風祭文庫・アスリートの館






「強化合宿」
(第3話:都の変身)


作・風祭玲

Vol.332





ウォォォォォォン…

あたしを乗せた高速バスは一路高速道路を駆け抜けていく、

その車内からあたしはヘッドホンステレオを聞きながら車窓を眺めていると、

シャンッ

「あらっ…」

出発時から聞いていたMDが終わってしまった。

「………」

その時ふと、ガラス越しにあたしの前に座る富山拓人の姿を見たあたしは、

腰を浮かせると

ツンツン

ツンツン

っとヤツの肩を突っついた。

すると、

「ん?」

目覚めの不愉快そうな顔をしながら拓人があたしの方を見たので、

「ねぇ、なにかいいMDあったら貸して」

と覗き込むようにして尋ねた。

「あぁ、そこに入っているから適当に持って行けよ」

鬱陶しそうな表情をしながら拓人はそう返事をすると

プイっとあたしに背中を向けた。

「(なによっ、もうちょっと愛想良くしてもいいじゃない)」

そう思いながらあたしは、

「じゃっ遠慮なく」

と言って、

彼の隣の席に置かれているバックのチャックを開けるとその中を漁り始めた。



あたしの名前は中山都、器械体操をやっている高校2年生。

そして、あたしの前に座っているコイツの名前は富山拓人、

どういう訳か小学校からの腐れ縁でもある。

で、なんで、二人揃ってバスに乗っているかというと、

あたしも拓人も共に先日開催された体操の大会で堂々入賞し、

それから程なくして、

あたしの元に県の体育連盟が毎年開催している

夏休みの強化合宿についての案内が舞い込んで来た。

「合宿ですか?」

練習の後、顧問の先生に呼ばれたあたしは思わず聞き返すと、

「えぇ…

 中山さんも知っているでしょう?

 県で上位に入った選手を集めての強化合宿の話」

送られてきた書面を見ながらそう顧問の先生があたしに言うと、

「はいっ!!

 確か、昨年3年の金山先輩が行かれた合宿ですよねっ」

と身を乗り出しながらあたしは答えた。

「やったぁ!!」

そのときあたしはこの場で飛び上がりたいほど嬉しかった。

そう、この合宿に参加した殆どの人たちは

後にオリンピックの代表に選ばれているだけに、

あたしの感激はひとしおだった。

「ただ、

 この学校からはあなたの他に男子の富山君も選ばれているので…」

「へぇぇ…

 富山君も…ですか?」

顧問の先生が最後に付け加えたその言葉にあたしは意外な表情をすると、

「そういえば、富山君と中山さんって古くからの付き合いだそうね」

「えぇ…小学校からですが」

「あらそうなのっ

 じゃぁ、顔見知りが居て良いじゃない。

 それじゃぁ、

 切符などは男子の顧問の先生と話し合って手配しますから、

 頑張ってくるのよ」

ポン!!

と顧問の先生に言われながら肩を叩かれたあたしは

「はいっ」

力を込めた返事をした。



都心付近ではバスは渋滞に巻き込まれたものの、

しかし、程なくすると快調に走りはじめていた。

「よしっこれを借りよう…

 ふぅん、

 拓人ってこういう趣味をしていたのか」

そう思いながらあたしは一枚のMDを取り出すと、

自分のプレイヤーにセットをした。

そして、自分のバックからポッキーの箱を取り出すと、

「ねぇねぇ…これ食べる?」

とお礼の意味も込めて箱を拓人の方に差し出した。

すると、

「あのな…遠足に来て居るんじゃないんだぞ」

拓人はイヤホンを外しながら文句を言う、

「(ヤレヤレ)

 全く、硬いわねぇ…

 そんな事じゃ女の子に嫌われるわよ」

ポリポリとポッキーを食べながらあたしはそう言うと、

「お前こそ、そんなに食べていいのか?

 下手に太って、後で泣いても知らないぞ」

と拓人からそう指摘されたとき、

ウヲォォォン

バスは分水嶺の長いトンネルに入った。

ナトリウム灯の明滅の中、

ゴワァァァァン

バスのすぐ傍を大型車の運転席が抜き去って行こうとしたとき、

カタンっ

鞄の上に置いてあったMDプレイヤーが振動で滑り落ちてしまった。

「あっ」

あたしはすかさず腰を屈めて、

手を伸ばしてイスの下に落ちたプレーヤーを拾っていると、

カッ!!

一瞬、周囲が光に包まれた。

「え?」

光に驚いたあたしは思わず顔を上げると、

ゴワァァァァァァン

バスは何事もなくトンネルを出ると山間部を走っていた。

「何かしらいまの…」

そう思いながら前の席に座っている拓人の方を見ると、

彼も何か驚いた顔をしていた。

「どうしたの?」

そんな彼にあたしが話しかけると、

「いや…あれ?」

拓人はキョロキョロしながら周囲を見し、

「なぁ…バスの前…タンクローリーが走っていなかったか?」

とあたしに尋ねてきた。

「タンクローリー?

 さぁ?

 あたしは気が付かなかったけど?」

そうあたしは返事をすると、

「なんだったんだ?」

まるで白日夢を見たような表情で拓人は呟いていた。



「すみません、城西高の富山と中山ですが…」

無事に宿舎にたどり着いたあたしと拓人は事務所の受付に行くと、

「あっはい、

 富山さんと中山くんですね。」

受付の係員はそう聞き返すと手続きを始める。

「?

 富山さん?

 中山くん?」

係員の言葉を聞いたあたしと拓人はお互いに顔を合わせるとそう呟いた。

「では、同室となられる方は既に来ていますので」

顔を上げた係員はそうあたし達に言うと、

「あっはい」

あたし達はそう返事をして受付を済ませた。

「じゃっ」

「頑張ってね」

と言ってあたしは拓人と別れると、

そのまま宿舎へと向かっていった。



宿舎に着いたあたしは

「中山・沢渡」

あたしと同室者の名前が書かれた紙が貼られたドアを叩くと、

「開いているよ」

と部屋の中から返事が返ってきたので、

「あっはいっ」

その言葉に従ってあたしはドアの取っ手を捻ると、

チャッ

とドアが開いた。

そして、

「失礼します」

と言いながら部屋の中に入って

改めて沢渡さんに挨拶をしようとしたとき、

「え?」

部屋の中にいた人物の姿を見て思わず驚くと、

「あれ?

 あたし…部屋を間違えちゃった!?」

と叫んでしまった。

そうあたしの前で立っている沢渡さんの姿は、

青のジャージのズボンに白のTシャツ姿でありながら、

髪を短く刈り上げ、まるで男の人のような姿だった。

「なっ中山さん?」

どう見ても男子に見える彼女?が驚きながらそうあたしに尋ねると、

「えっえぇそうですか…

 ここって男子の部屋ですか?」

呆気にとられながらあたしはそう尋ねると、

「いや、女子だよ…」

と彼女?はきっぱりと否定した。

「女子?

 じゃぁ、あなたは女の人なのですか?」

彼女の言葉に思わずあたしが聞き返すと、

「そうだよ、俺はちゃんとした女子だけど…

 それよりも驚いたなぁ

 いきなり男子の制服を着たヤツが入ってきたからさ、

 なんだ、オカマと同室かよ」

と言いながら彼女は頭を掻きながらあたしをシゲシゲを眺める。

「はぁ?(あたしがオカマですって?)」

その言葉にあたしは驚くと同時に、

ムカついてくると、

「あっあたしの…どこがオカマなんですかっ!!

 いい加減なことを言わないでください!!」

彼女の言葉にあたしは思わず反論しようとすると、

『17:00からミーティングを行います。

 各自、食堂に集まるように』

と言う放送が入った。

「うぃーす」

その放送に沢渡さんはそう返事をすると、

「じゃ行くか…オカマさんよ」

と言いながら腰を上げた。

「なっ…(ムカつくわねぇ)」

あたしはとにかく、

コーチに抗議しようを着替えもそこそこに食堂へと向かっていった。

しかし、

「え?

 どっどーなっているの?」

食堂に集まったメンバーの姿にあたしは更に驚いた。

そう、食堂に集まったメンバー全員が沢渡さんと同じ男の姿をしていたのだった。

「どーなっているの?」

彼女らの姿を眺めながら、あたしは呆気にとられていると、

「だれ?」

「さぁ?」

「何だあの格好は…」

「男の格好をしているぞ…」

「オカマか?…」

「そんなんで良くここに来れたな」

とあたし見ながらそう囁く声が聞こえてきた。

あたしは訳も分からずイスに腰掛けると、

「ミーティングを始めるぞ」

と言いながらジャージ姿のコーチが俺達の前に立った。

無論、コーチも刈り上げ頭に男みたいな逞しい身体をしている。

「まずは私が、今回の合宿で君たちの面倒を見ることになる。

 コーチの中島だ」

と彼女は自己紹介をするとこの合宿の方針をあたし達に話した。

しかし、その言葉の中にも女子には無縁の語句が含まれ、

まるで男子に言い聞かせる話をしているようだった。

そして、話が終わるや否や、

「そこのお前っ」

っとあたしを指さした。

「はい?」

返事をしながらあたしは立ち上がると、

「名前と学校は?」

「城西高の中山ですが…」

コーチの質問にあたしは反射的にそう答えると、

「………」

コーチは怪訝そうにあたしを眺め、

「なんだぁ?、

 男の格好をしやがって、オカマか、お前は」

と呆れた口調でそう言った。

「あっあのぅ男の格好って、

 これが普通じゃないんですか?」

その言葉にあたしは抗議すると、

「違うだろうが、

 それになんだ、そのナヨナヨとした身体は、

 よくお前はこの合宿に参加できたな…

 いいかっ、

 この合宿参加した者は将来のオリンピックへの道が開けるんだぞ、

 ったくぅ…仕方がないな…

 どういう基準でお前が選ばれたのか知らないけど、

 とにかく、俺がお前を徹底的に鍛えてやるからなっ」

コーチはあたしを指さしてそう言うと

ククククク…

小さな笑い声がミーティングルームに響き渡った。

そして、

ミーティング後コーチの部屋に来るように言われた。



コンコン!!

「中山です」

ミーティング後、あたしはコーチの部屋に行くと、

「入れ!」

コーチの声があたしを部屋へと招き入れた。

そして、コーチは部屋に入ったあたしの身体をジロジロと眺めた後、

「おいっ、

 着ているのを全部脱げっ」

とあたしに言った。

「え?」

その言葉にあたしが驚くと、

「何をボヤっとしているんだ、

 お前の体のつくりを見るんだよ」

とコーチはあたしに言う、

「………」

コーチの恫喝にあたしは怯えると、

仕方なく着ている服を脱ぎ捨てた。

「なるほど…」

全裸になったあたしをコーチは興味深そうに眺める。

「まぁまぁ鍛えてはいるみたいだけど…

 でも、なんか男の裸みたいだなぁ…

 毛なんて全然生えていないじゃないか」

と言いながら首を傾げた。

そして、あたしの局部を見たときに、

「お前…女チンポが全然出て無いけど、

 なんだ?

 切っちまったんか?」

と指摘した。

「え?」

思いがけないその言葉にあたしは驚くと、

「お前…これじゃぁ男を抱けないぞ」

と言って笑った。

「どっどういうことですか?

 それは?」

コーチのその言葉にあたしが聞き返すと、

「まぁいいっ

 で、お前の得意種目はなんなんだ?」

とコーチはあたしに尋ねてきた。

「え?

 あっそれなら、平均台ですが…」

とコーチの質問にあたしは答えると、

「おいっ待てよ、それは男子の種目でだろうが?」

とコーチはあたしを睨みながら言う。

すると、

「なぁ、お前…

 ひょっとして男になりたくて男性ホルモンをやっているんじゃないのか?」

とコーチが言った。

「なっ誰がそんなものをしていますかっ」

コーチの言葉にあたしは思いっきり怒鳴ると、

「おいっ

 そんな大声を出すなよ」

とコーチはあたしに言った。

すると、

「とにかく、その身体じゃぁ、

 吊り輪も満足に出来ないだろうし、
 
 ったく…どうするか…
 
 仕方が無いなぁ…
 
 ちょっとだけでもドーピングをするしかないか」

コーチはそう呟くと、

「おいっシャワーを浴びたら、

 医務室に来いっ」

そうコーチはあたしに言うと腰を上げた。



「じゃぁ、服を脱いでそこのベッドに仰向けになってろ」

シャワーを浴びて汗を流したあたしが言われた通りに医務室へと向かうと

先に医務室で待っていたコーチは俺にそう指示をした。

「え?」

コーチの言葉にあたしは思わず戸惑うと、

「女だろうが、なにを恥ずかしがっているだ?

 ほらサッサとしろ」

「はっはぁ…」

コーチに急かされるようにしてあたしは着たばかりのトレーナとズボンを脱ぐと、

そのまま診察用のベッドの上に横になった。

すると、

「まったく、男みたいなパンツを穿きやがって…

 おらっパンツも取るんだ」

と言うコーチの声が降ってくると、

「はい…」

あたしは恥ずかしさを隠しながら下着を脱ぎ捨てた。

「中山ってホント、男みたいな身体をしているんだなぁ」

コーチはあたしの身体をシゲシゲと見ながらそう言うと、

ヌルッ!!

チューブから絞り出した塗りクスリをあたしの身体に塗り始める。

「え?、あのぅ…」

コーチの手の動きと共にゆっくりと広がっていくクスリの感覚にあたしが驚くと、

「おらっ、じっとしてろ」

コーチはそう言いながらあたしの乳首から股間にかけてを丹念に塗り込んでいく。

そして、あたしの首のしたから脚の先まで丹念に塗り込められると、

「よしっ、

 じゃぁ俯せになれ」

とコーチはあたしに指示をした。

「はぁ」

あたしは言われるまま俯せになると、

ジワッ

薬を塗られた部分がゆっくりと熱くなってくると

痺れるようなくすぐったいような

そんな言いようもない感覚があたしを襲い始めた。

「…くっ……はぁ…」

あたしは脂汗を流しながらそれに耐えると、

あたしの背中をクスリがゆっくりと覆っていく。



「じゃぁ、

 また明日、シャワーを浴びたらここに来い、いいな」

あたしの身体にクスリを塗り終わったコーチはそう言うと

あたしは解放されたが、

しかし、ジンジンとあたしの身体を襲う快感にあたしはフラフラしながら、

部屋に戻るとそのまま布団を頭から被ってしまった。

「はぁはぁ…

 くぅぅぅ…なんなのこの感覚…

 あぁ…体中に力がみなぎっていく…
 
 それにあそこが…
 
 熱い」

布団の中で息を殺しながらあたしは自分の股間に手を持っていくと、

プクッ!!

とあそこの中で思いっきり膨らみきっているクリトリスを諫めた。

「はぁ」

キュッ

シュッシュッ

あたしは痛いくらいに勃起しているクリトリスを弄りながら

燃え上がる身体を諫めようとするが、

しかし、幾ら諫めても一向に鎮まる気配を見せることはなく、

「うっ…」

いきなり絶頂を迎えてしまうと、

ビシャッ!!

あそこから吹き出した粘液が下着を濡らしてしまった。

「はぁ…

 こんなオナニーは初めて…」

あたしは絶頂の余韻に浸りながら、

俺はまるで身体全身が性器になったような感覚に酔いしれていた。



翌日…

「集合!!」

高原の風が吹き抜けていく体育館にコーチの声が響き渡ると、

「では、昨日話したとおり、

 目的意識を持って合宿に臨むように

 いいか、この合宿で何かを見つけられた者だけが伸びていく
 
 絶対に自分だけの何かを見つけるように、以上」

と訓辞を言うと、

「ウィッス」

ジャージ姿のメンバー全員は一斉に返事をするが、

しかし、殆ど一睡も出来なかったあたしは寝不足の目でそう返事をしていた。

そして、念入りな柔軟運動後、

あたしの他のメンバーが次々とジャージを脱いでいくと、

「え?」

あたしはジャージの下から出てきた彼女達の姿に呆気にとられた。

「短パン?」

そう、あたし以外のメンバーは皆

男子が着ているランニングに短パンの姿で各々練習を始めだした。

それどころか、

彼女らの身体はまるで男みたいに逆三角形の逞しい胸回りに太い腕、

そして、腰は見事に引き締まっていた。

「どうした?」

唖然としているあたしの様子を見ながら沢渡さんが近寄ってくると、

「いやっ

 あの…」

戸惑いながらあたしはジャージを脱ぐと、

「ちょちょちょっと!!」

あたしの姿を見た沢渡さんは驚くなり、

「中山、お前、なんでレオタードなんか着ているだ?」

と怒鳴ると、

「ちょっとこっち来いっ」

そう言ってあたしを体育館の更衣室へと引っ張っていった。

そして、

「ほらっ、

 俺のを貸してやるから、

 コレに着替えろよ」

と言いながらあたしに短パンとシャツを差し出した。

「こっこれを着るの!!」

それを手にとったあたしは声を上げると、

「バカかお前は、

 当たり前の事を聞くな」

と沢渡さんはあたしに怒鳴ると、

「………」

仕方なくあたしはレオタードを脱ぐとそれを身につけた。

「はぁ…

 一体どういう所にいんだ?
 
 お前は…」

と呆れたような口調で沢渡さんはあたしにそう言った。

そして着替え終わったあたしを待ちかまえていたのは、

床演技の徹底的な修正と

筋力トレーニングだった。



「本当にお前って男のクセが付いているんだな」

練習後グッタリとしているあたしに沢渡さんはそう言うと、

「あっあのねぇ…

 あたしに言わせればあなた達の方がおかしいよ…」

練習による疲れと言いようもない怠さと眠気に抗しながら

あたしはそう言ってみるが、

しかし、

「?」

あたしの言葉に沢渡さんはクビを傾げるだけだった。

そして、迎えた夜…

あたしは再びコーチの手で丹念にクスリを塗り込められた。

その影響かどうかは判らないが、

翌朝には、腕や脚の毛が濃くなり始めると

次の日には、体中の筋肉が張ってきたような感じがし始めた。

そうしているうちに、

あたしの胸から乳房が次第に小さく薄くなっていくと、

胸の筋肉は徐々にだが確実に盛り上がっていった。



そして、合宿も後半に差し掛かった頃、

あっ

ビクン!!

短パンを穿こうとしたをあたしの手が

膨れて女唇から飛び出したクリトリスに思いっきりぶつかると、

あたしは思わず声を漏らしてしまった。

「どうした?」

そんなあたしの様子に沢渡さんが声をかけると、

「なっなんでもありませんっ」

あたしは顔を真っ赤にして俺は沢渡さんに背中を向けると、

「ちっちぇなぁ、お前の女チンポは」

と沢渡さんはあたしに言った。

「そっそんなこと関係はないでしょう」

沢渡さんのその言葉にあたしは反論をすると、

「ふふふ

 俺なんか、ホレ」

ブラン…

そう言いながら沢渡さんが下着を降ろすと、

まるで、ゾウの鼻を思わせる肉の棒が姿を見せた。

「きゃっ」

まるでペニスのようなその姿にあたしは思わず目を背けると、

「何を恥ずかしがっているんだよ、

 俺なんてまだ小さい方だぜ、

 コーチなんて俺の倍はあるんだからな
 
 まぁ、女はチンポが大きくないともてないからな」

と沢渡さんはそう言うと短パンを引き上げ、

「中山も身体を鍛えて女チンポを大きくするんだな」

そう言いながらあたしの肩を叩くと出ていった。

「そんな…

 あれじゃぁまるで男じゃない」

あたしはそう呟きながら短パンを引き上げた。

そして、

その日から日を追う毎にあたしの身体には

次第に筋肉が付き、

体型も徐々にであるが逆三角形の形へと変化していった。

「あたし…

 男なの?

 それとも女なの?」

胸毛が生え、そして大きさを増してきたクリトリスと、

筋肉が盛り上がった身体にあたしは困惑していった。



「おっ、やっと吊り輪が出来るようになったか」

ギリッ…

吊り輪の練習をするようになったあたしを見ながら沢渡さんはそう言うと、

「えぇ…」

タンッ

っと床の上に降り立ったあたしは膨らみを増した胸を眺めながらそう返事をした。

既にあたしの腕や脚にはビッシリと毛が生えそろい、

その一方で胸や腰にはまだ貧弱であるが筋肉が確実に盛り上がっていた。

そして、練習後、コーチがあたし達の前に立つと、

「さて、長かった合宿もうすぐ終わりだ

 俺はお前達をずっと見てきたが、

 一人一人が何かを見つけたと確信している。

 そこで、明日、ここで男女の合同合宿を行う」

とあたし達に告げた。

「合同合宿?」

その言葉を聞いたあたしの脳裏に忘れていた拓人の顔が浮かんだ。

「拓人があたしのこの身体を見たら…」

あたしはあたしの筋肉モリモリの姿を見て笑い転げる拓人を思い浮かんだ。

「どうした?」

ガックリと意気消沈しているあたしを見て沢渡さんが声を掛けてくると、

「なんでもない…」

あたしはそう返事をすると体育館から立ち去っていった。



「明日…拓人があたしを見る…」

夜、布団に潜ったあたしは思わずそう呟くと、

厚くなった自分の胸板をそっと抱きしめた。

「どうしよう…

 こんな身体じゃぁ…会えないよぉ」

そう思っていると、

ビクンっ

あたしの股間が突っ張っていく感覚がすると、

ムリムリ

っとクリトリス…いや、あたしの女チンポが勃起し始めた。

「あっダメッ」

思わずあたしは勃起していく女チンポを押さえたが、

しかし、

いつの間にか、

シュッ

シュッ

っと硬く勃起している女チンポを扱いていた。

「あぁ…あたし…男になっちゃったのよ、

 見てこのチンポ…」

譫言のようにあたしは呟くと、

盛んに巨大化したクリトリスをしごき続けていた。



そして、迎えた男女合同練習の日、

「………」

久々に会う拓人に自分のこの姿が見られるのが恥ずかしくて、

あたしはジャージの上下を上から着込むと

合同練習会場となってる体育館へと向かっていった。

「そんなに着て暑くないか?」

呆れながら沢渡さんがあたしに尋ねると、

「まっまぁ…」

あたしは適当な返事をする。

そして、体育館に到着すると、

すでに体育館の中では男子達の手によって用具類を揃えていた。

「え?…女の子?」

用具類を揃えている男子の姿を見たあたしは思わず目を見張った。

そう、彼らは皆、延ばした髪を頭の後ろでお団子を作り、

また、誰も線が細く見え、

まるで、女子の選手を見ているようだった。

そしてその中で一人の男子の姿が目に入った。

「あっあれは…」

あたしは急いでその人の所へと向かっていくと、

「おっオス!!」

と声を掛けた。

すると、声を掛けられた相手は驚きながらあたしを見ると、

「みっ都か?」

と話しかけてきた。

「拓人…」

あたしは久々に見る彼の姿に思わず抱きつきたくなったが、

それを我慢して

「ちょちょっと時間がとれる?」

と話しかけると、

「あっあぁ…

 ただ、いまはちょまずいから後で…」

と拓人は周囲を気にしながらそう返事をすると、

「うん、判った…じゃぁお昼にあそこの倉庫で…」

とあたしは彼にそう言って隅にある体育倉庫を指さすと

そのまま女子のチームの方へと戻っていった。

「なんだ、お前の彼氏か?

 結構可愛いじゃん」

チームに戻ったあたしに沢渡さんがそう言ってくると、

「ちっ違うよ…」

困惑しながらあたしは答えていると、

程なくして男子との合同練習が始まった。

あたしは男子チームの平均台や平行棒と言った

本来なら女子がやるべき演技を呆然と眺めていた。

そして、その中で女性のような身体になった拓人がレオタード姿で

注意を受けながら床の演技の練習をしていた。



「では1時まで休憩です」

その声が挙がるとあたしは昼飯もそこそこに倉庫へと向かっていった。

体育館の中から人影は居なくなり閑散としている。

ガチャン!!

あたしは周囲に誰も居ない事を確認して慎重にドアを閉めると、

足を忍ばせつつ奥へと向かうが、

まだ、拓人は来ていないらしく中は無人だった。

そして暫くすると、

カチャッ

と言う音共に一人の人影が入ってきた。

「拓人…」

あたしはそう声を掛けながら、

入ってきた人物の前に立った。

「都…か…」

そう言いながら拓人はあたしの身体をじっくりと見る、

プリン…

久しぶりに見る拓人の身体はまるで女の子のような姿になり、

胸の2つの膨らみと括れた腰周りが彼の変身ぶりを如実に語っていた。

「そんなにじっくりと見ないでよ」

じっとあたしを見る拓人の視線に

あたしは思わず恥ずかしくなって身体をよじると、

「いやっ、すっかり変わったなぁ…」

っと拓人はそう言うと、

「拓人だって、

 オッパイが膨らんでいるじゃない、

 それにそのレオタード…似合っているわよ」

とあたしは拓人の変化具合を指摘した。

「あっ」

あたしのその言葉に拓人は慌てて股間を両手で隠すと、

「ふふふふふ…」

あたしはそんな拓人の姿に思わず笑ってしまった。

程なくしてあたしと拓人は跳び箱を背にして並んで腰を下ろすと、

あたしから先に拓人と別れてから自分の身に起きた出来事を喋った。

「そうか…」

両膝を抱え込みながら拓人はそう返事をすると、

「拓人も同じ目にあったのね」

とあたしは拓人の身体を見ながらそういう。

そして、

「ねぇ…あたし達、どうなるのかしら?」

とあたしが呟くと、

「さぁな…」

蛍光灯が灯る天井を眺めながら拓人がそう返事をした。

「このままじゃ

 あたしは男の選手に

 拓人は女の子の選手になっちゃうよ」

顔を伏せながらあたしがそう呟くと、

「おれも、どうして良いのか判らないんだよ、

 逃げ出す訳にはいかないし、

 けど、このまま居たらあたし…じゃなかったあたしは女子選手になっちゃう」

そう拓人が言うと、

「でも、ここの人たちは

 女子は体を鍛えて吊り輪や鞍馬、

 男子はレオタードを着て平均台や段違い平行をするのが普通と思っている。

 はぁ…どうしたらいいんだ?」

いつの間にかあたしは男の口調でそう喋ると、

再び顔を伏せてしまった。

「………」

無言の時間が流れていく、

すると、

ふっ

チーズのような拓人の汗の匂いがあたしの鼻に入ってくると、

ドクン!

「うっ」

あたしの胸の奥にムラムラとしたものがこみ上げてくると、

ビクンっ

瞬く間に股間の女チンポが勃起してきた。

「なんで…

 どうして…」

あたしは自分の体の変化に戸惑ったが、

しかし、次第にあたしの手が自分の股間をまさぐり始めると、

はぁ…

はぁ…

とあたしの息は次第に荒くなっていった。

すると、

「なにを…」

突然掛けられた声にあたしはハッとすると慌てて手を引っ込めた。

「いけない…拓人がいるんだった」

あたしは顔を真っ赤にしてそう思うと、

「都…それは…」

と拓人はあたしの股間を指さしながら尋ねてきた。

「え?」

ビクン!!

「あっ!」

あたしは女チンポが股間を持ち上げて勃起していることに気づくと、

「いやっ、見ないで…」

と言いながら股をきつく閉じ両手で顔を覆った。

すると、

「みっ見せて」

「いやっ」

嫌がるあたしを押し倒して拓人が両手であたしの股をこじ開けてきた。

カァーッ

あたしは股を広げながら顔を隠していた。

「これは…」

拓人は驚きながらそっと女チンポに触れると、

ビクン!!

あたしの身体が大きく飛び跳ねた。

すると、拓人の手はそれを抓むように

ギュッ

っと握った。

「いやっ恥ずかしい!!」

「都…お前…チンコが…」

驚き様を隠せない拓人の台詞があたしの耳に入ってくると、、

「違うの、違うのよ、

 それはクリトリスよ、

 女子の選手はみなクリトリスが飛び出しているのよ、
 
 拓人がオッパイを膨らましているように」

とあたしは拓人に訴えた。

「そんな…」

あたしの言葉に拓人は驚いていると、

ドクンっ

あたしの身体が勝手に動き出すなり、

ガッ

拓人に飛びかかってしまった。

「なっ何を!!」

「(はぁ)ねぇ…お願い、いっいっぱつやらせて

 拓人のココ…もぅ穴が開いているんでしょう?」

もぅ何がなんだか判らなかった。

あたしは本能の赴くまま、拓人にそう告げると、

「都っ、どうした!!」

そう言って抵抗をする拓人の口を塞ぐようにキスをした。

むぐぅぅぅ

拓人は足をばたつかせながら抵抗をするが、

しかし、力ではあたしの方が勝っているために、

拓人はあたしを押し返すことが出来ず、

まさにあたしのなすがままだった。

「はぁはぁ」

あたしは荒い息をしながら

バッ

と拓人の上に馬乗りになると、

穿いている短パンを脱ぎ捨て、

そして、

「舐めて…」

と一言言いながら、

ビンッ

っと勃起した女チンポを拓人の口に押し込んできた。

「やめろぉ」

そう言いながら拓人は必死で抵抗するが、

「(はぁ)ねぇ、感じて居るんでしょう?

 だって拓人の乳首硬くなっているよ」

ギュッ

ギュッ

あたしは自分の手を後ろに廻しながら、

レオタード越しに拓人の乳首を抓りあげてきた。

「あうっ」

「ふふ…感じているのね、

 女の子はね、全身が性感帯なのよ」

拓人の反応にあたしはそう言いながら69の体勢になると、

拓人の股間で小さく勃起しているペニスをレオタードを脇に寄せて出すと、

チュッ

っと口に含む。

すると、

「あぁ…」

拓人がそんな声を上げながらあたしの女チンポをしゃぶりはじめると、

「あぁいいよ、拓人…さいこー」

あたしはそう言いながら

萎縮して小さな瘤のようになっている拓人のキンタマの後ろをまさぐると、

すぐに小さな菊門が姿を見せる。

「うふっ」

それを見たあたしは小さく笑うと、

指にツバを付けると、

グッ

と押し込んだ。

すると、

ズブズブズブ…

あたしの指は拓人の体の中へと入って行く、

すると、

「(ビクッ)ひゃうんっ」

拓人はそんな声を上げて身体を跳ねさせると、

「…綺麗よ、拓人のオマンコ…」

とあたしの口が動いた。

「おっ俺のオマンコ?」

あたしの言葉に拓人はそう返事をするが、

しかし、あたしの指は拓人の穴を確かめる様に

グリグリ

と動くと、

「あっ、いやっ

 そんなに激しく動かさないで!!」

拓人は悶えながらそう訴えた。

そして、それを見た途端、

あたしは、ある種の罪悪感を感じると、

スッ

っと菊門から指を抜いた。

しかし、その間に、

ビンッ

あたしの女チンポは棍棒のように硬くなっていた。

とその時、

「お願い…あたしのここに都のオチンチンを入れて」

と拓人が懇願してきた。

ドクンっ

拓人のその言葉にあたしの胸は張り裂けそうに鼓動をすると、

「うん、いくよ」

と呟くと、

そっと、拓人のお尻に手を当てると、

硬く勃起した女チンポをその穴に押し込んだ。

「あっ…熱い…いっいい…」

口から涎を垂らしながら拓人は悶えると、

「あぁ…拓人の中に…俺…入っている」

ヌプ…

ヌプ…

あたしはそう言いながら腰を動かし始めた。

「いや、動かさないで…

 いっちゃう」

そう訴える拓人をあたしは無我夢中で犯していた。

男と女が逆転した二人が絡み合う様子が影になって壁に映る。

すると、あたしの女チンポの付け根に何かが溜まっていく感じがした。

「あぁ…なに?

 何かが溜まって…

 だっ出したい…」

見る見る溜まっていくそれに反応してか、

あたしの腰の動きは次第に早くなっていく。

「あぁ…

 いやっ

 いやっ

 ダメ

 いっちゃう

 いっちゃうよぉ!!」

絶頂へ突き進んでいるのか、拓人がそう訴えると、

「あっ

 出る出る
 
 何かが出るぅぅぅ!!」

あたしも女チンポの根本に溜まったモノが一気に突き抜けていくと

「あぁ

 イクぅぅぅ」

そう声を上げながらあたしと拓人は絶頂を迎えた。

そして、それと同時に

「ぷちゅぅぅぅぅっ」

あたしの女チンポからなま暖かい体液が吹き出すと、

拓人の身体の奥深くへと注ぎ込んでしまった。

「あぁぁぁぁ…

 俺…

 オトコになっちゃった…」

そう呟きながらあたしの意識はうっすらと消えていった。



「おいっ、生きて居るぞ!!」

「しっかりしろ!!」

カッ!!

「うっ…」

煌々と照らされた灯りと叫び声にあたしが気づくと、

たちまちオレンジ色のレスキュー隊があたしの身体を担ぎ始めた。

「なに?」

突然の声にあたしは意味が分からず周囲に視線を移してみると、

「え?」

投光器に照らし出されたのは壊れたバスの車体だった。

訳の分からないままあたしは病院に搬送され、

そして、事の詳細を知ったのはそれの翌日だった。

「え?

 トンネル崩壊?」

駆けつけたママ達から詳細を知らされたあたしは驚きの声を上げた。

そう、あたし達を乗せたバスを追い抜いていったタンクローリーが

整備不良が原因の大爆発を起こすと、

その衝撃でトンネルが崩壊してしまったとのことだった。

幸い少し前を走っていたトレーラーの荷台が爆風を遮り、

また、同時に崩壊したトンネルがその後の煙を遮ってくれたので、

後続への被害はさほど大きくはなかったが、

しかし、あたし達の救出には時間が掛かったそうだった。

「そんな…危機一髪だったのね…」

そう言ってあたしは感心していると、

ママからとんでもないことを聞かされた。

「それってホント?」

唖然とするあたしにママは静かに頷いた。

そして、

「都ちゃんだけじゃないのよ、

 拓人君も…
 
 その…身体が女の子になっちゃっているのよ」

とママはあたしに説明をした。

「そんな…」

呆然とするあたしの股間にはビクッと動く一本の肉棒が聳えていた。



それから1年が経ち、

あたしは鍛え上げた筋肉を盛り上げながら、

吊り輪の演技をしていた。

「ねぇあの人よ」

「事故が原因で男の子になっちゃんだって?」

「そんな事ってあるの」

「さぁ?」

そんな声にあたしは耳を貸さず、

クンッ

鮮やかにフィニッシュを決めた。



おわり