風祭文庫・アスリートの館






「チアガール」
(第2話:女医)


作・風祭玲

Vol.433





恵美にとって一生消えることのない屈辱を受けた翌日…

羽村恵美は学校には登校してこなかった。

翌日も…

そしてまた翌日も…

羽村恵美はあの日以降、誰にも姿を見せることはなかった。

「ねぇ羽村さん、どうしたのかしら?」

「ここずっと休んでいるもんね」

「何かあったのかな?」

チアリーディング部の部長でもあり

学園のアイドルでもあった恵美の欠席に周囲に困惑が広がる中、

実は失踪したのではないか…

と言う噂も出るが、

しかし、恵美は自宅にいると言うことが確認されてからは、

日が経つごとに彼女への関心は薄れ、

そして、誰の口からも恵美の話が聞かれなくなった頃、

ようやく恵美の親代わりである姉・麗子が一人学校を訪れた。

「なにかあったのですか…」

恵美の欠席についての理由を尋ねる教師達に

麗子はその返答として退学届けを提出する。

「え?

 いっいったい、どういうことです?」

突然の事態に教師達は驚き、

その理由を探ろうとしたが、

「いえ、

 あくまで本人の希望ですので、

 我侭を言って申し訳ありません」

多忙な両親に代わって恵美の親代わりでもある麗子は

この退学があくまで恵美の一身上の都合というだけで、

丈二から受けた強姦のことには一切触れなかった。

そして、それを伝え聞いた丈二は内心ホッとするのと同時に、

「なんだよ、

 あれ位のこと、女子じゃぁ日常茶飯事じゃないか」

と退学を選択した恵美を心の中で馬鹿にしていた。

こうして、恵美は学校から去り、

そして、あの一夜から3年の月日が流れた。



3年後…

チームを全国優勝に導いた丈二はアメフトの強豪校であるP大からスカウトを受けると、

何も言うことなくP大のユニフォームに袖を通した。

そう、P大の新しいクォータバックの誕生であった。

そして、丈二は大学リーグで大活躍をし、

文字通りチームの大黒柱へとなっていった。

そして、P大生になって3回目の春。

これまで何かにつけて丈二を束縛をしてきた先輩達の姿が寮から消えると、

文字通り3年の丈二はまさにわが世の春を謳歌していた。

「おはようございます!!」

「おうっ!」

鍛え上げた肉体を披露するかのように寮の廊下をノッシノッシと歩く丈二に後輩達が一斉に頭を下げる。

まさに寮は丈二にとって自分の王国であった。

「ふっ」

自分に向かって頭を下げる後輩達を満足げに眺めつつ、

丈二は廊下からトレーニングルームに入ってくると、

ザッ

筋力トレーニングをしていた部員達が一斉に立ち上がると、

「おはようございます!!」

直立不動の姿勢で挨拶をすると丈二に頭を下げた。

まさに誰も丈二に逆らうものはいなかった。

「へへ…」

その様子に丈二は満足そうに笑うと、

「1年、集合!!」

2年が声を張り上げた。

その途端、

ドダダダダダダ!!

寮の中に地響きが響き渡ると、

ズラリ!

丈二の前にトレーニングウェア姿の1年生の部員が勢ぞろいした。

そして、

「いち」

「にっ」

「さん」

っと点呼を叫ぶと、

「1年、42名揃いました!」

最後の番号を叫んだ者が報告の声を上げた。

「ほぅ」

彼の報告に丈二は大きく頷き、

そして、勢ぞろいした新入部員達を眺める。

とそのとき、

「ん?」

一人の部員の姿に思わず目が留まった。

「お前…名前は?」

その部員の前に立った丈二は彼の足元から舐め上げるように見上げそう尋ねると、

「はいっ、高村翔です」

ちょうど丈二の鼻のところにある顎が動き

彼は自分の名前を丈二に告げる。

「ふっ元気がいいなぁ、

 で、お前のポジションは?」

「はいっ

 クォータバックをしていました」

「ふーん、

 クォータバックかぁ」

翔の返事に丈二は頷き、

「お前、俺のポジションは知っているか?」

と尋ねると、

「はいっ

 クォータバックです」

翔は元気よく返事をする。

「ふっ

 じゃぁ判っているな、
 
 ここのクォータバックは俺だ、
 
 お前がクォータバックになるためにはこの俺を越えなければならない」

丈二は翔にそう告げると、

グッ!!

拳を握り締め、

その鳩尾に重い一発を叩きこんだ。

しかし、

普通の者ならここで鳩尾を押さえながら口から泡を吹き倒れるハズなのだが、

「頑張りますのでよろしくお願いします」

堪えた様子を見せることなく翔はそう返事をしながら頭を下げると、

「うっ」

自分の一打が通じなかった事に丈二は驚き、翔を見上げる。

「どうかしましたか?

 先輩?」

驚いた顔の丈二に翔は意味有り気な笑みを浮かべながらそう尋ねると、

「いっいやっ」

ズキンッ

重く痛み出した手を庇いながら丈二は返事をし、

そして、それを悟られないように彼に背中を向けると、

「くそっ

 なんなんだ?
 
 あの体は…
 
 まるでコンクリを殴ったみたいだ」

と思いながら後ろに立つ翔を眺めていた。



こうして、波乱を抱えた先輩への新入部員紹介が終わり、

翌日からアメフト部の練習…いやシゴキが始まった。

ショルダー姿になり、朝から晩までの練習の連続に

新入部員達は次々と反吐を吐き次々と倒れていくが、

そんな新入部員に容赦なく上級生たちが罵声が浴びせたたき起こしていく。

そして、あまりにもの練習のキツサに部を去るものが1人、また1人と出て、

42名も居た新入部員は半月ほどで半分の20名を割ってしまい、

さらにひと月後には10名を割ってしまった。

がその中でも翔だけはどんなシゴキにも耐え、

そして、チームの中でメキメキと頭角をあげていった。



「あっ藤堂っ」

「なんすか?

 監督っ」

ひと月が過ぎたある日の夕方、

練習を終え着替えに向かっていた丈二は監督の新島に呼び止められた。

「あぁじつはなっ

 高村の事なんだが…」

新島そう翔の事を切り出すと、

「あいつにここでのクォータバックの心構えを教えてやって欲しいのだが、

 出来るか?」

と丈二に向かって翔の教育係をして欲しいと頼んできた。

「え?

 俺が翔の奴の教育をするんっすか?」

新島の申し出に丈二は驚いて聞き返すと、

「まぁ…

 そういう事になるかな…
 
 お前も知っているとおり、
 
 我がチームはリーグの中でも常にトップでいなければならないのだ、
 
 これからも、
 
 ずっとなっ
 
 しかし、お前はもぅ3年だ。
 
 再来年の今頃にはお前はこのチームではなく別のチームでプレーをしている。
 
 判るなっ
 
 この事が」

新島は丈二の両肩を掴みそう告げると。
 
「はっはぁ…」

丈二はそう返事をする以外になかった。

「そうか

 わかってくれたか、

 頼むぞ、

 奴は再来年、
 
 お前となってチームを支える大切なメンバーだからな、
 
 ビシビシと鍛えてやってくれ」
 
丈二のその答えを聞いた新島は顔を綻ばせると、

足取り軽く立ち去っていった。

しかし…

「俺が…あいつの教育係だとぉ?

 ふざけるなっ
 
 俺はまだこのチームの大黒柱だっ
 
 それが、なんで次の奴の為に時間を割かなければならないんだ、
 
 俺にとってこのチームは…
 
 そう、このチームは…俺の人生の足がかりにしか過ぎなんだよっ」
 
そんな思いをぶつけるかのように

丈二は手にしていたヘルメットを思いっきり地面にたたきつけると、

ガンッ

ガララララララ…

ヘルメットは大きな音を立て丈二の足元を転がっていった。

すると、

ヒョィッ

っと行ったはずの新島が目の前に顔を出すと、

「うわっ」

丈二はいまの自分の態度を見られたのかと一瞬驚いたが、

新島はさっきと同じ調子で、

「あっ言い忘れたが、

 夕飯を食ったら

 全員をトレーニングルームに集合させてくれ
 
 大事な話ガあるあらな」

と言い渡すと再び消えていった。



ザワザワ…

夕食後、トレーニング室には部員達の汗の匂いと熱気で蒸し暑くなっていた。

「なんだろうか?」

「さぁ」

夕食後、丈二にトレーニング室に集合と言い渡されただけで、

その理由を聞かされていなかった部員達はこれから起こる何かを

不安と期待を込めた気持ちでジッと時間が来るのを待っていて、

そして、その彼らの視線は、

一番前の席の背当てを正面に向け、

前かがみになって前を見つめている丈二に一斉に注がれていた。



と、そのとき、

「いやぁ待たせたねっ」

と言う声と共に新島がトレーニングルームに入ってくると、

コツリ…

その彼の後ろから年のころは20台半ば…

肩甲骨のところまで長く伸びた髪と、

軽いコロンの香りを漂わせる白衣姿の女性が追って入ってきた。

「おぉ…」

彼女から漂う妖美でそして色気が満ち溢れた空気に、

トレーニングルームに詰めていた部員達から一斉にどよめきが上がる。

しかし、

「むっ」

丈二一人だけは彼女の美貌に目を奪われる事なく、

ジッと睨み返していた。

何で彼がそう言う行動を取らせたのか理由はわからない。

ただ、ある種の危険な香りを丈二は嗅ぎ取っていた。

「あぁ、待たせたね」

部員達の前に立った新島は待たせたことを簡単にわびると、

「まぁ前置きもなんだから、先に紹介しよう」

と言うと、

白衣の女性に向かってここに来るようにと手で合図をした。

すると、

スッ

女性は部員達の前に立ち、

「えっと、彼女は羽村麗子さんと言って、

 わがP大医学部をトップの成績で卒業した卒業生で、

 医者の立場から怪我とそれを防ぐトレーニング方法や、
 
 科学的な筋力の強化と言った、

 スポーツトレーニング全般についての研究で論文が高い評価を受けたそうで、

 まぁ、なんていうか…
 
 簡単に言えば、ウチも気合とか根性だけではなくて、
 
 もっと科学的なトレーニングをしようではないか、
 
 と思って、こうしてここにきてくれた訳だ」

彼女に色々と詳しく紹介したかったのであろう、

新島は麗子について色々説明しおうとしたが、

しかし、話の途中で挫折したのか一気に端折ると、

麗子をここに呼んだ理由を端的に告げた。

「へぇぇぇ…」

新島の説明に部員達はしきり感心している中、

「羽村?」

丈二は前に立つ麗子の面影に以前どこかで会ったような気がしていた。

すると

一歩、麗子は前に出ると、

「初めましてみなさん」

と透き通るような声で第一声をあげた。

「おぉ…」

彼女のその言葉に呼応するようにドヨメキが広がると、

「みなさんは、

 もっと、もっと強くなる可能性を秘めています。
 
 しかし、現在、その可能性は前近代的な迷信によって硬く閉ざされています。
 
 わたしはあなた方をその迷信から解き放ち、
 
 そして可能性を大いに開花させる為にここに来ました。
 
 さぁ、私と共に可能性の扉を開きましょう」
 
と続けたが、

しかし、

「けっ」

丈二は彼女のその言葉を吐き捨てると、

ガタン!!

勢い良く立ち上がりながら

「一度、

 一度、汗臭いショルダーを着て実線を経験するがいい、
 
 そうすれば、自分がどれだけ間違っていたか判るからな」

と言い残してトレーニングルームから立ち去っていってしまった。



「いやぁ、とんだご無礼を…

 彼は我がチームの大黒柱で…」

丈二の非礼を新島はわびると、

「いぇいぇ、

 よろしいのですよ、
 
 彼はきっと自分に自信があるのでしょう?
 
 だから変化というのを嫌うのです。
 
 大丈夫です。
 
 きっと彼も判ってくれるようになります」

自信たっぷりに麗子は返事をすると、

チラリ…

と奥の席で座っている高村翔の方に視線を送った。

すると、

コクリ

麗子の問いかけに翔は返事をするようにしてゆっくりを頷く。



翌朝…

「えぇ?

 直腸検診?」

驚いたような丈二の声が合宿所に響き渡った。

「えぇそうです」

目を剥いて驚く丈二を目の前にして白衣姿の麗子は笑みを浮かべていた。

そして、

「直腸は身体にとって最も重要なところ、

 そこを毎日検査するのは当たり前でしょう」

サラリと受け流すように麗子はそう答えると、

「でっでも、

 何で俺がそんな検診を受けなければならないんだ!」

丈二は麗子に食って掛かってきた。

すると、

フッ

麗子は笑みを浮かべ、

「あら、クォータバックの癖に判ってないのね」

と告げた。

「なに?」

彼女の言葉に丈二は思わず食って掛かろうとすると、

麗子は興奮するは丈二の身体を押し戻しながら、

「クォータバックはチームの要である事ぐらいあなたは知っていますよね、

 もしも、そのあなたが試合中に病気などによる体調不調で試合が出来なくなった場合、
 
 どうなるから」

とキツイ視線を投げかけながら麗子は丈二に尋ねると、
 
「そっそれは」

彼女からの指摘に丈二の勢いが一気に削がれていく。

すると、それを見た麗子は、

「クォーターバックに勢いがないとチームはガタガタ、

 とても勝てるなんてシロモノではないよねぇ」

止めを刺すようにそう告げ、

そして確信を持つような表情で丈二を見つめると、
 
「そんなことはないっ」

麗子の言葉を丈二は否定してみせるものの、

しかし、それは彼女への反発でしか過ぎなかった。

「絶対に?」

すでに丈二を見切っていた麗子は疑いの目で見つめると、

「(うっ)絶対にだ」

麗子の眼力に押されるようにして丈二がそう言い返す。

「ふーん、大した自信ね

 でも、藤堂君には前科があるわよね」

と麗子は丈二の過去を指摘をした。

「うっ

 なんでそれを」

それは昨年のことだった。

試合の前日、早めに練習を切り上げた丈二は仲間と共に酒宴を開いてしまった。

無論、合宿所での酒宴はご法度なのだが…

その結果、翌日二日酔いの状態で試合に出場した丈二はものの見事に沈められ、

チームはこれまでのワースト記録を塗り替える点差で大敗北をきっしたのであった。

麗子の口から出てきた触れられたくない過去の話を遮るかのように、

「判ったよっ」

と丈二は声を上げると、

「そう

 判ってくれた?」

麗子は返事しその口元が軽く笑った。



トレーニングルームの隣には空き部屋があった。

部室兼合宿所であるこの建物の設計時はそれなりの利用目的があったのだが、

しかし、その部屋は使われる事なく半ば物置代わりに利用され、

卒業生が残した使い古したショルダーやヘルメットが詰め込まれたいわば開かずの間と化していたが、

しかし、いまはその部屋は綺麗に片付けられ、

麗子の事務所兼診察室へと衣替えをしていたのであった。

そして、その診察室の中に置かれた診察用の寝台の上に丈二が渋々身体を横にすると、

「じゃぁ、そのズボンを下ろして」

と麗子は丈二に指示をした。

「あぁ…」

彼女の指示に丈二はそう答えると、

手をズボンに掻け、

モゾッ

っと下半身を動かすと、

ズルッ

丈二が穿いていたズボンは下にずり下ろされ、

次第に彼の股間が晒されていく。

「へぇ…

 すごいわねぇ…
 
 で、これまで何人の女の子をこれで泣かせたの?」

股間の真ん中で縮こまっている丈二のペニスをシゲシゲと眺めながら麗子はそう尋ねると、

「どっ

 どうぅでもいいだろう!!

 さっさとしてくれよ」

不機嫌そうな声を上げ丈二は麗子を急かした。

「まぁまぁ

 慌てない慌てない」

恥ずかしいのか赤らめた顔を横に振る丈二をまるで子供を扱うような声を上げ、

そして

「ねぇ、寝台の両端にある掴み棒を握って」

と声をかけながら麗子は寝台の下から皮ひもを取り出すと、

「こうか?」

麗子の指示にそう尋ねながら握り棒を握った丈二の両手を

すばやく皮ひもで縛り上げてしまった。

「なっ何を!!」

予想外の事に丈二は驚くと、

「え?

 何って、用心よ
 
 用心。
 
 何かの拍子で動かれると最悪、藤堂君の身体を傷つけてしまうでしょう?
 
 だから、不用意に身体を動かされないように固定するのよ」

麗子はそう説明をすると、丈二の頬を軽く撫でるように叩き、

続いて両足を大きく開かせると肛門が丸見えになるような位置で脚を固定してしまった。

スーッ

肛門を大きく開き、無防備な姿を晒す股間を冷たい風が吹き抜けていく、

「……」

そのとき丈二の心の中では

屈強の肉体を持つ自分が麗子の前で大きく肛門を見せているこの姿を

他の者に見られやしないかという恥ずかしさで一杯になり、

体中から冷や汗が滝のように噴出していた。

「はっはやくしてくれよ」

カラカラに乾いた喉から声を絞り出すように丈二は懇願すると、

麗子はそれには答えずにそのまま医薬品が並ぶ机のほうへと向かって行く、

そして、カチャカチャとなにやら薬品を探し始めると、

「今日は初めての診察だから、

 色々とサンプルを取らせてもらうわ」
 
と言いながら、次々と器具や薬品をシャレーの上にそろえていった。

「おいっ

 ちょっと待てよ、
 
 サンプルって何だ?
 
 俺はそんな事は聞いたないぞ」

麗子の言葉に丈二は驚き、焦りながら言い返すと、

「男は細かい事をいちいち気にしないの!!」

そんな彼を窘めるように麗子はキツく言い、

「さぁて、じゃぁ始めましょうか」

シャレーを台車に乗せ、

それを押しながらゆっくりと丈二の横につける。



「さぁ、リラックスして…

 大丈夫、痛くないから」

両手にゴム手袋を嵌め、

まるで、いじめっ子のような口調で麗子は丈二にそう告げると、

潤滑用の薬品が馴染んだ手をゆっくりと丈二の股間の中に沈め、

そして、その中央部で口を閉じている肛門の周りを撫でるように軽く触れた。

「うっ」

その瞬間、丈二の口から屈辱を噛み締めるような声が漏れる。

「うふっ

 顔に似合わず敏感なのね」

肛門を中心にして丸く円を描くように指をなぞりながら麗子が尋ねると、

「そっそんなこと…

 どうだっていいじゃないですか、
 
 それより早くしてください」
 
焦らされる苛立ちをぶつけるようにして丈二は声を絞り出し抗議するが、

「ふふ、何を恥ずかしがっているの、

 男ならもっと堂々としなさい。
 
 こんな大きなオチンチンを持っているんだから…」

そう言いながら麗子は肛門の上で頭を持ち上げ始めたペニスを

ピン

っと指ではじいた。

その途端っ

ビクッ

麗子の行為に反応するように丈二のペニスはムクムクと膨らみ始めると、

ビクン!!

股間にその姿を立てカリを大きく開いた。

「へぇぇぇ

 すっごーぃ」

興味津々と言った面持ちで股間に起立した丈二のペニスを麗子は眺めると、

「………」

丈二は恥ずかしさで何もいえなくなっていた。

すると、

「ねぇ、藤堂君…

 あなた…これでこれまでにどれだけの女の子を泣かせたの」

麗子が丈二の戦績を尋ねた。

「?」

「これだけ立派なものだからねぇ

 30人はくだらないかな?
 
 ねぇ、どうだった?
 
 女の子の味は?
 
 みんな泣きながらよがったんじゃないの?
 
 でも…中には無理やりの娘も居たんでしょう?」

まるで尋問をするかのように麗子は囁きながら、

キュッ

っと首を絞めるように丈二のカリ首を握り締める。

「うっ」

彼女のその行為が気持ちいいのか丈二はうめき声を上げると、

「ふふっ

 感じるでしょう?
 
 男の人の弱点だものね、
 
 ここは」
 
丈二の反応を確かめるように麗子は握り締めた手を上下に動かし始めた。

「あっ

 あっ

 あぁ…」

潤滑剤まみれのゴム手袋の感触が麗子の手に合わせて上下に動くごとに

丈二の口からあえぎ声が漏れ、

勃起したペニスからは先走りが流れ始める。

「あっ

 ちょっちょと、
 
 診察は…」
 
枯れた声で丈二は喘ぎながら診察の事をたずねると、

「心配しなくて大丈夫よ、

 既に診察は始まっているわ

 ふふ…
 
 ペニスの太さ、硬さ、亀頭の大きさ、カリの張り具合…
 
 どれもとっても男性の標準的なサイズを上回る逸物ね。
 
 これじゃぁ、
 
 入れられた女の子はみんな泣き叫んだんじゃないの?」

麗子はそう感想を言いながら

ギュッ!!

手に力が入りが更にキツく丈二を握り締めた。

「あぁ!!」

診察室に丈二の喘ぎ声が響き渡る。

「気持ちいいでしょう?

 でもね、
 
 こうするともっと気持ちよくなるわよ」

麗子は汗だくになって首を振る丈二にそう告げると

左手をゆっくりと滑らせ、

彼の肛門の中央部に静かに当てる。

そして、

クチュッ…

手袋に塗りこめられた潤滑剤が軽く音を立てると同時に、

ヌッ

っと一本の指が排泄しか知らない丈二の肛門をこじ開け、

直腸の中に割り込んできた。

「うぅぅっ!!」

外の世界から潜り込んできた侵略者の感覚に丈二は腰を振ってそれを追い出そうとするが、

しかし、両手両足を固定されている彼にとってはその動きは制限され、

侵略者はやすやすと体内奥深くにもぐりこんできた。

「どう?

 挿入された感覚って…
 
 何も知らない藤堂君にはちょっとカルチャーショックだったかな?

 でも…女の子になったみたいで

 気持ちいいでしょう?」
 
丈二の肛門を弄ぶように麗子はそう言うと、

その指は丈二の直腸の中で踊り始めた。

「うわぁぁ!!

 ぐぬぅぅ!!」

肛門をいたぶられる激痛とその中に潜む快感に丈二は翻弄されていると、

「ふふっ」

麗子は丈二のペニスをしごきながら激しく肛門を犯した。

「うわぁぁぁ」

「うぉぁぁぁぁ」

「ふふ…

 そんなに気持ちいいの?

 でもね、女の子はこれの数倍…いえ、数十倍の刺激を受けているのよ、
 
 君が犯した女の子達も同じようにね

 さぁ、そろそろイキましょうか、

 オチンチンの刺激なしにね」

脂汗を流しながらうめき声を上げる丈二に麗子はそう囁くと、

ヌプッ

丈二の肛門にもぅ一本指を入れた。

「うごぉぉぉ!」

ビクンっ

丈二のペニスは溜め込んだ体液でパンパンに膨らんでいるように見え、

射精まで秒読み段階に入る。

それを見た麗子は

グリッ!!

肛門に入れた指を更に奥深く押し込むと、

丁度膀胱の裏にあたるポイントで蠢かせた。

「あっ」

その瞬間、

丈二の視界に火花が飛び散ると、

シュッシュッ!!

膨張しきっていたペニスから爆発するように激しく精液を吹き上げてしまった。



精液を撒き散らし朦朧としている丈二を眺めながら、

「これで終わりじゃないわ…

 やっと、始まったのよ…
 
 貴方への復讐が…」

麗子はそう呟くと、窓の方に目を向け、

その向こうで練習をしているアメフト部の面々を見据えると、

「恵美…

 頑張ったわね、
 
 いま後半戦が始まったところよ」
 
と呟いた。



つづく