風祭文庫・アスリート変身の館






「キャプテン美咲」
(第5話:刻印)



原作・風祭玲

Vol.534





「おーすっ

 どうした?
 
 元気が無いみたいだな」

登校してきた岬が教室に入った途端、

彼の親友であり、

野球部ではバッテリーを組んでいた中山篤が元気よく声をかけてきた。

「あっ

 なっ中山…

 おっおはよう」

篤の声に岬は制服の下に着ているレオタードの事を悟られないように座ると、

オズオズと彼に挨拶をして見せる。

「なっなんだよっ

 その挨拶は…

 お前らしくないな、

 あっでさぁ、

 今度の試合だけどな…」

まだ岬の野球部退部について知らされていない篤は

次の練習試合について話をし始めるが、

「あっ

 うっうん」

そんな篤に向かって岬は退部のことを言おうとしたものの、

しかし、それを言えず、

「(篤っ

  ごめん、

  おっ俺…

  もぅ野球部じゃないんだ。

  しっ新体操部に入れられてしまったんだよ)」

と心の中で呟いていたのであった。



そして、昼休み、

岬と篤が廊下を歩いていると、

「大洲さぁん」

との声と共に一人の女子生徒が岬の下に駆け寄ってきた。

「なっなんですか?」

咄嗟に彼女が新体操部の部員である事を思い出した岬が声をあげると、

「ねぇ、あなたのクラス

 5時間目に体育の授業があるんでしょう?」

と息を切らせながら新体操部員・野塚亜由美は岬に尋ねる。

「そっそうですが」

亜由美の問いに岬はそう返事をすると、

「うふっ

 じゃぁキャプテンからの指示を渡しておくね」

笑みを浮かべながら亜由美はそういい、

そして、

ギュッ

岬の手に折りたたんだメモ用紙を握らせた。

「これは?」

亜由美から渡されたメモに岬が驚くと、

「それに書いてあることをちゃんと実行するのよ、

 これは、新体操部キャプテンの命令だからね」

念押しをするかのように亜由美はそう告げ、

そして、

「じゃっがんばってね」

と言い残して岬の前から去っていったのであった。

「ん?

 今のC組の野塚じゃないか」

去っていく亜由美の後姿を見ながら篤が岬に尋ねると、

「うっうん…

 そうだね」

と口数少なく返事をする。

「で、何を受け取ったんだ?

 ラブレターか?

 やっぱりモテるなぁ、お前」

亜由美より手渡されたものを見逃さず篤は岬に尋ねると、

「ちっちがうよ」

彼のその言葉を岬は否定し、

その場からまるで逃げるようにして走り出すと、

廊下の角で周囲を気にしながら手渡されたメモを開いた。



『新体操選手になるための−レッスン1−

 レオタード姿になって男子更衣室で一人エッチをすること。

 無論、とっても’いらやしく’するのよ』



「そんな…」

渡されたメモに書いてあった新体操部キャプテン・松ヶ瀬美咲からの指示を読んだ途端、

岬の目は真っ暗になりガタガタと身体が震え始めた。

「どーした?

 岬?

 顔色が悪いぞ」

そんな岬に向かって後を追いかけてきた篤が声をかけると

ビクン!!

岬の身体は即座に硬直し、慌てて振り返った。

「なっなんだよっ

 おっかない顔をして…

 ラブレターじゃなかったのか?」

岬のその表情に篤は驚いて見せると、

「あっ篤か…

 いや、大丈夫だよ、

 はは…

 まったく、野塚さんも悪い悪戯をするよな」

岬はそう嘯きながら、

亜由美から渡されたメモ用紙を手の中で握りつぶそうとした。

しかし、

ピチッ!!

岬の身体を束縛するようにして纏わりつくレオタードが

まるで意思を持っているかのように岬の腕を締め上げてその行動を阻止をして見せると、

「あっ」

締め付けてくるレオタードの感覚に岬は手の動きを止める。

「?」

事情を知らない篤は不審そうな表情をすると、

「え?

 あっなんでもないよっ

 あっそうだ、篤っ

 悪いが今日俺、体育休むから、

 野田にそういってくれないか?」

と岬は篤に5時間目の体育の授業を欠席する事を伝えると、

「え?

 どうしたんだ?」

と篤は目をまん丸に見開き声をあげた。

「べっ別に、

 俺が休だって良いだろう」

驚く篤に岬はそう告げると、

「じゃっ

 頼んだよっ」

と言い残して足早に去っていった。



そして、5時間目の授業時間中…

「ピピーッ!!」

体育館に笛の音がなり、

「おーしっ」

「いくぞぉ!」

その掛け声共に体操着に着替えた男子生徒たちが数組に別れバレーボールの試合を始めだした。

そして、その試合の様子を制服姿の岬は体育館の隅に座り込みじっと眺めているが、

しかし、その脳裏には

”レオタード姿になって男子更衣室で一人エッチをすること。”

美咲からのその言葉が繰り返しリピートしていた。

「(一人エッチって…

  …オナニーをしろ。ってだよな)」

体育館の床を眺めながら岬はそう呟くと、

ピチッ

制服の下で身体に張り付くレオタードが岬の背中を押し始める。

「ダメだよそんな…こと…

 もし誰かに見つかったら…」

美咲からの命令の実行を迫るレオタードに岬は抗するが、

しかし、更衣室でオナニーにふける自分の姿を想像した途端、

ムクリ

レオタードに押さえつけられていた岬のペニスが勃起を始めだす。

「あっ

 あぁ」

自分の股間で硬くなり始めたペニスに岬は驚くと、

『さぁ、

 何をしているの?

 早くエッチをしなさい、

 これは命令よ』

と新体操部キャプテン・松ヶ瀬美咲の声が響き渡る。

無論、それは岬の空耳なのだが、

「やっやめろ!!」

幾度も響く美咲の声に岬は頭を抱え盛んに頭を横に振った。

けど、

ピチッ

レオタードがさらに岬を締め付け、

『さぁ

 新体操部員になりたくないの?

 ほらっ

 早くしないと授業が終わっちゃうわよ』

と美咲の声が響くと、

ハァハァ

ハァハァ

岬は震える身体を奮い立たせながら立ち上がり、

のろのろと男子更衣室へと向かい始めた。

「あっあぁ…

 だっダメ…

 ダメだよ

 行っては」

一歩一歩、更衣室へと向かう自分の体に向かって岬が言い続けるが、

しかし、身体は岬の意思とは無関係に更衣室へと向かい、

また、腕はいきり立つ股間を盛んになで始めていた。



カララ…

『男子更衣室』とかかれたドアを岬は開けると、

「ぷはぁ!!」

男達の体臭が充満している更衣室の中へと倒れこむようにして入り込んだ。

そして、

ドタッ

クハァハァ

ハァハァ

更衣室の床にヨツンバになった岬は、

まるで剥ぎ取るようにして身に着けている制服を脱ぎ捨て、

シャツを取ると、その下からは

キラッ

更衣室の窓から差し込む午後の日差しに輝くようにして新体操部のレオタードが姿を見せる。

「あぁ…

 はぁはぁ」

股間を大きく膨らませ、

レオタード1枚になった岬は日差しを受けると、

「うぅ…」

日差しを浴びながら股間でいきり立つペニスを扱き始めた。

「あは

 あはっ

 うぅ…

 あぁ…」

声にならない声をあげながら岬はレオタードの上からペニスを扱き、

そして、片手を上へと滑らせていくと、

野球部で鍛えた胸板が盛り上がる胸をもみ始める。

「はぁはぁはぁ

 あぁ

 あぁ…

 くはぁ」

男子更衣室の中でレオタード姿になり、

涙を流し、胸を揉みながら美咲の言いつけどおりに

エッチに…

そして卑猥に岬は股間の扱き続ける。

やがて、

ジュッ

ジュッ

ペニスの先から先走りがほとばしり始めると、

濡れたレオタードとペニスを扱く指とが、

クチャクチャ

と淫乱な音を立て奏ではじめた。

そして、

「あぁ…

 あぁ…

 僕は…

 わたしは…

 新体操部員なの

 新体操部員の女の子よ…」

という言葉が岬の口からもれ始めると、

ジワッ…

岬の奥からは熱い精液がゆっくりとこみ上げてきた。

「あぁ…

 でっ出ちゃう…

 うぅ

 出ちゃう、

 でちゃうよぉ!!」

涙を流し汗だくになりながら岬は限界を感じたとき、

「みてぇ

 あたし…

 あたしが出すところを!!」

と叫びながら、

ブチュゥゥゥっ

シュッ

シュッ

岬は男子更衣室の中で盛大に精液を吐き出しレオタードを汚してしまったのであった

「あぁ…」

精液を噴出す快感の中、

岬は自分が見も心も新体操部員へと化していく感覚に酔いしれていた。

すると、

「みっ岬っ

 お前、何をやっているんだ…

 それにその格好は…」

体育の授業に出ていたはずの篤が更衣室の中に立ち、

思いがけない岬の痴態に驚き呆然としていたのである。

「あっ篤…」

篤の声に正気に戻った岬は

自らが吐き出した精液でいやらしく汚れたレオタードを慌てて隠すと、

「みっ見ないで!!」

と叫び声をあげた、

「(はっ)おっおいっ、岬っ」

また、岬のその声で篤は我に返ると、

岬に近づき、そして訳を聞こうとすると、

「あたしに近づかないで、

 お願いだから、

 よらないで!」

と叫ぶ、

「いっ一体何があったんだよっ

 なんで、そんなもの着ているんだよ」

岬の身体を覆うレオタードを指差し篤は怒鳴ると、

「だって、

 だって、

 おっ俺…

 新体操部員だもんっ

 新体操部員はレオタードを着ていてもおかしくは無いだろう」

と岬は男言葉と女言葉を混ぜながら叫ぶ、

「岬…

 どうしちゃったんだよ、お前」

信じられないものを見るような目で篤は呟いていると、

パチパチパチ!

いきなり拍手が更衣室に響き渡り、

「はいっ

 レッスン1終了よ」

という言葉と共に制服姿の松ヶ瀬美咲が姿を見せた。

「お前は…

 新体操部の松ヶ瀬美咲…」

姿を見せた美咲を指差しながら篤は美咲の名前を呼ぶと、

「きっキャプテン…」

顔を上げた岬は美咲を見た。

すると、

「ふふっ

 大洲さん、

 ちゃんと、あたしの指示を実行してくれましたね、

 あなたは立派な新体操部員よ」

と笑みを浮かべ岬に告げた。

「おっおいっ

 松ヶ瀬っ

 コレはどういうことだよっ」

そんな美咲に向かって篤が突っかかると、

「どういうことって…

 彼女はわたしの指示に従ったまで…

 新体操部の部員がキャプテンであるわたしの指示に従うのは当たり前でしょう?」

と美咲は返事をする。

「岬が新体操部だってぇ?」

「えぇ…

 昨日、入部届けを提出してくれましたわ」

「なっ

 おっおいっ岬っ

 一体どういうことだよっ

 お前、野球部じゃなかったのか?」

美咲の言葉に篤は驚きながらことの仔細を岬に尋ねると、

「そっ…

 そういうことなんだ…

 あっあたし…

 新体操部に入っちゃったんだよ」

と岬は顔を赤らめながら返事をした。

「なんで…

 どうして?」

岬の言葉が信じられない篤は呆然としていると、

ガツッ!!

いきなり何かを叩く音が響き渡り、

「うごっ」

うめき声を上げながら篤はその場に倒れてしまった。

「あっ篤っ」

突然の卒倒劇に岬は悲鳴を上げると、

「うふっ」

「うふふ…」

倒れた篤の後ろより木刀を持った新体操部員達が姿を現す。

「大洲さん。

 判っているでしょうね」

そんな岬に向かって美咲は尋ねると、

「はいっ

 わっわたしが生まれ変わるところを見てしまった篤は

 わたしたちの仲間です」

立ち上がった岬はそう返事をした。

「はいっ

 そのとおりです、大洲さん。

 今度はあなたが彼にコレを着せてあげるのですよ」

岬の返事を聞いた美咲は笑みを浮かべながら一着のレオタードを差し出すと、

ニコッ

岬も笑みを浮かべ、レオタードを受け取った。



「…あつし

 篤ぃ…」

「うっ」

響き渡る岬の声に篤が目を覚ますと、

ギシッ

篤は手足を縛られた姿で大の字になっていた。

「なっなんだ、

 これは」

いきなりの展開に篤は驚くと、

「ふふっ

 驚いた篤?」

の声と共にレオタード姿の岬が闇から浮かび上がるように姿を見せる。

「岬っ

 お前…

 なんて格好をしているんだ、

 そんなもん、さっさと脱げっ」

岬の姿に篤は怒鳴り声を上げると、

「篤ぃ、

 わたしにそんな事を言う前に自分の格好を見なよ」

と岬は指摘する。

「なに?」

岬のその言葉に篤は眼下に見える自分の身体を見ると、

ピチッ!

いつの間にか岬と同じ柄のレオタードが自分の張り付き身体を覆っていたのである。

「なっなに!?」

レオタードを着せられていることに篤は衝撃を受けると、

サワッ

動けない篤に岬はそっと身体を寄せ、

「篤ぃ

 君もわたしと同じ新体操部員になるんだよ

 ふふっ

 大丈夫、

 ちゃんと、わたしが変身させてあげる…」

そう囁きながら篤のレオタードの上を指をすべらせ、

そして、

ムクッ!!

大きな膨らみが鎌首を擡げる股間を握り締めた。

「うっ」

レオタード越しに感じる岬の手の感覚に篤を顔をしかめると、

「感じているんだろう、

 君のがどんどん大きくなっていくよ」

と岬は篤に囁く、

「ばっ

 馬鹿な事はやめろ」

その囁きに篤は声を詰まらせながら怒鳴ると、

「やせ我慢はやめなよ、

 気持ち良いんだよ、

 こうしてレオタード越しにエッチをすると、

 女の子になれるんだよぉ」

と言いながら岬は篤のすっかり固くなり、

テントのようにレオタードを押し出すペニスを扱き始めた。

シュシュッ

シュシュッ

「やめろ

 やめるんだ、岬ぃ」

扱かれる快感に抗しながらも篤は岬を説得するが、

しかし岬はそんな篤の上に圧し掛かると、

「ねぇ、知っている?

 レオタードってねぇ

 こうして抱き合うととっても感じるんだ」

と言いながら、篤の股間に顔を埋め、

そしてレオタード越しに篤のペニスを愛撫し始めた。

「やめろ!

 やめろっ岬!!」

岬の責めに篤は首を振りながら怒鳴ると、

「篤ぃ、

 ねぇ、あたしにも…して…」

と囁きながら岬は篤の顔に自分の股間を押し当てる。



それから1時間近くが過ぎ、

シュッシュッ

シュッシュッ

「うっくはぁ」

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

レオタード姿の男子生徒2人の痴態は続いていた。

「なかなか堕ちませんね」

二人のその様子を見ながら

レオタードを身にまとった亜由美があきれた口調で言うと

「ふふっ

 大丈夫よっ

 そろそろ限界みたいよ」

と美咲は指差すと、

「うっ

 あっあぁ…」

篤は滝のような汗を浮かべ体の奥からこみ上げてくるモノを必死に堪えていた。

「篤ぃ

 ほうら、我慢汁でレオタードがべとべとになっているよ、

 出したいんでしょう?

 うん、あたしもそうよ、

 出すときは二人一緒に出そう、

 だって、あたしたちいつも一緒だったじゃない。

 さぁ一緒に…」

そんな篤の様子に岬はそう告げると、

シュッシュッ!

さらに激しく責め立てた。

その途端、

「あっあぁぁ!!」

篤の絶叫が響きわたると、

「うっあんっ!!」

追って岬の絶叫も響き渡り、

プッシュッ!!

シュシュッ!!

二人の股間は吐き出された精液で汚されてしまったのであった。



翌朝…

「おはよう」

登校途中の篤に岬が挨拶をすると、

「あっ

 おっおはよう…」

篤は少し恥ずかしそうに挨拶を返す。

「ふふっ」

そんな篤を岬は小さく笑うと、

「ほらっ」

と言いながら袖をめくり、

その下から制服の下に着ているレオタードの袖を篤に見せる。

すると、

グイッ!

それを受けて篤は胸元を開いてみせると、

キラッ

篤の胸元からもレオタードが姿を見せ朝日に輝いて見せる。

「ふふっ」

「ふふっ」

お互いにレオタードを見せ合った後、

岬と篤は手をつなぐと二人並んで校門をくぐる。

それは新しい新体操部員の誕生の瞬間であった。



つづく