風祭文庫・アスリート変身の館






「キャプテン美咲」
(最終話:反抗)



原作・風祭玲

Vol.636





「イチィ!

 ニィ!

 イチィ!
 
 ニィ!」

放課後の体育館に少女達の声が響き渡る。

「イチィ!

 ニィ!

 イチィ!
 
 ニィ!」

規則正しく響くその声の主は

己の身体美を魅せるために作られたレオタードを身に纏い、

そして、舞い踊る乙女の園・新体操部であり、

その新体操部に所属する少女達が柔軟運動で上げている声であった。

「イチィ!

 ニィ!

 イチィ!
 
 ニィ!」

少女たちの声の中を新体操部キャプテン・松ヶ瀬美咲がゆっくりと歩いていくと、

やがて、その先に大洲岬と中山篤の姿が見えてくる。

「(ふふっ

  ちゃんと、柔軟をしているわね)」

二人一組になって柔軟運動に汗を流す姿に美咲は微笑むと、

「身体が柔らかくなりましたね」

と声を掛けた。

「あっキャプテン」

その声に岬と篤は慌てて立ち上がると、

「あっいいのよ、

 そのまま続けなさい。

 新体操選手にとって身体の柔らかさは命、

 柔軟を疎かにすることは出来ないんですから」

と指摘する。

「はっはい」

その言葉に二人は声をそろえて返事をするが、

しかし、二人の白く色の抜けた肌の上には深紅のレオタードが覆い、

突き出た2つの膨らみが誇らしげな胸。

絞り込まれるようにくびれたウェスト。

丸く膨らんだヒップをことさらに強調する。

そして、何よりも二人の股間には

かつてマウンドで共に汗を流していたときには存在していた肉棒が消され、

くっきりと彫り込まれた縦溝と

それに沿って広がる黒い染みが

二人が着ているレオタードを妖美なものへと変えていたのであった。

「(あらあら、

  お股に染みを作っちゃって…)」

股間の染みを見ながら美咲は微笑むと、

「(この二人は完全に新体操部員になったみたいね、

  さて、問題は…)」

と呟きながら視線を動かし、

「ところで、藤堂さん、

 蔦さんの姿が見えないみたいだけど」

先日サッカー部員から新体操部員になった蔦卓也の姿が見えないことを

岬達の隣で一人柔軟運動に汗を流している藤堂勇気に尋ねた。

「あっはぁ、

 実は…」

美咲の質問に勇気は困惑しながら顔を上げると、

「キャプテン!」

美咲の後ろから岬と篤が声を掛ける。

「はい?」

その声に美咲が振り返ると、

「あっあの、

 全てはあたし達が悪いんです」

と岬と篤は訴えた。

「悪いって?」

「はい、

 蔦さん…

 最近、サッカー部に戻りたいって言うようになって…

 無論、私たちは新体操のすばらしさ、

 レオタードの魅力について話しました。

 でも、蔦さんにはそれが思うように伝わらなくて…」

と事情を話し肩を落とした。

「そうですか」

二人の説明に美咲はそう答えると、

「無理もありませんね、

 身も心も新体操部員になったあなた方と違い、
 
 蔦さんはまだ身体が完全にはなっていません。

 男としての本能がサッカー部へ誘っているのでしょう」

と呟く。

「あの、

 あたし達はどうしたら…」

美咲のその言葉に岬と篤は困惑しながら尋ねると、

「あなた達は何もしなくても良いわ、

 ここから先はわたしがします」

と答え、体育館から去っていった。



その頃、卓也は新体操部のジャージ姿のままサッカーゴールの所に立っていた。

サッカー部のキャプテン時代。

卓也はこのゴール目指していつもボールをけり込んでいた。

「はぁ…

 ここで汗を流していたのは随分昔のように感じたけど、

 でも、ついこの間のことなんだよなぁ…」

あの日、

教室でいまでは新体操仲間となった岬と篤との痴態を目撃し、

それが元で新体操部へ入部させられてしまった日のことを思い返すと、

「戻りたい…

 また、ボールを思いっきり蹴られる日に戻りたい」

と呟くが、それとほぼ同時に、

ピチッ!

ジャージの下に着ている新体操部のレオタードの感覚が走った。

「あっ、

 うっ」

胸周りと股間…

最近敏感になってきている部分をまるで攻め立てる様にレオタードは締め付けてくると、

「あぁぁん!!」

卓也は喘ぎ声を上げながらその場に座り込んでしまった。

「はぁはぁ

 はぁはぁ

 うっ

 新体操部員…

 僕は…新体操…

 嫌だ、

 新体操なんて嫌だ」

座り込みながら卓也は頭を抱えていると、

ポーン!

一個のサッカーボールが飛び、

トン!

卓也の身体に当たる。

「え?」

ボールが当たった衝撃を感じた卓也が顔を上げると、

「あれ?

 蔦キャプテンじゃないですか」

「どうしたんです?」

「久しぶりですね」

の声と共にサッカーのユニフォームを身につけたサッカー部員達が走り寄ってきた。

「あっ、

 いっいやっ」

かつて一緒にプレーをした部員達にいまの姿を見られたくないのか、

卓也は慌てて立ち上がると、

「じゃっじゃぁ…」

と言い残し、立ち去ろうとするが、

「あっどうです?

 一汗流しませんか?」

とサッカーボールを転がしながら部員が話しかけてきたのであった。

「え?」

その言葉に卓也が振り返ると、

「ここのキャプテンだったんですから、

 少しぐらい付き合ってくださいよ」

と別の部員も誘うと、

「えっいやっ

 あの…

 それは…」

もし、こんな所を美咲に見られたら…

と思いながら卓也は固辞していると、

「さーさ」

そんな卓也に構わずサッカー部員達は卓也の手を引き、

そのまま部室へと連れ込んでしまったのである。

そして、

「あぁ、

 ユニフォームはその辺のを適当に使ってください。

 洗ってないのが多いですので、

 ちょっと臭いがありますが」

と部員は言い残し卓也一人残して立ち去っていく

「あっこの臭い…」

久々に嗅ぐ男の汗臭ささの中、

卓也はいま自分が男の中に戻っていることを実感し、

「おっ俺…

 戻ってきたんだ、

 サッカー部に…」

と呟くと、干してあるユニフォームの一着を手に取った。

そして、

新体操部のジャージを脱ぎ捨てると、

その下で輝くレオタードを躊躇いもなく脱ぎ、

汗の臭いを放つサッカーユニフォームを頭から被った。



「よしっ

 行くか」

まるで、掛けられていた魔法を解かれた勇者のように、

サッカー部員に戻った卓也は自分の顔を叩くと、

バンッ!

勢いよく部室のドアを開けて表へと飛び出して行く。

「俺は…

 やっぱり、サッカーが一番だ」

そう思いながら、



「いったぞ!」

「いけっ」

「ディフェンス下がれ!」

卓也が戻ったサッカー部は久々に熱のこもった練習を始め出すと、

部員は皆、生き生きとして動き、

卓也もまたコレまでの鬱憤を晴らすかのようにフィールドを走り回る。

ところが、

ポーンッ!

卓也に向けて蹴られたボールの姿を見た途端、

「うっ」

卓也はある衝動に駆られるようになったのである。

それは、

「…したい…」

「…したい…」

ボールを手に取り、

そして、弾ませながら新体操の演技をすることであった。

「くそっ

 ダメだ、

 ここはサッカーだ」

心の奥底からわき出てくるその思いを必死に振り払いながら卓也は走るが、

しかし、

パンッ!

ザザザ…

部員が蹴ったボールが丁度自分の目線目がけて飛んでくると、

「あっ」

卓也は胸でそのボールを受け止めて見せるが、

その直後、

ポーン!!

卓也はそのボールを手で弾ませてしまうと、

空高く飛ばし、

そして、次の瞬間、

飛んだボールをすぼめた背中で受け止めてみせたのであった。

それはまさに新体操のボール演技であった。



「ハッ!

 しまった」

沈黙してしまった周囲に卓也は気づくと、

慌ててボールを落とし、

そして直ぐにボールを蹴ろうとするが、

しかし、そのボールをまた手で取ってしまうと、

今度は高く放り投げてしまう。

「あぁ…

 なんで…」

突然、サッカーが出来なくなってしまったことに卓也は戸惑っていると、

「はっ」

フィールドの端に美咲が立っていることに気づいた。

「きっキャプテン!!!」

じっと自分を見ている美咲の姿を見た途端、

卓也の緊張はピークに達した。

そして、

まるで引き寄せられるように卓也は美咲の元へと向かっていくと、

「うふっ

 こんなところで新体操の練習?」

と美咲は笑顔で尋ねる。

「ちっ違うっ

 俺はサッカーを…」

美咲の言葉に卓也は反論をすると、

「あら、そうなの?

 でも、さっきの演技はなかなかだったわ、

 うん、こういうところでの練習も良いかもね」

と美咲は卓也が思わずしてしまった演技の評価をする。

「あっあれは…」

「どうしたの、早く続きを見せて…」

「いや、だから」

続いての演技を所望する美咲に卓也は言い訳をしようとすると、

「でも、

 演技はレオタード姿じゃないとだめよ」

と釘を刺して見せる。

「うっ」

その言葉に卓也は声を詰まらせてしまうと、

「違う…

 おっ俺は…

 新体操部員なんかじゃない、

 もぅレオタードなんて着ない!」

と言い返して見せるが、

「え?」

卓也が放った言葉に美咲は驚くと、

「ふふ…」

小さく笑い、

「言うようになったわね、

 それとも、ここだから言えたのかな?」

とフィールドを見渡しながら尋ねる。

「なっ

 違うっ

 俺は…

 新体操部員じゃない。

 サッカー部員だ」

そんな美咲に向かって卓也は言い返すと、

「あら、そう?

 じゃぁ、サッカーをして見せて?」

そう美咲は言葉を返す。

「判ったよ、

 見せてやるよ!

 俺のサッカーを!」

卓也はそう言い返し、

そして、

「おーぃ、

 そのボールをこっちに回せ」

と指示を出して部員にボールを蹴らせると、

走ってきたボールを美咲の目の前で勢いよく蹴ろうとした。

ところが、

スッ!

無意識に卓也はボールを拾い上げると、

そのボールを弾ませ、

そして、高く飛ばすと、

2回転しながらキャッチをしてみせる。

パチパチパチ

「うんっ

 良くできました」

ポーズを決めてみせる卓也に美咲は拍手をすると、

「あっ」

それに気づいた卓也は思わず青くなってしまった。

すると、

「ほら、よく見てご覧なさい

 あなたの身体はすでにボールを蹴ることを忘れ、

 ボールと共に舞うことを覚えてしまっているのですよ」

と美咲は指摘する。

「そっそんな…」

「ふふっ

 どうしたの?

 さっきの勢いは、

 さぁ、サッカーをしなさい」

そんな卓也に向かって美咲はまくし立てると、

「そんな、僕はサッカー部員だ、

 サッカー部員なのに…

 なんで、ボールを蹴れないんだ!!

 くそぉ

 なんでなんで」

歯を食いしばりながら卓也は立ち上がり、

手にしていたボールを部員に向けて投げるとリプレイを要求した。

しかし、

卓也は飛んでくるサッカーボールを手で受け止め、

それを、高くバウンドさせると、

笑顔を魅せ、華麗に舞いながら手でキャッチしてみせる。

その姿はまさに新体操部員そのものであった。

ポーン…

ハァハァハァ

くはぁ

「なんで、

 どうして、ボールが蹴られないんだ、

 どうして、サッカーが出来ないんだ」

グラウンドを幾度も叩きながら卓也は泣き始めると、

ザッ

そんな卓也の前に勝ち誇ったように美咲は立ち、

「ふふっ

 コレで判ったでしょう、蔦卓也さん。

 あなたはもぅ、サッカー部員じゃないのよ、

 ボールと共に舞う、新体操部員よ」

と冷酷に告げたのであった。

「僕が、新体操部員…」

美咲の言葉に卓也の目が凍ると、

「そう、あなたは新体操部員、

 ふふっ

 サッカーボールでも立派に新体操を舞えるだなんて、

 そのユニフォームよりもこのレオタードが似合うわよ、

 さぁ、その汗くさいユニフォームを脱ぎなさい。

 そして、このレオタードを着るのよ」

卓也の心情を無視し、

美咲はさっきまで卓也が身につけていた深紅のレオタードを差し出して見せる。

「僕は…新体操部員…

 新体操部員なのか、僕は」

差し出されたレオタードを眺めながら卓也はつぶやき続けていると、

「ふんっ」

美咲は鼻を鳴らし、

「もぅ一押し必要か…」

と呟いた。

そして、

「ねぇ、そこの君たち」

遠巻きに見ているサッカー部員達に声を掛けると、

「蔦さんに、このレオタードを着させてあげて欲しいんだけど」

と声を上げたのである。

「えぇ!!」

美咲のその言葉にサッカー部員達は驚くと、

「ふふっ

 当然、協力してくれるんでしょう?」

と美咲は含み笑いをしてみせる。

「うっ」

美咲のその笑みにサッカー部員達は皆凍りつくと、

「うっ…はい…」

困惑しつつも頷き、

そして、美咲からレオタードを受け取ると卓也に迫ってきた。

「おっお前ら…

 なっなんだ、

 この女の言うことを聞くのか」

迫ってくるサッカー部員達に卓也は驚くと、

「きっキャプテン…

 すっすみません。

 松ヶ瀬さんからに命令には逆らえないのです」

と部員の一人が声を上げた。

「なっなんだよ、

 どうしてだ、

 どうして…」

迫る部員達におびえながら卓也はジリジリと後ずさりしてゆくと、

「キャプテン…

 あなたは、もぅ新体操部員なんですよ、

 そこを弁えてください」

と別の部員が告げ、

さらに、

「さぁ、僕たちの手であなたを新体操部員にしてあげます」

と言う。

「待て、

 おいっ

 いやだ、

 レオタードなんていやだ」

サッカー部員達の手を払いながら卓也は悲鳴をあげ、

「うわぁぁぁ!!

 来るなぁ!!」

絶叫を上げながら、

迫る部員のユニフォームを手でつかむと思いっきり引っ張る。

すると、

ビリッ!

布の裂ける音が響くのと共に、

その部員のユニフォームが裂けた。

ところが、

「おっお前…」

「あっいや…」

その部員のユニフォームの下から出てきたのは、

紛れもない紺地に赤と黄色のストライプが入った女子の競泳水着であった。

「そんな…

 コレは一体…」

競泳水着を晒す部員の姿に卓也は驚くと、

「ふふっ

 教えてあげましょうか、

 もぅサッカー部員は居ないのよ。

 ここにいる者達は皆女子水泳部員達よ」

と美咲は卓也に言う。

「女子・水泳部員だって?」

美咲の言葉に卓也が驚くと、

「ふふっ、

 あなたが新体操部に入った後、

 この子達、水泳部の女子更衣室を覗いてね、

 で、水泳部のキャプテンのお仕置きとして、

 みんな、競泳水着が似合う女の子にされてしまったんだよね」

嬉しそうに美咲が部員達に話しかけると、

「キャプテン!

 サッカー部はもぅ無いんです。

 いくら、キャプテンがサッカー部に戻ろうとしても、

 無いんです」

と部員は次々に訴え、

そして、サッカーのユニフォームを脱ぎ捨てた。

「お前達…」

ずらりと並んだ競泳水着姿の部員達の姿に卓也は呆気にとられると、

「これが、いまのあたし達の姿です。

 みんな、女の子になってしまいました」

と部員達は言う。

確かにどの部員も胸は膨らみ、

腰は括れ、

そして、膨らんだヒップと、

それに続く股間には縦に刻まれた溝の影を浮かび上がらせる。

「そんな…

 みんな…女に…」

キュッ!

白い水泳キャップを頭に着けてみせる部員の姿をみて卓也はそう呟くと、

「さぁ、

 あたし達の手でキャプテンを正真正銘の新体操部員にしてあげますわ」

と部員は告げ、

ザッ

一着のレオタードを手に卓也に迫ると、

「よせっ

 やめろ

 うわっ

 来るな!!

 いっいやぁぁ!!」

悲鳴を上げる卓也からユニフォームをはぎ取り、

瞬く間にレオタードを身につけさせようとする。

しかし、

「離せ!!」

腰にレオタードが穿かされたところで、

卓也は部員を突き飛ばすが、

「キャプテン…

 お願いです、女の子になってください。

 あたし達、女の子になって始めて判ったのです。

 女の子ってとっても気持ちが良いことに」

と部員は懇願し、今度は卓也に抱きつくなりキスをした。

その時、

「うっ(ゴクン!)」

卓也は何かを口移しで飲まされると、

「いっいま、

 何を飲ませた!」

と卓也は声を張り上げた。

「うふっ

 女の子になる薬…」

「なに?」

飲まされたものの正体に卓也の顔色はみるみる青くなる。

しかし、

「んくっ

 あん…」

急に卓也の肌が敏感になってくると、

卓也の口から喘ぐような声が漏れ、

「!!!」

自分の口から出たその声に卓也は慌てて手で口を押させた。

「ふふっ

 キャプテン…

 お肌がとっても感じる様になったんででしょう?、

 それは、女の子への第一歩、

 みんな、それを感じながら女の子になるんです」

と部員は言い、

「さぁ、もっと気持ちよくしてあげますわ」

そう言うと、たちどころに手が伸び、

次々と卓也の身体にタッチしてきた。

「あっ、

 ダメ、

 触る…あんっ

 いやっ

 止めて!

 お願い、

 感じちゃうの、

 手を…

 手をどけて」

襲いかかってくる部員達の手に卓也は身をすくめ、

半裸の身体を防護してみせるが

しかし、部員達の責めは容赦なく襲いかかった。

「いやっ

 いやっ」

次第に甲高くなる声を上げながら、卓也は悶えると、

「肌を触られるのがそんなに嫌なら、

 そのレオタードを早く着る事ね」

様子を見ていた美咲がアドバイスをする。

「え?

 あっ!」

その言葉に卓也は大急ぎで穿かされていたレオタードを引き上げると、

手に袖を通し始めるが、

プルン!

すでに卓也の胸には二つの膨らみが盛り上がり、

また、レオタードに覆われたウェストは括れを作っていたのであった。

「あんっ

 あんっ」

ピチッ

っと締め付けてくるレオタードを感じつつ卓也は袖に腕を通した。

すると、

「クス…」

誰が上げたか判らないが、

小さな笑い声が響くと、

一本の手が卓也の股間へと伸び、

レオタード越しに愛撫を始めだした。

「きゃっ!」

突然股間を攻められたことに卓也は悲鳴を上げ、

露わになった太股を締めるが、

しかし、それも部員達の手によって開かれてしまうと、

幾本もの手が卓也の股間を攻め立てた。

「あんっ」

「いやっ」

「かっ感じちゃう」

これまで上げたことがない声を上げながら、

卓也は身悶え、

吹き出た汗でレオタードを濡らしていく、

その一方で、

レオタードを着せられた時には存在していた股間の膨らみが、

みるみる小さくなって行くと、

ジワッ

代わりに縦に伸びる染みが伸びて行き、

モリッ!

その染みの中、縦溝がわき上がるように姿を見せる。

「あんっ

 あんっ

 いっいぃ…」

クチュクチュ、

股間より卑猥な音を立てながら卓也は喘ぐと、

「キャプテン…

 新体操頑張ってくださいね。

 あたし達、応援していますから」

と部員達は口々に言い、

「あんあんあん、

 あっあぁぁん!!」

卓也は部員達の手ではじめて女の絶頂を体験したのであった。



「イチィ!

 ニィ!

 イチィ!
 
 ニィ!」

放課後の体育館に少女達の声が響き渡る。

そのなかをレオタード姿の美咲は満足そうにゆっくりと歩ていくと、

程なくして足を止めた。

するとそこには、

クニッ…

股間に刻まれた縦溝の影を誇らしげに見せながら、

レオタード姿の少女・卓也が勇気と共に柔軟運動をしていて、

卓也の姿をしばらく見つめた後、

クッ

美咲はきびすを返すと、

「みんなぁ聞いて

 もうすぐ大会が始まります。

 この大会はあたしにとって、

 うぅん、新体操部にとってとても大事な大会です。

 力を合わせて優勝しましょう」

と声を張り上げると、

「はいっ!」

美咲の手によってレオタードの似合う新体操部員となった者達は、

声をそろえて返事をしたのであった。



「春子っ

 ありがとう。

 持つべきはやっぱり友達よね」



おわり