手になる部員はいまのレスリング部には無く、

部の顧問でる元・全日本代表だった水口でしか歯が立たないのは事実だった。

「まぁ…真弓がオレの相手をしてくれるのなら考えても良いけど」

っと一弥がいやらしい手つきをしながら呟くと、

パァァァン!!

再び部室の中に響きのいい音がこだました。



それから数秒後…

「あぁ!!あたしがオトコだったら、

 あんたみたいのなの思いっきりしごいてあげるわよ」

と怒鳴りながら真弓が部室を出ていくと、

「ほぅ…そりゃぁ楽しみだね。

 お前がオトコになったらみっちりとしごいてやるよ」

両頬に手形の跡をつけながら一弥が怒鳴った。

「ったくぅ、思いっきりひっぱたきやがって…」

ブツブツ文句を言いながら一弥が部室から出ていくと、

『ふ〜ん…

 なるほど…

 オトコにね、

 これは使えそうだな…』

人気の無くなった部室に怪しげな声が響いた。



その夜…

「ううう…」

真弓は寝苦しさからか盛んに寝返りを打っていると、

ジワッ…

ドアの隙間から霧のようなモノが入り込んでくると徐々に部屋の中を覆い始めた。

そして

ヒューッ!

っとまるで洞窟の中のような涼しい空気が部屋を支配したとき、

「何?…」

ゾクゾクとする異様な気配に真弓は目を覚ますとその瞼を開けた。

と同時に真弓が寝ているベッド脇に立つ人影が視界に入ってきた。

「だ、誰なの?」

更に冷たいその気配に真弓は弱々しく声を上げたが、

しかし、人影は何も答えなかった。

「…まさか幽霊?」

そう思った途端、真弓の背筋は恐怖にかられて震えだした。

とそのとき、

『真弓…』

影が微かに呟いた。

その声はよく知っている一弥のものだった。

「え?…一弥?」

なぜ、一弥が自分の部屋に居るのか判らなかったが、

しかし、直感的に一弥のイタズラと感じ取った真弓は、

ムッ

と来るとスグに起き上がった。

そして、

「もう、一弥。

 勝手にあたしの部屋に入ってくるなんてどういう考え?

 コーチに言いつけるわよ」

真弓は目を擦りながら不機嫌そうな声で忠告をしたが、

しかし、それでも一弥は何の反応も示さずにベッド脇に立ち尽くしている。

「一弥?

 一体何の用なのよ?
 
 それに何その格好…」

真弓は一弥がレスリングのユニホーム・吊りパンツ姿で立っていることに不審に思った。

と同時に深夜の漆黒の部屋の中で一弥の瞳が怪しげに輝いているのに気づく。

「な、何よ?」

『ふふふ、真弓。

 朝の仕返しをさせて貰うよ…』

と真弓に向かって告げる一弥の声には抑揚がなくまるで大根役者のようだった。

「はぁ?…

 まさか、あんたあのこといってんの?

 それに仕返しだなんて…」

少し焦りながら真弓は答えた。

それでも一弥は相変わらずの調子で

「ふざけるな。

 あれだけのことを言った以上、

 お前も男になってみるんだな」

と言った。

「は?

 一弥、なに訳のわからないこといってんのよ?

 そんなこと、できるわけないでしょ?」

真弓は冷や汗を流しながら返事をすると、

一弥はスッとベッドに手をつき、

そして、

『ふん…

 なら、お前に生やしてやろう。

 男のチンポを…』

と言いながら、突然真弓の股間に右手を当てた。

「い、いやっ!!

 何するのよ、一弥。

 これ以上変なこと‥し、したら、

 みんなを呼ぶわよ」

真弓は一弥の破廉恥な行為に戸惑いながら抵抗した。

しかし、

さわさわとショーツを摩る一弥の技に快感を感じ始めてしまう。

「あ‥あん、い、いや‥

 あんっ…あぁ」

自分でやったことはあったが、

真弓にとっては初めて他人に愛撫される感じに

すっかり体を動かせなくなっていた。

股間からあまりにも強烈な快感が溢れ出し、

頭を朦朧とさせていく。

「ふふふふふ…

 ではお前にチンポと男の身体を授けよう」

一弥が突然そう言うなり、

真弓のクリを掴に上げた。

「ひ、ひゃうんっ!!」

真弓の頭が真っ白になった直後股間の感覚が一変した。

すぅーっと引いていくいつものクリの快感の後、

今度は股間に力強い感覚が湧き上がった。

「はぁはぁ‥あぁ、な、何?

真弓は初めて感じる股間の突っ張り感に真っ赤に染めた頬を更に赤く染める。

それは真弓が生を受けてから未だかつて体験してことのない感覚だった。

「はぁはぁ‥え、何なに?

 …はぁはぁ」

真弓は息を荒くしながら股間を覗き込んだ。

すると、

ショーツを突き破ろうとするような勢いで膨らんでいる股間があった。

「何よ、これ…」

真弓は事態が理解できず、

呆然と自分の股間を眺めている。

『ふふふふふ…

 これがお前のチンポだ』

「だ…チンポって…

 まさか、オチンチンッ?」

真弓はハッとした顔で一弥を振り向いた。

『そうだ。

 お前は男になのだ』

一弥はそういうと、

バッ

右手を振り下ろし勢いよくショーツを引き裂いた。

「いやっ!!」

空中に舞い散るショーツの断片が消え去ると真弓の股間が露わになった。

「あ…」

真弓は、自分の股間に生えているキノコ状の黒々としたペニス…

股間にだらしなく垂れ下がる睾丸…

そして股間に生え広がる長い陰毛に釘付けになり絶句している。

「そ‥そんな…」

真弓は両手で口を押さえながら震えていた。

あまりにも非現実的な光景にただ目を見開いているばかりだ。

そんなとき、

一弥はすっと手を出すと

真弓が未だに触れることすら出来ない真弓自身のペニスを握り締めた。

「あ、あんっ…

 だ‥駄目よ、一弥」

真弓は驚いて一弥を制止しようとするが、

一弥はそのまま真弓のペニスを撫で上げ始めた。

「あ、あぁ…はぁ、あんっ!」

真弓はいきなり他人に自分のペニスを撫で上げられるという感覚に目を白黒させる。

それは、

自分の股間の突起物の敏感さを真弓に突きつけた。

「ひ、ひゃう、はぅ…

 お‥お願い、一弥、やめて‥

 あ、あぅ、あんっ!」

真弓は信じられない現実に戸惑いながら必死にそれを止めようとする。

だが一弥は全く止めようとはしなかった。

その刺激は、真弓の生まれたてのペニスを初めての性行為へと導こうとする。

「う!

 こんな‥こんな!」

真弓はいきり立つ自分のペニスを無視しようと頑張るが、

ペニスは更に主張を強くしていく。

『ははははは…

 いい光景だな、真弓。

 お前のチンポ、こんなに勃起しているぜ…』

一弥はそう言いながら口元をニヤリとさせると、

「なんで、一弥っ。

 なんでこんなことするの?

 あ‥あたしにこんなことして…」

『そうさ、お前には男になって貰って

 男の気持ちをとくと味わって貰わないとな…

 どうだ、気持ちいいだろ?

 たまらないだろ?』

一弥はそういうとペニスを握る手を持ち替えた。

「や!やめてよ、一弥っ。

 こ‥こんなの気持ちよくなんか…」

真弓は感じている男としての快感を我慢して必死に抵抗した。

『ふん!

 じゃあこれでもそんなことがいえるかな?』

すると一弥は真弓のペニスを扱き始めた。

それは、男のオナニーと言う行為だった。

「あ、これは…

 あっ!

 あっ!?

 ああっ!!!」

次第に激しくなっていく一弥の行為。

それに伴って真弓の猛々しい快感と興奮はどんどんと高ぶっていく。

女性と違う快感の高ぶりに真弓は拒絶しようとしてもしきれなくなってくる。

「はぁ‥はぁ‥はぁ

 はぁぁっはぁっ!!

 はっ!

 はっ!!」

まるで真弓の心を男の性感で染め上げようとするかのように

真弓のペニスの先から我慢汁が溢れ出す。

「どうだ?

 気持ちよくなっているんじゃないのか?」

一弥は真弓の気持ちを見透かすように言った。

「はぁはぁはぁはぁ…」

だがすっかり興奮の最終段階に入りつつあった真弓には

もはや反論する余力は残っていなかった。

目覚め始めた男の性欲が真弓を襲い、

ある行為へと導こうとする。

「あ、あぁ‥

 何か…

 何かが漏れそう…

 はぁはぁ〜っ!!」

真弓は必死に抵抗したが、

しかし、ズブズブと男の快楽に溺れていく、

『そうだ。これが男だ。

 ふふふふふ…

 そして真弓ももうすぐ射精するんだ。

 ははははは…』

「射精?…

 はぁはぁ〜っ!

 はっ!」

猛り狂う男の性欲に思考力を奪われた真弓。

射精という、その言葉の意味も考える余力はなかった。

やがて、我慢する気持ちも消え果てると真弓は男の性欲に憑かれていた。

「出る…

 出る‥何か出るっ!!」

真弓は次の瞬間それを悟った。

「うっ!‥うぅっ!うぅっ!うっ!」

自分のペニスの根元から何かかが駆け上がると

一定間隔をおきつつ、

自分の中から何かが噴出していく。

ジュッ

ジュッ

その射出感はそれごとにすさまじい快感を真弓にもたらすと、

「あっあぅぅぅぅぅぅ!!」

真弓の絶叫が部屋に響いていった。



ハァハァハァ

すっかり意識を朦朧とさせ、

ベッドの上に白濁した粘液を撒き散らしたまま真弓は横たわっていた。

そんな真弓を見ながらニヤニヤと一弥は笑い、

そして、

『ふはははは…

 真弓よ、お前は男になったぞ』

と叫んだ。

「男?…」

朦朧としながら答える真弓に一弥は真弓のペニスを再び握り締めた。

「う!」

敏感なペニスの感覚に真弓はかわいらしい喘ぎ声をあげる。

『そうだ。これで真弓は射精したんだぞ』

一弥はそう言うとペニスの先端を真弓の顔へと向けた。

「射精って?

 あ!…あたし…」

ようやく現実を見つめられるようになって呆然とする真弓。

その視線の先には先ほど精液を吐き出した自分のペニスがあった。

「そ‥そんな…

 なんで、あたしにオチンチンが…

 どうしてなの、一弥?」

涙を浮かべながら真弓が訊ねると、

『ふふふふふ…

 真弓…お前は男になったんだよ』

「そんな…

 あたし…」

真弓は涙声になると言葉を詰まらせた。

『ふん、あれだけペニスを感じていた癖して…』

「違う、そんなことないわ!」

『じゃあなんで射精した?』

「それは…」

『男の性に目覚めたんだろ?』

「そんな…あたしが!?」

真弓はすっかり戸惑っている。

そんな真弓に業を煮やしたのか、

一弥は再び真弓のペニスを握った。

「ひゃん!一弥、やめてよっ」

『ふん…

 なら男になりきるまで射精続けさせてやる』

「いや、そんなのいやよっ!」

『じゃあ今度は自分でやってみるんだ。

 さぁ自分のペニスを扱き上げるんだっ』

と一弥は強い命令口調でいった。

真弓はビクビクしながら起き上がった。

そして、

「あ、あたしが…

 自分で…」

真弓はその言葉になぜか興奮を感じていた。

自分が男のオナニーをする。

そのことに真弓は異常なまでの性感を感じていた。

「あ、やだ…

 これって…」

それに反応して真弓のペニスも復活しその雄姿を股間に見せた。

「これを握れというの?」

それでも真弓の中の女の子の気持ちは男のオナニーを拒否し続けていた。

ごくんっ

真弓は膨れ上がる自分のペニスを前に音をたててつばを飲み込んだ。

『さぁ、やるんだ。

 チンポを握ってしごけはいいんだよ』

「しごく…」

一弥の言葉に真弓の中に以前聞いたことのある言葉と男の子の行為が頭に浮かんだ。

なぜかそれは否定できない誘惑を秘めたものだった。

気が付かないうちに真弓は自分のペニスを握り締めると

シュッ

シュッ

と扱き始めた。

そして、次第に湧き上がる男としての欲望は

真弓にとってたまらなく魅力的なものに感じた。

「はぁはぁはぁ…」

真弓の股間のものが立ち上がるにつれ再び荒くなる真弓の息吹。

『ははははは…

 真弓がオナニーしているなんて絶景だな』

一弥は抑揚のない声で笑い転げている。

それでも

真弓の羞恥心は自分の行為を止めることが出来なかった。

男の子は一度始めてしまうと

最後までイってしまうものなのだということを真弓は当にいま実感していた。

「あ、あっ、あーっ!」

真弓は男の性欲に揉まれ、

女の子としての恥じらいすら感じられなかった。

股間の男性は吼え狂い、

未だに女の子な顔をイヤらしく歪めていく。

「これが男の感覚なんだ…

 はっはぁ〜っ!

 すごい…あたし、もうイきそう…」

真弓の心は男の性欲に溺れ、そして変化していった。

絶え間なく押し寄せる男の性欲は真弓を支配し始め、

真弓は男の性欲に目覚めていく。

「出る、出るぅ…くぅ〜ッ!」

真弓は顔を上げてそう叫ぶと

ブシュッ

シュッ

と精液を初めて自分の手淫によって吐き出した。

女では体験できなかった精液の射出による快感。

それは真弓にとって忘れられない強烈なものだった。

「ふふふふふ…

 真弓、お前は立派な男の一員だ」

一弥はニヤニヤしながらベッドを2回の射精で汚した真弓に近づいていく。

「…はぁはぁはぁ…

 一弥…もぅこれで許して…お願い」

真弓はすっかり緩んだ顔つきで一弥に懇願した。

しかし、

『ふははははは…

 許すも何も俺は一弥じゃねぇ。

 お前は俺のワナに嵌っただけなのさ』

そう一弥は笑い声を上げると、

「え?」

その途端、真弓の顔が引きつった。

と同時に、

一陣の風がブワッと部屋の中を舞うと一弥の影の形が一変した。

「ウソ…」

それを見た真弓は思わず口を押さえた。

なんとそこにいたのは、

山羊の角…

牛のような顔。

蝙蝠のような羽。

毛むくじゃらの胴体。

先の尖がった尻尾を持つ…

当に悪魔だった。

『ふはははは…

 ようやく気が付いたか?

 俺は悪魔だ。

 今日お前らの喧嘩を見て利用させてもらったのさ』

「そんな…」

『ははははは…

 だいたい一弥という奴が

 お前を男に変身させられるような力をもっていると思うのか?』

悪魔はそう言うと高らかに笑った。

「じゃあ、あたしはどうなるの?」

そんな中、真弓は悪魔の策略に嵌ったと知って呆然としている。

『心配しなくても魂を食うようなことはしない。

 だが、お前の純粋な乙女心を頂く』

「乙女心?」

『そうだ。俺に乙女心を食われたお前は身も心も男になるのさ、

 処女の女の心ほど美味いものはないからな。

 そして、代償にお前はイヤらしい男に目覚めるいくってわけさ』

「いや…そんなのいや…」

真弓は方を両手で抱きながら震えていた。

『ふはははは…

 もう遅いわ。既にお前は男になっている。

 男のお前が男の性欲を押さえることはもはやできん』

「そんなことないものっ!

 あたしは女の子よっ!」

『ふん。チンポをぶら下げておきながらよくいうぜ。

 おっと、

 ではそろそろ頂くとするか』

悪魔はそういうと、

ブワッ

再び猛烈な風が部屋を吹き狂った。

そして真弓が顔を上げるとそこには自分が立っていた。

いや、女の子のままの真弓がたっていた。

「あ、あたし?

 鏡なの?」

真弓はびっくりするが、

女の子のままの真弓はイヤらしい笑みを浮かべると真弓に近づいた。

「え?え?」

戸惑う真弓にいきなりもう一人の真弓・偽真弓は真弓のペニスをなめた。

「い、いゃん!」

まだ自分のペニスに慣れていない真弓には

それは全身に鳥肌が立つほど鮮烈な体験だった。

ペロペロ

偽真弓は更に真弓のペニスを舐め上げテクニックを駆使していく。

「はぁん!やんやん!」

真弓は我慢できず声を張り上げた。

真弓のペニスはビクッビクッと反応しその欲望に肉棒全体を震わせている。

「こ‥こんなぁ…あんっ!」

『ふふふふふ…

 感じるのね、真弓ったら。

 そうそう、

 実はね真弓のチンポは一弥のチンポのコピーなのよ。

 いいわねぇ、好きな男の子のモノが自分のモノになって』

「好きってそんな…」

『好きなんでしょう…一弥のことが…』

偽真弓は真弓に向かってそう言った。

「…そんな…」

『あら違うの…でもね、

 あたしには判るわ…

 だって、あたしはあなたなんですもの』

と偽真弓はそう言うとチュッと真弓のチンポを吸い上げた。

「あっ、あぁ…

 コレが一弥の感覚?」

あまりにもの感覚に真弓が声を上げると、

『ええ、そうよ。

 あなたが見たあの肉棒と全く同じなの。

 だからあなたの感じてる快感は一弥の快感なのよ』

「じゃあ、この感覚は…」

『ええ、一弥が感じてるのと同じ。

 あなたは一弥のチンポを生やしてるのよ』

「そんな…」

真弓は困惑した顔つきになるが、

真弓のペニスは更に硬く太くなった。

『ふふ…興奮してるんでしょう?

 男ってねココの感覚しか性を感じないのよ、

 だから、気持ちよくてたまらないんでしょ?』

「あたしは…」

『ふふ…

 さぁ、そんな女の子の身体なんて脱ぎ捨てて男になりなさい。

 女の子のあなたはみんなあたしが頂くからね』

偽真弓はそう言うとベッドの上に乗りあがりると、

横たわっている真弓の股間を広げ、

そして、そのまま真弓のペニスを口に咥えた。

「は、はぁ〜んっ!」

自分のペニスが自分の口に咥えられているという異常な状態と

その暖かいものに自分のペニスが包まれている性感に

真弓は興奮せずにはいられなかった。

そして、

真弓は男の欲望に飲み込まれていく。

「出るっ。出るぅっ!」

真弓は目を瞑ると

「ああっ!」

ジュッ

「ああっ!」

ジュパッ

「あぁっ!」

シュッ

と初めてフェオラチでイってしまった。

そう、

自分の口の中に精液を吐き出したのだった。

『ふふふふふ…

 真弓ったら、自分の中に精液を出しちゃったのね。

 おいしかったわよ』

ゴクンッ

そういうと、偽真弓は真弓の出した精液を飲み干した。

「うそ。飲んじゃったの?」

思わず顔を引きつらせる真弓に

「何いってんの?愛する人の精液を飲んであげるのは当然よ。

 だって、あなたの精液は一弥の精液なのよ」

ともう一人の真弓は言う。

「そんな…

 あたしの精液が一弥のだなんて」

その時点で真弓は自分が精液を出したことを認めてしまったのだった。

『ふふ…

 ようやく認めてくれたわね、自分が精液を出したって。

 これで一歩前進だわ…
 
 ほらっ、あなたの身体…
 
 一歩男の子になったわ』

ともぅ一人の真弓が指摘すると、

ムキッ!!

さっきまで柔らかな表情をしていた真弓の腹部が綺麗に6つに割れ、

デコボコの腹部と化していた。

「そんな…」

その様子に真弓は声を上げると、

『ふふふ…

 このチンポに似合うくらい逞しいわ…

 さぁもっとあなたの乙女心を頂戴な』

デコボコの腹部を撫でながら偽真弓はそう言うと真弓とは逆向きに横になった。

真弓の見ているところから露わになる真弓の大事なアソコ。

今の真弓には、それが性欲の対象として写っていた。

「これが…あたしの…」

ビクンッ

その途端、真弓の股間のペニスは再び勃起を開始する。

『さぁ、頂戴。あたしにあなたのペニスを…』

偽真弓が真弓に向かってそう言うと

「あたしのペニスをあたしのアソコに…」

真弓はうわ言を言い、

そしてベッドの上で這いつくばりながら偽真弓の上に覆い被さった。

「ああ、あたし興奮してる。

 自分なのに興奮してる」

『ふふ…

 だって、あなたのペニスは一弥のペニス。

 あなたは一弥の側から自分と1つになろうとしてるのよ』

「あたしが…

 一弥…」

それを聞いて、

真弓のペニスはビクンッと震え、我慢汁が溢れ出した。

「入れたい。入れたくてたまらない。

 どうしてなの?」

真弓は朦朧とする中、

必死に暴走を止めようとしていた。

だが腰は自然に下がっていき、

偽真弓のアソコに触れてしまう。

「はぅっ!」

初めて自分のペニスが女性のアソコに触れたその感覚に真弓は震え上がった。

それほど、気持ちよかったのだ。

それゆえに力の抜けた腰は重力に従い沈み、

真弓のペニスは偽真弓のアソコに埋没していく。

「あぁ!あっ、あっ!」

『はぁ〜ん、ふぅ〜ん』

二人の喘ぎ声が重なる。

まるで二人の真弓が喘ぎ声を競い合っているかのようだ。

「駄目、もう我慢できないっ!」

真弓は意識を男の欲望に奪われ、

男性としての本能のままにファックしていく。

ジュック

ジュック

『はぁ〜ん』

その度に発せられるイヤらしい音は更に真弓を興奮させ

腰の動きが激しくなっていく。

「くっ、くくっ。出る。出る〜ぅ!」

『イクイクッ』

ついに二人は男として女として絶頂を迎えた。

と同時に、

ビキビキビキ!!

ムキムキムキ!!

真弓の手足の筋肉が一気に膨らむと、

ジワッ

っとすね毛が伸びていった。

「はぁはぁはぁ」

喜びに満ちた顔になる偽真弓に対して、

真弓は腰を深く差し込み最後の精液を吐き出していた。

それが悪魔の企みとも気が付かずに…

「くぅ〜はぁ」

真弓は3度目の射精と本当の男としてのセックスを体験しつつ

乙女心を更に悪魔の中に出してしまった。

モリモリモリ!!!

胸からは2つの乳房が消えると、

変わりに分厚い胸板が盛り上がり、

更に両肩にも厚い筋肉が層を成していた。

「あぁ…」

真弓は喉仏が飛び出した口から男の低い声を漏らしつつ

その余韻に浸っていた。

『ふふ…

 ついに女の子…辞めちゃったね。おめでとう。

 あなたはもぅ立派な男よ!!』

「…はぁはぁはぁ

 おっオレ…男?…」

真弓は意識を取り戻しつつも、

なぜか心が痛まないことに戸惑っていた。

『そう、あなたは男の本能に体をまかせた。

 だから、女の子じゃなくなったのよ』

そう偽真弓はそっけなく言い放つと、

「そんな…」

沸き上がる饐えた汗の臭いを巻き知らしながら真弓が呟いていた。

『ほほほ…

 美味しかったわぁ…あなたの乙女心…

 大丈夫、あなたは一弥と同じ…いやそれ以上の身体を得たんですもの…

 じゃぁ、合宿頑張ってね…

 そうそう、コレをあなたにあげるわ』

偽真弓がそう言った途端、

ピチッ!!

男性化した真弓の身体に

レスリングのユニホーム・吊りパンツが姿を現した。

「こっこれは…」

それを見て驚く真弓に

「さぁ…男になったあなたは一弥のライバルよ、

 これからも頑張ってね」

と言い残すと、

フッ

っと姿を消した。

「おっおれ……男…」

真弓は股間で吊りパンツにテントを作っているペニスを眺めながら、

そう繰り返し呟いていた。



翌朝…

「はぁぁぁ…

 張り合いのない練習ってつまらないなぁ…」

と気の抜けたような挨拶をして吊りパンツ姿の一弥が練習場に姿を現すと、

「おいっ、一弥…この雑誌なかなかいけるじゃねぇーか」

と言う声と共に一弥から取り上げた雑誌を見ながら

股間で盛り上がっているペニスを盛んに手を動かし諫めている

吊りパンツ姿の真弓のあった。

「まっ真弓…お前、その身体どうしたんだ」

一夜にして筋肉モリモリのアマレスラーと化してしまった真弓を見て

一弥が呆気にとられると。

「いっいくぅぅぅ!!」

真弓はそう声を上げると、

ブシュッ!!

っと精液を吹き上げた。

そして、

「はぁ…良いものだな男って…」

と言うと、

「おいっ、一弥っ

 今日からオレが相手だ」

と吊りパンツにモッコリとした膨らみを作りながら真弓は一弥に言った。



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。