風祭文庫・アスリート変身の館






「強制入部」


作・風祭玲

Vol.473





春4月…

入学式から数日後のキャンパスを東賀徹は春を満喫しながら歩いていた。

「さーてと

 何に入るかなぁ…」
 
キャンパス内で所狭しと行われている部活やサークルの勧誘風景を

横目で見ながら徹はどの部活に入ろうかと考えながら歩いていくと、

そのとき、

「ねぇねぇ君、いい身体してるね?!

 レスリングなんて興味ない?」 

「えっ?」

突然、掛けられた声に徹はあわてて振り返った。

すると、徹の真後ろに一人の好青年が立っていて、

徹と目が合うのと同時に

「やっ」

と軽い挨拶をした。

「おっオレのことっすか?」 

挨拶をする青年に徹は自分を指さし返事をすると、

「そうだよ、君だよ」

と青年は徹を指さした。

「はっはぁ」

青年の言葉に徹は青年をマジマジと見ながら間が抜けた返事をするが、

しかし、無理もない。

徹に声を掛けてきた青年は盛り上がった筋肉でゴツゴツした身体である反面、そのマスクは甘く、

もし、このままテレビに出でればたちまち女性ファンが追いかけ始めるくらいの好青年に見えた。

しかし、彼のその体を覆っている衣装が徹にとっては奇抜に見るものだった。

青地を基調に白と黄色の鋭角的な配色が施され、

女性の水着のように両肩からつり下げるタイプながらも、

水着とは大きく違って両脇を深くえぐり胸から脇腹を露出させているデザインに徹は

「なっなんなんだ?

 この人は…」

と彼の衣装を見ながら呆気にとられていた。

すると、

「ふむ」

青年は呆気にとられている徹にお構いなく、

逆に徹を品定めをするかのように頷き、

そして、ペタペタとその両手で徹の両肩や脇、そして太ももをさわり始めた。

「なっなんですかっ」

彼の行為に徹は驚きながら怯むと、

「ふぅぅん…

 ねぇ君っ
 
 高校では体育系の部活にいたの?」

と青年は尋ねる。

「はい?

 まぁ、

 一応柔道をしていましたが」

青年の質問に徹はそう返事をする。

徹のこの返事は実は半分本当だが、しかし、半分は嘘である。

高校時代の徹は学校の”生徒は必ず部活をするように”と言う方針で一応柔道部に所属していたものの、

しかし、稽古には2年の半ばあたりから出すことがなくなり、

学園生活の半分は幽霊部員となっていたのであった。

「へぇ

 柔道をしていたのか」

徹の返事に青年は感心したような顔をして頷くと、

「じゃぁ、十分レスリングできるよ」

と徹の肩を叩いた。

その言葉に

「え?

 いえっ
 
 おっ俺…プロレスなんて出来ないっすよ、
 
 そりゃぁ、ふざけ半分ではよくやりましたが…」

青年の言葉を拒否するように徹は手を横に振って返事をすると、

「プロレス?

 あはは
 
 違う違う、
 
 俺は言っているのはレスリング。
 
 アマチュアレスリングのことだよ」

と青年は言う。

「アマチュアレスリング?」

「そう」

「それってプロレスと何が違うんですか?」

「まぁそうだなぁ

 ここで口で説明すると余計判らなくなると思うから、
 
 そうだ、ウチの練習場においでよ、

 あっ俺、レスリング部のキャプテンで柴田というんだ。
 
 プロレスとレスリングの違いを教えてあげるから」

徹の質問に柴田と名乗った青年はそう返事をすると、

グィ

っと徹の手を引いた。

「え?

 あっ
 
 俺はまだ」

柴田の積極的な行動に徹は困惑をしながらも、

しかし、そのアマチュアレスリングなるものの見たさも手伝ってか、

そのまま彼について行ってしまった。



「ここは?」

「あぁ、これがアマチュアレスリング…アマレスの練習場だよ」

柴田に徹が連れて行かれたのは武道場の一角にもうけられた一室で徹の質問に柴田はそう答えると、

「さぁ入って入って」

と徹を練習場に押し込むとパタリとドアを閉める。

「あれ?

 リングがないですね」

徹はてっきりプロレスでおなじみの四角いリングが設置してあるのかと思っていたが、

「あはは

 そんなものはないよ、
 
 その代わりアマレスでは
 
 ほらっ床に円が描いてあるマットがあるだろう?
 
 その中で試合をするんだよ」

と柴田は目の前に広がるマットを指さした。

「へぇぇぇ

 円形なのか…」

黄色地に朱でかかれたマットを見下ろしながら徹は感心していると、

「これを着て」

柴田は徹に声を掛け、

ポン

っとある物を放り投げた。

「これは?」

「あぁレスリングのユニフォーム・吊りパンだよ」

と柴田は徹の質問に答える。

「え?

 俺…これ着るんっすか?」

受け取った吊りパンを広げながら徹が驚くと、

「そうだよ、

 レスリングを知るには実践が一番だからね

 はいっ

 シューズも履いて
 
 じゃないと足が滑るから」

驚く徹に柴田がそう説明をするとレスリングシューズを放り投げた。



「あっあのぅ…

 下には何も穿かないんですか?」

「まぁな」

「そっそうですか…」

柴田から吊りパンとシューズを受け取ってからしばらくした後、

吊りパン姿になった徹は股間を膨らませる肉棒の陰を隠しながら恥ずかしそうに立っていた。

「おっ

 似合うじゃないか」

徹の吊りパン姿を柴田は満足そうに感想を言うと、

「じゃぁ、ここに来て」

レスリングマットの中央部に来るように手招きをする。

「あっはいっ」

その手招きに徹は小走りで駆け寄ると同時に徹の耳元で

「じゃぁ始めようか」

柴田の声が響き渡った。

「え?」

その声に徹が驚くまもなく、

フッ

柴田は一気に腰を落とし、

ガシッ!!

まるで徹の下半身に吸い付くように抱きつくと、

「ウシッ!!」

そのかけ声と同時に徹を支えている足を崩した。

「え?

 うわっ」
 
まさに一瞬のことだった。

周囲の景色が一回転したと思った途端、

徹の体はマットの上に崩れ落ちるが、

しかし、徹はとっさに柔道の受け身を使い、

間一髪体がマットにたたきつけられるのを防いだ。

「はっはっはっ

 なっなんだ?」

いきなり視界に入ってきた天井を眺めながら徹は呆気にとられると、

その視界を覆うように柴田が覆い被さり、

そして手足を徹の手足に見事に絡み取る。

「うわっくそっ

 動けねぇ!!」

見事に決まった固め技で徹は身動きできないで居ると、

「はいっ

 フォール!!」

柴田はそう言いながら力を抜いた。



「え?

 えぇ?」

固め技が緩められるのと同時に徹は起きあがるが、

しかし、一体何が起きたのか理解出来ては居なかった。

「どぅ?

 判った?」

困惑している徹に柴田はそう尋ねると、

「え?

 あっあのぅ?
 
 これで終わりですか?」

と徹は尋ねた。

「そうだな、

 試合では今の一瞬で終わり、
 
 僕が勝ちで君が負け」

徹の質問に柴田はそう答える。

「そんな…」

その柴田の答えを聞いた徹の心の中にフツフツと悔しさが沸き起こり始めた。

そう、徹は高校3年では柔道部の幽霊部員だったが、

しかし2年の2学期までは熱血部員であり、

そのころにでた柔道の試合では県のバスト4にまでなったプライドがあった。

そのプライドを傷つけられたために、

「もぅ一回お願いします」

徹は柴田にもぅ一試合を申し込んだ。

しかし、結果は惨敗…

「お願いします」

「お願いします」

「お願いします」

徹の挑戦はさらに続き、そして、

ドォッ

「やった」

柴田のまねをした徹が柴田の下半身を崩すことに成功すると、

バッ

柴田に柔道の固め技を使おうとした。

しかし、

「あっ袖が…」

そう、柴田の袖をとろうとした徹はレスリングのユニフォーム・吊りパンに袖がないことに気づくと、

「そうだよ、

 吊りパンには袖がないんだよ、
 
 だからレスリングでは腕と足を使って固めるんだよ」

と柴田は涼しい顔をしながら徹の手を絡め取ると、

逆に徹を突き崩しそのまま押さえ込んだ。

「くっそぉ!!」

徹の悔しそうな声が響き渡る。

しかし、今度はなかなか固め技は外れることがなかった。

「くぅぅぅぅ」

顔を真っ赤にして徹は柴田の腕を離そうとすると、

スルッ!!

柴田の片手が徹の股間を這い上っていき、

そして、股間の真ん中で盛り上がっている部分を思いっきりねじ上げた。

「うわぁぁぁ」

柴田にペニスを握られた徹が大声を出すと、

「なんだ、チンポ握られたら終わりか?」

と言う声が徹の耳元で響く。

「なに?」

その声に徹が奮い立つが、

サワサワ

徹のペニスを握る柴田の手がまるでペニスを扱くように動き始めた。

「あっ

 うっ」

その手の動きに合わせるように徹の口から声が漏れる。

「ふふっ

 感じているのか?」

徹の反応に柴田はそう尋ねると、

「んなわけねーよ」

と徹は強がってみせる。

ところが、

「なんだ?

 先輩にその言葉遣いは?」

徹のその声を聞いた途端、柴田の口調が変わると、

ギュッ!!

っと吊りパンの上から徹のペニスを捻りあげた。

「あうっ!!

 すっすみませんっ」

ペニスの痛みに耐えかねて徹はわびると、

「いいか、

 お前は”押忍”しか言うな」

と柴田は命令し、

そして徹のペニスを握りしめた。

「うっ

 くっ」
 
「返事は?」

「おっ押忍」

「そうだ、お前はそれ以外言うなよ」

「はっはぃ…おっ押忍」

「ふふ

 お前、最近オナニーしたのはいつだ?
 
 受験前か?」

「押忍…」

「そうか、

 じゃぁ、たっぷり溜まっているな」

「押忍…」

「よしっ

 じゃぁ俺が抜いてやろう。
 
 っと、その前にその包茎を剥いてやろう」

「押忍…」

柴田の言葉に徹が返事したのと同時に、

ムリッ

柴田が動き、吊りパンの上から皮をかぶっている徹のペニスを器用に剥いてしまうと、

シュッシュッシュッ!!

激しく徹のペニスをシゴキ始めた。

その途端、

「うっ

 くっ」

吊りパンの生地越にこすられる感触に徹は顔を真っ赤にし激しく左右に振り始めた。

「どうだ?

 感じるだろう、
 
 特にこの吊りパンは薄手の素材で出来ているからな

 ただ、包茎にはちょっときついかな」

そんな徹の様子を見ながら柴田はさらにシゴき続け、

「うっくっ」

その言葉に徹が返事しないで居ると、

「おらっ返事は!」

と怒鳴り声が響いた。



シュッシュッ

シュッシュッ

人気のないレスリング場で吊りパン姿の男が二人絡み合い、

そしてその一人の手が激しく相手の股間を責め立てている。

「くっ

 くはぁ
 
 あっでる
 
 でる」

受験もあってか久しくご無沙汰だった徹のペニスはまさに爆発寸前になっていた。

そして、そのことを徹が思わず呟くと、

「そうか、

 じゃぁ」
 
柴田は笑みを浮かべながら吊りパンの徹の肩に掛かっている部分をずらし始め、

そして、シュルっと外した途端、吊りパンの下から徹の腹筋が飛び出した。

「ふふ

 良い体しているじゃねーかよ、
 
 これなら少し仕込めばお前は立派なアマレスラーになれるぜ、
 
 よしっ
 
 お前の入部記念に花火を打ち上げてやろう、
 
 白い花火をな」

それを見た柴田はそう言うと徹の吊りパンの中に手を入れ、

シュッシュッ

シュッシュッ

と激しく責め始めた。

「あっあぁぁぁ!!

 出る。
 
 出る!
 
 出る!!」

「出したいか?」

「押忍、出させてください。

 もっもぅ限界です」

「そうか、

 じゃぁ、レスリング部に入るか?」

「はっ入ります。

 だから、
 
 先輩…
 
 出させて…」
 
「よーし、

 そこまで言うのなら、

 お前をレスリング部一員として迎えてやる。
 
 チンポから花火を上げて見せろ」

「おっ押忍!!」

シュシュッシュッ!!

徹からレスリング部入部の言質を取った柴田はそう叫ぶと、

トドメを刺すように徹のペニスを扱き、

まるで祝砲を打ち上げるかのように徹は溜まりに溜まった精液を吹き上げた。



「ハァハァハァ

 ハァハァハァ」
 
射精後、徹が蹲りながら肩で息をしていると、

「おらっいつまで寝て居るんだ、

 次の部員を勧誘しなくちゃならないんだ、
 
 少なくてもあと3人はいるぞ」

そんな徹に柴田はそう言い残すと出て行ってしまった。

「ハァハァ

 ハァハァ
 
 そんな…おっ俺…レスリング部員になってしまったのか…」

北山が居なくなったあと徹は自分が吐き出した白濁した精液を眺めながらそう呟いていた。



おわり