風祭文庫・アスリート変身の館






「螺旋」
(第2話:締められた廻し)


作・風祭玲

Vol.1058





「ボクと契約して、アイドルになってみないか。

 大丈夫。

 君なら、最高のアイドルになれるよ…」

スカウトの笠幡さんに出会ったのは高校生の時でした。

それまでのあたしの学生時代は最悪でした。

引っ込み思案な性格が災いして、

クラスの中ではいつも一人ぼっち、

そんなあたしをいじめっ子達は標的にして、

日々、イジメの毎日でした。

まさに絶望の日々でした。

そんな時、

笠幡さんに声を掛けられたのです。

「アイドルってそんな…

 あたし無理です」

「そう決め付けてはダメ、

 君は最高のアイドルになれるって。

 だからボクを信じて」

「でも…」

こんな話、信じることなんて出来るわけない。

きっと騙されている。

でも、

もしも、自分が変れる切っ掛けになるなら、

あたしは掛けに出たのです。



でも、アイドルになったからといっても、

すぐに売れるはずかありません。

相変わらずのつらい日々が続きますが、

でも、いじめられることに比べれば気が楽でした。

そしてKGS48の話が来たのは

デビューしてから1年が過ぎたときのこと、

「やってみるだけ、

 やってみるか」

最初はそんな気持ちでした。

でも、ファンと手が届きそうなステージに出て、

あたしは一所懸命、歌い、踊ります。

すると、不思議とあたしの人気が出てきたのです。

そして、事務所が人気獲得のために始めた総選挙も行うごとに、

あたしの得票は増えついにはセンターに立つことができました。

いじめられっ子だったあたしがもっとも輝いたときでした。

でも、AYAがKGS48に加入してきた頃から、

あたしの人気にかげりが見えてきたのです。

負けられない。AYAには絶対に…



「ダメね…

 もぅ」

AYAとの相撲勝負をしようとしたものの、

シコ踏みで力を使い果たしてしまったあたしは

AYAとの約束を守ろうと立ち上がった途端、

ひざの力が抜けてしまい尻餅をついてしまいました。

そして、そんなあたしの横にAYAは立つと

腕を組みながらそう言ったのです。

「ダメって

 いえ、たっ立てます」

なんとか彼女の期待にこたえようと、

あたしは立とうとしますが、

シコ踏みによる疲労は想像以上で、

臍から下に力を入れることができません。

「お願い

 立ってぇ」

ベソをかきながらあたしは自分の足を叩いていると、

「親方、

 あれを貸して」

とAYAは親方に向かって話しかけます。

すると、

「ん?

 あぁ」

親方は相撲場の隅に置いてある竹刀をAYAに手渡したのです。

「え?

 なにを…」

それを見たあたしは驚くと、

AYAは竹刀を持ってあたしに近づき、

あたしの廻しの結び目に自分の足を置き、

グッ

と踏みしめます。

そして、

ドン

とあたしを蹴飛ばすと、

「くふっ

 気合が入らなくて困っているんでしょう。

 あたしが代わりに入れてあげるわ。

 気合って言うのはねぇ…

 ……こうやって入れるのよっ!

 このっ、

 根性無しぃぃぃぃっ!!!」

AYAは突然豹変すると

あたしに向かって怒鳴り声をあげると、

パァン!

竹刀であたしを叩き始めたのです。

パァン!!

パンパンパン!

パンパンパン!

「痛い!

 痛い!

 痛い!

 お願い!

 やめてぇ!」

相撲場に竹刀の音が響き、

あたしの悲鳴も追って響きます。

「やめてぇ!

 お願いだから」

必死になってあたしは許しを請いますが、

けど、AYAは鬼の形相となって、

情け容赦なく竹刀を振り下ろし続けます。

そして、AYAが振り下ろす竹刀はあたしの体の至る所を叩き、

感じるのも痛みから熱さ、そして痺れへと変わり、

ついに動けなくなってしまいました。

「おらおら、

 さっさと立てよっ、

 寝てんじゃねぇよ」

AYAの口から信じられないような言葉が聞こえたとき、

「お嬢様、

 それくらいにしてください」

見かねた親方が止めに入ったのです。



「ひっぐっ

 ひっぐっ」

竹刀は止まりましたが、

あたしは体中をミミズ腫れにして泣いています。

そんなあたしを見下ろしながら、

「判ったわ、

 お相撲の勝負は延期しましょう。

 ただし、

 茉莉亜にはちゃんと相撲が取れるように

 この相撲部屋に入門してもらいます」

とAYAは息を整えながら告げたのです。

「いいわね、

 KGS48の指扇茉莉亜は本日より富嶽部屋に入門。

 シコ名はそうねぇ茉莉亜だから毬乃山にしましょう。

 お前は毬乃山として相撲の稽古に精進すること。

 それがあたしがお相撲勝負を延期する条件よ」

竹刀の先で突きながらAYAは言います。

「相撲部屋に入門って…

 そんな…」

驚くあたしに、

パァンッ!

AYAは竹刀で叩くと、

「毬乃山、

 返事は?」

と尋ねます。

「はっはい…

 まっまっ毬乃山は、

 ふっ富嶽部屋で、

 すっ相撲に精進します」

あたしは土俵に額をつけ、

泣きながら返事をすると、

「親方、

 今の聞きました?」

とAYAは親方に話を振ります。

「あぁ、

 お前がそうまで懇願するのなら、 

 富嶽部屋への入門を許そう」

上座に座りながら富嶽親方はそう返事をすると、

グイッ

AYAは竹刀の先であたしを小突き、

「良かったわね、

 毬乃山。

 お前は晴れて力士になったのよ」

そう言ったのです。

「力士って」

「お相撲の道を目指す人のことを

 力士って呼ぶに決まっているでしょう。

 その呼び方に不服があるの?」

「いえ…

 あつあの…」

「なに?」

「お仕事は…

 あたしのKGS48のお仕事はどうなるんです?」

「そうねぇ…

 廻しを締めてセンターで踊りましょうか?

 くふっ、

 オッパイ丸出しで、

 廻しを締めて、

 力士として踊るのよ。

 あなたの男性ファン達はきっと卒倒するでしょうね」

「やめて!

 いやぁ、

 想像したくない、

 そんなこと」

「くふっ、

 ならば、

 ここで大人しくお相撲の稽古をすることね」

「AYA…

 あなたって人は…」

「くふっ、

 何か勘違いしていません?

 恋愛禁止の事務所の掟を破って、

 ホテルで密会をしていたのは誰?

 しかも、写真週刊誌の餌になり掛けて…

 指扇茉莉亜。

 あなたはことの重大さを理解していますか?

 それをわたしはお相撲勝負で納めようとしたのですよ。

 けど、あなたはシコ踏みでバテてしまって、

 お相撲勝負の延期を申し入れてきた。

 真っ当なお相撲勝負が出来るまで、

 相撲部屋に入門して稽古をします。

 本来なら自分からそう申し出るべきじゃなくて?」

わたし言い聞かせるようにAYAはそういうと、

「わたしに恥をかかせたんだから、

 ペナルティを一つ受けてもらいます」

と付け加えたのです。

「ペナルティ?」

彼女の口から出たその言葉に、

あたしは言いようもない悪寒を感じますと、

「くふっ」

AYAは含み笑いをしますと、

「南さん、古谷さん

 アレを持ってきて」

とメイドに指示をしたのです。



「はい、お嬢様」

AYAの指示にメイド達はそう言い残して去っていくと、

程なくして、

「お待たせしました」

の返事と共に包みを大切そうに持って来たのです。

そして、それをAYAの前に広げて見せた途端、

パッ!

彼女の表情は一瞬明るくなりますが、

スグに頬を染めると、

「いやですわぁ、

 わたくしにそんな恥ずかしいものを堂々と見せないでください」

純情な乙女のように幾度も身をよじりると、

両頬に両手を当てて見せると、

ニタァ

っとあたしに向かって不気味な笑みを見せたのです。

「なに?」

「くふっ、

 今日はクリスマス・イブでしたわよね。

 わたしから毬乃山に取って置きの贈りものを差し上げます。

 喜んで受け取ってくださいね」

あたしに向かって彼女はやさしく告げると、

それを手にとりあたしに見せたのです。

「なっなにこれ?」

AYAの手の中にあるもの

それは細長く、

そして黒っぽい肉塊の様に見えました。

しかし、

「ひっ!」

スグにあたしはそれの正体に気づくと

声を殺した悲鳴をあげたのです。



あたしに見せられたそれは

肉塊などではなく間違いなく男のシンボル、

そう、紛れも無いオチンチンだったのです。

まさか、あたしに見せつけようと

AYAは”彼”のオチンチンを切り取ってしまったのか。

そんな考えも一瞬浮かびましたが、

しかし、よく見てみるとそれは本物のオチンチンではなく、

オチンチンに似せて作られた作り物だったのです。

でも、血管が浮き出る茎部の表現。

剥けている亀頭のテカリ具合。

根元にある袋の皺まで精巧に表現され、

誰が見ても本物と見まごうばかりです。

ただ、本物と違う点は血が流れ出ていないことと、

そして茎の下から捻るように伸びる2本の管でした。

この時、AYAは何の理由があって、

あたしにこんな作り物を見せたのか理由が判りませんでした。

すると、

「富嶽親方、

 ここから先はお願いできますか?」

と成り行きを見ていた富嶽親方の方を向くなり、

そう話しかけたのです。

「あぁ、判った。

 お嬢様の頼みとなれば仕方が無いっ、

 おいっお前達っ新弟子の入門だ。

 歓迎してやれ、

 やり方は判っているだろう」

話しを聞いた親方は、

今度は力士達に向かってそう命令したのです。

けど、

「………」

力士達からは明確な返事はなく、

みな困惑した表情で顔を見合わせています。

しかし、

「お前ら、

 聞こえなかったのか?

 新弟子の歓迎だ」

親方は苛立つように声を荒げますと、

「はっはい…」

その言葉に一人が返事をします。

そして、

それをきっかけにゾロゾロとあたしの周りに集まると、

「ごめんね。

 親方の命令には逆らえないの」

とあたしを哀れむ様に見つめながら一言謝ったのです。



「なっなにをするんですか?」

あたしを見下ろす力士達の目に

言いようも無い恐怖を感じたとき、

コクリ

力士達は目配りでうなづくと、

次々と太い手があたしに迫ってきたのです。

「やめてぇ!」

稽古場にあたしの悲鳴が響き渡りますが、

「暴れないで、

 すぐに済むから」

その声と共にあたしは力士達によって押さえ込まれると、

土俵上に仰向けで倒され、

そのまま締めていた廻しが解かれます。

そして、脚を大きく広げられると、

股間を大きく曝け出してしまったのです。

両親と自分以外に誰も見られたことがない

自分の股間を大勢の力士達に見られる。

それは、恥ずかしいを遥かに越えるものでした。

「いやぁ!

 いやぁ!

 いやぁぁぁ!」

あたしはありったけの声で叫び抵抗していると、

「ちょっと待って、

 やっぱりここから先はわたしにやらせて」

の声と共にAYAが割って入ってきたのです。

そして、AYAはあたしに背を向けて跨ぐと、

ドッカッ!

とお腹の上に腰を落としたのです。

「(うげっ)

 …何をするの、

 …やめて、

 …お願い」

お腹を押され満足に出ない声で必死になって許しを請いますが、

「くふっ…」

背中を見せたままAYAは小さく笑って見せると、

「毬乃山ぁ…

 あなたは力士でしょう。

 力士にふさわしいオチンチンを付けてあげますわ、

 くふっ」

と低い声で告げたのです。

「うそっ」

そう言う間もなく

すでに無防備状態になっているあたしのオマンコは大きく見開かれると、

グニュッ!

子宮へと続く穴に柔らかいモノが押し込まれたのです。

「ひゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

まだ男性との性的な経験は無く、

激痛とともに進入してくる異物の感覚にあたしは悲鳴を上げますが、

「うるさいですわ」

背中であたしの悲鳴を聞いていたAYAは短くそう言うと、

腰を少しあげて

ドスン

と落とします。

「うげっ」

衝撃とともにあたしの息が詰まりますが、

しかし問答無用とばかりにそれはグィグィと奥へと押し込まれてきます。

そして、その先端が子宮にまで達したとき、

パンッ!

子宮の中で何かが中で膨らみました。

「(ゲホッ)なっなに、いま…何かが膨らんだわ」

モッコリと子宮の中で膨らんだものを感じつつあたしは問い尋ねますが、

AYAは一切答えず、

グニュッ

今度はオシッコの穴にも異物を押し込みます。

「あっあぁ…

 いやぁぁ」

抵抗することも出来ずに異物はオシッコの穴を進んでいくと、

ボンッ!

今度は膀胱の中で何かが膨らんだのです。

グィグィ

「くふっ

 くふくふくふ」

AYAは挿入した異物を引っ張ってみせると

その手応えを感じながら笑い声を上げます。

「あぁぁぁ…」

まさにされるがままでした。

すると、

ムリムリムリ…

挿入された異物が膨張をはじめると、

あたしの中から元気良く突き出したのです。

「なに?

 なにこれぇ

 いやだぁ、

 取ってぇ!

 お願いだから取ってぇ!」

オマンコから突き出すものが

プルプル揺れる感覚を感じつつあたしはAYAに請いますが、

「くふっ

 なんでです?

 折角、男性になられたのに?

 ほら。よく御覧なさい。

 自分のチンコを!」

と笑いながらAYAは腰を上げ、

そして、AYAの姿と入れ替わるようにして、

ビンッ!

あたしの視界には股間から突き出す色黒い肉棒・オチンチンが姿を見せたのです。

「いやぁぁ、

 いやぁぁ、

 いやぁぁ」

部屋にあたしの絶叫が幾度もこだまします。

しかし、AYAは顔色一つ変えずに、

「よくお聞きなさい。

 このチンコはね、

 一度填められたら外科手術でもしない限り絶対に取り出せないのよ。

 もぅ男性に抱かれないどころか、

 チンコを入れて貰う穴を無くしたお前は

 子供すら産むことすら出来ない身体になったのよ。

 くふ…素晴らしいでしょう。

 毬乃山、

 これであなたは相撲の稽古に打ち込めるのですよ」

勝ち誇ったようにあたしに言います。

そして、

「さらにその身体も段々と変わって行きますわ、

 くふっ、この袋にはですねぇ…

 あなたの体をこのオチンチンにふさわしい姿に改造してしまう

 素敵なお薬が入っていますの。

 あなたの変身していく様、

 しっかりと見せてもいますわ」

とオチンチンの下で垂れる袋を掴み上げてそう告げたのです。

「そんな…改造するって…」

AYAの口から出たその言葉にあたしの頭はパニックになります。

すると、

「ほぉ…

 立派なチンポを着けたじゃないか」

と富嶽親方が割ってはいると、

あたしの股間から飛び出している偽りのオチンチンを眺めながら言います。

「いっいやっ」

彼のその言葉を聞いた途端、

あたしは両手でオチンチンを隠くそうとしますが、

しかし、

キュンッ

なぜか反応してしまうと、

グンッ!

萎みかけていたオチンチンは逆らうように力強く伸びてしまい、

隠そうとするあたしの手を押しのけてしまいました。

「あっあっあっあぁぁ

 なっなんでぇ」

股間からニョキッと突き出すオチンチンにあたしは困惑していると、

「くくっ、

 さすがは相撲取りになろうって奴だ。

 これだけの相撲取りに囲まれているのにもぅチンポをおっ勃てやがった。

 お前は立派な力士だ」

と親方は笑いながら言います。

「ちっ違う!」

あたしは思わず声を上げますが、

その声を封じるように

黒い布束があたしの前に放り投げられました。

「これは…」

「くふっ、

 鞠乃山、

 あなたがこれから締める廻しよ、

 幕下力士が締める廻しは黒と決められているのです。

 イヤなら相撲に精進して幕内力士になることね、

 幕内になればあたしが締めているのと同じ、

 この廻しを締めることができますわ」

AYAはそういいますと、

自分が締めているピンク色の廻しを叩いて見せます。

「さぁ、

 鞠乃山にこれを締めてあげてください」

とAYAは力士達に命令すると、

「ごっつあんですっ」

力士達はその声一つであたしの体を抑え、

股を無理やり開かせると、

グッ

オチンチンが伸びる股間に廻しの端を通します。

「いやっ!

 なにをするのっ

 やめて!」

必死に抵抗をするあたしの悲鳴が稽古場に響きますが

しかし、力士達は4つに折った廻しをお尻に通し、

腰のあたりで2つ折に戻して巻き付けていきます。

そして、お尻の上で織り込んで締め上げると、

ギュッ!

あたしの股間から外れないように締め上げてしまいました。

「あっあっ

 そんなぁ…」

さっきとは違い自分の股間を覆う黒い廻しを見て

あたしは泣きそうになると、

「いいか、鞠乃山。

 その廻しはお前さんの分身でもあるんだ。

 勝手に外すことは許されないんだよ」

と親方はあたしに向かって怒鳴り飛ばします。

「そんなぁ

 じゃぁあたしは…

 本物のお相撲さんにならなくてはいけないんですか」

それを聞かされたあたしは泣きながら訴えると、

「当たり前の事を聞くんじゃね。

 さて、その長い髪もいけねぇなぁ」

と言いながら親方はあたしの髪を引っ張りますと、

「おいっ、

 床山っ

 こっちこい」

と奥に向かって声を掛けると、

「はいっ」

の返事と共に白い作務衣姿の男性が姿を見せます。

そして、

「鞠乃山に髷を結ってやれ」

と親方は彼に向かって命じたのです。

「髷って…

 あたしにチョンマゲを結うっていうの?

 やめて!

 それだけはやめて」

彼の言葉を聞いたあたしは頭を押さえながら逃げようとしますが、

力士達に押さえつけられてしまうと、

「さっ、鞠乃山関。

 髷を結わせてもらいます」

床山のその声と共に一流の美容師がまとめ上げたあたしの髪に鬢付けが練り込まれ、

引っ張られながらまとめ上げられて行きます。

そして、

キュッ!

と紐で縛られ余分な髪が切り落とされてしまうと、

力士のあの髷があたしの頭に結われてしまったのです。

「あっあっ

 そんなぁ…」

ピタッ

と崩れることなく結い上げられた髷の感触を幾度も確認しながら

あたしは震えますと、

「くふっ、

 あなたの髷姿、

 とってもお似合いよ。

 お相撲の稽古、

 頑張ってね」

とAYAはあたしに耳打ちをしてみせます。

「そんな…」

彼女の言葉に絶望感を感じていると、

「さぁっ、

 お前は富岳部屋の新弟子だ。

 前らっ、盛大に祝ってやれ!」

力士達に向かって親方は声を上げます。

「ごっつぁんですっ」

力士達は威勢の良い返事とともに

まだ体力が回復していないあたしを土俵の中へと押し込みます。

そして、

パァンッ!

「どすこいっ」

力士達は一斉に足を叩くと、

あたしの前で高々と足を上げたのでした。



クリスマスイブの夜。

力士にされたあたしは黒廻しを締めさせられると、

髷を結われ、

土俵の上で相撲をとらされたのです。

いいえ、

あれは相撲ではありません。

相撲と言う形をした拷問でした。

あたしの相手をしてくださる兄弟子達はみな立派な体格の力士ばかりで、

あたしはたちどころに掴み挙げられてしまうと、

そのまま土俵に叩き付けられるのです。

あたしはAYAの目の前で彼女が望んだとおり、

体中に傷を作り、

汗にまみれ砂にまみれになっていきます。

兄弟子達は決して手を緩めずあたしをさらに可愛がってくれます。

可愛がるといっても、

力士達のその言葉が徹底したシゴキの事を指すのです。

張り手を喰らいフラフラになっても竹刀で叩かれ気合いを入れられます。

まさに地獄でした。

パァンッ!

柏手の音が響き、

力士達が土俵から去っていくと、

「うぐっ

 はぁはぁ」

髷を乱し廻しも大きくずらしたあたしは

ボロ雑巾のごとく土俵上に突っ伏していました。

指一本動かすことができずに突っ伏していると、

ツンツン

と頬が突かれます。

「うんっ」

腫れ上がった瞼を開い見ますと、

そこにはAYAの顔がありました。

「なに…か…よう?」

薄れ掛けた意識であたしは声を掛けますと、

「くふっ、

 ボロボロですわね」

とAYAは哀れむように話しかけます。

「だから…なに?」

その言葉にあたしはぶっきら棒に返事をすると、

グッ

倒れていた体が持ち上げられたのです。

「AYAが介抱してくれるの…まさか」

信じられないことが起きた…とあたしは半信半疑でしたが、

あたしを担いでいるのは居残っていた一人の力士でした。

そして、

「さぁ、稽古の後はこっちですわ」

と言うAYAと共に担がれたあたしは奥へと向かっていきます。

ガラッ!

建物の奥、突き当たりにある引き戸が開けられると、

4畳半ほどの板張りの部屋に

背もたれがある大きな椅子が置かれている様子が目に飛び込んできました。

「なに…ここ?」

医務室…とはとても思えないその佇まいにあたしはイヤな予感を感じると、

ドサッ!

廻しを解かれたあたしはその椅子に座らされ、

力士の手によって手足が備え付けのベルトを固定されたのです。

「なっ何をするんですかっ!」

呂律の回らない口であたしは声を上げますと、

パタンっ

AYAが戸を閉めます。

と同時になんとAYAの特大ヌードポスターが姿を見せたのでした。

「なにこれ…」

事務所の方針でKGS48のメンバーはヌード写真集は出しません。

でも、あたしの前に姿を見せたヌードポスターのAYAは

まるでAV女優がしてみせるような大胆な構図でした。

それを見ながらあたしは唖然としていると、

「やだぁ、恥ずかしですわ」

とAYAは恥ずかしがって見せます。

「なっなんなの、これは…」

声を震わせながらあたしは改めて尋ねると、

「くふっ、

 人間の体は痛めつけられると次には痛めつけられないようにって、

 強くなりながら傷を治していくそうですわ」

とAYAは話しかけます。

「しっ知っているわよ、

 そんなこと…」

彼女に向かってあたしはそう言い返しますと、

「あら、博学なのですね。

 でも、この袋の中に入っている薬が

 その回復する力を大きく手助けをする効果がある。

 ってことまでは知らないでしょう」

とAYAは外れかけた廻しから顔を出している袋を突いて告げたのでした。

「それって…」

彼女のその言葉を聞いてあたしはイヤな予感を感じ取ると、

「くふっ、

 でも薬だけではだめ、

 体を治すには相応の素材もまた必要なの。

 でも、安心してくださいな。

 ちゃぁんと準備をしてありますの。

 ほらっ、ここにはお前の血となり肉となる高タンパクの特製プロテインが入っていましてね」

とAYAは説明しながら天井に備え付けられているポリタンクを指差し、

そして、そのポリタンクから伸びる管をあたしに向かって伸ばしたのです。

「やめて…」

そう言うだけで精一杯でした。

でもAYAはその管にマスクのような器具を取り付けると、

「クフッ

 さぁ、稽古の後は体造りですわ。

 これをたっぷりと飲んで、

 立派な相撲取りになりなさい」

と言いながらあたしの口に押し当てたのです。

グニュッ

「うごっ」

口の中に柔らかく巨大な塊が潜り込み、

さらに喉の奥に向かって管が伸びていきます。

「ぐぉ

 ぐぉ

 ぐぉ」

呻き声をあげあたしは首を左右に振りますが、

でも、それを自分の力で外すことはできません。

首を振りながらあたしがもがいていると、

「あらっいけないっ

 スイッチを入れるのを忘れていたわ」

とAYAは言うと、

いきなりあたしの前で腰を落とすと腕を伸ばし、

ギュッ

こともあろうか外れ掛けている廻しの隙間から顔を出しているオチンチンを握ったのです。

「うぐぉ」

彼女の行為にあたしは呻き声を上げると、

「よくお聞きなさい。

 いまから男のオナニーを覚えるのよ。

 オカズはわたくしのお写真…

 くふっ

 お前はわたくしをオカズにして射精をするのです。

 あら、初めてだから精通になるかしら?

 するとですわ、

 この袋の薬が出てくるとあなたの体の中を巡りだし、

 筋肉細胞や脂肪細胞一つ一つに作用をしますのよ。

 そうなるとあなたの細胞は通常の人の数倍の素材を欲しがる様になるのです。

 それに併せてお前の口の中に特製・高タンパクのプロテインが流れ込む仕掛けになっていますの。

 どうかしら?

 とっても素晴らしいでしょう。

 あっ、それと薬の副作用で、

 あなたの卵巣は精巣へと作り変えられ、

 男性ホルモンも出すようになりますわ。

 そうなったらもぅ本物の男に…

 そして相撲取りになるしかないですわ。

 くふっ

 さぁ、始めますわよ」

あたしに向かってAYAはこの部屋に仕組まれたこと恐ろしい事実を告げ、

シュッシュッ

とあたしのオチンチンを扱き始めたのです。

「!!っ

 ふごぉ(ひゃっ)!

 ふごぉ(ひゃめてぇ)!

 うぉ(お願い)っ、

 うごあぁぁぁ(オチンチンに触らないでぇ)」

腰を幾度も動かして抵抗を試みますが、

でも、AYAの手はオチンチンから離れず、

それどころか、

無理矢理着けられたはずの偽りのオチンチンがビンビンと響いてくるのです。

すると、

「くふっ、

 感じます?

 気持ち良いですか?

 それが男の快感ですよ、

 鞠乃山、

 ほらほら、

 射精をするまでこれはやめませんよ」

とAYAはいたぶるようにして手を動かします。

「ふごぉぉ(いやぁぁ)…

 うぉっ、うぉっ(でも、なんで)…

 うぐぐぐぐぐううう(なんで、こんなに感じちゃうの?)

 うごぉうごぉ(だって、これって…)

 うごぉぉぉ(つっ作り物なんじゃないの?)」

まるで自分の体の一部のように感じてくる快感に翻弄されながら、

あたしは頭を振り、

乱れた髷を頭の上で躍らせます。

「感じているのでしょう?

 もぅこのチンコはあなたの一部なんですよ。

 ほら、AYAちゃんが見て居いますわ。

 男なろうとしているあなたを…

 お相撲さんになろうとしているあなたを…見ていますわ。

 さっさとお出しなさい。

 溜まっているあなたご自身の精を、

 熱いマグマと化しているあなたのエキスを…

 目の前のAYAちゃんに向かってぶちまけるのですよ」

そんなあたしに向かってAYAはやさしく、

乱暴な言葉を投げかけます。

「うごっ(出すって)…

 うごっ、うごぉぉ(だって、あたしは…おっ女…)」

その囁きにあたしはそう言い返そうとしたその時、

ビリッ!

突然股間に電気のようなものが走ると、

グググググッ

体の奥から熱いマグマが頭をもたげてきました。

「うご(あっ)、

 ごわっ(くっ)、

 ふごぉぉ(いっいや…)

 ふごぉぉ(うぐぐぐ…)

 うごぉ(だめっ)”

飛び出そうとするマグマをあたしは必死になって堪えて見せると、

「出したいのでしょう?

 我慢してはいけません

 さぁさぁ

 さぁさぁ

 出すのですっ」

あたしの変化を感じ取ったAYAはそう言い、

シュッシュッ

シュッシュッ

さらにあたしのオチンチンを激しく扱きます。

そして、

「うわっっ、

 先走りがドクドクと出て来ましたわぁ」

とオーバーに驚いて見せたとき、

「うぉぉぉぉぉ(あっあっああああ…)」

あたしは声にならない声を上げながら最後の抵抗を試みましたが、

でも、それは長くは続きませんでした。

ミシッ

ミシッ

ミシミシッ

ひたすら堪えていた最後の砦を打ち破るようにマグマはその力を増し、

ついに限界点を突破してしまうと、

「うごぉぉぉ(あっあっ)

 うぉぉぉぉぉ(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」

口を塞がれているあたしは大きな呻き声を張り上げ、

ビュビュビュッ!!!

あたしはAYAの目の前で、

彼女のポスターに向かって勢い良く射精をしてしまったのです。

「まぁ、すごいっ

 見て下さい。

 鞠乃山があたしに向けて射精しましたわ」

それを見たAYAは興奮気味に同室している力士に話しかけると、

「ごっつぁんです」

と力士は返事をします。

すると何を思ったのでしょうか、

AYAは自分のポスターに掛かるあたしの精液を指先で掬うと、

それを軽く嘗めて見せたのです。

そして、

「くふっ、

 アイドルだった女が男となって放った最初の精液。

 いまは味も素っ気もないけど、

 でも、スグに濃厚な味に変わりますわ。

 くふっ、

 笠幡はとても良い仕事をしたわ。

 だって、こんなに極上の精液はそう滅多に出会えないもの」

と囁いたのです。

でもその時のあたしは

「(しちゃった…

  あたし…

  射精をしちゃったぁ…

  AYAに向かって、射精をしちゃった…)」

と全身を覆う倦怠感を感じつつ涙を流していて、

言葉の事なんて考える余裕はありませんでした。



あたしが感傷に浸る時間はそんなには続きませんでした。

ジワッ

股間からわき上がった黒い何かが体を包み込んでいくと、

それに呼応するように

グルルルル…

急にあたしのお腹が空いてきたのです。

射精と共に袋にしこまれていた薬が溶け出し

それに呼び覚まされたように細胞が素材を求めだしたのです。

「あっはいはい」

腹の音を聞いたAYAは嬉しそうに返事をしながら、

ポリタンクから伸びるスイッチを入れますと、

ジュルルルル…

口を塞ぐチューブの中を通ってジェル状の物体があたしの胃の中へと流れ込んできます。

「うぐっ

 うぐぐぐっ

 うぐっ」

それを飲むことを拒否することは出来ません。

あたしの異の中にそれは絶え間なく流し込まれると、

そのまま腸へと送り込まれ体は吸収していきます。

あたしの頭が拒絶しようとしても、

体はそれを求めている以上どうすることも出来ないのです。

「さぁ、ここから先はあなたお一人の仕事ですわ。

 頑張って筋肉と脂肪の鎧を身に纏いなさい」

あたしに向かってAYAはそう言い残して部屋から去ると、

ポンッ!

付き添っていた力士は無言であたしの肩を叩き去って行きます。

「うごぉっ

 うごぉ

 うごぉ」

あたしは一人ぼっちで椅子に縛られうめき声を上げ続けていました。

そして、

「うぐっ

 うっ

 うっ

 うぐぐぐ」

部屋の中にあたしのうめき声を響かせると、

次第に、

ジワッ

ジワジワ

ジワジワジワ

体の芯から火照てり、

やがて身を焼き尽くすような熱さへと変わり、

「(熱い…

  熱いよぉ…

  誰か…

  助けて…)」

あたしは唯一動く首を左右に振りつつ、

滝のような汗を流しながら熱さに耐え続けたのです。

そして、

ムクムク

ムクムクムク

稽古で痛めつけられた部分が蠢き出し、

それに合わせて全身の筋肉も蠢き出したのです。

「うぐぐぐ…

 ぐぅぅ」

ポスター写真のAYAに見つめられながら、

あたしの体は蠢きながらゆっくりと張り出して行きます。

こうして一枚目となる肉の鎧があたしの体を覆い尽くしていったのです。

そして翌朝。

「くふっ、

 順調に育ったわね」

そう感心してみせるAYAの前で

あたしは昨日よりも一回り逞しく変身した肉体を披露していたのです。



つづく