風祭文庫・アスリート変身の館






「キャプテンの秘密」



原作・風祭玲

Vol.921





シュルルルルルン

シュルルルルルン

流れる音楽に乗るように体育館の中で幾重にも円を描くリボンが舞い踊り、

そのリボンの元では身に着けたレオタードを天井の灯りに輝かせ

一本のスティックを操り舞う少女の姿があった。



シュルルル

シュルルル

リボンの舞を見せ付けるように少女はリボンを操り、

一気にフニッシュを決めて見せると、

「きゃぁぁ!」

「感動しましたぁ、

 きゃぷてーん!」

と演技を見入っていた同じレオタード姿の新体操部員より歓声が一斉に沸き起る。

「ありがとう」

歓声に向かって新体操部・キャプテンの藤見美紀は笑顔で応えると、

「よっ、さすがは新体操部キャプテン!

 演技も一味違うねぇ」

と2階のデッキから男子の声が響き渡った。

「!!っ」

その声を聞いた美紀は無言で見上げると、

「あぁっ、また来ている」

「そこは立ち入り禁止よぉ」

「こらぁ!

 タダ見をするんじゃんえぇ!」

と男子を見つけた新体操部員達が一斉に飛び出し、

下から罵声を浴びさせると、

「やめなさい」

と美紀は部員達を制する。

「だってぇ、キャプテン!」

「いいんですか?

 あんな奴を野放しにして」

そう言いながら部員達は駆け寄り訴えるが、

「騒ぎ立てないのっ

 あぁいう奴は騒ぐだけ調子に乗るから」

と美紀は部員達に向かって諭し、

「はぁぃ」

その言葉に部員達は不服そうに返事をすると、

デッキの男子に向かって舌を出してみせるが、

「みんなっ、

 いまのあたしの演技を手本にすれば今度の試合、

 高得点を期待できるわ。

 さぁ練習

 練習」

と声をあげると、

「はいっ」

部員達から元気の良い声が響き、

皆、手具を手に取ってみせる。

だが、

「………」

美紀は振り返ってデッキを見上げると、

さっきまでそこに居た男子の姿は消えてなくなっていた。

「帰ったのか?」

姿を消した男子を追いかけるように美紀はデッキの隅から隅まで見つめながらそう呟くと、

「アイツは僕のことを覚えているのだろうか?」

と不意に不安を覚えたのであった。



半年前…

「おーぃ、藤見ぃ!」

学園の一角にその声が響くと、

「あぁ、矢崎かぁ」

デジタルカメラを首から提げた藤見健太は振り返る。

「お前、さっき先生が探していたぞ、

 また盗撮をしていたのか?」

呆れながら矢崎俊哉は健太の大きく膨らんだ腹を殴って見せると、

「盗撮?

 そんなことなんてしてないよ。

 僕は堂々と部活で汗を流す女の子を撮っているんだ。

 特に新体操部は絵になるよ、

 ほらっ、これさっき撮ったばかりだけど」

そう言いながら健太は俊哉にデジカメの画像を再生してみせる。

「はぁ…」

カメラのディスプレイに映し出されるレオタード姿の部員達を見ながら

俊哉は関心をして見せると、

「もし生まれ変わったら、

 僕、絶対に女の子に生まれて新体操をするよ。

 レオタードを着て、

 こんな風になってみたいよ」

とその横で健太は力説する。

「ふーん」

それを聞いた健太は小さく頷くと、

「そうそう、

 君へのお土産だけど、

 これを上げるよ」

と言いながら小さな石がはめられている腕輪を差し出して見せた。

「なにこれ?

 腕輪?」

差し出された腕輪を見ながら健太は小首を傾げると、

「地元の部族に伝わる腕輪だよ、

 なんでも腕輪をつけて願いを込めれば、

 その願いが叶うそうだよ、

 健太なら、さしずめ新体操選手になるかな?」

そう笑ってみせると、

「へぇぇ…」

健太は半信半疑な表情でその腕輪を受け取ったのであった。

そして程なくして

皆の記憶からどういうわけか健太という男子のことは消え、

代わりに新体操部を率いる美紀のことに差し替えられたのであった。



「キャプテン、

 お先に失礼します」

「はいっ

 お疲れ様」

別れの挨拶をしながら部員達が体育館から消えていくと、

天井から煌々と輝く水銀灯に下に美紀一人が残り、

キュッ!

乱れかけた髪の毛を纏めなおすと、

「さて」

手具を手にし体育館の真ん中へと向かっていく、

そして、

タンッ!

シュルルルル…

再びリボンが舞い踊り始め、

そのリボンを操りながら美紀は汗に濡れるレオタードを艶やかに光らせる。

シュルルル

シュルルル

美紀の舞は長く続き、

やがて、

カラン…

手にしていたスティックが床に落ちると、

滴る汗をたらしながら床の上に座り込んでしまった。

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

浅く息を継ぎながら美紀はゴロンと仰向けになると、

そのまま寝転がって天井を眺めるが、

いつの間にか彼女の手が胸と股間へと這って行き、

キュッ

片手がプックリと硬く膨れる胸の突起と、

クニッ

残りの片手が股間に刻まれた縦溝へと潜り込む、

そして、

「あふんっ」

人気の無い体育館に女の喘ぎ声が響くと、

「あっはっ

 あっあっあっ

 あはんっ

 あっあっ」

美紀は体をピクピクさせながらオナニーを始めだしたのであった。

「あふんっ

 ううっ

 うんっ

 あっ

 はんっ

 あぁん」

喘ぎ声を上げる美紀の股間は敏感に反応をしてしまうと洪水のごとくレオタードを濡らし、

硬く引き締まる胸の突起の周囲には噴出した汗で大きな汗染みを作っていく、

そして、一歩一歩

踏みしめるようにして高みへと上っていくと

「あんっ

 あんあんあん

 あんっ

 あはんっ

 あっ

 あっ

 あっあぁぁぁぁぁ…」

ついに美紀は絶頂へと上ったのであった。



「はぁはぁ

 はぁはぁ」

練習の汗と淫靡な汗が混ざった匂いを漂わせながら美紀は体を起こすと、

「ようっ」

と彼女に向かって挨拶をしながら、

夕方にデッキの上で声をかけて来た男子が姿を見せる。

「!!っ

 あっ!」

その声に驚いた美紀は慌てて起き上がり繕おうとすると、

「盛大なオナニーを見せ付けておいてぇ

 いまさら何を恥ずかしがっているんだよ」

と男子は笑って見せる。

「なっなにか用?」

そんな男子を見ながら美紀は顔を赤らめてつつも不機嫌そうな顔をして見せると、

「ふーん、

 すっかり新体操部に溶け込んじゃって、

 キャプテンだってぇ?

 とても信じられないよ」

と馴れ馴れしそうに話しかけてくる。

「!!っ」

それを聞いた美紀は驚きながら男子を見ると、

「そんな顔をするなよぉ、

 健太」

と男子は言う。

「俊哉っ、

 お前まさか…」

俊哉を見つめながら美紀はそう呟くと、

「レオタードの似合う新体操少女になって、

 試合会場の演舞台の上で思いっきり犯されてみたい。

 だっけ?

 君の願いは?」

と俊哉は尋ねる。

その途端、

「なっなにを言い出すんだ

 そんなこと、

 僕は願ったりしないよっ」

それを聞いた美紀は顔をこわばらせて怒鳴ると、

「そんなにムキになるなよっ、

 でも、これって君がまだ男子だったころにネットの掲示板に書いたことだよね。

 忘れたとは言わせないよ、健太君」

澄ました顔で俊哉は言う。

「矢崎ぃ!

 お前!」

俊哉の胸倉を掴んで美紀は怒鳴ると、

「ふふっ、

 僕が君にあげた腕輪の力って凄いよね。

 だって、女の子達が毛嫌いしていたメタボな健太君を

 新体操部のキャプテンにまでしてしまったんだから、

 しかも皆、君を健太ではなく美紀という女の子だと思っている。

 こんなに効力があるとは思わなかったよ」

と言いながら美紀の右腕につけられてる腕輪を指摘した。

「うっ」

その指摘に美紀は慌てて右手を隠して見せると、

「ねぇ…

 もうすぐ新体操の試合なんでしょう?

 もしさっ、

 試合の最中にその腕輪の効力がなくなっちゃったらどうなるかな?

 君が大勢の観衆が見ている下でリボンを回している時にさ、

 元の男の子に戻っちゃったら…」

真顔で俊哉はそういうと、

「やめてぇ!」

美紀は耳を塞ぎ声を上げる。

「うふふっ、

 じゃぁ言いことを教えてあげよう。

 君がつけているその腕輪…

 実はコントロール出来るんだよ。

 僕がその気になったら君はたちまちレオタードを着た変態男になってしまうんだ。

 さぁどうする?

 この場でその腕輪を捨てて女の子に毛虫扱いされている男に戻るかい?

 それとも、僕に怯えながら演技をする新体操部キャプテンで行くかい?

 答えは聞かないよ、ふふっ」

美紀に向かって意地悪そうにそう告げると、

「ねぇ…

 さっき君が見せていたお・な・にぃ、

 とってもエロくって僕のオチンチンもすっかり硬くなっちゃったよ。

 さすがは新体操部のキャプテンだよ。

 でも、あんなにエロいオナニーを見られたのは僕だけなんて、

 他の人が知ったらなんていうかな?

 あーぁ、新体操部キャプテンのオナニーなんて、

 見たい人もいっぱい居ただろうにね

 残念残念」

と言い残して去って行く。

「あっ待って!」

美紀は直ぐに俊哉を追いかけるが、

だが、美紀が体育館から顔を出したときには俊哉の姿は無く、

夜の学校の景色が広がるだけであり、

「そんなぁ…」

俊哉の言葉に美紀は絶望の淵に叩き落されてしまうと、

その場に膝を突いてしまったのであった。



「ねぇキャプテン、なんか元気ないね」

数日後の大会の日、

いつになく元気の無い美紀を見て部員達はヒソヒソ話をすると、

「さっさぁ、

 どうしたのっみんなっ」

と空気を察したのか美紀は元気良く返事をして見せる。

そして、

「さぁ、試合よっ

 これまで練習で流してきた汗を忘れないでね」

皆に向かって美紀はそういうと、

「はいっ」

彼女の言葉に新体操部の女の子は元気よく返事をするが、

その声と同時に、

ブン…

美紀の体内に埋め込まれている物体が小さく振動を始めると、

「あんっ」

たまらず美紀は小さな声を上げてしまった。

「どうしたんですか?

 キャプテン」

それを聞いた部員が心配そうに尋ねると、

「なっなんでもないわ、

 さぁ一旦解散よ」

下腹部を押さえたい衝動を我慢しながら美紀は指示すると、

慌ててトイレへと向かっていく。

そして、個室に飛び込んだ途端、

下腹部を押さえながらケータイを開き、

「お願いです。

 とっとめてください。

 これから試合なんです」

と小声で訴える。

すると、

『それは良いけど、

 でもその前にそこでオナニーをして、

 そして、いま着ているレオタードをビチャビチャに濡らすんだよ、

 これ、命令ね。

 もし、命令に従わなかったらどうなるか判るよね』

と電話口から俊哉の声が響き渡ったのであった。

「そんなぁ…」

体の中で振動する異物を感じながら美紀は呆然とするが、

しかし、迷っている時間が余り無いことに気づくと、

クチュッ

「うふんっ

 あはんっ」

個室の中でオナニーをはじめたのであった。

「なんでこんなことに…

 お願い、

 せめて演技の、

 演技の時には動かないで」

膣と肛門の中で振動するバイブレーションを感じながら

美紀はオナニーを続けたのであった。



おわり