風祭文庫・アスリート変身の館






「茜の変身」



原作・バオバブ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-074





「ちょっと、怜治ったら待ちなさいよ」

秋の夕暮れ、

ポニーテールの似合う一人の女子高生が知り合いと思しき男子高校生を呼び止めた。

「何だよ、五月蝿いなぁ。

 俺だって見たいテレビがあるんだよ」

「はぁ?

 テレビなんかどうでもいいでしょ?

 それより、日曜日は大丈夫なんでしょうね?」

「はいはい、大丈夫だっていってるだろ。

 試合くらいちゃんと見に行ってやるから」

「約束よっ!

 忘れたら殺す」

「お前ねぇ、年頃の女ならもう少し言葉遣いに気をつけろよ」

「幼馴染相手に年頃何もないでしょ?

 だいたい、あんたも部活やってるならやってるで

 もう少し気合を入れなさいよ。

 せっかくいい線までは行ってるのに」

「へぇへぇ」

「というかさ、茜大丈夫か?

 週末までおばさんたちいないんだろ?」

「しょーがないじゃない。

 福引きで海外旅行当たっちゃって、

 旅行に行ってるんだから」

この週末家族が不在であることを指摘する怜治に向かって

茜は口を尖らせていうと、

「はいはい、テレビは諦めて俺が家まで送ってってやるよ」

半ば諦めたように怜治は返事をする。

「サンキュ、怜治」

怜治のその返事に茜は機嫌良く返事をすると、

「はぁ…楽しみにしてたのになぁ…

 タイマーしておくんだった」

そんな茜をよそに怜治は涙を流していた。



すっかり日が暮れ、空が群青色に染まった頃、

二人は茜の家まであと一つ角を曲がるだけのところまできていた。

「サンキュ、怜治。

 もうここでいいよ」

「そうか?

 まあ、ここまできたら変な奴に会うこともないだろうけど」

「それじゃ、また明日ね」

「おう」

そんな挨拶を交わし二人は別れ、茜は角を曲がった。

そして、

ふと、先を見たところ、すぐ見える家の門の前に誰かが座り込んでいる。

女の人だろうか?

「やだ…ど、どうしよう?」

若い女性が病気で蹲っていると思った茜は慌てて駆け寄った。

「大丈夫ですか?」

声を掛けると、眠りから覚めたように女性が目を開けた。

「ん、ん〜…」

「あの…具合は何ともありませんか?」

「あら、ごめんなさい。

 ちょっとお腹が空いてて…座り込んでる間に眠っちゃったみたい…」

ハスキーな女性の声に茜はちょっと驚く。

「あ、あの…あなた、もしかして?」

「うふっ、分かる?

 お察しの通り、わたし、ニューハーフなの」

グルルキュ〜

そのとき、盛大にニューハーフのお腹が鳴り響いた。



「もう、うちの家の前で寝込まないで下さいよ。

 恥かしいじゃないですか」

台所で夕飯の準備をしている茜は二人分の料理を作っていた。

「ごめんなさい。

 ちょっと今訳ありで…」

「ふ〜ん、今夜はうちに泊まってってもいいですけど、

 明日はちゃんと出ていって下さいね」

わざと刺々しく言う茜に静香と名乗ったニューハーフは苦笑いをする。

「もちろんよ。

 それにしても、茜ちゃん。

 運動部?
 
 結構スポーティーな体つきだけど」

茜の体つきを観察するようにして静香はそう尋ねると、

「え、ええ。

 こう見えて水泳部です」

と茜は”水泳部”を強調して返事をした。

「そう、じゃあ筋肉も結構ついてるでしょ?」

「まあ、水の抵抗って大きいですからね。

 静香さんほど胸はないけど、

 この方が速く泳げるんです」

じろじろと体を見る静香に気づいたのか

茜は嫌味ったらしく答えた。

「じゃあ、いい薬があるのよ、茜ちゃん。

 飲んでみない?」

「え?

 何の薬ですか?」

「ドーピングにも引っ掛からない筋肉を増強する薬。

 わたし、今こういうのを配ってるんだ」

「へぇ〜、今時行商人のつもりですか?」

「まあ…ね、どう飲んでみない?」

「えぇ〜、結構ですよ。

 あたし、薬なんかに頼りたくないし」

「そう…それは残念ね。

 でも、試合なんか楽勝になるくらい筋肉が強くなるのよ」

その言葉に茜はちょっと惹かれていた。



雑談しながらゆっくりと夕食を済ませた二人は、

そのままデザートを食べていた。

「はぁ…今週末なんですよ、水泳部の試合」

「そう、それは大変ね」

「ねぇ、さっきいってた薬って、そんなに効果が出ます?」

「出るわよ、しかも一晩でね」

「す、すごいですね。

 なんかあたし、興味湧いてきちゃいました」

そういう茜に、静香はニヤニヤしながら

「それはよかったわ。

 食後だし、薬を飲むには丁度いいわね」

と答えると、静香はブランド物の鞄から薬を取り出した。

紙に包まれているその薬は、どこか古めかしい雰囲気がある。

カプセルに包まれているような薬と違って、

その分茜に恐怖心を与えないのに効果的だった。

「なんか変わったお薬ですね?」

「古い西洋の薬なの。

 魔女と呼ばれた人たちが作っていたお薬。

 だから、ドーピング検査にも引っ掛からないわ」

「そーなんですか?」

「さぁ、普通にお白湯で飲むといいわ。

 そうしたら今晩中に効果が出るから」

「それは楽しみですね」

興味津々の茜は、紙を開いて青紫にひかる小さい薬の粉を眺めていた。



そしえ、茜が薬を飲んでから二時間が過ぎていた。

二人でテレビを見て、

一人部屋で宿題を済ませてから茜はお風呂に入っていた。

「なんか…体が熱いな」

薬が効いてきたのか、

茜の全身はまるで熱でも出ているかのように火照っていた。

(これって…薬のせいだよね?)

体の皮膚がとても敏感で、スポンジで洗えない。

取りあえずボディーソープを手につけて簡単に洗うと茜は湯船に浸かった。

「はぁはぁ…」

(なんかやばいよ…

 クリの辺がむらむらする…)

性欲の疼きを感じ、茜は顔を赤らめていた。

まるでクリが張り詰めているかのようなその感じに戸惑う。

そして茜が風呂から出て、自分の部屋に戻ってきたときには、

もうふらふらになっていた。

「うふふ、効いてきたようね?」

何時の間にか居間にいたはずの静香が自分の部屋にいた。

「な、何ですか?

 はぁはぁ…」

「そろそろ立ってられないんでしょ?

 何しろ、体が作り変えられてるんだものね」

「なっ何いってるんですか?」

静香のその言葉に茜は不審がるような目付きで静香を見つめる。

だが、ふらりとバランスを崩すと

茜はベッドに倒れ込んでしまった。

「あ、熱い……はぁはぁ」

「うふふ、茜ちゃん。

 女の子の汗の匂いがいっぱいするわ。

 どきどきしちゃう」

「やだ…やめて下さい」

倒れた茜に静香は近づくと、

自分の方を向けている茜の背中に手を這わす。

「はうっ」

「もう汗でべとべとじゃない?

 でも、女の子のいい匂いだわ」

「あ、ああ…」

「これがどんな匂いに変わってしまうのか、

 とても楽しみね。

 茜ちゃんがわたしと同じになるのが待ちきれないわ」

「な、何いってるんですか?

 あ、あなた…」

茜は体も起こせないまま静香に尋ねた。

「うふふ…あの薬はね。

 女の子を男の子に変えてしまう薬なの。

 あなたは一晩で男の子に変わってしまうの。

 そう…

 あなたは、わたしと同じになるの。

 男の体に女の心。

 さあ、あたしと同じニューハーフになってしまいましょう?」

「は、はぁっ!?

 な、何いってるんですか?」

「これは本当よ。

 だって、魔女の薬ですもの。

 一度掛かったらその効果はてきめんよ。

 あなたがどんな男の子になるのか楽しみね」

「やめて下さいっ!

 あたし、男の子になんてなりたくないし、

 第一そんなの信じられませんっ」

「あなたがなりたくなくても、

 わたしはあなたを男の子にしたいの。

 そして、愛し合いたいの。

 あなたにも、わたし達の気持ちを味合わって貰うわ。

 女の子なのにオチンチンがついているという気持ちをね。

 そして、あなたはわたし達の同朋になるのよ」

「変ですっ、狂ってますっ」

豹変した静香の態度に茜は泣き叫んだ。

しかし、体の熱さは変わらない。

体の奥からじりじりと焼かれていくような感じだ。

「さぁ、茜ちゃん。

 わたしにその体を見せて」

動けないまま汗だくになっている茜に手を伸ばすと

静香は茜のバスタオルを解いた。

すると、

ムリッ!!

いつの間にか茜のお腹には”田”の形をした腹筋が盛り上がって溝を刻み、

その一方で体の脂肪も薄くなり、乳房が一回り小さくなっていた。

「これは…」

自分の身体の変化に茜は驚くと、

「ふふ…なんだかんだ言っても

 もぅ始まっているわよ、茜ちゃん」

それを見た静香はそう呟くと嘗めるような視線で茜を見上げる。



「はぁはぁ…

 くはぁ」

あれから30分が過ぎ、

茜の体の変化は更に進行していた。

汗の匂いが女の子のものから男の子のキツイ匂いへと変わりつつある。

それは茜自身も感じていたし、

静香はその汗をうれしそうに舐めていた。

「うふふ…

 いい匂いね。

 女の子から男の子の汗の匂いに変わってきてるわ。

 あなたの皮膚組織も変質してるのね」

「ひゃっ、く、くすぐったい……はぁはぁ」

「どう、自分が男の汗臭さに包まれていくのは快感でしょう?」

「い、いや……そんなの嫌です」

茜は体の熱さに耐えながらも必死に拒んでいた。

「そろそろオチンチンが生えてくる頃ね」

「おっオチンチンって!?」

「あん?

 知らないの?
 
 男の人に生えているあれよ」

「そんなの知っていますっ

 なんであたしの体に…」

「うふっ

 さっき言ったでしょう、

 茜ちゃん、あなたは男になって居るんだって

 そう、あなたの体に男の人のオチンチンが生えるのよ。

 女の子としては嫌かもしれないけど、

 でも気持ちいいのよ。

 わたしだって持ってるわ。

 だから、あなたも持たなくっちゃ」

「いやぁ、何いってるんです?」

静香の言葉を茜は拒絶するが、

しかし、静香は茜の股間を開くと

親指大に肥大し茜の秘所から顔を出してきたクリをうっとりと眺めた。

「あなたも感じているのでしょう?

 性別が変化するエクスタシーを。

 これは一回限りなんだから、しっかり味わってみないと駄目よ。

 もう女の子には戻れないんだから」

「そ、そんなっ…」

絶句する茜をよそに

静香はクリの上の盛り上がった表皮が上の方まで伸び始めているのを確かめた。

「ほぅら、オチンチンの茎が伸びてきてるわ。

 これが男の人と同じくらいにまで膨らんで

 下との癒着が取れれば立派なオチンチンに変わるのよ」

そう説明をしながら香は盛り上がった茜の茎を撫でると

「ひゃうん!!」

感じてしまったのか茜は悩ましい声を上げる。

「あら、もぅクリに鈴口ができてるじゃないの。

 大丈夫よ、おしっこや精液が出るようになるのね。

 この穴から」

「ええっ!?」

静のその声に茜は仰天して叫んだが、

けど茜が発した声は既にかすれ始めていた。

「あら、変声期に入ったのね。

 茜ちゃん」

「ま、まさか…」

しかし、声は間違いなく変質を始めている。

静香はうれしそうに向きを変えると茜の喉元を探った。

コリ

茜の喉元に硬い出っ張りが膨らみつつあった。

「うふふ、その女声からどんなセクシーなハスキーボイスに

 なるのか、とても楽しみだわ」

「いや、そんなのイヤ!!」

茜は必死に叫ぶがその声はまるで少年がおかまになったような声だった。



ツツツ

プリッ

クリから伸びた茎は通常のペニスの生え際まで伸びていたが

ついにそれが恥丘から離れると、

ペニスと同様の姿へと形を変える。

そしてクリの表皮はそのままペニスの表皮へと変わり、

またクリの先端には透明な液体を湧き出させる鈴口が立派に形成されていた。

「はぁっ、んんっ」

「どう?

 敏感なクリがこんなに大きくなって

 しかも小学生の男の子と同じくらいのオチンチンになったわよ」

「おっオチンチンって…」

茜は泣きそうな声で顔を背けた。

「素敵よ。

 女の子の股間にオチンチンが生えたんだもの。

 まだ子供とはいえ、たまらないわ。

 あとは、男になってくれればいいのよ、茜ちゃん」

「い、嫌です。

 元に戻してください」

茜は完全に涙声になっていた。

「何いってるの?

 せっかくだから、男の子の感覚は知りたいでしょう?

 小学生のガキでも、これくらいは知ってるのよ?」

そういうと静香は、茜の生えたばかりの小さなペニスを握った。

「あ、はうっ!!」

初めて感じる感覚に茜は身を捩る。

「素敵…

 せっかくだから、茜ちゃんにも射精してもらわなきゃね。

 小学生の男の子でもこれくらい知ってるわよ」

「いや…嫌です」

「何よ、高校生にもなって射精も知らないなんて変よ」

「だって、あたし、女子高生ですよ?」

「違うのよ、だってあなたはもうわたしと同じ。

 体は男だけど、心は女なの。お仲間なのよ」

「嫌です、元に戻してよっ!」

茜は声変わりした中学生の男の子のような声で叫んだ。

すっかりおかまみたいに聞こえるその声に静香は喜ぶ。

「あなたはわたしと同じになるのよ。

 そう…

 あなたにわたしと同じ気持ちを味合わせてあげる」

「い、いや…」

「射精したら、全てが分かるわ。

 あなたはわたしと同じになるのよ」

「いやっ!!」

「うふふ…

 いやでも、味あわせてあげるわ。

 あなたを男の子にしてあげる。

 そして、あなたをわたしと同じ身体にしてあげるわ」

そういうと、静香は茜のペニスを握る手に力を入れた。



シュコシュコシュコ

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

あれからどれだけ扱かれただろうか?

茜のペニスはすっかり勃起し、

そのサイズは次第に大きくなり始めていた。

茜は嫌々ながらも、勃起し硬く張り詰めたペニスの感覚を味わっている。

そのペニスは透明な液体をだらだらと吐き続け、

いよいよ男になるときを待ち構えているようだった。

「うふふ、すっかりオチンチンの虜みたいね。

 射精を覚えたらどうなっちゃうのかしら?」

「いやっ、いやっ、はぁっはあっ」

時折、力を込めると

茜は激しく反応を見せるが決して嫌がっている様子ではなかった。

どうやら肉体の肉欲に少しずつ飲み込まれつつあるようだ。

「さぁ、出して、男の子になるのよ」

「いやっ、

 いやっ、

 んっ、

 はぁっ、

 はぁっ」

茜は自分のペニスの根元に何かが溜まり始めているのを知った。

おしっこを出すときに似て非なる感覚。

茜は精通を迎える小学生と同じだった。

間もなく、茜の体が男性機能を持つ瞬間が近づいた。

シュコシュコシュコ

「出る……

 はぁ、

 はぁ、

 出る……

 出るっ、

 出ちゃう」

茜は男臭くなった体で静香に抱きついた。

股の間では生えて一時間あまりのペニスが

すでに高校生の男子並みのサイズに成長している。

シュッ

シュッ

「あ、くっ、くはぁっ!!」

静香の手の動きに会わせて茜は思わず叫ぶと

自分の股間に熱く滾ったものが堰を切って溢れ出すのを感じた。

そして、

「射精しなさい。

 わたしと同じになるのっ!」

そう叫びながら静香が思いっきり茜のペニスを握りしめると、

「あうっ!!!」

茜は体を小刻みに震わせながら

ビュッ

ビュッ

ビュッ

「ああ、ああ、ああ」

茜は訳も分からないままただ本能に従うまま射精していた。



あれから、どれくらいが経っただろうか?

夜も少しずつ明け始めていた。

茜のベッドの上で茜と静香は射精した精液でベトベトになり

そして、二人は抱き合っていた。

「はぁはぁ、あたし……

 男の子になっちゃったよぉ」

困惑しつつも、

快感には屈服した茜は静香に抱きつきながら

自らの股間に生えたペニスを扱いていた。

茜のささやかな乳房はすっかり逞しい胸板へと変貌し、

肩幅が広がった一方で

お尻はペコンと凹んでしまっていた。

そして、股間には立派なペニスが聳え、

またその下では睾丸を含んだ陰嚢も垂れ下がっている。

さらに茜の汗の匂いは男の子の中でもとてもきつい匂いに変わり、

その匂いが静香をさらに欲情させた。

「うふふ、

 茜ちゃん、素敵よ。

 思っていた通りの男の子になったわね」

「ああっ、

 んんっ、

 くぅ〜っ」

茜は歯を食いしばって、射精の快感に耐える。

静香の股の間から突き出したペニスから

茜はベッドのシーツに向けて射精していた。

真っ白で粘々した粘液は間違いなく男の精液だった。

「あ、あたし……」

そういって、茜は静香と口を合わせる。

「これで、あなたもわたしと同じよ」

「あたし、嫌なのに…嫌なのに男になっちゃったよぉ」

「そうよ。

 女の心に男の体。

 わたしと同じね。

 だから、愛せるの」

そういうと静香は再び茜と体を合わせる。

しかし、茜は変身していくことへの喜びだけでなく

胸を膨らませ、女の体に近づけている静香に欲情していた。

今まで感じたことのない感情が湧きあがりペニスをさらに高ぶらせていく。

静香への憧れも感じ始めているのかもしれない。

「ああ、あたし、あたし…」

おかまのような声が上げて茜は再び射精してしまった。



「はぁ…今日は学校休むしかないな…」

変声してしまった声で、茜は溜息を吐くとシャワーを浴びた。

消えてしまったた乳房に変わるように漲る筋肉。

そして股間から突き出したペニス。

ふにゃっ

思わずペニスを掴んで落胆する。

しかし、気持ちよかった。

「はぁはぁ…ああ、駄目…」

茜はシャワーの中でまた射精していた。

「あら、おはよう

 うふふ…

 気分はどぅ?」

シャワー室から出てきた茜に静香はそう話しかけると、

「で、どうしてくれるんですか?」

茜は静香と成り行きとはいえ、

体を合わせしてしまったに罪悪感を感じながら食って掛かかった。

「もぅニューハーフになるしかないでしょ?

 あなたも」

「嫌です、なんであたしが…

 あたしは正真正銘の女の子だったんですよ!!」

「でも、あなたは男の子だわ。

 どう見たっておかまね。

 容姿は女っぽいけど…」

「そりゃ、夜はちょっと訳わかんなくなってあんなこと

 しちゃいましたけど、今はもう嫌なんです。

 元に戻して下さい」

「できないわ」

「なんで?」

「正真正銘の男になっているあなたが女になれるなら

 わたしもとっくに女になってるわよ。

 できないから、
 
 こうして女に静香の気持ちを味合わせているんじゃない?」

「…そ、そんな……」

「別に静香にならなくてもいいのよ。

 普通の男の子になりたければそれでもいいわ。

 わたしはそれも範疇だし」

「そういう問題じゃありません」

茜は思わず泣きたくなった。

「どう、茜ちゃんだって一概に男が嫌なわけでもないでしょう?

 昨日の夜何回射精したと思って?」

「変なこといわないで下さい…」

茜は顔を伏せて、抑揚のない声で漏らした……

「うふふ…

 でも、イケメンの格好良い男の子になったじゃない、
 
 これじゃぁ女の子達も放っておかないわね
 
 あっ確か茜ちゃんは水泳部だっけ
 
 じゃぁ思いっきりセクシーな競泳パンツを穿くと良いわ、
 
 うふっ
 
 きっとプールサイドは大騒ぎでしょうねぇ」

茜の姿を見下ろしながら静香はそう言うと、

パサッ

茜に向かって紺色の小さな布を放り投げた。

「こっコレは…」

「あたしからのせめてものプレゼント、

 男の子の競泳パンツよ、

 それを穿いてみんなにあなたの逞しい体を見せつけてあげると良いわ

 茜は男の子になりました。ってね」

「…ってくださいっ

 出て行ってください!!」
 
静香の言葉にコレまで我慢してきたモノをはき出すようにして茜は叫び声を上げた。



そしてその日の夜、

感情に任せて静香を追い出した茜は一人部屋の中にいた。

「はぁはぁはぁ…」

(これが男の子の気持ちなんだ……)

ピチッ

いつの間にか茜の股間には静香から渡された

紺地に朱の鋭利なストライプが入った男子用の競泳パンツが張り付き、

見事なテントを作りあげていた。

そして、そのテントを茜の手が撫で回すと、

ビクン!!

「うっ」

茜の股間から生えてしまったペニスは敏感に反応し、

それを扱くとたまらない快感が湧き出す。

「ハァハァ

 ハァハァ
 
 うくっ」

テントをなで回していた茜の手はいつしか、

その中で固くなっている己のペニスを引き出し、

そして、扱き始める。

女の子だったときはそんなにオナニーしたいとは思わなかったが

男の子になってからはオナニーしか考えられなくなった。

自分の汗が臭いのが分かる。

男の汗の匂いだ。

それが今の自分のものだなんて、茜は余計に欲情していた。

「はぁはぁ…

 はぁはぁ…
 
 くはぁ

 だっ駄目っ

 くぅっ!?」

ジュッ

ジュッ

ジュッ

その声と同時に茜の体から精液が吐き出される。

「あぁ…あたし…男…

 男の子になっちゃたんだ。
 
 あぁ…水泳の大会どうしよう…
 
 そうだ、コーチに頼んで男の子の部に出して貰おう…
 
 怜治驚くかな…
 
 あっダメ…
 
 また勃ってきちゃった。

 いいよ、
 
 あぁいぃ…」

再び勃起をし始めたペニスを扱きながら

茜は男になってしまった自分の体に興奮していた。



おわり



この作品はバオバブさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。