風祭文庫・アスリート変身の館






「女教師の罠」


作・風祭玲

Vol.639





「長潟君、

 起きなさい」

百合子の声が響き渡り、

「うっ」

その響き渡る声によって、

闇の底からわき出るようにして長潟隼人の意識は目覚めると、

うっすらと目を開けた。

「あれ?

 ここは?

 保健室?
 
 え?

 えぇ?」

意識を失う前にいたはずのサッカー部の部室とは明らかに違う

その周囲のたたずまいに隼人は混乱をすると、

「やっとお目覚めのようね」

と寝かされている隼人の頭元に女性が腰掛け、

ジッと隼人を見つめた。

「むっ鵡川先生…」

女性に向かって隼人はそう話しかけるが、

「!!」

隼人が出した声は甲高く、

まるで女性の声の様に響き渡った。

「なにこれ…」

予想もしなかった声に隼人はさらに混乱すると、

「うふっ

 綺麗な声…」

と女教師・鵡川静子はそっと隼人の喉元を撫で、

そして、その下で剥き出しになっている鎖骨の膨らみを触った。

「あんっ(ビクッ)」

その瞬間、静子の手の動きに感じてしまったのか、

隼人は思わず喘ぎ声を上げてしまうと、

「すばらしいわ、

 お肌も敏感になっているのね」

鈴子は嬉しそうに微笑む。

「せっ先生?

 僕に一体を…」

鈴の音のような声を上げ、

隼人は静子に理由を尋ねるが、

「別に…」

その問に鈴子はそう答えるだけで、

現在隼人がどうなってしまっているのか明確には答えなかった。

「先生!?

 僕に何をしたんですか?」

顔を青くしながら隼人は起きあがろうとするが、

「あら、

 いまは目を覚ますだけ、

 起きるのは…

 もぅ少し寝てからにしましょうねぇ」

焦る隼人に鈴子は優しく声を掛け、

自分の腕で隼人の胸元を押して

起きあがることを阻止する。

しかし、

ピチッ!

キュッ!

寝かされている隼人の身体には、

張り付くようにして着せられている何かがあり、

また、股間ではそれがしっかりと食い込んでいるのであった。

「先生、

 答えて下さい。
 
 僕に
 
 僕に何をしたんですか」

そんな鈴子を睨み付けながら隼人は怒鳴った。



「え?

 鵡川先生?」

「あぁ…

 お前に会いたいんだってさ」

サッカー部で汗を流す隼人の元に

新任の鵡川鈴子が尋ねてきたのは、

県大会の前日のことであった。

「さすがにモテるなぁ、お前、
 
 鵡川先生と言ったら、
 
 あのチア部の副顧問も務めているんだろう、
 
 その鵡川先生がお前を指名してここを訪れた。
 
 と言うことは…
 
 アレかな?
 
 チア部代表としてサッカー部次期・キャプテンに挨拶。
 
 と言うことかなぁ」

取り次ぎいてきた部員は隼人をからかう。

「ふざけるのも、いい加減にしろ!」

目前に迫った大会のために猛練習をこなしてきた隼人は

流れ落ちる汗を拭き取りながら、

その部員を小突き、

「俺がキャプテンになるだなんてまだ決まってないよ」

と呟くと、

「で、その鵡川先生は、

 何処に来いって?」

場所を尋ねた。

「あぁ、

 それなら、
 
 サッカー部の部室に来ているよ」

隼人の質問に部員はそう返事をすると、

「えぇ?

 あの中に入れたのかよ!!」

と隼人は驚きの声を上げた。

「いや、

 俺も入らないように押しとどめようとしたんだけど、

 別に構わないでしょ

 とか言ってさ、
 
 ズカズカ入り込んだんだよ」

そう部員は状況を説明した。

「かぁ…

 なんつー先生だ…」

その説明に隼人は驚くと言うより呆れると、

「じゃぁ、

 行ってくるか…」

汗に濡れる頭を掻きながらサッカー部の部室へと向かっていった。



ガチャッ!

閉じられていたドアが開き、

「あの…

 長潟ですが…」

様子を探るようにして隼人が部室のドアを開けると、

「どうも…」

その中ではスカートスーツ姿の鵡川鈴子が、

隠してあったポルノ雑誌を捲りながら挨拶をする。

「うわっ

 そっそれ…」

それを見た途端、

隼人は悲鳴を上げると、

「ふむ、

 洋物ですね、これ…」

と鈴子は冷静さを装いながら告げ、

「ふーん…

 スタイルが今ひとつだわ、

 第一、バランスが悪い。

 これだけ大きな胸なら、

 腹筋はもぅ少しあるべきね、

 それと、全体に脂肪が付きすぎだし、

 うん、カメラマンのアングルも悪いわ」

と酷評する。

「はぁ…」

そんな鈴子の姿に隼人は呆気にとられると、

「で、コレを幾らで買ったの?」

と鈴子は尋ねた。

「さぁ、

 先輩が買ってきたもので…」

その質問に隼人はそう答えると、

「ふーん…

 男性はこれで満足しちゃうの?

 全然、女の子の身体を生かし切れてないじゃない」

文句を言いながら雑誌を隼人に渡した。

「はぁ…」

その台詞に面食らいながら隼人は雑誌を渡されると、

「初めまして、長潟君、

 私・鵡川と言います」

鈴子は改まると自己紹介をした。

「はぁ…

 この間の朝礼で挨拶していましたね」

「あら、覚えていてくれたの?」

「えぇ…
 
 確か、1年生の担任をされて居るんですよね」

朝礼で挨拶をする鈴子を思い出しながら隼人は確認をすると、

「えぇ…

 1年で生物を教えています、
 
 また、チアリーディング部の副顧問もしています」

とハキハキと答えた。

「はぁ…

 で、僕にいったい何の用が…」

そんな鈴子に隼人は訪問の理由を尋ねると、

「そうですね、

 率直に言いましょう、
 
 あなたが欲しいです」

と鈴子は隼人に言う。

「はぁ?」

その言葉に隼人は目が点になると、

「うふっ

 欲しいと言っても、

 私の恋人になれ…

 と言うわけではありません。

 チア部に欲しいと言うことです。

 知っているかと思いますが、

 いまチア部では人材が不足しています。

 特に中心で華となる人がいません」

と鈴子はチア部の現状を説明する。

「はぁ…まぁそうですね」

その説明に隼人は去年までチア部を引っ張ってきた、

キャプテン・美河啓子が卒業で抜けて以来、

まるで彩りが消えてしまったようなチア部を思い出す。

すると、

「そこで、

 わたしはサッカー部の次期キャプテンと噂される君に

 ぜひチア部にと思いまして、
 
 そのお誘いに来たのです」

と告げた。

「…え?

 僕がチア部にですか?」

ハイレグレオタードに身を包み

股間を大きく開いて応援する啓子の姿を思い出していたためか、

一瞬間を開けて隼人は驚くと、

「いかがかしら…」

と鈴子は決断を迫る。

「いかがかしらって…

 先生。
 
 ぼっ僕は男ですよ、

 男がチア出来るわけないでしょう!」

鈴子に向かって隼人は食ってかかると、

「あぁ、そこは大丈夫、

 ちゃぁんと処置してあげるから」

と鈴子は言う。

「処置って…

 一体何を…」

その時、隼人はすね毛を脱毛させられ、

さらにカツラを被されて無理矢理チアにさせられることを想像すると、

「うふっ、

 大丈夫っ

 変な女装はさせないわよ」

と鈴子は指摘した。

「え?

 そうなんですか?」

その声に隼人はホッとすると、

「ちゃんとした女の子になって貰うから」

鈴子はそう続けると、

シュッ!

っと一吹き、隼人の顔に薬品を吹きかけた。

「あっ…

 いまなにを…」

薬品を吹きかけられた途端、

隼人の意識は急激に薄れていくと、

鈴子にもたれ掛かるようにして倒れてしまった。



「………そう言えば…

 ちゃんとした女の子になってってもらう
 
 って先生言っていましたよね」

意識を失う前のことを思い出しながら、

隼人は鈴子に尋ねると、

「あら、

 あのこと覚えていたの?」

と鈴子は意外な顔をした。

「先生?

 まさか…本当に俺を女にしたんですか?」

そんな鈴子に隼人は聞き返すと、

「うふっ

 さすが、サッカー部の次期キャプテンと言われただけのことはあるわね。
 
 うん、鋭い質問ね」

鈴子は答えははぐらかした。

「こっ答えてください、先生、
 
 ほっ本当に俺を女にしたんですか?」

真剣な表情で隼人は尋ねると、

「はい、その通り

 女の子になって貰ったのよ

 隼人君はすでに隼人さんになっているのよ」

鈴子はあっさりと答える。

「そんな…」

鈴子のその言葉に隼人は衝撃を受けると、

「なっなんで、そんな勝手なことを、

 もっ戻してください!

 僕を元の男に戻してください」

と懇願した。

「うふっ

 その泣き顔、とっても可愛いわ」

必死に訴える隼人の頬に手を添えながら

鈴子は妖美な笑みを見せながらそう囁くと、

「そんな事はどうでも…」

と隼人が抗議したところで、

鈴子は隼人の顔に自分の顔を近づけていくと

チュッ!

その口に口づけをした。

「!!!」

突然のキスに隼人は驚くと、

チュパ

「うん…」

鈴子は隼人の頭に手を合わせ、

重ねている口を横にひねる。

すると、

さらに接している面積が広くなり、

鈴子の舌が隼人の口を割って中に入ってきた。

「うっ

 うっぷっ」

本来ならこのようなことは、

夢心地の中で行われるのであるが、

しかし、いまの隼人には鈴子のこの行為は拷問でしかなかった。

女にされた上に、唇まで奪われたことに

隼人は涙を流し始めると、思わず泣き出してしまった。

「あらあら、

 泣いちゃって、
 
 心まで女の子になってきたみたいね」

そんな隼人の姿に口を離した鈴子はそう言うと、

「じゃぁ、見せてあげるね、

 女の子になった君の身体を…」

と囁きながら隼人の身体の上に掛けられている毛布をはぎ取った。

すると、

キラッ!

医務室の照明を受けながら、

白地に赤と黄色のストライプが入ったチア部のレオタードが光り輝き、

その下では大きく膨らんだ胸に

絞り込まれたウェスト、

そして、胸と同じくらいのボリュームがあるヒップを持った

女性化した隼人の身体が姿を見せる。

「こっこれは…」

文字通り、

ボン!

キュ!

ボン!

の3拍子そろっているプロポーションに隼人の目が奪われるが、

しかし、それが自分の身体であることを思い出すと、

「あぁぁ…

 うわぁぁぁぁ!!!」

膨らんだ胸、

突起物が無くなってしまった股間を幾度も確認しながら、

隼人は悲鳴を上げた。



「もぅ、そんな驚かなくても良いじゃない、

 でも、さすが、サッカー部で鍛えてきただけのことはあるわね、

 性転換してもそれがそれがしっかりと引き継がれて、

 そっても、魅力的な身体になったわ…
 
 うん、それならチア部のキャプテンとして通用するわよ」

と鈴子は言う。

「チア部のキャプテン?

 それを、俺にしろと…」

胸と股間を隠しながら隼人は鈴子を睨みつけると、

ダッ!

隼人は鈴子に飛びかかり、

「俺を元に戻せ、

 早く元に戻せ!」

と鈴子の首を絞めながら怒鳴った。

すると、

「ニヤ…」

隼人がのし掛かっているにもかかわらず、

鈴子は笑みを見せ、

そしてその直後、

ヌプププ…

隼人の体内で何かがうごめいた。

「うっ

 ウグワッ!!」

その途端、隼人は飛び上がり、

そして、股間を押さえながら

「うわぁぁぁっ

 いっ痛い!
 
 うぐぅぅ!」

悲鳴を上げ転がり回った。

「ふぅ…

 まったく、力任せに人の首を絞めて…」

転がり回る隼人を見ながら起きあがった鈴子は自分の喉をさすると、

「お仕置きが必要ね…」

と呟くなり、

グリッ

手にしていたリモコンのスライドスイッチを上に上げた。

すると、

「いっいやぁぁぁ!!」

隼人の艶めかしい悲鳴が上がり、

そして、股間にかかるレオタードを濡らしながら転げ回るが、

しばらくすると、動かなくなり

「あっあぁぁぁ…」

白目を見せながら喘ぎ始めた。

「ふふっ

 生娘にはちょっと酷だったかな?

 いきなり激痛だからねぇ…」

と口から泡まで噴き上げ始めた隼人を見下ろすと、

グリッ

上げていたスイッチを下ろし、

そして、

ドンッ

そんな隼人の腰に脚を乗せると、

「隼人君…

 君はもぅサッカー部員じゃないのよ、

 わたしが退部届を出しておきました。

 そして、いまはチア部、

 チアリーディング部に入部したのよ、

 ふふっ
 
 そのハイレグのレオタードはチア部の証、
 
 そして、いま貴方が着ているのは、
 
 チア部キャプテンが着る特別のレオタードなのよ
 
 聞こえる?

 だからねっ

 いまから特訓するわ、

 チア部として恥ずかしくないように…」

と告げると、

「判ったなら頷きなさい

 そうじゃないと、
 
 こうしちゃうわよ」

と言った途端、

グリッ!

リモコンのスイッチを引き上げた。

すると、

激しく膣の中が揺さぶられ、

「うがぁぁぁぁ!!」

隼人の悲鳴が木霊する。

「どう、

 素直になる?」

悲鳴を上げる隼人に鈴子は尋ねると、

コクッ

コクコクッ

隼人の首は上下に動いた。



ハァハァ

ハァハァ

膣への責めが停止させられ、

隼人はフラフラしながら立ち上がると、

「せっ先生、

 僕に何を仕掛けたんですか?」

と愛液でビショビショに濡れた股間を押さえながら尋ねる。

「うふっ

 こういう時のために特別のバイブを仕込んだわ、

 言うことを聞かないときは容赦なく襲うようにね」

隼人の質問に鈴子はそう答えると、

「さぁ、

 あなたのデビューは3日後に行われるサッカー部の試合よ」

鈴子はそう言いながら隼人にボンボンを手渡し、

「時間はないわ

 特訓、行くわよ、
 
 従わなかったらお仕置きよ」

と声を張り上げた。



そして、3日後、

「なぁ、なんで長潟のヤツ、

 サッカー部を辞めたんだ?」

試合会場で部員達が囁き逢っていると、

ピピーッ!

観客席から笛の音が響きわたり、

「ゴーゴー!!」

とチア部が応援する声が響いた。

「おっチア部か、

 なんか久々だな、
 
 あれだけ、威勢良いのは…」

それを聞いたサッカー部の面々は顔を上げ、

ボンボンを大きく振り、

踊るハイレグレオタードの集団を見た。

すると、

「あれ?

 チア部のキャプテン代わったのか?」

と真ん中でひときわ大きく股を開く少女の姿を見つけて指さすと、

「あぁ、本当だ、

 へぇ、
 
 結構な美人じゃないか」

「へへっ

 スタイルもまた良いようだ」

「あんな娘が彼女になってくれるといいなぁ…」

と言いながら部員達はチア部の真ん中で踊る少女を見つめていた。



一方、

「ゴーゴー!」

と声を張り上げ、

股を開き、

そして、ボンボンを振り続けている隼人の後ろには、

副顧問の鈴子の姿があり、

「さぁ、

 特訓の成果を見せるのよ!」

とハッパを掛け、

そして、その声に隼人はさらに大きく股を開くと、

「みんな、ごめん。
 
 おっ俺。

 チアガールにされちゃったよ」

かつての仲間に自分のクレパスを開いてみせるように

隼人はポーズをしてみせた。



おわり