風祭文庫・アスリート変身の館






「ファーストランナー」



原作・inspire(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-282





あたしは旅行に行くためのお金が無かったため、援助交際をした…

そして、その日からあたしの人生の歯車は大きく狂いだしたのである。

何が起きたのか、

それは援助交際をした相手…醜悪なオヤジの姿になってしまったのだ。

オヤジの姿から元に戻るためには他の女の子と寝るしかない…

そう思ったあたしは他の女子高生に声をかけたのだが、

あたしは呆気なく親父狩りにあってしまい、

警察に保護されると同時に買収容疑で逮捕されてしまうと、

拘置所の中で一人で喘ぎ声を上げる日が続いていた。


冷たい拘置所の中でどれくらいの月日を過ごしたのだろうか…

いつものように独房で喘ぎ声を上げていた。

すると、その独房に別の男がいきなり入ってきた。

偶然にも看守が扉に鍵をかけ忘れた日だった。

「ぐえへへっへっへへへへ…」

いかにも麻薬中毒でゲイの入っている若い男が急にあたしの背後に回ると、

あたしの尻の穴にでかいペニスを差し込んできた…

「fだsふぁdsふぇふぇqfwれfr」

何を言っているのかわからないままあたしはそのまま気を失っていた…



翌朝、気がついていたときはなぜか牢屋とは違う場所にいた。

「お嬢ちゃん、あんたも災難だったねえ…」

と一人の看守が優しく声をかけてくる。

「それにしてもあの変態オヤジ…

 刑務所の中にまでどうやって連れ込んだんだか…」

そのころの刑務所の中では暴れまくっている醜悪なオヤジの姿があった。

おそらく、援助交際とおなじ理論が成り立ったため、

あの若い犯罪者がオヤジの姿になったのだろう。

結局のところあたしは保護され、

それが数ヶ月前に行方不明になった女子高生であったとわかると、

あたしは元の生活に戻ったのである。

だが、これがさらにあたしの人生の歯車を大きく狂わせてしまった…

女の子の体には戻ったものの、

あたしは男の体の快感が忘れることが出来ず、

つい股間に手を伸ばしてしまう。

そして、生えているものが生えていない…

と言う事実に気がつくと落胆することが多かった。

オヤジの姿になるのはいやだけど、

でもまたペニスをしごきたくなる…

そんなことを考えながら、

あたしは再びあの夜の街に入っていった。

そして、以前あの醜悪なオヤジとあった場所に来てしまった。

その場所は立ち入り禁止区域となっていることにも知らずに…

(なにかしら…ここ…)

あたしの知らない数ヶ月の間に何があったのかは知らないが、

大量の廃棄物が不法投棄されるようになっていた。

(なんか気味悪いわね…一旦引き返しましょう)

そう思って引き返そうとしたが、

いきなり異臭のする気体が立ち込めてくると、

猛烈な眠気を感じるや、

「なんか…眠い…」  

そう呟きながらあたしはその場に倒れこみ、

汚い沼地のようなもののところに落ちてしまう。

そして、あたしの体にはその沼の成分のせいであたしの体、

さらには着ているものにまで変化が生じていたのであった。

「気がついた…」

気がつくとあたしはベッドのようなものの上に横になっていた。

目を開けると女子高生ぐらいの女の子の姿が目に入った。

「ここは…」

辺りを見回すとラブホテルのような部屋だった。

(…あるわ…)

あたしは、以前にも経験した感覚がまた戻ってきた。

あたしはまた男の姿になったのだろうか?

おそるおそる鏡を見た。

そこに映っていたのはたしかに男だったが、

けど醜悪なオヤジの中年太りした体格とはまるで違い、

腕や脚は筋肉質で引き締まり、

胸板も厚く、また腹筋もくっきりとわれた高校生ぐらいの少年だった。

顔も元のあたしの顔の面影が残っている。

「あんた…そんな格好で、あんな汚いところ泳いでたの」

そう言われて改めて鏡を見てみると、

あたしは黒字に青い切れ込みの入った競泳パンツ姿で、

横にはキャップとゴーグルまであった。

「え?

 なんで?」

意味が分からずにあたしはゴーグルを見つめていると、

「実はあたしも水泳部なんだ…」

そう言うなり女の子は服を脱ぎだした。

やはりこの子も援助交際を求めていたのだろう。

女の子は裸になるとあたしの横に来る。

するとあたしもそれを見て尽かさずパンツを脱ぎ、

ペニスを扱き出して見せる。

(ああこの感覚…やっぱりたまらないわ…)

そう思いながら扱いていると、

「一人でやってないで、あたしのにも入れてよ」

と言いつつ女の子は色仕掛けで挑発してくる。

気がついたら女の子の体の上に乗り、

腰を激しく動かしていた。

「ああん…ああん…もっと…」

「すごい…凄くしまるよ…」

また男の体になった上に醜悪なオヤジの姿では出来なかった体験まで…

あたしは絶頂の中にいた。

そして、そのまま一夜が明けた。

「ちょっと…なにこれ…」

翌朝、あたしと一緒に寝ていた女の子が声を上げた。

女の子もあたしと同じような男の子の体、

さらに脱いだはずの衣服まで水泳選手のようなものに変化してしまっていた。

「うふふふ、これであなたもあたしと一緒ね」

あたしはその姿を見て笑顔を浮かべていた。

それ以来、あたしと関係を持った女の子はみんな男に、

間違えてホモ行為をしようとする男はみんな女になってしまっていったのである。



おわり