風祭文庫・アスリート変身の館






「アマレスラー千帆」
第4話:屈服する男達



作・風祭玲

Vol.0624





「いいか、1年は奴隷だ、

 お前達は俺たち上級生の命令に従うだけだ、

 決して反論することは許されない」

レスリング部の寮に入ったその日、

2年生よりそう言い渡された千帆は文字通り身ぐるみ剥がされ、

さらに、頭も坊主に剃り上げられてしまった。

そして、その翌日より、

インナー”ケツ割れ”一枚のみの姿で、

2年生は元より、

その上に君臨する3年生、

そして、神様として崇められる4年生の小間使いとして、

せわしなく働かされたのであった。

「おーぃ、奴隷!

 こっちだこっち!」

去年まで奴隷として働かされてきた2年が調子に乗って、

無理難題を千帆達1年に押しつけ、

そして、それが出来ない知るや否や、

「なんだぁとぉ、

 くちごたえするな!」

と言う怒鳴り声一つで暴行を加える日々が続く。

無論、私物と一緒にケータイまで取り上げられてしまったために、

このことで隆之の相談しようとしてもそれは叶わず、

また、胸にデカデカと氏名をマジック書きされ、

さらにケツ割れ1枚だけの姿であるために逃げ出すことも出来なかった。

そんな地獄の日々を千帆は送っていると、

「遅くなったけど、

 来週の月曜日、奴隷達の歓迎会を開いてやる」

と2年は告げ、

「だから、オナニーは禁止だ」

そう言い渡した。

「えぇ!」

その決定に1年から一斉に驚きの声を上げるが、

「うるせーっ

 歓迎会では血が出るくらいにまで出させてやるから、

 我慢しろ!」

と2年は命令し、去っていった。



そして、迎えた月曜日、

「わはははははは!!!」

「腹、痛ぇー」

笑い転げる2年生や3年生の前で、

千帆達1年生は唯一の服であるケツ割れを脱いで全裸となると、

大声を上げての自己紹介の後、

横一直線に並び、

流れる音楽に合わせて腰を振っていた。

「ぎゃはは」

「オラオラ

 もっと腰を振れ」

「そーだ、いいぞぉ」

上級生の笑い声を受けながら

千帆は自分の両腕を両隣の者の肩に載せ、

顔を真っ赤にしながら腰を振りつづけるが、

しかし、その股間では各々のペニスが赤い紐で結びつけられ、

ピンッ!

ピンッ!

腰を振るタイミングがずれるごとに

ペニスに付けられた紐が即座に伸び、

紐を巻いているカリ首の下を容赦なく締め付ける。

そして、その度に、

「うっ

 うっ」

千帆は漏れてくる声をかみ殺していると、

「なんで、こんなことを…」

とこの姿を隆之に見て欲しくないと思い続けていた。



やがて、音楽が止まり、

千帆達は踊りを止めると、

「よーし、

 チンポの紐を外して良いぞ!」

と3年の声が響いた。

「ふぅ」

その声に1年は我先にと自分のペニスに付けられた紐をはずし始めると、

「じゅぁ、次はテッポウ撃ちだ」

とにやけている4年が声を上げる。

「テッポウ撃ち?」

その言葉に皆が顔を見合わせると、

「お前等のザーメンがどこまで遠くに飛ぶか、

 競うんだよ」

と2年が説明をした。

「え?」

その説明に千帆が困惑をすると、

「愛園・相沢・魚野・江川・木城、

 ここに並んでテッポウを撃て!」

と2年は指示をする。

「そっそんな…

 みんなの前で…男のオナニーだなんて…」

指示に千帆は困惑していると、

千帆以外の4人は指定された線の上に立ち、

そして、少し離れたところに置かれた的に向かって、

シュシュ!

一斉にペニスを扱き始めた。

すると、

「おいっ、

 魚野っ
 
 なにボケっとしているんだ」

列に加わらず、一人立ちすくんでいる千帆は怒鳴られると、

「はっはいっ」

その声に千帆は慌てて列に加わると、

シュシュッ

慣れない手つきで自分のペニスを扱き始める。

「うっ」

「はっ」

「うごっ」

「くぅ」

硬く勃起したペニスを伸ばし、

4人男達は置かれた的に向かってペニスを扱き、

それに加わった千帆もペニスも伸ばしててゆく、

この行為は男性化しても、

決して男のオナニーをしてコトなっかった千帆にとって拷問であり、

経験してはいけない禁断の果実を食する行為であった。

シュッシュッ

シュッシュッ

太く伸びて行くペニスを千帆は一心不乱に扱き続ける。

「なんで、

 なんで、
 
 あたしったらこんなコトしなくてはならないの?
 
 こんなコトをするためにレスリング部に入った訳じゃない」

ペニスを扱きながら千帆は心の中でそう叫ぶが、

しかし、そのことを声を大にして問い尋ねることは出来なかった。

シュッシュッ

シュッシュッ

扱くことに千帆のペニスは伸び、

亀頭は千帆の身体から次第に遠くなっていくと、

ストロークが長くなっていった。

さらにペニスを握る親指と人差し指が次第に離れていくと、

シュッ!

シュッ!

千帆は股間から聳える巨根を周囲に見せつけた。

すると、

「……あぁ…気持ちいい…」

初めのうちは恥ずかしくて仕方がなかったペニスを扱く行為が

次第に気持ちよく感じ始め、

「あぁ、

 もっと、もっと」

それを追い求めるように千帆は巨根を扱き続けた。

すると、

「………」

あれだけはやし立てていた上級生達の声がピタリと止まり、

静けさがその場を支配してゆく。

「…おいっ

 何だあの1年は…」

「随分でっかいチンポじゃないかよ」

「あぁ…知っているか?

 あの魚野の弟だそうだよ」

「えぇ?

 魚野の弟?」

その静けさに抗するかのようにヒソヒソ声が響き、

そして、千帆がかつてこのレスリング部に在籍した

魚野千太郎の弟である。と知らされた途端、

上級生、特に3年生と4年生に動揺が広がっていった。

一方でそんな声が聞こえない千帆は、

「あぁ、

 なっなんて、気持ち良いの?
 
 これが、男のオナニーなの?
 
 女の子のオナニーとはまるで違う…
 
 あぁ、
 
 いいよ、
 
 すっごくいいよ」

木刀のように固く伸びるペニスを扱き千帆は酔いしれていると、

ジワッ

次第にその根元に力が溜まり始め、

ビリビリと痺れてくる。

「あっ

 出る…
 
 何かが出る…
 
 出る
 
 出てくるよぉ」

その力がはけ口を求め、

ペニスの中を前に前にへ移動し始めた。

そして、ついに一線を越えたとき、

「魚野千帆!

 出ます!」

と千帆は自分の名前を叫んだ途端、

一気にペニスを中を熱いものが流れ、

プシュッ!

シュシュシュ!!!

遙か遠くに置かれた的目がけて、

真っ白な流れを吹き上げた。

シュシュシュ!

千帆の亀頭から吹き上がった流れは、

空中に大きな弧を描き、

置かれた的に見事命中する。

まさに、渾身の一撃、

そう、気合いが籠もった一撃であった。



そして、千帆の精液が的に命中した途端、

「うそだろ?」

「すげー…」

上級生から感嘆の声が漏れ、

さらに、

「凶器だ…」

と言う声が響いた。

「凶器?」

最後のその声が射精後の脱力感を味わっていた千帆の耳に届き、

「あたしの…

 どこか凶器なの?」

と呟いていた。

すると、

「おいっ、

 魚野っ」

そんな千帆の肩を江川が揺らし、

「お前の、チンポ、

 デカ過ぎだぞ」

と指摘する。

「え?

 そうなの?」

その声に千帆は返事をすると、

「そうだよ、

 見ろ、
 
 上級生達が呆れて居るぞ」

と江川は小声で怒鳴った。



そしてその日、男のオナニーの味を知った千帆は

2年生によってオナニーを禁じられても、

隠れてオナニーをするようになり、

シュッシュッ

シュッシュッ

「うっ

 あっあっで出るぅ…」

ブチュッ!

シュシュシュ…

レスリング練習の後など、

上級生の目を盗んではトイレや様々な場所でペニスを扱き、

身体の中に溜まった精液を吐き出していた。

そして、そんなある夜、

千帆は2年から呼び出しを受けた。

「おいっ、

 大丈夫か?」

千帆の身を心配する江川に、

「大丈夫だよ、

 ちょっと行ってくる」

千帆はそう言い残し部屋を出た。

「まさか、

 オナニーしているのがばれたんじゃ…」

そう思いながらも、千帆は指定されたところへと向かっていった。

指定された所は寮の外で

梅雨時特有の青臭い臭いが立ちこめているところだった。

「魚野か…」

街頭をバックにして千帆の名前を呼ぶ2年生はたった一人であり、

他に人影は見えなかった。

「はいっ

 こんな夜更けに何のようですか?」

その2年生に向かって千帆は呼び出しをした理由を尋ねると、

「おいっ、

 ここでマスを掛け」

と2年生は千帆にオナニーをするように命じた。

「はぁ?」

思いがけない指示に千帆は呆気にとられると、

「マスをかけって言っているんだよ、

 上級生の命令に従えられないのか?」

と苛立ちを見せながら命令する。

しかし、

「何でそんなこと…」

その2年生の指示に千帆は腹立たしさを感じると、

ヅカヅカ

突然、2年生は千帆に近づき、

「さっさとマスをかけって言うんだ」

と怒鳴りながら千帆に抱きつき、

履いていた”ケツ割れ”をズリ下ろすと、

飛び出したペニスを握った。

「あっ!(ビクッ)」

ペニスを握られた千帆は驚くと、

「へへっ

 お前、デカイチンポを持っているじゃねぇかよ」

と2年生は言い、

シュシュ!

とそれを扱き始める。

「あっ

 んっ」

ビクビク!

他人に自分のペニスを扱かれる。

あのオナニーをしった夜に続いての初体験に千帆は驚きと快感を感じ始めると、

シュッシュッ

シュッシュッ

2年生は千帆のペニスを扱き続け、

それに連れて千帆のペニスは勃起し、

その巨体を曝し始めた。

すると

突然、2年生は千帆の前に屈むと、

チュパ…

ペニスに口を付けた。

「えぇ!!!」

千帆の亀頭が2年生の口の中に入り、

生暖かさが亀頭を包み込む。

チュパ

チュパ

千帆のペニスをしゃぶる2年生はゆっくりと頭を動かし始めると、

それに合わせて生暖かさも動き、

「あぁっ

 あぁっ」

千帆は手で扱かれる以上の快感を味わった。

「凄い…

 凄い…
 
 男がチンポをしゃぶられる快感ってコレだったの…」

千帆は隆之とのセックスで何回かフェラチオをしたことがあったが、

その時、どうしてフェラチオが男をイカせるのか皆目わからなかった。

しかし、いま実際にフェラをされてその快感を千帆は知ると、

千帆は体の奥へと響いてくる快感に身をゆだねた。

そして、しばらくの間、

2年生は千帆のペニスをしゃぶり続けるが、

いつの間にか自分の小さなペニスをしごき始めだした。



自分のペニスををしゃぶりる男が自分のチンポを扱く…

衝撃的なその光景に千帆は次第に興奮すると、

「へへ…そうだ、

 もっとしゃぶれ、
 
 俺のチンポをしゃぶるんだよ」

と呟きながらゆっくりと手を動かすと、

2年生の後頭部に手を回し、

一気にそれを押さえつけると、

口の奥にまでペニスを押し込んだ。

「ウゴッ!」

突然の千帆の行動に2年生は呻き声を上げながら

暴れるように抵抗するが、

しかし、千帆は力づくで2年生を押さえると腰を振り始めた。

ヌプッ

ヌプッ

ヌプッ

「グホッ!」

夜の闇に淫靡な音が響き、

少し間を置いて噎ぶ声が響く。

「あっ

 いっいいぜ、
 
 そうだ、
 
 俺は…
 
 俺は…あぁ…
 
 ふっ
 
 ふふふ…
 
 あははは…」

降り始めた小雨の中、

千帆は腰を振り2年生を犯し続けた。

そして、

「うっ!」

小さくうめき声を上げると、

ドクドクと噴出してゆく熱い精液を

2年生の喉の奥深くへと流し込んだ。

しかし、それで終わりではなかった。

「おらっ

 誰がコレで終わりだと言った」

すっかり優位に立った千帆は

嫌がる2年生の口に勃起したままのペニスを再度押し込むと、

問答無用で腰を振った。

もはや、上級生などではない。

自分の性欲を満たすための道具として千帆は2年生を犯し続けた。

その結果、千帆に犯された2年生は性処理の道具となり、

さらに千帆に命じられるまま、

他の2年生を言葉巧みにトイレなどに連れ込みむと、

待ち構えていた千帆に献上していったのであった。

こうして千帆は自分を奴隷として見下していた2年生を屈服させたとき、

千帆の中で何かが変わった。

いや、眠っていた何かが目覚めたのであった。



千帆が2年生を屈服させて暫く経ったある日

「生意気な1年に気合を入れてやる」

と3年生が千帆を呼び出した。

どうやら2年生を上級生として見ずに、

寮内やレスリング部で増長してゆく千帆の態度が気に触ったらしく、

再教育するつもりで呼び出しをしたのであった。

梅雨が明け、

汗だくになりながらのレスリング部の練習が終わったのち、

居残りを命じられた千帆の前に

教育用の竹刀を片手に持った3年生が姿を見せる。

しかし、その3年生の姿に千帆は怖がることなく、

その前に立ちはだかると、

ゆっくりと穿いている”ケツ割れ”をずり下ろし、

ペニスを勃起させた。

すると、

「うっ」

見る見る聳え立っていく千帆の巨根に3年生は驚き、

そして後ずさりしていくと、

「ニヤッ」

千帆は不敵な笑みを浮かべながら

「しゃぶれ」

と言葉短く命令した。



しかし、3年生は間近で見る千帆の巨根を

唖然と見つめるだけで一歩も動かず、

その姿に業を煮やした千帆は

無理やり3年生の頭をおさえつけると

口の中に巨根を押し込んだ。

すると、

口を犯された3年生は千帆の俺の巨根を自らしゃぶり始め、

さらに、

千帆がそのまま大の字になって横になると、

3年生から自分の肛門に千帆のペニスを入れはじめた。

「うっ

 あぁ」

肛門を犯された3年生は女性のような喘ぎ越えをあげ、

そして、腰を自らに意志でグラインドさせる。

もはや、男としての尊厳を放棄し、

千帆に…

股間の巨根にその全てを捧げてしまったのであった。

これを切っ掛けに千帆はさらに支配を3年全員へと広げ、

さらに、4年生を犯すとレスリング部だけではなく、

ラグビー部やアメフト部の猛者達も千帆のペニスの前に跪かせた。

千帆に口や肛門を犯された男達は皆、

千帆の下僕となり道具と化し、

千帆が命じるまま新たな贄を差し出した。

そして冬、

クリスマスの頃には千帆は他の部の寮内をも手中に収め、

文字通り男達の中に君臨するようになると、

寮の風呂・トイレ・食堂…

どこでも遠慮なく千帆は男達を犯しまくるようになっていった。



そして再び春が来ると千帆は2年生になった。

2年生になれば奴隷状態から開放させるのだが、

しかし、巨根で寮を支配していた千帆の環境は

とっくに4年生の待遇になっていた。

そして、その環境の中、

千帆はは男でいることが当たり前に思うようになり、

女に戻ると言うあの意気込みは薄れてしまっていた。

そして、さらに千帆の毒牙は新入生にも容赦なく襲いかかり、

鼻っ柱の強そうなラグビー部員を見つけると、

力ずくで犯して屈服させ。

さらに、そのラグビー部員と共に男達を従わせていった。

こうして、巨根で学内を支配する一方、

千帆は身体を鍛え続けた。

オリンピックに出て金メダルを取るって女に戻る。

と言う意気込みこそは薄れたものの、

しかし、レスリングで負けることは千帆のプライドは許さなかった。

毎日毎日、身体を鍛え、技を磨く。

こうして練習を重ねていった千帆は

レスリングの試合ではいつも上位に入るようになり、

また他の大学からマークされるようになっていった。

そして、ついに選抜大会で個人優勝を果たすと、

オリンピック選考委員会よりオリンピックの候補に内定されたのであった。

「俺がですか?」

「あぁそうだ、

 やったな、魚野…」

レスリングの練習後、

その知らせを聞いた千帆は半信半疑だったが、

しかし、監督の田川は喜びを露わにしながら、

千帆を褒め称えた。

「オリンピックに

 俺が…」

3年前のあの日、

夫の隆之と約束をしたオリンピックで金メダルを取る。

その第一歩に繋がる道が開かれたことに、

千帆は困惑する。

「オリンピックって言ってもなぁ…

 もぅいまさらって気もするし…
 
 でも、出させてくれるのなら、
 
 出たいけど…
 
 しかし、
 
 女にはもぅ戻りたくないな」

夜、吊りパンツ姿のまま

下僕達に腰を揉ませながら千帆は考え込んでいた。

そして、

チラリ…

周囲を取り囲むゴツイ男達を一目見て、

「ふっ

 俺にはお前達が居るしな」

と囁くと、

ある決心をして起きあがった。


”離婚届”


千帆がこの寮に入り、

そして、男達を屈服させて行く過程で、

入手していた書類を出し、

その書類を横目に見ながら、

…前略

 突然の離婚届に驚いているものと思うが、俺は本気だ。

と夫だった男・隆之に宛てて手紙を書き始める。

女ではなく男として生きるコトを選択した千帆は、

入学してから今日に至るまでの詳細を手紙に書き、

その決意をしたためていく、

すると、

ムクッ!

ムクムクムク!

千帆の股間よりペニスが勃起し始め、

グググ!!!

吊りパンツに見事なテントを作り上げていった。

「ふふっ

 全てはお前だったな…」

はち切れんばかりのペニスを撫でながら、

千帆はそう呟くと、

「千太郎…

 俺はお前に踊らされたのか?

 それとも、夢を俺に託したのか?」

と吊りパンツ越しにペニスを触りながら、

姿を見ることが出来ない魚野千太郎に話しかけた。

すると、

『俺はお前に託したのさ』

と言う声が千帆の耳にかすかに響いた。

「ふんっ

 そうか、
 
 なら良かった」

幻聴だったかも知れないその声に千帆は頷くと、

「ふふっ

 俺はアマレスラー…
 
 男達を屈服させたアマレスラー千帆だ」

と呟いた。



「千帆…

 なんで、何でなんだよ、
 
 どうして」

離婚届と共に届けられた千帆からの手紙を読みながら、

隆之は肩をワナワナと震わせると、

「千帆っ」

と名前を叫び、

アパートを飛び出すと、

千帆が居るP大の寮へと向かっていった。

あの夜、嫌がる千帆に強引に着せた吊りパンツ。

その吊りパンツに籠もっていた呪いによって、

千帆はアマレスラーに変身してしまった。

しかし、変身だけではなく、

それによる代償はあまりにも高くつくことになった。

P大に行かせなければ…

いや、あの吊りパンツさせ穿かさなければ…

千帆は股間に生えた逸物で男達を支配すること無かったはずだ。

あの時の千帆はもぅ俺の元には帰って来ないのか…

俺と将来のことを語り合った千帆はもぅ居ないのか、

女に戻ることはないのか?

絶望と言う言葉が隆之の頭の中を覆い尽くしていく…

「いやっ、

 まだ希望は残っている」

隆之はそう決意をすると寮へと向かっていった。

そして、

「千帆!」

P大アマレス部の寮に隆之がたどり着くと、

「お待ちしていました」

と玄関立つ、厳ついラガーマンが隆之に頭を下げた。

「うっ」

噎せるような汗の臭いを漂わせながら短髪頭を下げるラガーマンに

隆之は一歩引くが、

「千帆様が奥でお待ちかねです」

とラガーマンは告げ、

隆之を案内していく。

「あぁ…」

予想外の事態に隆之は困惑をしながらもラガーマンに付いていくと、

寮の中に足を踏み入れた。

「結構…綺麗にして居るんだな…」

男子寮と言うだけで、

不衛生な内部を想像していた隆之にとって、

整然と片付けられているその様子は驚く。

そして、ある部屋の前に案内されると、

「隆之様をお連れいたしました」

とラガーマンは声を上げた。

すると、

「入って良いぞ」

その中より声が響き、

チャッ

隆之の目の前のドアが開いた。

「千帆!」

ドアが開くのと同時に隆之は部屋に駆け込むが、

しかし、

「うっ」

その部屋の両脇にずらりと並んだ

様々なユニフォーム姿の男達に隆之は圧倒されると、

「おうっ

 隆之っ

 離婚届持ってきてくれたか」

と置かれたソファーに座る千帆があの赤い吊りパン姿で声をかけた。

「ちっ千帆っ

 コレは一体」

千帆に迫りながら隆之は男達を指差すと、

「ふふっ

 みんな俺の下僕だよ、
 
 手紙読んだろう?」

と千帆は言う。

「千帆…

 お前、本当に男になってしまったのかよ」

そんな千帆に隆之は迫ると、

「ふっ

 悪いが俺はもぅ昔の俺じゃないんだ、

 デカイチンポを持ったアマレスラーだよ」

と千帆は言うと、

「さぁ、

 離婚届を渡してくれ」

と隆之に言う。

すると、

隆之は千帆の前にあの離婚届を見せると、

ビリッ

ビリビリビリ!

っと破り捨ててしまい、

「千帆…

 やり直そう」

と言いながら手を握りしめた。

「やり直すだぁ?」

隆之のその言葉に千帆の表情がかすかに動くと、

ピクッ!

周りを固めている男達が動いた。

すると、

スッ!

千帆の手が上がり男達を制すると、

「よぉし、

 良いだろう」

と隆之に向かって千帆は言い、

スッ

1枚の吊りパンツを取り出すなり、

バサッ

それを隆之目がけて投げつけた。

「うっ

 こっこれは…」

饐えた臭いをまき散らす吊りパンツを手に隆之が声を上げると、

「知っているだろう?

 レスリングの吊りパンツだ、

 隆之っ
 
 たった今からお前をレスリング部の部員にしてやる。

 いいか、
 
 俺をどうこうしようというなら、
 
 強くなれ、
 
 身体を鍛えろ、

 もし、お前がレスリングで俺を屈服させたとき、

 俺はお前の女に戻ってやる」

と千帆は隆之に告げた。

「そんな…」

「どうした?

 あの日の夜、
 
 お前は俺に吊りパンツを無理矢理着せ、
 
 そして、一方的にレスリングをしたんだ、
 
 ふふっ、
 
 あの時、俺は燃えたんだよ、

 またしてくれるんだよな…」

モリモリ!

鍛え上げた筋肉を盛り上げながら千帆は迫ると、

「うっくっ」

隆之はその迫力に押される。



「おいっ、

 コイツを身ぐるみ引っぱがせ、

 頭を剃り上げろ!

 いいか、お前は奴隷だ。
 
 ケツ割れ以外身につけれると思うな」



おわり