風祭文庫・アスリート変身の館






「螺旋」
(第8話:欲望の土俵)


作・風祭玲

Vol.1061





的場彩

年齢は…とりあえず不詳。

芸名は本名と同じではあるものの、

その名前は使わずに主に英字3文字のAYAを名乗っている。

デビュー時は一人で活動を行っていたが、

アイドルグループ・KGS48でメンバーとなったあと、

結婚と同時にKGS48から脱退、

再びソロとなってCM・TVドラマ・映画への出演をこなしているが、

特に携帯電話会社・白くまモバイルのCMでは、

会社のマスコットになっているクロクマとの掛け合いが人気を博し、

同社の売り上げに貢献している。



その一方で彼女はかつての大相撲、いまの真相撲を背後から支配し、

自分にとってライバルになる女性達を言葉巧みにだましては、

真相撲の相撲部屋へと入門させてしまう悪魔でもある。

彼女に騙されて力士にされた元アイドルの人数は数知れず、

真相撲力士のほぼ全員がAYAの被害者と言われ、

廻しを締めて土俵上で相撲を取っているのは、

皆、元女性であり元アイドル達なのである。

AYAがこのような行動をとるようになった背景には、

彼女が学生時代に遭遇した事件があり、

その事件には現・横綱の金剛龍が深く関与している。



「はぁ…」

富嶽部屋の稽古場にあたしのため息が響き渡ります。

朝の稽古は既に終わり、

激しい稽古が行われた稽古場には人影がなくガランとしています。

その人気のない稽古場の桟敷に着流し姿のあたしは腰掛けると、

「AYAの過去を知ってどうしようというの…

 しかも、常人離れした怪力の持ち主で、

 体重180kgのあたしを軽々と持ち上げてしまう。

 まさに相撲の魔物。

 そんなAYAとの勝負に勝って、

 力士にされた女の子を元の姿に戻させる?

 あたしが元の女の子に戻って、

 KGS48のセンターに戻れるの?

 そんなの無理よ…」

AYAの強さを知り、

AYAの過去を知ったあたしは

これからなさなければならないことを自覚すると、

そのあまりにも途方のないことに静かに頭を振ります。

「はぁ…

 横綱は相撲道に精進するだけじゃダメ。

 って言っていたけど、

 でも、どうすればいいのよ。

 AYAの本当の目的って…

 横綱の説明どおりだったとしても、

 あたしにはとても…」

オチンチンに仕込まれたクスリと、

激しい稽古の影響で膨れ上がった手であたしは顔を塞ぎますが、

いくら考えても良い戦略が思い当たりません。

簡単なことならとっくに横綱たちがそれを行っていいはず、

しかも、AYAに歯向かい、

そして、懲らしめたものは誰も居ません。

言い返せば、

それだけAYAの強さは人間離れしている証です。

「序ノ口力士のあたしがAYAに勝てるわけないじゃない」

絶望と言う言葉があたしの頭の中を駆け抜けて行きます。

「はぁ…

 このまま、お相撲さんとして生きていくのかな、

 相撲部屋で廻しを締めて、

 汗と砂にまみれる毎日なんてイヤ、

 でも、どうせ汗にまみれるなら、

 光の当たるステージの方がいいよ」

静かに首を横に振りながら、

あたしはそう呟いていると、

「あら、

 本場所の土俵の上も十分、光が当たっていますわ」

とAYAの声が響いたのでした。

「え?」

突然響いたAYAの声にあたしは驚くと、

慌てて周囲を見回します。

すると、

「あら、

 毬乃山ひとりなの?」

の声と共に稽古場にAYAが姿を見せたのです。

「ひっ

 あっAYA様!」

稽古場に姿を現したAYAを見て声を上げますと、

「なによっ、

 まるでオバケを見たような顔をして」

そんなあたしをAYAは不満そうに言います。

「なっなにか、用ですか?」

腰を上げたあたしはぶっきら棒に返事をしますと、

「用…

 ってほどでもないけど、

 あなた、あたしのこと色々嗅ぎまわっているそうね、

 金剛龍のところにも行ったそうじゃない?」

あたしを睨みつつ、

AYAはあたしが金剛龍のところに伺ったことを指摘します。

「えぇ、

 あなたについて

 色々と知りたかったものですから」

その指摘にあたしは臆せずに返事をしますと、

「へぇ…

 隠したり言い訳をする気は無い様ね

 見上げた根性だわ」

とAYAは褒めるような口調で話しはすが、

彼女の目は明らかにその言葉とは違っていました。

「なら、

 ここで相撲勝負しますか?

 あたしはいつでも結構ですよ。

 あっでも、

 AYA様専用の廻しがありませんでしたね」

とあたしはAYAがメイド達を引き連れずに現れたことを

皮肉るように言うと、

「ふーん」

AYAは考える素振りをして見せます。

そして、

「確かにメイドたちを連れてこなかったのはミスでしたわね」

とAYAは一人でここに来たことを言い、

「でも、無ければ無いなりの事をすればいいのよ

 んしょっ」

と言いながらいきなり着てきた服を脱ぎ始めたのです。

「なっなにを」

突然の事にあたしは驚くと、

「こんなのを着ていたんじゃ、

 お相撲は取れなでしょう。

 コレを脱ぐわ」

と服を脱ぎながらAYAは言います。

「でも、だからって…

 こっ困ります。

 第一、ここは土俵です」

下着に手を掛け始めたAYAをあたしは制止させようとしますが、

「あら、

 恥ずかしがっているの?

 お互い女同士だったじゃない」

とAYAは見透かしたように笑って見せます。

「それは、

 そうですが…」

ユサリと揺れる彼女のブラとその中身の動きを見させられて、

あたしの股間は既にいきり勃っています。

あたしの股間に付けられた作り物のオチンチン。

でも、既にあたしの体と一体化しているみたいで、

自分の心の有様に敏感に感応するようになっているのです。

「くふっ」

AYAは小さく笑いますと、

「なにそれ」

とあたしの股間を指差して見せます。

「こっこれは…

 あなたには関係ないでしょう」

出っ張ったお腹の下から

突き出している膨らみを指摘されたあたしは

両手で膨らみを押さえ

顔を真っ赤にして言い返します。

「へぇ…あのチンコ、

 すっかり毬乃山に馴染んでいるのね」

あたしに向かってAYAは言いますと、

「うっうるさいっ、

 こんな体にされちゃったけど、

 あっあたしは女よ」

「あらあら、

 チンコをそんなに勃ったてて、

 女だって言い張ってもねぇ」

「うっうるさいっ、

 大体、あたしをこんな体にしたのは

 AYAっ

 あなたでしょう」

からかうAYAに向かってあたしは怒鳴ります。

すると、

「くふっ、

 ねぇ…毬乃山、

 それ、

 誰かに使った?」

と膨らみを指差して尋ねてきたのです。

「使った?

 使ったって何を…」

質問の意味がわからずにあたしはキョトンとすると、

「その様子じゃぁ、

 誰にも使っていないのね…

 つまり、

 毬乃山まだ…童貞さんなのね」

と舐めるような視線であたしを見つめ、

そう言ったのです。

「どっ童貞って…

 失礼ね」

AYAの指摘はあたしにとって的外れな言葉なのですが、

でも、何故か腹が立ちますと、

「あたしを馬鹿にするのはいい加減頤使なさいよっ」

そう凄んだのでした。

すると、

「くふっ、

 このAYAさんが

 毬乃山の筆下ろしをしてあげましょうか」

とAYAはあたしの耳元で囁いたのです。

「!!っ」

彼女が言い放った言葉の意味は無論判ります、

そして、それに同意した場合、

何が起こるのかも容易に想像が付きます。

そして、何より、

横綱からの忠告があたしの頭に響いたのです。

『AYAの武器、

 それは女だ。

 毬乃山、

 お前はそのオチンチンを付けられてどれくらい経つ?

 女性だった体がそこまで変わってしまったのだから、

 半年以上だろう。

 そうなると、

 お前の性的趣向は男に染まりきっているはずだ。

 もしも、

 もしも、AYAがその肉体でお前に迫ってきたらどうする?

 あいつの肉体美は悔しいけど、

 その辺のモデルよりもずっとプロポーションが良い。

 そんなAYAに迫られたら、

 お前は平常心で居られるのか?

 いいか、

 AYAに復讐をするなら男になるなっ。
 
 彼女を抱いてはダメだ。

 あいつがどんなに誘いを掛けてもそれに乗るなっ、

 いいか、AYAの力の源は

 女が男になった時に放つ精液の力だ。

 毬乃山、

 AYAがそこまでお前にちょっかいを出すのは、

 間違いなくお前の精を狙っている。

 いいか、

 AYAを絶対に抱くな』

横綱のこの声を思い出したあたしは

咄嗟にAYAから離れると体をガードしてみせます。

しかし、

「くふっ、

 なにが怖いの?

 KGS48でセンターに立っていたこのAYA様が

 お前の筆下ろしをしてあげる。って言うのよ。

 男なら受けて立つものよ」

AYAはそういうと、

下着を脱ぎ捨て全裸になり、

あたしの目の前で大の字になって見せたのです。

そして、

「さぁ、

 わたしを抱きなさい。

 抱くのですっ」

とけしかけてきたのです。



「ぐっ…」

女性の裸体などあたしにとっては珍しいものではありません。

豊満な胸。

くびれたウェスト。

大きなヒップ。

そして、陰毛に覆われた股間。 

どれも見慣れたものであって、

決して興奮するようなものではありませんでした。

でも…

でも…

どういうわけか、

それらが視界に入る度に、

あたしの胸は高鳴り、

体中の血液がざわつきます。

そして、それらは股間に集まると、

グンッ!

あの作り物のオチンチンを硬くなり、

長く伸びてしまっているのです。

「なんで…

 (はぁはぁ)

 どうして…

 (はぁはぁ)」

女性だったはずの体が、

男性と同じように反応してしまうことに

あたしは悔しさとやり切れなさを感じつつも、

シュシュっ

着流しを押し上げる膨らみを扱いてしまいます。

「くふっ、

 お前は自分は女だと相変わらず言い張っているけど、

 体は正直ね。

 いつもあの部屋であたしのヌードをオカズにオナニーしてきた当然の結果。

 くふっ

 すっかり男になっていることを宣言しているじゃない」

「黙れ、

 黙れ黙れ黙れ」

彼女の指摘をあたしは思いっきり否定すると、

それらを振り払うようにして、

大の字になっているAYAに向かって突進します。

そして、

ドスンッ!

ズズズズズ!!!

あたしはAYAにぶちかましを掛けてしまいますと、

一気に土俵際にまで追い詰めたのです。

「ぐぅぅぅぅ、

 そぉぉぉぉ!!」

あたしはありったけの力でAYAを押します、

一方のAYAもまた

「いよっ」

その華奢な体が出しているとは思えないほどの力で、

あたしを受け止めます。



「ぐわぁぁぁ」

「むーっ」

着流し姿の力士と全裸の女との押し相撲

ズズッ

ズズッ

踏ん張っているあたしの足が滑り始めると、

一歩分、

また一歩分と押し戻され始め、

「ふんむぅー」

あたしを押すAYAは一歩一歩前へと出ます。

そして、

「ふんっ!」

AYAの気合を入れる一声が響くと、

ズズズズズーッ!

あたしは一気に押されてしまうと、

瞬く間に形勢は逆転、

今度はあたしが土俵際に追い詰められてしまったのです。

「勝負ありましたね」

「まだぁ」

「観念しなさい。

 もぅ毬乃山の負けです」

「まだぁ!」

「判りませんか?」

「誰がぁ」

土俵際の攻防にもかかわらず、

あたしはなおも粘りますと、

「ならば仕方がありません」

AYAのその声と共に、

グニッ

あたしのお腹の肉が掴み上げられてしまうと、

フワリ

と体が浮いたのです。

そして、その次の瞬間。

「はぁぁぁぁっ!」

AYAの気合の言葉と共に、

あたしの体は高々と持ち上げられ、

桟敷へと放り出されたのでした。



ドスンッ!

「あいたぁ」

放り出されるのと同時に

打ってしまった腰をあたしはかばっていると、

「観念しなさい」

とAYAが迫ってきます。

「やっやめ…」

抵抗しても無駄でした。

あたしは着流しを脱がされると、

AYAの前にその肉体を晒したのです。

「くっそぉ…」

判断ミスを後悔しても始まりません。

痛みで身動きが取れない状態では、

あたしが出来ることが限られてしまい、

その一方で優勢となったAYAは、

いかなる手段も使えるのです。



「くふっ、

 あたし好みの可愛いオチンチンね」

AYAはあたしの股間からなおも起立している作り物のオチンチンを

そう評して見せると、

「だっだからなに?」

彼女の言葉にあたしは言い返します。

そしてAYAとあたしを見つめた合った後、

「くふっ」

とAYAは小さく笑うと、

「では、

 楽しまさせてもらいますよ」

そう言いながらあたしに抱きついてきたのです。

「あっあぁ」

女性に抱きつかれる。

学生時代、友人同士のふざけ合いではよくありましたが、

でも、このように性的に抱きつかれることは初めてです。

「あっAYA…様」

「AYAって呼んで」

「やっ止めてください」

「くふっ、

 こうされると気持ち良いんでしょう」

「いっいやです」

「何を嫌がっているの」

「だって、

 その…

 女同士って言うのは」

「くふっ、

 女同士?

 オチンチンをこんなにしている者は

 女とは言いませんよ。

 毬乃山っ、

 お前は男です」

あたしの股間から伸びるオチンチンに手を這わせながら

AYAはそう言いますが、

「ちがうっ」

あたしは思いっきり否定をします。

もし、それを認めてしまったら…

あたしは…

あたしは…女でなくなる。

AYAに一矢報いることが出来なくなる。

そのことが怖いのです。

「お願い、

 許してください」

AYAに向かってあたしはついその言葉を口走ってしまいます。

しかし、

「許す?

 だめよ、

 毬乃山はここで女を抱いて、

 男になるのよ。

 それはお前の運命よ」

と告げたのです。

そして、

クチャァ

あたしの目の前でAYAは自分の股間を大きく開いてみせると、

「どうかしら、

 あたしのオマ○コよ。

 ビラビラがエッチでしょう」

と告げたのでした。



仰向けで倒れたままのあたしの顔の真正面で、

AYAは両立膝で股間を開き、

あたしの目の前に股間の赤い肉を晒して

そう尋ねてきたのでした。

「いやぁ、

 そんなものを見せないでぇ」

目を瞑ってあたしは抵抗しますが、

「くふっ」

ベチョッ

AYAは股間をあたしの顔に押し付けると、

愛液を滴らせる肉塊をあたしの顔に押し当てます。

そして、彼女が腰をくねらせると、

ヌルッ

ヌルッ

あたしの顔に愛液が擦り付けらていきます。

その一方でもぅ既にオチンチンは爆発寸前、

そして、それを見透かすようにAYAはあたしを挑発し続けます。

「はぁはぁ

 はぁはぁ

 はぁはぁ」

AYAの行為を受けるうちに

あたしの息は次第に上がり、

顔は真っ赤に火照ってきました。

「毬乃山…

 もぅガマンしなくていいんですよ、

 自分に素直になりなさい」

そんなあたしに向かってAYAはやさしそうに囁くと、

あたしの手を掴みあげて、

自分の胸に当てさせたのです。

手と伝わって感じるAYAの柔らかい胸。

親指に彼女の乳首が当たると、

あたしは無意識にそれを摘み、

揉んでしまいました。

すると、

「あっ

 はぁぁぁん」

AYAは喘ぎ声を上げて見せたのです。

無論、これはAYAの演技であることは濃厚です。

でも何もかもがぎりぎりになっていたあたしにとって、

その声は最後の一押しだったのです。

「ダメェェェェ!!!」

心の中に響く声を押し切って、

あたしは体の奥から吹き上げてきた欲望を押し流してしまうと、

「ふんっ」

体を起こすとAYAを抱きしめ、

挿入もしていないのに小刻みに腰を動かし始めたのです。

「くふっ

 そうよ、

 その調子よ

 さぁあたしを犯しなさい」

そんなあたしに向かってAYAは笑います。

その後のあたしはまさに暴走状態でした。

あふれ出てくる感情に任せて、

あたしは…

あたしは…

横綱の警告を省みずにAYAを犯してしまったのです。

オチンチンに絡み付いてくるAYAの感触を味わいながら、

あたしは彼女を担ぎ上げると、

駅弁スタイルで一心不乱に腰を動かし続けます。

「あっ

 あっ

 あはっ

 あっ

 あんっ」

腰を動かすごとにAYAの喘ぎ声があたしを容赦なく叩きのめし、

その声に押されるようにあたしはAYAを軽々と持ち上げ、

腰を動かしつづけます。

「あぁぁん

 はぁぁん

 あぁ…、

 いいわっ

 さすが相撲取りね…

 こんな体位でもバンバン突いてくるじゃない、

 それに男の汗の臭いってわたし弱いのぉ

 もっと、

 もっと突いて!」

どんな男をも魅了しそうな肉体を曝し、

AYAは私のオチンチンをその体内に飲み込み喘ぎます。

その一方で、

「フッ

 フッ

 フッ」

あたしは鼻息荒く腰を振り

AYAを突きまくっていました。

もはやその姿は誰が見ても男か見えないでしょう。

次の場所で私は序二段に昇進します。

わたしはもはや力士です。

相撲道に精進する力士です。

でも、一度で良いからこの作り物のオチンチンを外して女の子に戻りたい。

一度で良いから、また女とてKGS48のセンターに立ちたい。

でも、もぅそれは叶わぬ夢。になってしまったと思います。

身長190cm

体重180kg

手足ははち切れんばかりに太く。

お腹は前に飛び出しています。

そして股間にはオチンチン。

こんなアイドルは世界の何処を見ても居るはずはありません。

あたしは力士として生きていくしかないのです。

AYAを突きながらそんなこと思っていると、

AYAの中のオチンチンがさらに固くなっていきます。

既にあたしには生理がありません。

袋に仕込まれた薬は私の卵巣を精巣へと変え、

子宮に精子を溜めているのです。

そして溜まった精液はこの偽りのオチンチンを通って

勢い良く射精するのです。

私はすでに男にしてしまっているのです。

力士になってしまったのです。

髷を結い、

裸一貫、

廻し一本で相撲を取る力士なのです。

もぅ女の子に戻ることは出来ません。

当然です。

私はお相撲さんなのですから。

涙を流しながら私は腰を振り、

「あっあぁぁぁぁ!!」

先にAYAが絶頂に達すると

あたしは体に力をこめます。

そして、

「くぅぅぅぅっ!」

シュッ!

ブッ

ビュウゥゥゥ!!!

あたしは歯を食いしばりながら、

AYAの体奥深くに向けて”精液”を射精してしまったのです。

と同時に、

ピキッ!

あたしの中で何がが折れました。

折れたのは恐らく…あたしの復讐する心です。

「はーっ

 はーっ

 はーっ」

あたしは繋がっていたAYAを離し、

そっと桟敷の上に置くと、

「うふっ、

 とってもすばらしかったわぁ

 毬乃山

 おかげで、わたしはまた一つ、

 力を得ることができました。

 これも鞠乃山のおかげ」

汗ばんだ顔に自分の髪の毛を貼り付けながらAYAはそう言うと、

「うふっ

 ううふふふふ…」

今度は稽古場にあたしの乾いた笑いが響きます。

AYAを犯し、

男になったことへの嘲笑だったのかもしれません。

そして、一通り笑うと、

「うわぁぁぁぁぁ!!」

土俵上に蹲りながらあたしは泣き出したのです。

女の味を知ってしまったあたし、

もぅ女に戻ることは叶いません。

泣き続けるあたしをAYAは

きっと軽蔑のまなざしで見ていたことでしょう。

泣きつかれたあたしが顔を上げますと、

桟敷に寝かされていたはずのAYAの姿はありませんでした。

そして、その日を最後にあたしはAYAへの抵抗をやめたのです。

もぅAYAには逆らえません。

でも、いつか、

機会があればAYAにもこれと同じオチンチンを付けさせて

土俵の上で堂々と闘いたい考えています。

いつの日かきっと…



「で、鞠乃山はそれで満足なの?

 まったく、

 初体験を化け物に奪われたからって、

 落ち込んでいるんじゃないよ」



つづく