風祭文庫・アスリート変身の館






「キャプテン美咲」
(第6話:浸透)



原作・風祭玲

Vol.537





『新体操選手になるための−レッスン2−

 レオタード姿になって大勢の人を見ながら二人で「レズ」ること

 放課後の教室なんてサイコーにもえるわよっ!』

「こっこれは…」

放課後の教室、

その出入り口で可愛いキャラクターが印刷されたメモ用紙を見ながら大洲岬が口走ると、

「見てのとおりよ」

メモを渡した野塚亜由美は笑みを浮かべる。

「レズるって、

 俺達…

 いや、あたし達がですか?」

岬の持つメモを横から見ながら篤は尋ねると、

「他に誰がいるの?

 新体操部員になったからといっても

 あなた達はまだまだ未熟…

 第一、レオタード姿になって人前に出られるの?

 出来ないでしょう?

 だから、キャプテンがこうして

 新体操部員としての心得を伝授しようとしてくれているのよ。

 ありがたいと思わなくっちゃ。

 あーぁ、いいなぁ…

 あたしもこれくらい目をかけてほしいよぉ」

メモの意味を亜由美は説明すると、

そうぼやきながら、

「ねぇ、

 ここちょっと触ってみて」

と亜由美は岬と篤の手を掴み、

グイッ

っと制服の上着の中に手を引き込むと、

その中にある胸の膨らみをさらわせる。

フニッ

「あっ」

「うっ」

亜由美が制服の下に着用しているレオタード越しに感じる膨らみに

岬と篤は小さな驚きの声をあげると、

「どう?

 柔らかいでしょう、

 ’女の子同士’だから触らせてあげるのよ、

 うふっ

 あなた達もあたしみたいになれるように頑張るのね」

顔を真っ赤にしている二人を見ながら亜由美はそう囁き、

「はいっ

 おしまい」

の声と共に二人の手を引き出した。

そして、

「じゃぁ、キャプテンからの特別レッスン、

 がんばってねぇ!

 あっ、

 部活はレッスンが終わってからで良いってさ」

の声を響かせながら亜由美は岬と篤の前から去って行く。

「…なぁ」

「なっなに?」

亜由美が去った後、

未だ余韻を感じ続ける手をじっと見つめながら岬が声をかけると、

その声に驚くようにして篤が返事をする。

「なっなぁ…

 女の子ってあんなに柔かったっけ?」

真っ赤な顔をしながら岬が尋ねると、

「うっうんっ

 柔かったな…」

その声に篤も同意し自分の手を眺めた。



キーンコーン…

帰る者は帰宅し、

また、部活に出る者は去った教室内にチャイムの音が響き渡ると、

西日が照らし出す教室には岬と篤の二人だけが取り残されていた。

「みっ岬…」

静まり返る教室を見渡しながら篤が声をかけると、

「なっなんだよ、篤…」

声を詰まらせながら岬が返事をする。

「誰も居ないな…」

「あぁ…そうだな」

グラウンドから響き渡る声と、

音楽室から響くコーラス部の歌声以外、

聞こえてくる音は無い世界の中。

「みっ岬…

 俺…あたしって柔らかい?」

無言の空間を突き破るようにして篤がそういうと、

グイッ

岬の手に取り、

自分のシャツの中へと引き込ませた。

サワッ

篤のシャツの下、

彼…いや、彼女の肉体を拘束するように覆っているレオタードの感触が岬の手に伝わると、

「うっ」

岬の表情が動く、

そして、篤の手に導かれながら岬の手が胸の位置に行くと、

そこには野球部で鍛え上げられ、

盛り上げっている篤の胸板がレオタードを押し上げていた。

サワッ

サワッ

胸板を確かめるかのように岬の指先が移動していくと、

「うっ

 はっ

 はっ」

感じるのか次第に篤の鼻息が荒くなり始める。

「あぁ…

 篤ぃ

 おまえの胸も…

 柔らかいよ」

篤の乳首をクリクリと指先で弄りながら岬はそう返事をすると、

はぁはぁ…

荒い息をしながら篤の腕が動き、

岬の股間に潜り込んでいった。

「うっ」

股間で蠢く篤の指の動きに岬は声をかみ殺すと、

「ふふ(はっはっ)

 お前のここ…

 硬くなっているよ」

と篤は言う。

「あっ、

 いやっ

 そんな事は言わないで、

 それに、

 あっ篤のここもすっかり固くなっているじゃない」

次第に言葉遣いを女言葉に変えながら岬はそう言い返すと、

ウニウニ…

空いている手で篤の股間をもみ始める。

「あっ(ビクン!)」

岬の指技に篤は身体を跳ねさせると、

「ふふっ

 敏感なのね」

岬はそう囁きながら胸を弄っていた手を抜き篤を抱き寄せると、

そっとその唇に自分の唇を重ね合わせ、

その唇と離した途端、

「うっ

 だっダメだよ、

 こんな事は…」

と篤は囁くが、

「なんで?」

岬は理由を尋ねる。

「だって…」

「だって?

 キャプテンのレッスン忘れたの?

 うふっ

 あたし達、新体操部員よっ

 身も心も新体操部員にならなくっちゃ、

 試合には出してもらえないわ。

 あたし達の舞台はもぅ埃と汗だらけマウンドじゃなくて、

 光り輝く体育館なのよ」

岬はそう言いながら篤のシャツのボタンをはずし始める。

そして、シャツのボタンが外れていくごとに

赤地に黒のストライプが入るレオタードが姿を見せてくると、

「うふっ

 篤の身体…

 すっかり新体操部員じゃない…」

と囁いたのである。

「あぁ、

 やめて、

 それを言わないで」

岬のその言葉に篤も女言葉になると、

「ねぇ、

 あたしのシャツも脱がしてぇ

 鬱陶しいの…

 早く新体操部員にして」

と篤に懇願する。

「うっうんっ」

岬の懇願に篤は岬のシャツを脱がしていくと、

キラッ

西日に生地を輝かせながら

シャツを脱いだ岬の上半身はレオタードが覆う新体操部員へと変身する。

「岬…」

「篤…」

上半身がレオタード姿になった二人は見つめあい、

そして、そのまま抱き合うと、

「あっあぁ…」

「いいよっ

 気持ちいいよ」

と囁きあいながらお互いの感触を確かめ合う、

その後お互いの愛撫はいつしか履いていたズボンを脱がせ合うと、

レオタード一枚のみの姿となった岬と篤は窓を背にして静に抱き合った。

「岬ぃ…」

「あっ篤ぃ…」

「あたしたち…

 新体操部員よね」

「うんっ

 誰が見ても新体操部員だよ」

「もぅ野球部員じゃないよね」

「野球部じゃないよ、

 だって、

 レオタード着ているじゃない」

「うんっ」

「あぁ…

 気持ち良いよ」

「うっ

 あっあたしもよ」

つい先日まで教室から見えるマウンドの上で砂と汗でまみれていた二人だったが、

しかし、今では日に焼け、鍛え上げた肉体には

新体操部が試合に着る赤地と黒のストライプが入ったレオタードが覆い、

そのレオタードは二人の心を確実に新体操部員の心へと侵していた。

そしてその証として、

シットリ…

二人の股間は先走りで濡れ、

レオタードに黒いシミを広げていたのであった。



ハァハァ

ハァハァ

ハァハァ

ハァハァ

内と外からの部活の声をバックに聞きながら、

岬と篤はお互いにレオタードを輝かせ愛撫を続け、

快感にゆがむ日に焼けていた顔は

すでに新体操部員としての表情に変わってしまっていた。

「あぁ…

 気持ちいいよ」

「うぅ…

 あぁ…

 いっいっちゃう」

二人は硬く勃起しレオタードを下から持ち上げている股間を互いに密着させ、

グリン

グリン

と股間をこすり付けると、

先走りで濡れた股間はイヤらしい音を上げる。

ハァハァ

ハァハァ

「みっ岬ぃ…」

「なっなぁに?」

「岬の足…ツルツルになっているぅ」

「うっうんっ

 剃ったのよ、

 だって恥ずかしいじゃない」

「そっそうなんだ」

「あら、篤の足もツルツルよ」

「うんっ

 夕べ剃ったの…

 だって、生えたままだと恥ずかしいじゃない」

「いいのよっ

 足のお手入れも重要よ」

「あっあぁ…

 いやっ

 でっ出ちゃう…

 出ちゃうよぉ」

「うふっ

 もぅ敏感なんだから」

滴り落ちる先走りはさらにレオタードのシミを広げ、

限界を迎えた篤が悲鳴を上げてしまうと、

岬は篤と密着させていた股間を離し再び抱き合う。

さらに、

サワサワ

サワサワ

レオタードに覆われた篤のヒップや背中、

むき出しの腿に手を這わせると、

「あっあっ

 あぁ」

篤は喘ぎ声を上げ、

ビグンッ

股間をさらに硬くしてしまった。

「みっ岬ぃ」

臨界点まで達してしまっている事を篤は岬に告げると、

「限界なの?」

ギュッ

篤を抱きしめながら岬はそう尋ねる。

すると、

コクン…

岬の問いに篤は声で答えずにうなづいてみせると、

「じゃぁ、

 二人一緒に行こう」

岬はそう囁くと篤の手を自分の股間へと導く。

シュッシュッ

シュッシュッ

「あぁん」

「あぁ…」

硬く勃起した股間をレオタード越しに扱き、

岬と篤、

二人の口から喘ぎ声が漏れ始める。

シュッシュッ

シュッシュッ

「あん、あん、あぁん」

「あぁん、いっちゃう

 いっちゃうよぉ…」

「がっ我慢するのよ、

 ほらみんなが見えるわ」

股間を扱きあいながら二人は教室の窓の傍によると、

岬はグラウンドでそれぞれの部活の練習をしている生徒達を指差す。

「あぁ、

 見えるよ」
 
「さぁ、いきましょう

 いってあたし達、見も心も新体操部員になるのよ」

「あぁん、

 こっ怖い…」

「大丈夫、

 さぁ」

イク事に躊躇する篤を諭しながら岬の手が篤の股間を握り締め、

篤も岬の股間を握り締めたとき。



「あぁぁぁ!!」

「うあぁぁぁ!!」

ビュッ!!



岬と篤は身体の中よりこみ上げてきた熱い精液を吹き上げてしまったのであった。

「あはっ」

「あぁぁ…」

ツツ…

レオタードの中に吹き上げた精液が腿を伝って落ちてくのを感じつつ、

二人はその場にガックリと膝を突くと、

「篤ぃ」

「岬ぃ」

互いの名を呼びながら口を重ね合わせ濃厚なキスをする。

もはや、二人は名実共に新体操部員になっていたのであった。



ところが、

「なっなにやっているんだ、

 あいつら…」

教室の中で繰り広げられていた痴態を瞬きもせずに見ていた人物の姿があった。

そう、サッカー部キャプテン・蔦卓也であった。

「まっマジかよ

 え?」

一度はサッカー部の練習に出ていたものの、

忘れ物を取りに教室に戻ってきた彼が開けたままのドアから教室に入った途端、

二人の痴態を見せつけられてしまったのであった

「やっ野球部のあいつらがなんで女の格好をしているんだよ、

 まさか、こんな趣味があっただなんて…」

衝撃の光景に卓也は二人に気づかれないように教室から出ると、

「とっとにかく誰かに…」

と行き場も決めずに走り始めた。

そのとき、

「あれ?

 蔦君っ

 どーしたの?

 青い顔をして」

と言う声と共にクラス委員を務める南雲千歳が声をかけた。

「あっ

 なっ南雲さんっ」

千歳に声を掛けられた事に安堵しつつ卓也は声をあげると、

「ちょちょっと来てくれ」

と言いながら千歳の手を引いた。

「なっなによっ」

いきなり手を引かれたことに千歳は文句を言うが、

「いっいいから…」

卓也は千歳の手を引き教室へと向かっていく、

そして、

「ちょちょっと、そこから見て」

と開け放たれたままのドアから教室を屈んでいうと、

「何があるって言うのよ」

千歳は文句を言いつつしぶしぶ腰を落とした。

ところが、

「誰も居ないじゃない」

教室の中を覗き込む千歳がそういうと、

「え?

 あっあれ?」

レオタード姿になって痴態を繰り広げていた岬と篤の姿はもちろん、

二人が乱したはずの机もきれいにそろえられ、

教室の中はいつもの整然とした姿になっていたのであった。

「一体、どーしたのよ」

腰に手を当てながら千歳が訳を尋ねると、

「いやっ

 ここでな、大洲と中山がなぁ、

 女の格好をしてオナって…」

と卓也はさっき自分が見た光景を説明し始める、

「はぁ?

 何言っているの?

 熱でもあるんじゃない?

 頭大丈夫?」

卓也の説明に千歳はあきれた顔をすると、

「ほっ本当だって、

 本当に…ここで…」

卓也は真剣になって説明をしようとするが、

「もぅ、

 あたし忙しいのよっ」

千歳は一方的に話を打ち切って、

着ている制服の裾に手を下ろすと、

バッ!

卓也の前で制服の上着を脱ぎ捨ててしまった。

「なっ」

千歳のその行動に卓也は驚くと、

「ふふっ

 何を驚いているの?

 あたし、新体操部の副キャプテンよ、

 レオタード姿になってどこがおかしいの?」

と妖艶な笑みを浮かべながらスカートを落とした。

「なっなっなっ

 おっおいっ

 俺は男だぞ

 男の前でなんて格好を」

レオタード一枚になった千歳の姿に卓也は戸惑いながら股間を押さえると、

「さぁ、

 いらっしゃい」

ゆっくりと卓也に近づきながら腕を広げ、

そして、母親が子供を抱きしめるかのように千歳は卓也を抱きしめた。

「うっうぅ」

むぎゅっう…

千歳の胸の膨らみの中に顔を押し込まれ、

仄かに漂う薬品の匂いに卓也の意識は次第に遠くなっていくと、

「うふっ

 蔦君…

 あなたは見てはいけないものを見てしまったのよ」

と言う千歳の声が響いたとき卓也の意識は消えてしまったのであった。



「うっ」

深い闇の中から浮かび上がるように卓也は意識を取り戻し、

閉じていた目を開けると、

そこは明かりに浮かび上がる体育館の中だった。

「ここは…体育館…」

見慣れた光景に卓也は安心しつつ腕を引いたとき、

グッ!!

「え?」

卓也の身体は太いロープによって固定されていて、

「ロープ?」

自分の体を拘束するロープに卓也は驚くと、

「うふふっ

 ようこそ、新体操部へ

 元・サッカー部キャプテン・蔦卓也くん!」

と言う声と共に卓也の前にレオタード姿の女性達…

キャプテンの松ヶ瀬美咲を中心に新体操部の部員達が整列をして見せる。

「なっなんだ、

 お前達は…」

自分の前に勢ぞろいする新体操部員たちに向かって卓也は声をあげると、

「蔦卓也さん」

卓也の名前を呼びながら美咲は一歩前に進み出て、

「これより、

 あなたの新体操部への入部式を執り行います」

と宣言をしたのであった。

「なっなに?」

美咲の言葉に卓也が驚くと、

「執行者前に…」

驚く卓也に構わずに美咲は声をあげる。

その途端、

「はいっ」

「はいっ」

二つの返事が響き渡り、

そして、新体操部員の背後より同じレオタードを身にまとった岬と篤が姿を見せる。

「おっ大洲っ

 中山っ」

レオタード姿の二人の名前を卓也は叫ぶが、

しかし、岬たちにの目にはレオタード姿をクラスメイトに晒す事への恥じらいが無かった。

すると、

美咲は卓也を指差し、

「さぁ、

 この者を新体操部員にしてあげなさい。

 これは、レッスン3ですよ」

と岬たちに命じると、

「はいっ」

「判りました」

岬と篤は互いに返事をし、

そして、

「さぁ、蔦さんっ

 レオタードを着せてあげます。

 うふっ

 あなたも今日から新体操部員…

 仲良くしましょう」

と告げながら卓也に手にしたレオタードを見せ迫っていった。

その直後、

「あっ

 あっあぁぁぁぁ!!」

夜の帳が降りた体育館に卓也の叫び声が響き渡ると、

また一人、新体操部員が増えたのであった。



つづく