風祭文庫・アスリート変身の館






「博子の復讐」
(後編)


作・風祭玲

Vol.830





ザザザザ…

それから数日後、

一台のクルマが駐車場に入ってくると、

静かに駐車スペースに停車した。

「降りろ!」

ハンドルを握る黒スーツの男に命じられて

白のTシャツにハーフパンツ姿の真由子がクルマから降ろされた。

クルマから降り立った真由子の姿は、

かつてポニーテールを結い上げるほどあった髪は無残にも刈り上げられて丸坊主になり、

また身体の動きにあわせてハーフパンツが動くと、

その股間から盛り上がるものの陰が姿を見せている。

一見すると男性と身間違えられそうな身なりの真由子が股間を気にしながら手をかざして見上げると、

彼女の目の前には無機質な外観を持つコンクリート作りの建物が立っていた。

「ここは?」

午後の日差しの下に建つ建物の影から、

北側の駐車場に降ろされたことを予想しながら真由子は居場所を尋ねると、

「ここはとあるクラブチームの合宿所だ。

 無論お嬢様のものだが、

 お前はここで生活をする」

真由子の後ろに立った黒スーツの男は静かに告げた。

「クラブチーム?

 ここで?

 生活?」

彼の言葉を聞いて真由子は本能的に怯えながらも、

「チームって何のチームですか?」

と聞き返した。

しかし、

「後でわかる、

 お前はこのチームの選手となり、

 お嬢様の為に働くのだ」

と黒スーツの男は答えるだけだった。

すると、建物の向こう側から男達の声が響き始め、

なにか激しい練習をしている様子が声だけでも感じられた。

「ここで、選手?

 なんのスポーツの?」

それらの音を聞きながら真由子は次第に不安になってくると、

「よぉ!」

その間を与えることなく、

赤銅色の肌を見せる体格のいい男が建物から姿を見せる、

真由子の背後に立つ男に向かって手を上げ挨拶をしてきた。

すると、

「あぁ、

 柴田さん」

黒スーツの男は出てきた男・柴田に向かって親しげに話しはじめ、

しばらく話し込んだ後、

チラリ

と柴田が真由子を見ると、

「コイツがお嬢様が言っていた奴かぁ?」

真由子を指差し怪訝そうな目をする。

「はい、お嬢様は”彼”がフィールドで活躍する姿を求めていらっしゃる。

 その期待に応えるのが柴田さんの仕事ですよ」

と黒スーツの男は柴田に言った。

「まぁっ、

 確かにそれが俺の仕事だけど、

 コイツを使えるように弄るとなると、

 これはまた大仕事だな」

短く刈り上げた頭を掻き揚げながら柴田はため息を付くと、

「で、お嬢様はどんな風にしたいんだい?」

と聞き返した。

「そうだなぁ…

 お嬢様はかけ離れた姿になっていくのが好きだから、

 DFあたりがいいだろう、

 ほら、三島って言う選手がいるだろう、

 あれくらいにすればお嬢様は大喜びになると思う」

黒スーツの男は顎を摩りながら返事をする。

「かぁ…

 三島並にするか?

 コイツを…!」

それを聞いた柴田は改めて真由子を見ると、

「なっなに?」

真由子は本能的に構えた。

だが、

シュッ!

一歩、柴田の方が素早く動くと、

ムギュッ!

真由子の股間が握り締められた。

「うわっ」

股間を握られた感覚が”偽りのペニス”から

真由子のクリトリスに伝わり、

その感覚に真由子が飛び上がると、

「へぇ、

 随分と立派なチンコを持っているじゃないか、

 それだけ立派なモノを持っていれば

 まぁ何とかやっていけるだろう」

真由子がみせた反応に満足しながら柴田は手を離すと、

くるりと背を向け、

「ついて来い」

と真由子に命じた。

「うっ」

建物へと向かっていく柴田の姿を見ながら真由子は固まると、

「ほらっ、

 行くんだ、

 ここで必要となる品物は全て揃っている。

 お前はその身体一つで行くんだ、

 くくっ

 お嬢様はお前のその姿を何所からでも見ているぞ」

と黒スーツは真由子に促した。

「は…ぃ」

黒スーツの口から出たその言葉に真由子は

ギュッ!

と手を握り締め、

そして、その手を緩めると、

「どんなことにも耐えて見せます。

 だから、必ず女に戻してください。

 約束ですよ」

そういい残すと真由子は柴田の後を追い、

建物の中へと入って行く。

「ふん、約束かぁ

 残念ながらお前はここで本物の男になるのさ、

 咽るような男になってお嬢様を喜ばせてあげるんだな」

口にくわえたタバコから煙を上げながら男はそう呟いていた。



真由子が連れてこられたこの場所は

ここは博子の親が運営しているアメフトのクラブチームの合宿所であり、

建物前に広がる練習場では汗と砂で汚れた練習用のユニフォーム・ショルダー姿の選手達が

砂を蹴り、ボールを奪い合いながら汗を流していた。

「アメフト…

 ここってアメフトのチームなんですか?」

グラウンドで激しく動き回る選手達の姿を見ながら真由子が尋ねると、

「なんだ、

 そんなのも知らないのかっ

 馬鹿かお前は」

鋭い視線を真由子に投げつけ柴田は返事をした。

「!!っ」

思いがけない柴田の豹変にぶりに真由子は驚くと、

「ふんっ、

 まったくお嬢も人が悪い。

 お前、チョット前まで女だったんだってな、

 だが、俺に預けられた以上、

 お前をあいつ等と同等に鍛え上げてやるから、

 覚悟しろっ」

と言い放った。

「うっ」

それを聞いた真由子は言葉を詰まらせると、

「おいっ、

 なにボケッとしている」

と柴田の声が響き、

「お前の基礎体力を調べる。

 さっさと表に出ろ」

と続けて怒鳴られた。

「はっはいっ」

鬼を思わせるその気迫に押されながら

真由子は柴田とともに練習場の隅に向かうと、

「よーしっ

 ココからあのポールまでが丁度100ヤードだ

 ここから全力疾走10本やってみろ」

と練習場の隅に立つポールを指差し真由子に命じた。

「え?」

その指示に真由子は驚くが、

「さっさとしろ、

 日が暮れちまうだろうが」

と柴田の雷が落ちると、

「はいっ」

真由子は言われたとおり走り始めた。

1本目、

2本目、

3本目と真由子は全力疾走で走るが、

しかし、いくらチアで鍛えてきたとはいえ、

5本目を走ったところからスタミナが切れ始め、

ついに8本目はヨロヨロとよろけながらの走りであった。

「なんだ、情けないなぁ

 そんなんでアメフトが出来ると思っているのかぁ」

8本目を走り終わった途端、

真由子が倒れてしまうと柴田の怒鳴り声が響いた。

「なんで…

 こんな目に…」

泣きたくなりそうになりながらも真由子は起き上がり、

そして、必死で残り2本を走りきると、

「よーしっ

 次は…」

と柴田は次々と真由子に指示を出してきた。

それらがようやく終わったときには、

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

全身汗でぐっしょりと濡らし、

青息吐息の真由子はグランドに倒れてしまうが、

「おらっ、

 なに寝転んでいるっ

 新入りにはやる事が山ほどあるんだ」

倒れている真由子に向かって柴田はそう命じると、

「はい…」

よろよろと真由子は起き上がると、

今度はトレーニングとは関係のない雑用を言いつけられたのであった。



「え?

 お風呂ですか?」

極度の疲労からあまり喉を通らなかった夕食を終えると、

真由子は先輩となった男達から入浴の誘いを受けた。

「いえ、
 
 あたしは…いいです…」

女同士ならいざ知れず、

男達との入浴に真由子は一度は断るが、

「汗臭いままで居られるとこっちが迷惑なんだよ」

「それとも先輩命令は聞けないのかぁ?」

と日頃の練習で鍛え上げた屈強の男達から凄まれると、

「は…ぃ」

真由子はそれに従わずには居られなかった。

そして男達とともに真由子は浴場へと向かうと、

持っていたタオルで真由子は胸を隠そうとするが、

「男だろう」

の声とともにタオルを剥ぎ取られ、

「あっ」

真由子はその特異な肉体を晒されてしまう。

小さいながらもプックリと膨れている両胸、

括れているウェスト、

そして、張り出している腰と、

毛の薄い両手足。

何所を見ても女性の特徴を見せている真由子の体だが、

しかし、その股間にはこの場に居るどの男よりも立派なペニスが下がっていた。

「おぉ…」

「でけー」

真由子の”偽りのペニス”を見て男達は一様に驚くと、

「もっもぅいっいいでしょう…」

言葉を詰まらせながら真由子はそう言い、

逃げるようにして洗い場に向かうと、

シャワーを頭から被り始める。

そして、

カァ…

顔を真っ赤にしながら無言のまま洗い場にて身体を洗い始めたとき、

鍛え上げた筋肉の塊と思える巨漢の男が真由子の隣に立つと、

「よう、随分と立派なものを持っているじゃないか」

と日に焼けた顔で覗き込んできた。

「…やめてください…」

男から逃げるようにして真由子は背中を向け小声でそう呟くと、

いきなり男の日に焼けた太い手が真由子の腰の両側から入り、

股間へともぐりこんできた。

「あっ」

それに驚く間もなく

グニュッ!

いきなり股間のペニスを鷲づかみにされてしまうと、

「ひぃ!」

その男の行為に真由子は悲鳴を上げてしまった。

「なんだ、

 女みたいな声を出して、

 男なら、

 押忍だろう?」

荒い鼻息を立てながら男は

ヌチャッ

ヌチャッ

と真由子のペニスを扱き、

「男同士、

 まぁ仲良くやっていこうや、

 柴田に聞いたぜ、

 お前、DFをすることになるんだってな、

 じゃぁ、俺とポジション争いをすることになるけど、

 ははっ、

 そんな細い身体じゃぁ

 簡単に吹っ飛んでしまうぜ。

 なにしろ、相手はお前を殺す気で突っ込んでくるんだからな」

と男は囁き、

シュッシュッ

シュッシュッ

力を込めながら真由子のペニスを激しく攻め始めた。

「あっ(ビクッ)

 んっ(ビクビク)」

男の手が動くごとに真由子は身体を小刻みに痙攣させると、

ムクムクムク…

真由子の身体の中から溢れ出てきた愛液が充填され始め、

偽りのペニスは大きく膨らみ勃起していく。

すると、

「へぇ感じるのか、

 このチンコが…」

と男が聞いた。

「ちっ違う、

 感じてなんかは…」

男の言葉を真由子は否定しようとするが、

「面白そうだな、

 俺もやらせろよ」

成り行きを見ていたほかの男が寄ってくるなり

真由子の股間に手を入れると、

初めに扱いていた男に代わってペニスを扱き始めた。

「あっ(ビクビク)

 やめて(ビクン)

 お願いだから(ピクピク)」

初め男とは違う力加減に真由子は翻弄され、

ジワッ…

偽りのペニスの下についている玉袋にも真由子の愛液が溜まり、

パンパンに膨らんで行く。

そして、それらが限界に達したとき、

「あっあっあっ

 出るっ

 出る

 出ちゃう!!」

顎を上げながら真由子がそう口走った途端。

ビクン!

その身体が大きく脈打つと、

ビュッ!

ビュビュッ!

硬く伸びていた真由子の”偽りのペニス”は射精をしてしまったのであった。

「おいっ、

 風呂場を汚すんじゃない」

それを見ていたほかの男達が注意するが、

「あっあっ

 あぁぁぁ…」

男達の目前で”射精”をしてしまった真由子はガックリとうなだれ、

その股間から伸びていた”偽りのペニス”も萎えてしまうと、

ダラリと垂れ下がっていたのであった。



その夜、

汗の臭いが充満する相部屋に割り当てられた布団の中で

真由子は早々と潜り込み寝ようとするが

しかし、風呂場での恥辱の事が頭をよぎってしまうと容易には寝付けなかった。

そのため、必死になってそのことを忘れようと他のことを考えてみるが、

そうすればするほどあのときの場面が鮮明に思い出され、

ムクムク…

萎えていたはずの”偽りのペニス”が勃起し始める。

そして、

「あっ

 ダメッ

 そんなことをしては…

 でも、

 あぁ、止まらないの…」

風呂場での男達の蔑んだ目を思い出しながら真由子はペニスを扱き、

「んぐぐぐぐ…」

タオルをペニスに押し当てて幾度も”射精”を繰り返した。

だが、

その股間の”偽りのペニス”には真由子も知らない仕掛けが施されていて、

射精を行うごとに睾丸に仕掛けられていた特殊ホルモン剤が溶け出すと、

真由子の身体へと吸収されていく、

そして、吸収されたホルモンは睡眠に就いた真由子の身体を改造していくのであった。

翌日、

グゥ〜っ

真由子は猛烈な空腹感に目を覚ますと、

「お腹がすいた…」

そう呟きながら朝食の席につき、

皆が驚く勢いで食事を摂っていく、

そして、柴田の怒鳴り声とともに基礎体力のトレーニングが始まると、

真由子は怒鳴られ殴られながらも汗だくになって走りこみ足腰を鍛えていく。

そして、そのトレーニングが終わると、

アメフトをする上で必要となるボール回しなどの特訓を受けていくが、

特殊なボール形状に真由子は悪戦苦闘の連続であった。

こうして、時間が過ぎ

真由子の動きがある程度形になった頃には、

”偽りのペニス”に仕込まれていたホルモン剤の効果もあってか、

華奢だった真由子の身体に筋肉の陰影がつき始め、

また背も伸び始めていた。



「はぁはぁ

 はぁはぁ」

夜のトイレに真由子の荒い息が響き渡り、

個室の便器に腰掛けながら真由子は”偽りのペニス”を扱いていた。

シュッシュッ

シュッシュッ

筋力トレーニングで太身を増し、

日に焼けた腕を上下に動かしながら、

真由子は空ろに個室のドアを見つめている。

そして、空いている手で徐に雑誌を持ち上げると、

そこに映っているヘアヌードに目を通しながら、

「えへへへ…」

と笑い。

「うっ!」

全身に力を込めた。

その途端、

ビュッ!

扱いていたペニスから勢い良く粘液が噴出し、

ビシャッ!

個室のドアを汚していく。

「はぁはぁ」

”終わった”後、

真由子は全身を襲ってくる脱力感にぐったりとしていると、

「…またしちゃった…」

と小さく呟いた。

「あたし…

 またこんなことを…

 なんで、

 どうして、こんなことをしないといけないの?

 あたし、女の子なのに…

 なんで女の人の裸を見るとムラムラするの」

放心状態の真由子の目から涙が流れ出すと、

その顔を両手で覆い、

「いや、

 男になんてしないで…

 女のこのままで居させて」

とすすり泣き始めた。

だが、連日の猛特訓と薬剤はそんな真由子を男性化させていき、

それから程なくして、

「よーしっ、

 今日からは練習に出てもらうぞ」

真由子の体力が他の男達の動きについていけるようになると、

柴田はそう告げたのであった。



「え?

 それって」

彼の口から発せられたその言葉の意味を理解出来てないでいると、

パサッ!

と真由子にめがけて白いものが放り投げられる。

「これは?」

自分の目の前に落ちた白い物体を手に取りキョトンとしていると、

「おらっ、

 何をぼさっとしているんだ

 ケツ割れを知らないのか?

 さっさとそれを穿け、

 それとも俺が手取り足取りおしえてやろうか?」

笑みを見せつつ柴田は言う。

「うっ!」

柴田が見せた笑みを見て真由子は背筋が凍りつくと、

そそくさと着ていたトレーニングウェアを脱ぎ捨て裸になって見せる。

そして、試行錯誤を繰り返しながら真由子がケツ割れを引き上げると、

腹筋の陰影がつく下腹部をペニスを巻き込んで大きく盛り上がったケツ割れが引き締める。

「よしっ、

 おぉ、すっかり野郎らしくなったじゃないか

 DFをするにはまだまだ華奢だがな」

ケツ割れ姿の真由子を見ながら柴田は満足そうに頷くと、

「よーし、

 じゃぁ、このフットパンツとショルダーを着てみろ」

そう言いながら真由子に男達の汗の臭いを放つアメフトの防具であるショルダーと、

チーム名が入るフットパンツを手渡した。

「これを…

 着るのですか?」

手渡されたショルダーとフットパンツを見ながら真由子は尋ねると、

「当たり前だろう、

 それを着てお前はアメフト野郎になるんだよ」

と柴田は怒鳴る。

「はぃ…」

もはや逃げ道は無かった。

肉体が男性化し、

さらに心も”男”に染まるつつあった真由子の胸のうちには、

”これを着て思いっきり暴れたい。”

と言う感情が芽生えていて、

まるでその感情に突き動かされるように、

真由子はフットパンツに脚を通し、

ショルダーを被ってみせる。

ギシッ!

「あの、

 これでいいですか?」

腰をピッシリとフットパンツで引き締め、

胸周りを厳ついショルダーで盛り上げた真由子が柴田に声をかけると、

「おぉ、

 なかなかじゃないか、

 よし、

 このメットを被って表に出ろ、

 そして、その格好で走り込みだ!」

と柴田は傷だらけのヘルメットを真由子に渡し、

宿舎から出て行く。

そしてその日、真由子は地獄を見た。



照りつける日差しの下で、

完全武装をした真由子は徹底的に走り込みをさせられたのである。

しかし、男性化させられていた真由子の身体はそのシゴキに耐え抜き、

「これなら、

 野郎共の練習に合流させても大丈夫か」

と柴田は決断をさせたのであった。

こうして翌日より真由子は選手達との練習に合流し、

激しい練習にもまれてるようになったが、

だが、男性化していく真由子の身体は音を上げることはなく、

さらに筋力を増し、

増した筋肉は真由子の身体を大きく膨らませて行く、

こうして、小さいながらも存在していた乳房は盛り上がる胸板に飲み込まれ、

括れを見せていたウェストには腹筋が深い溝を刻み

張り出していたヒップは小さく纏まり凹みが出来上がっていく。

そして、

ハァハァ

ハァハァ

性欲もさらに旺盛になり、

真由子は朝に晩に、

さらに練習の合間であっても、

”偽りのペニス”を扱くようになっていった。

こうして成長していく真由子の身長が男の標準値を越え、

さらに体重が100kgを越えてしまうと、

真由子はDFとして突進してくる相手選手を

その鍛え上げた肉体で押し返すようになったのであった。


ピィィィィ!

ホィッスルの音が高らかにフィールドに響き渡ると、

「おっしゃぁ!」

試合に勝利を収めた厳つい姿の男達の喜びの声が響き渡る。

そして、その中に厳つい身体に日に焼けた顔の真由子の姿があった。

「おいっ、

 ちょっとこい」

試合終了後、

着替えのため男子更衣室に戻ってきた真由子に、

柴田が呼び出すと、

「なんッスか?」

汗の臭いを撒き散らしながら

テカリ止めの墨を目の下に塗っている真由子は返事をすると、

「お前に会いたい人が居るんだよ、

 黙ってついて来い」

と柴田は言うと、

真由子を連れ出した。

そして、

”特別室”

と書かれた部屋に連れてこられると、

「あら、お久しぶり、

 試合見ていたわ」

真由子の前にあの博子が姿を見せ、

その厳つい姿を見上げた。

「ひっ博子ぉ!」

博子の姿を見た途端、

真由子は野太い声を張り上げて彼女に迫るが、

ガシッ!

スグにそのショルダーが何者かに引っ張られてしまうと、

ドカッ!

真由子の身体は呆気なく床に敷き詰められた絨毯の上に転がってしまった。

「コホン、

 お嬢様への暴力は許しませんよ」

絨毯の上に転がる真由子に向かって、

あの時と同じ姿の林が話しかけると、

「さぁて、

 すっかり男になってしまった元・チアのお味はいかがかしらね」

スルリ…

と服を脱ぎ捨てながら博子はそういうと、

倒れたままの真由子の上に腰を下ろし、

「うふっ、

 チアリーダーって体力を使うのよ、

 たっぷりと頂くわ、

 あなたの力」

と囁き、

日に焼け、砂まみれの真由子の頬を撫で、

静かにキスをしたのであった。



おわり