風祭文庫・アスリートの館






「男の感覚」



原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-019





「きゃぁぁぁぁ!!」

放課後の校内に女子生徒の悲鳴が響く、

「出たか!!」

体育館で新体操の練習をしていた田所真美は悲鳴を聞くと

手にしていた手具のスティックを放り出し、

ダッシュである方向へと掛けだしていった。

体育館にいた他の女子運動部員達も彼女の後を追って掛けていく、

「今日こそはとっ捕まえてやる」

彼女たちは口々にそう言いながら先を行く真美の後を追っていった。

少女達は体育館とは渡り廊下で繋がっている運動部棟へ真っ直ぐに向かうと、

ちょうど、一人の男がアタフタと新体操部の部室から飛び出してきたところだった。

「そっそいつよぉ!!」

着替え途中だったためか、

下着姿の女子生徒がドアから顔を出すと逃げていく男を指さす。

「後はあたし達がやるわ!!」

真美は彼女にそう叫ぶと、

「おのれっ、逃がすか!!」

そう叫びつつ真美は男の後を追いかけた。

逃げる男は彼女たちを撒こうと絶えず進行方向を変えるが、

しかし、新体操で鍛え上げた真美の運動神経の方が彼よりも勝り、

徐々にその差は狭まっていった。

そして程なくして、

「捕まえた!!」

真美はそう叫ぶと必死で逃げる男の襟首をつかみ

そして思いっきり前へ突き飛ばした。

「うわぁぁ!!」

その途端、男はバランスを大きく崩すと

頭っから地面に突っ込むようにして倒れた。

ズザザザザ!!

彼の身体と地面とのこすれる音が響く、

しかし、男は素早くに起きあがると方向を変えて駆け出た。

「しまった!!」

真美はスグに男を追いかけたものの、

しかし、残念ながら男の姿を見失ってしまった。

「田所さぁん」

「あいつ…捕まえた?」

後からやってきた女子生徒達は肩で息をしながら口々に真美に尋ねたが、

「ゴメン…逃げられちゃった」

と真美は彼女達にそう告げると頭を下げた。



「悔しい!!、後一歩だったのに」

学校からの帰り道、

真美は男を捕まえられなかった悔しさを表現するかのごとく

拳を振るわせていた。

「まぁまぁ…」

彼女の隣を歩く親友の渚はそう言って宥めると、

真美はムッとした表情で、

「今日こそは…

 と思っていたのにぃ

 大体、あいつのお陰であたしがどれだけイヤな思いをさせられたか

 渚も知っているでしょう?」

と突っかかると、

「そりゃぁ…まぁ…ね」

渚は額に汗を浮かべながらそう答える。

「着替えは盗まれるわ、

 レオタードには変なモノをかけられるわ、

 あたしなんかレオタードを2着も買い換えたんだからね

 (しかも1着は試合用のよ)」

と真美は右手に二本の指を立てると、

「今度とっつかまえたら

 レオタードの代金、絶対、あいつに請求してやるわ!!」

と叫ぶと拳を握りしめた。

「ホント…

 でも、そんなことして楽しいのかなぁ…」

燃え上がっている真美を横目で見ながら渚がそう呟くと、

「フンっ、あんな変態男の頭の中なんて考えたくもないわ」

と言う真美の鼻息は相変わらず荒かった。



『…おのれ…よくも…』

真美達の後ろを一人の人影が姿を現すと、

怒りに震えた声で呟く…

そう、真美に危うく捕まえられかけたあの男だ、

彼は真美に突き飛ばされて際に負った怪我を庇いつつ、

『よくも僕に怪我を負わせたな

 よぉし、お前も同じ目に遭わせてやる』

と呟くとその姿を消した。



「え?、達也をウチに?」

「そうよ、だって達也クン家

 きょう、ご両親とも旅行に出かけていて居ないんでしょう…
 
 だから夕飯をウチで食べさせてあげようと思ってね」

自宅に帰った真美に真美の母親はそう言うと、

彼女に隣に住む達也を夕食に呼んで来るように告げた。

「全く、母さんもお人好しなんだから…」

そう文句を言いながら真美は制服姿のまま隣にある達也の家に行くと、

「そうだ、どうせだからちょっと脅かしてやれ…」

と真美の心の底に悪戯心が湧いてくると、

呼び鈴を押さずに彼の家に上がり込んだ。

そして、真美は音を立てないように廊下を歩くと

達也の部屋の前に立ち、

そっと中の様子をうかがった。

ボソボソ…

TVを見ているのか部屋の中から声が聞こえてくる。

「いるわねぇ…

 よしっ

 せぇのっ!!

 達也っ!!」

っと息を整えた後に真美は一気にドアを開けた。

そして真美が部屋に飛び込んだ瞬間、

「うわっ!!」

達也は驚いた声を上げるとギョッとした顔つきで真美を見つめる。

というか、彼の表情は驚くと言うより呆気にとられていた。

「なに?」

そんな彼の様子をまじまじと見た真美は達也のしている行為に気づいた。

そう彼の右手は自分のペニスを握りしめ、

そして、部屋にあるTVには裸の男と女が絡み合っていた。

「い‥いいい、いやーっ!!

 達也のエッチ!!

 バカーっ!!」

真美は顔を真っ赤にしてそう叫ぶと、

「そっ、そっちこそ、

 なんだよいきなり入って来て!!」

達也は慌ててトランクスで股間を隠すと顔を真っ赤にして怒鳴りたてた。

「あっあたしはお母さんに達也を呼んでくるようにって

 言われたから…

 それになによ何よ、このドスケベ!!」

真美がそう怒鳴ると、

「男なんだから仕方ないだろっ!!」

達也はそう反論をする。

「ふん、最低男っ!」

真美に脳裏には昼間捕まえた男の姿が達也にダブり付いていた。

そして、すっかり喧嘩腰になっている二人の姿を見ながら、

『ふふふ…

 ようし…

 これは使えそうだ…』

と怪しげな声が囁いた。



深夜…

真美が自室で寝ていると

ジワッ…

ドアの隙間から霧のようなモノが入り込んでくると、

徐々に部屋の中を覆い始めた。

そして

ヒューッ!

部屋はまるで洞窟の中のように涼しい空気に支配された。

「何?…」

真美は急にゾクゾクとした悪寒に目を覚ますと瞼を開けると、

ギシッ!!

自分が寝ているベッド脇に立つ人影が視界に入った。

「…だ、誰なの?」

真美は弱々しく声を上げたが、

しかし、彼女の背筋は恐怖にかられて震えていた。

すると影は呟くように、

「真美…」

と話しかけてきた。

「達也?」

どうやら達也のイタズラらしいと感じ取った真美は、

ムッ

と怒りながらそのまま起き上がると、

「もう、達也。

 脅かさないでよ、

 一体、こんな時間に何のつもりよ」

と目を擦りながら真美が不機嫌な声で言うが、

しかし、

達也は何の反応も示さずにベッド脇で立ち尽くしていた。

「達也?

 何の用なのよ?」

真美は彼の異変を感じ取ると達也を見つめた。

深夜の漆黒の部屋の中で達也の瞳が怪しげに輝いているのに気づく。

「な、何?」

「ふふふ、真美。

 さっきの仕返しをさせて貰うよ」

達也の声には抑揚がなく、

まるで大根役者のようだ。

「え?

 あのこと言ってんの?

 それに仕返しだなんて…それはあたしの台詞よ」

真美は少し焦りながら答える。

しかし、

達也は相変わらずの口調で、

「ふざけるな。

 最低男というのなら

 お前が男になってみるんだな」

と言った。

「は?

 達也、何訳のわからないこといってんのよ?

 そんなのできるわけないでしょ?」

真美は冷や汗を流しながら返事をすると、

達也はスッとベッドに手をつき、

「ふん…

 なら、お前に生やしてやろう。

 男のペニスを…」

と言いながら、

突然真美の股間に右手を当てた。

「い、いやっ!!

 何するのよ、達也。

 これ以上変なこと‥し、したら、

 父さん達を呼ぶわよ」

真美は彼の破廉恥な行為に戸惑いながら抵抗した。

しかし、

サワサワとショーツを摩る達也の技に快感を感じ始めてしまう。

「あ‥あん、い、いや‥

 あんっ…あぁ」

自分でやったことはあったが、

真美にとっては初めて他人に愛撫される感じに

すっかり体を動かせなくなっていた。

股間からあまりにも強烈な快感が溢れ出し頭を朦朧とさせていく。

「ふふふふふ…

 そろそろお前にペニスを授けよう」

達也が突然そう言うと、

グッ!!

っと真美のクリを掴んだ。

「ひ、ひゃうんっ!!」

頭が真っ白になった直後、彼女の股間の感覚が一変する。

すぅーっと引いていくいつものクリの快感の後、

今度は股間に力強い感覚が湧き上がった。

「はぁはぁ‥あぁ、な、何?

真美は初めて感じる股間の突っ張り感に真っ赤に染めた頬を更に赤く染める。

それは真美が生を受けてから未だかつて体験してことのない感覚だった。

「はぁはぁ‥え、何なに?

 …はぁはぁ」

真美は息を荒くしながら股間を覗き込んだ。

すると、

ショーツを突き破ろうとするような勢いで膨らんでいる股間があった。

「何よ、これ…」

真美は事態が理解できず呆然と自分の股間を眺めていた。

「ふふふふふ…

 これがお前のペニスだ」

「だ…ペニスって…

 まさか、オチンチンッ?」

真美はハッとした顔で達也を振り向いた。

「そうだ。

 お前が最低とぬかした男に

 いま前がなっているのだ」

達也はそういうと、

バッ

右手を振り下ろし、勢いよくショーツを引き裂いた。

「いやっ!!」

空中に舞い散るショーツの断片が消え去ると、

真美の股間が露わになる。

「あ…」

真美の視線は自分の股間に生えているキノコ状の黒々としたペニス…

股間にだらしなく垂れ下がる睾丸…

そして股間に生え広がる長い陰毛に

釘付けになり絶句している。

「そ‥そんな…」

真美は両手で口を押さえながら震えていた。

あまりにも非現実的な光景にただ目を見開いているばかりだ。

そんなとき、達也はすっと手を出すと、

真美が未だに触れることすら出来ない真美自身のペニスを握り締めた。

「あ、あんっ…

 だ‥駄目よ、達也」

真美は驚いて達也を手を制止しようとするが、

しかし、達也はそのまま真美のペニスを撫で上げ始めた。

「あ、あぁ…はぁ、あんっ!」

真美はいきなり他人に自分のペニスを撫で上げられる

という感覚に目を白黒させる。

それは、自分の股間の突起物の敏感さを真美に突きつけた。

「ひ、ひゃう、はぅ…

 お‥お願い、達也、やめて‥

 あ、あぅ、あんっ!」

真美は信じられない現実に戸惑いながら必死にそれを止めようとする。

だが達也は全く止めようとはしなかった。

その刺激は真美の生まれたてのペニスを初めての性行為へと導こうとする。

「う!

 こんな‥こんな!」

真美はいきり立つ自分のペニスを無視しようと頑張るが、

ペニスは更に主張を強くしていく。

「ははははは…

 いい光景だな、真美。

 今やお前がペニスをこんなに勃起させてんだぜ」

達也は口元をニヤリとさせて言った。

「なんで、達也っ。

 なんでこんなことするの?

 あ‥あたしにこんなことして…」

「そうさ、お前が男を見下したから、

 お前に男を体験させてやろうと思ってな。

 どうだ、気持ちいいだろ?

 たまらないだろ?」

達也はそういうとペニスを握る手を持ち替えた。

「や!やめてよ、達也っ。

 こ‥こんなの気持ちよくなんか…」

真美は感じている男としての快感を我慢して必死に抵抗した。

「ふん!

 じゃあこれでもそんなことがいえるかな?」

すると達也は真美のペニスを扱き始めた。

それは真美が達也の部屋で見たあの行為だった。

「あ、これは…

 あっ!

 あっ!?

 ああっ!!!」

次第に激しくなっていく達也の行為。

それに伴って真美の猛々しい快感と興奮はどんどんと高ぶっていく。

女性と違う快感の高ぶりに真美は拒絶しようとしてもしきれなくなってくる。

「はぁ‥はぁ‥はぁ

 はぁぁっはぁっ!!

 はっ!

 はっ!!」

まるで真美の心を男の性感で染め上げようとするかのように

真美のペニスの先から我慢汁が溢れ出す。

「どうだ?

 これでも気持ちよくないといえるのか?」

達也は真美の気持ちを見透かすように言う。

「はぁはぁはぁはぁ…」

すっかり興奮の最終段階に入りつつあった真美には

もはや反論する余力は残っていなかった。

目覚め始めた男の性欲が真美を襲い、

ある行為へと導こうとする。

「あ、あぁ‥

 何か…

 何かが漏れそう…

 はぁはぁ〜っ!!」

真美はあのときの達也の光景を思い出しながら、

自分の今の姿を重ね合わせていた。

「そうだ。これが男だ。

 ふふふふふ…

 そして真美ももうすぐ射精するんだ。

 ははははは…」

「射精?…

 はぁはぁ〜っ!

 はっ!」

猛り狂う男の性欲に思考力を奪われた真美。

射精という、その言葉の意味も考える余力はなかった。

そして、

もはや我慢する気持ちも消え果て、

真美は男の性欲に憑かれていた。

「出る…

 出る‥何か出るっ!!」

真美は次の瞬間、

それを悟った。

「うっ!‥うぅっ!うぅっ!うっ!」

自分のペニスの根元から何かかが駆け上がると一定間隔をおきつつ、

自分の中から何かが噴出していく。

ジュッ

ジュッ

その射出感はそれごとにすさまじい快感を真美にもたらした。





「ハァハァハァ」

すっかり意識を朦朧とさせ、

ベッドの上に白濁した粘液を撒き散らしたまま横たわっている真美。

そんな真美を見て

ニヤニヤと達也は笑う。

「ふはははは…

 真美もとうとう男になってしまったな」

「男?…」

ぼ〜っとしながら答える真美に達也は真美のペニスを握り締めた。

「う!」

敏感なペニスの感覚に真美はかわいらしい喘ぎ声をあげる。

「そうだ。これで真美は今射精したんだぞ」

そういうと達也はペニスの先端を真美の顔へと向ける。

「射精って?

 あ!…あたし…」

ようやく現実を見つめられるようになって

呆然とする真美。

しかもその視線の先には先ほど精液を吐き出した自分のペニスがあった。

「そ‥そんな…

 なんで、あたしにオチンチンが…

 どうしてなの、達也?」

涙を浮かべながら訊ねる真美に、

「ふふふふふ…

 これで真美も男の快感が分かったろう?

 これで真美も男になったんだ」

「そんな…

 あたし、こんなの知りたかったわけじゃ」

真美は涙声になり、

言葉を詰まらせる。

「ふん、あれだけペニスを感じていた癖して」

「違う、そんなことないわ!」

「じゃあなんで射精した?」

「それは…」

「男の性に目覚めたんだろ?」

「そんな…あたしが!?」

真美はすっかり戸惑っている。

そんな真美に業を煮やしたのか、

達也は再び真美のペニスを握った。

「ひゃん!達也、やめてよっ」

「ふん…

 なら男になりきるまで射精続けさせてやる」

「いや、そんなのいやよっ!」

「じゃあ今度は自分でやってみるんだ。

 今日の俺のように自分のペニスを扱き上げるんだっ」

達也は強い命令口調でいうと、

真美はビクビクしながら起き上がった。

「あ、あたしが…

 達也みたいに…」

真美はその言葉になぜか興奮を感じていた。

自分があのときの達也と同じように

男のオナニーをする。

そのことに異常なまでの性感を感じていた。

「あ、やだ…

 これって…」

それに反応して真美のペニスも復活しその雄姿を股間に見せた。

「これを握れというの?」

それでも真美の中の女の子の気持ちは男のオナニーを拒否し続けていた。

ごくんっ

真美は膨れ上がる自分のペニスを前に音をたててつばを飲み込んだ。

「さぁ、やるんだ。

 俺と同じように自家発電すればいいんだよっ!」

「自家発電…」

真美の中に以前聞いたことのある言葉に思わず男の子の行為が頭に浮かんだ。

なぜかそれは否定できない誘惑を秘めたものだった。

気が付かないうちに真美は自分のペニスを握り締めると

シュッ

シュッ

と扱き始める。

まるであのときの達也の行為を再現するかのように。

次第に湧き上がる男としての欲望。

それは真美にとって

たまらなく魅力的なものに感じた。

「はぁはぁはぁ…」

真美の股間のものが立ち上がるにつれ

再び荒くなる真美の息吹。

「ははははは…

 真美が自家発電しているなんて

 絶景だな」

達也は抑揚のない声で笑い転げている。

それでも

真美の羞恥心は自分の行為を止めることが出来なかった。

男の子は一度始めてしまうと猛牛のように

最後までイってしまうものなのだということを

真美は当に今実感していた。

「あ、あっ、あーっ!」

真美は男の性欲に揉まれ、

女の子としての恥じらいすら感じられなかった。

しかも、股間のペニスは吼え狂い、

未だに女の子な顔をイヤらしく歪めていく。

「これが達也の感覚なんだ…

 はっはぁ〜っ!

 すごい…あたし、もうイきそう…」

真美はあのときの達也とシンクロしているように感じながら、

心を男の性欲に溺れさせた。

男の性欲は真美を支配し始め、

真美は男の性欲に目覚めていく。

「出る、出るぅ…くぅ〜ッ!」

真美は顔を上げてそう叫ぶと

ブシュッ

シュッ

と精液を初めて自分の手淫によって吐き出した。

女では体験できなかった精液の射出による快感。

それは真美にとって忘れられない強烈なものだった。

「ふふふふふ…

 真美、お前もこれでスケベな男の一員だな」

達也はニヤニヤしながら、

ベッドを2回の射精で汚した真美に近づいていく。

「…はぁはぁはぁ…

 達也、もうこれで許してくれるんでしょ?

 お願い。あたし、もう達也のこと分かったから」

真美はすっかり緩んだ顔つきで達也に懇願するが、

しかし、

「ふははははは…

 許すも何も俺は達也じゃねぇ。

 お前は俺のわなに嵌っただけなのさ」

そう言いなながら達也は笑いはじめた。

「え?」

それを聞いた真美の顔が思わず引きつる。

突如、

一陣の風がブワッと舞うと達也の影の形が一変した。

「ウソ…」

それを見た真美は思わず口を押さえた。

なんとそこにいたのは、

山羊の角…

牛のような顔。

蝙蝠のような羽。

毛むくじゃらの胴体。

先の尖がった尻尾を持つ…

当に悪魔だった。

「ふはははは…

 ようやく気が付いたか?

 俺は悪魔だ。

 ある男との契約でこうしてまかり越したのだ」

と悪魔は真美に言う、

「そんな…」

「ははははは…

 だいたい達也という奴が

 お前を男に変身させられるような力をもっていると思うのか?」

悪魔はそう指摘しながら高らかに笑うと、

「じゃあ、あたしはどうなるの?」

真美は悪魔の策略に嵌ったと知った呆然としながらも、

自分の身体のことを尋ねた。

「心配しなくても魂を食うようなことはしない。

 だが、お前の純粋な乙女心を頂く」

真美を見下ろしながら悪魔はそう返事をした。

「乙女心?」

真美が聞き返すと、

「そうだ。男に目覚めていく中で

 お前は射精するたびに己の乙女心をも吐き出していくのだ。

 それが俺の餌となるのさ。

 処女の女の心ほど美味いものはないからな。

 そして、代償にお前はイヤらしい男に目覚めるいくってわけさ」

「いや…そんなのいや…」

真美は方を両手で抱きながら震えていた。

「ふはははは…

 もう遅いわ。

 既にお前は男になっている。

 男のお前が男の性欲を押さえることはもはやできん」

「そんなことないものっ!

 あたしは女の子よっ!」

「ふん。そんなでかいペニスをぶら下げておきながらよくいうな。

 よし、

 最後にいい体験をさせてやろう」

悪魔はそう言うと、

再び猛烈な風が部屋を吹き狂った。

そして真美が顔を上げると

自分の目の前には股間にはペニスがない真美が立っていた。

「あ、あたし?

 鏡なの?」

それを見ながら真美はびっくりするが、

女の子のままの真美はイヤらしい笑みを浮かべると

真美に近づいた。

「え?え?」

思わず戸惑う真美に、

もう一人の真美は彼女の股間の間に潜り込むと

そっと真美のペニスを口に含んだ。

「い、いゃん!」

まだ自分のペニスに慣れていない真美にとっては、

それは全身に鳥肌が立つほど鮮烈な体験だった。

チュバ

チュバ

もう偽・真美は更にペニスを舐め上げテクニックを駆使していく。

「はぁん!やんやん!」

真美は我慢できず声を張り上げた。

真美のペニスはビクッビクッと反応し

その欲望に肉棒全体を震わせている。

「こ‥こんなぁ…あんっ!」

「ふふふふふ…

 感じるのね、真美ったら。

 そうそう、実はね、

 あなたのペニスはあの達也のペニスのコピーなのよ。

 いいわねぇ、好きな男の子のモノが自分のモノになって」

「え、これって達也のなの?」

「ええ、そうよ。

 あなたが見たあの肉棒と全く同じなの。

 だからあなたの感じてる快感は

 達也の快感なのよ」

「じゃあ、この感覚は…」

「ええ、達也が感じてるのと同じ。

 あなたは達也のペニスを生やしてるのよ」

「そんな…」

真美は困惑した顔つきになるが、

しかし真美のペニスは更に硬く太く大きくなっていく。

「ふふ…すごいわぁ

 こんなに大きくなっちゃって…

 男の人でもこんなペニスを持つ人はそんなにはいないわよ」

そう言いながら、偽真美が口からペニスを吐き出すと、

太さは5cmを越え、

長さは20cmを軽く越えたまるで赤ん坊の腕を思わせる巨根と化していた。

「いやぁぁぁ!!」

それを見た真美は悲鳴を上げるが、

「うふふ…

 あのとき、あんなこといっておきながら、

 いざソレが自分のモノになったら

 気持ちよくてたまらないんでしょ?」

「あたしは…」

「ふふ…さぁ、もっと男に目覚めるといいわ」

もう偽真美は真美をベッドの上に押し倒すと

真美の股間を広げると、再び真美のペニスを口に咥えた。

「は、はぁ〜んっ!」

自分のペニスが自分の口に咥えられているという異常な状態と

その暖かいものに自分のペニスが包まれている性感に

真美は興奮せずにはいられなかった。

そして、

真美は男の欲望に飲み込まれていく。

「出るっ。出るぅっ!」

真美は目を瞑ると、

「ああっ!」

ジュッ

「ああっ!」

ジュパッ

「あぁっ!」

シュッ

と初めてフェオラチでイってしまった。

そして、

自分の口の中に達也の精液を吐き出したのだった。

「ふふふふふ…

 真美ったら、自分の中に達也の精液を出しちゃったのね。

 おいしかったわよ」

ゴクンッ

そういうと、偽真美は真美の出した精液を一気に飲み干した。

「うそ。飲んじゃったの?」

思わず顔を引きつらせる真美に、

「何いってんの?愛する人の精液を飲んであげるのは当然よ。

 だって、あなたの精液は達也の精液なのよ」

と偽真美は言う。

「そんな…

 あたしの精液が達也のだなんて」

その時点で真美は自分が精液を出したことを認めてしまったのだった。

「ふふ…

 ようやく認めてくれたわね、自分が精液を出したって。

 これで一歩前進だわ。

 さぁもっとあなたの乙女心を頂戴な」

そういうと偽真美は真美とは逆向きに横になる。

真美の見ているところから

露わになる真美の大事なアソコ。

今の真美には、

それが性欲の対象として写っていた。

「これが…あたしの…」

ビクンッ

その途端、真美の股間のペニスは再び勃起を開始する。

「さぁ、頂戴。あたしにあなたのペニスを…

 あたしのペニスをあたしのアソコに…」

偽真美はそう言いながら

ベッドの上で這いつくばると真美の上に覆い被さった。

「ああ、あたし興奮してる。

 自分なのに興奮してる」

「ふふ…

 だって、あなたのペニスは達也のペニス。

 あなたは達也の側から自分と1つになろうとしてるのよ」

「あたしが…

 達也…」

それを聞いて、

真美のペニスはビクンッと震え、我慢汁が溢れ出した。

「入れたい。入れたくてたまらない。

 どうしてなの?」

真美は朦朧とする中、

必死に暴走を止めようとしていた。

だが腰は自然に下がっていき、

偽真美のアソコに触れてしまう。

「はぅっ!」

初めて自分のペニスが女性のアソコに触れたその感覚に

真美は震え上がった。

それほど、気持ちよかったのだ。

それゆえに力の抜けた腰は重力に従い沈み、

真美のペニスは偽真美のアソコに埋没していく。

「あぁ!あっ、あっ!」

「はぁ〜ん、ふぅ〜ん」

二人の喘ぎ声が重なる。

まるで二人の真美が喘ぎ声を競い合っているかのようだ。

「駄目、もう我慢できないっ!」

真美は意識を男の欲望に奪われ、

男性としての本能のままにファックしていく。

ジュック

ジュック

「はぁ〜ん」

その度に発せられるイヤらしい音は更に真美を興奮させ

腰の動きが激しくなっていく。

「くっ、くくっ。出る。出る〜ぅ!」

「イクイクッ」

ついに二人は男として女として絶頂を迎えた。

「はぁはぁはぁ」

喜びに満ちた顔になる偽真美に対して、

真美は偽真美の体内奥深くに差し込み己の精液すべてを吐き出し続けていた。

それが悪魔の企みとも気が付かずに…

「くぅ〜はぁ」

真美は3度目の射精と本当の男としてのセックスを体験しつつ

乙女心を更に悪魔の中に出してしまっていたのだ。




「ふふ…

 ついに童貞卒業ね。おめでとう。

 あなたは自分の中に射精したのよ」

「…はぁはぁはぁ

 あ、あたし…」

真美はようやく意識を取り戻しつつも、

なぜか心が痛まないのに戸惑っていた。

「そして、あなたは男の本能に体をまかせた。

 もはや女の子には戻れないわね」

そう悪魔はそっけなく言い放つ。

「そんな…」

「これからもその達也のペニスを大切にして、

 男に目覚めていくがいいわ。

 きっと男のよさに気づくから。

 女の恥じらいなんていらないのよ」

「…」

「ふふ…

 戸惑ってるみたいね。

 でもその気持ちはあなたが男になっていっている証拠。

 もう止められないわ」

「しっかりと乙女を吐き出してしまいなさい。

 あたしがみな食べてあげるからね」

「…」

真美は自分の中の変化に困惑しつつ、

自分の両手を見つめていることしか出来なかった。



翌日…

「ただいまっ」

真美は新体操部の練習には出ずに自宅に帰ると直行で自分の部屋に飛び込んだ。

「はぁはぁはぁ…」

そして、困ったような顔つきでスカートをめくり上げると、

股間を覆う紺色のブルマにクッキリと一本の太い筋が盛り上がっていた。

「はぁはぁ…

 新体操部のみんなを見た途端こんなになっちゃうなんて…

 あたし…

 あぁ、もうこんなに興奮してる。

 はぁはぁはぁ…

 やっぱり我慢できないよぉ…」

真美は諦めたように

パンパンにテントを張っているブルマとショーツもずり下げると、

ビン

自分の股間にペニスが勢いよく起立した。

「あぁ、ビクビクしちゃってる。

 あたしがこんなになるなんて…」

真美は困惑したような顔を一瞬浮かべたが、

すぐにイヤらしい顔つきになり、

シュッ

シュッ

とペニスを扱き上げだした。

「はぁはぁはぁ…」

まだ女の子らしい声が喉から漏れ、

それが自分の男の性欲に火をつける。

そして、自分の胸を揉み扱きながら、

「あっ!あ!あ!

 あんっ!」

と喘ぎ声を上げながら、

ジュッ

ジュッ

真美は盛大に精液を吹き上げた。

ピチャ!

ピチャ!

部屋のフローリングに白濁した粘液が落ちていく。

「またやっちゃった…」

男の快感の余韻に浸りながら、

真美は少し後悔の念を感じていた。

「男って、始まったら止められないのに…

 終わった後がむなしいのよねぇ」

真美はため息をつきながら、

ティッシュを取ると床に落ちた自分の精液を拭きとっていった。



それから数日後…

練習を休んだ真美は一人部室に居た。

しかし…

「はぁはぁはぁっ!

 ウグッ!!」

ジュッ

ジュッ

真美の手には己のペニスが握りしめられ、

そして、もう幾度目かの射精を終えたところだった。

「はぁはぁ」

既に真美のペニスは幾度射精をしてもつきることは無くなり、

スグに勃起をすると次の射精を要求するようになっていた。

そして真美はオカズというモノに手を出すようになってしまっていた。

そのオカズとは…

この部室の窓越しに見える新体操部の練習風景だった。

「あぁ…

 みっちゃん…
 
 たかちゃん…

 はぁ…」

そう呟きながらレオタード姿の新体操部の部員達を眺めつつ、

真美は再び勃起し始めた股間のペニスをしごき続ける。

こうして窓から見える練習中の彼女たちのアソコを思い浮かべると、

真美のペニスはさらに強く張り詰め、精液を吐き出したがるのだ。

プシュッ!!

「はぁはぁ

 こんな…

 こんなになっちゃっうなんて」

真美はテッシュでふき取った精液を眺めると嫌悪感を感じるのだが、

しかし、始めるときは理屈ではない。

興奮し始めると自分が止められなかった。

そして、

「はぁ、男の人ってこうなのかなぁ…」

と彼女は慣れてしまった自分のペニスを眺めつつそう思った。

そのとき、

ふとロッカーに掛かる部員達の制服を見たとたん真美は妙な気分になった。

ドクン!!!

「あれ…

 あたし、何興奮してるんだろ?」

真美はそう呟くと

ロッカーからセーラー服を手に取ると取ると匂いを嗅ぎ始めた。

クンクンクン…

「はぁはぁはぁ」

セーラー服に染みこんでいる女の匂いを嗅いでいると

真美のペニスは力強く勃起した。

まだは射精してたいして時間もたっていないのに異様なほど張り詰めている。

「はぁはぁ…」

真美は興奮を押さえられなくなると、

ギラギラとした目つきで次々とロッカーを漁り

そして、それらを次々と放り出し始めた。

床の上に女の子たちの下着や制服などが散らばる。

シュッ

シュッ

真美はそれらの臭いを嗅ぎながら

ペニスをしごき続ける。

「駄目よ、駄目…」

真美の心に残っている女の子の心が盛んに制止するが

しかし、イヤらしい気持ちはそれらを押しのけ更に高ぶっていく。

「はぁはぁはぁ…

 出る、出るぅ〜!!」

真美はそう叫ぶと、

ジュッジュッ!!

ペニスから吹きだした精液を次々と制服に吹きかけていった。



「あぁ…あたしはなんてことを…」

彼女の精液で汚れた部員達の制服を見ながら

真美が跪くと、

ガチャッ

「ふふふ…

 ははは…

 田所真美…
 
 お前の痴態、しっかりと見せて貰ったよ」

突然部室のドアが開かれると、

一人の男の姿が真美の目に飛び込んできた。

そう、彼女が捕まえ損なったあの男である。

「あっ、お前は…」

真美がそう言おうとしたとき、

「うわぁぁぁ…

 すごいすごい…

 こんなにしちゃうなんて

 はは、君はもぅ女の子じゃない…

 女子更衣室で淫らな行為にふける変態だな」

と彼は真美を見下したように言う、

「いっいや見ないで!!」

真美は反射的に背を向けると

「ははは…

 どうだい?
 
 男になった気分は…

 射精って気持ち良いだろう

 そうだ、どうせならその身体も男にふさわしいモノにかえてあげよう」

そう男が告げると、

ピシッ!!

っと指を鳴らした。

その途端、

ブワッ

真美を目の前を黒い影が覆った。

「あっ、お前は…」

『ふははは…

 お前の”乙女の魂”美味かったぞ』
 
そう真美にむかって言ったのは彼女の股間にペニスをはやしたあの悪魔だった。

「そんな…」

「そうさ、この悪魔と契約したのはこのオレだ

 そう、僕の楽しみを邪魔した君に復習するためにね」

と男は真美に向かって言う。

「さぁ、そいつの身体を完全な男にしてやれ」

男は悪魔に向かってそう命令すると、

『くくくく…』

悪魔は笑みを浮かべるといきなり真美にキスをした。

「ふぐぅぅぅ(離して!!)」

真美は手足をばたつかせながら抵抗をしたモノの、

グビン…

グビン…

悪魔より何かが真美の体内へと注がれ始めた。

と同時に、

ビキビキビキ…

と言う音を上げながら真美の身体に幾筋もの筋が走ると、

ムクムクムク…

彼女の腕や足に筋肉が張り始めた。

ゴキゴキ…

骨格が軋みながら形を変え、さらには真美の人相も変わっていった。

ミシミシミシ…

真美の肉体が大きく膨らんで来たために、

着いた制服はビッシリと身体に張り付き、

パンパンに張ると、

ついには弾け飛んでしまった。

まるで男の様に筋肉が盛り上がった裸体が露わになり、

そして股間には大きく勃起したペニスがその存在を誇張していた。

プハァ

悪魔が口を離すと、


『ふふふ…

 お前の乙女の心…

 しっかりと頂いた』
 
とすっかり肉体が男と化した真美にそう言うと、

「おいっ」

表の男は顎で悪魔に何かを命じると

『ふふ…

 お前も悪趣味なヤツだなぁ…』

悪魔はニヤケながら右手を下から上に上げた。

その途端、

ビシッ

真美の身体に試合用のレオタードが姿を現すと締め付けた。

「こっこれは…」

驚く真美に、

「裸では面白くないのでね…

 僕からのプレゼント、

 ふふ
 
 レオタ姿の男が女子更衣室で変態的な振る舞い…
 
 こんな状況を他の者が見たらなんて言うか…
 
 あぁ…新体操部の練習は終わったようだな」

男は真美にそう言いい、

「じゃぁな」

と告げると部室のドアを締めた。

と同時に

フッ

真美を男にした悪魔は姿を消した。

「あっ待て…」

真美が慌てて男の後を追い、

そして、ドアを開けると、

真美の目の前には新体操部の部員達が立っていた。



「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

「変態よぉ!!」

突然部室から飛び出してきたレオタ姿の男を見た部員達の悲鳴が上がった。



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。