風祭文庫・アスリート変身の館






「毒蜘蛛」



原作・風祭玲

Vol.656





「しっ獅子堂さん、

 ぼっ僕と付き合ってください」

透き通る秋の空の元、

校舎裏にある用具倉庫の前で

汗と泥で薄汚れた野球のユニフォーム姿の少年・水島哲也は、

目の前に立つジャージ姿の少女に向かって坊主頭を深々と下げた。

「え?

 えぇ?」

突然の告白に野球部マネージャ・獅子堂ユリは困惑した表情をすると、

「別に今すぐ返事をくださいとは言いません。

 ぼっ僕は…

 ユリさんのことが…すっ好き…なんです」

日に焼けた顔を真っ赤に染め、

哲也はその胸に秘めた想いを告白をすると、

「そんなこと、

 急に言われても困っちゃうわ」

ユリは困惑した表情をみせる。

「お願いします」

しかし、そんなユリに構わず哲也はさらに頭を下げると、

「うーん…」

渾身の力を込めて告白をしている哲也を見ながら、

ユリは考え込んでしまう。

その時、

「おーぃ、

 獅子堂!」

野球部の練習グラウンドから彼女の名前を呼ぶ声が響いた。

「あっはーぃ」

その声にユリは振り向いて返事をすると、

「このことはあとでね」

と哲也に向かってユリはウィンクをし、

クルッ

彼に向かって背を向けた。

「くっ」

この場で告白への返事を貰えなかった哲也は歯を食いしばり、

そして、去っていくユリの背中を見ると、

ピトッ

ユリが着ているTシャツの上に一匹のクモが張り付いているのが見えた。

「しっ獅子堂さんっ」

掌の半分ほどの大きさで毒々しい斑模様のクモを見た途端、

咄嗟に哲也はユリの名前を呼び、

そして、

「背中に変なクモが…危ない!!」

と叫びながら、

素手で背中に張り付いているクモをはたき落とした。

ところが、

クルッ

叩き落とされたはずのクモは巧みに哲也の手に取り付くと、

ガリッ

その手に噛ついた。

「いてぇ!!」

噛み付かれた瞬間、

哲也の手に痺れに似た痛みが走り、

その痛みは手から肩、

そして、足など哲也の体中を津波の如く駆けめぐっていったが、

程なくして火が消えるように治まってしまった。

”え?

 変なの?”

そのことに哲也は不思議に思っていると、

「大丈夫?」

クモに噛まれた手を押さえながら蹲る哲也の姿を見て、

ユリは心配そうに声を掛けてきたのであった。



「だっ大丈夫です。

 これくらい…」

大粒の汗を滴らせながら哲也は

ユリに不要な心配を掛けないようにと返事をする。

「大丈夫って…

 すごい汗じゃない。

 ちょっと保健室に行こう」

体中から大粒の汗を滴らせる哲也の具合を心配したユリは

保健室に行くことを勧めるが、

「大丈夫です、

 本当に大丈夫…」

哲也はそう繰り返すが、

しかし、

フッ…

急速に意識が薄れていくと、

そのまま意識を失ってしまった。

「水島君っ

 水島君っ

 しっかりして」

気を失ってしまった哲也にユリは幾度も声を掛け身体を揺するが、

ムニムニムニ…

その哲也の身体ではある変化が始まっていたのであった。



「うっうん…」

意識を取り戻した哲也が目を開けると、

彼は保健室のベッドに寝かされたいた。

「あっあれ?

 ココは保健室…」

部屋の中をじっくりと見ながら哲也は身体を起こすと、

ムリン!

その自分の胸から重みのある物体がゆっくりと動いた。

「え?」

これまで感じたことの無かったその感覚に哲也は胸に手を持って行くと、

ムチッ!

自分の胸に大きな膨らみが出来ていることに気づく。

「なっなにこれぇ?」

胸の左右両方に出来ている膨らみに哲也は困惑しながら声を上げると、

「!!っ」

自分の口から出たその声に気づき、

哲也は慌てて口に手を当てた。

”なっ何だいまの声は…

 まるで女みたいな…”

自分の声が変わってしまた事に哲也は驚き、

そして、自分の口に当てている手をどけ、

恐る恐るその手を見てみると、

”細い!!”

そう、彼の視界に飛び込んできた自分の手はまるで女性のそれと同じくらい細く、

とても野球部員の手とは思えない様な白さであった。

「なっなんだこれぇ?」

膨らんだ胸、

声色が変わった声、

そして、白く細い手に哲也は驚き大声を上げると、

シャッ!

仕切っていたカーテンが開けられ、

「あっ目が覚めた?」

の声を共に科学部部長である雪村春子が姿を見せる。

「え?

 お・お前は…科学部の変態部長!」

春子の姿を見た途端、哲也はそう叫ぶと、

「あら、変態部長とはご挨拶ねぇ…

 せめて、天才部長と言って欲しいわ」

と春子は長く伸ばした髪を梳き、

パチン、

前髪にハートマークをあしらった髪留めを付けてみせる。

「それ、

 全然似合わないぞ」

そんな春子に哲也はそう指摘すると、

ジロッ

「そんなことを言っていると、

 男に戻してあげないわよ」

と春子は哲也を睨み付け、そう告げた。

すると、

「なに?

 男に戻すって?
 
 どういう事だ?」

春子のその言葉に哲也はすかさず噛み付くと、

「あれ?

 それだけ変化していることに気づいているのに、

 いま君の身体がどうなっているのか知らないの?」

と春子は驚きながら指摘した。

「身体が…どうなっているってぇ?」

春子の指摘に哲也は慌てて飛び起きると、

自分の体を見た。



それから3分後…

「なっなんだこれぇぇぇぇ!!」

保健室内に哲也の甲高い叫び声が響き、

耳を塞ぐ春子の前で、

「うっうそぉ、

 おっ女になっている…」

と呟く哲也の身体は、

胸はアンダーシャツが破れるほどに膨れ上がり、

ウエストは砂時計のようにくびれ、

ヒップは大きく膨れてズボンがピッチリと張り付き、

そして、股間の”息子”は元々無かったかのように消滅し、

代わりに女の縦溝が刻まれていたのであった。



「そんな…

 おっ女にだなんて…」

自分の身体が女性化してしまった事に哲也は驚き、

そして、ペタンと座り込んでしまうと、

「ご愁傷様でしたね」

と春子は声を掛ける。

すると、

キッ!

哲也は春子を睨み付け、

「おっお前が、

 僕を女にしたのか、
 
 戻せ、
 
 僕を男に戻せ」

と怒鳴りながら春子につかみかかるが、

「いっいい加減にしなさい」

そんな哲也の腕を引くと、

自分の腰を潜り込ませ、

一気に一本背負いをしてみせる。

「え?

 うわっ」

ビタンッ!

文字通り、哲也の身体は宙を一回転すると、

そのまま保健室の床へと落ちる。

「いてぇぇぇぇ!!」

保健室内に哲也の叫び声が響き、

春子の前にはお尻をしこたま打ち付けた哲也が、

その大きく膨らんでしまったヒップを押さえると、

「まったく、パニクるんじゃないわよ、

 ほらっ、

 これに見覚えはない?」

そんな哲也に向かって春子はビニール袋に入ったあるものを見せる。

「え?

 あっそれは…」

そう、春子が見せたのは、

ユリの背中にたかり、

そして哲也が叩き落とした際に手を噛んだあのクモであった。

「君はこのクモに噛まれたのよ、

 イカズゴケグモって言ってね、

 このクモの毒は人間を殺すことはないけど、

 でも、男性を女性へ性転換をしてしまう恐ろしい効果があるのよ」

毒々しいまだら模様のクモを見せながら春子はそう説明すると、

「じゃっ

 じゃぁ、

 僕が女になったのはそのクモのせい?」

と哲也は聞き返すと、

「その通り!」

春子は胸を張って答えた。



「そんなぁ…」

春子の答えに哲也はがっくりと俯いてしまうと、

「さて、

 で、君のこれからなんだけどさ、

 身体が女の子になってしまった以上、

 女子生徒として学校生活を送ることになるわね。

 制服も作り替えないとならないし、

 名前も女の子風に変えないとならないし、

 あっ、それよりもなによりも

 先生や両親に女の子になったことを報告しなくっちゃね。

 色々大変よ」

顎に指を当て、

春子は哲也のこれからするべきことについて話し始める。



「おっお願いです。

 僕を男に戻してくれる薬を作ってください!!」

そんな春子に縋るようにして哲也は訴えると、

「薬ぃ?」

「はいっ

 雪村さんは学校一の問題児…いえ、天才と聞いています。

 女の子を男にする薬なんて簡単に作れるはずです」

「そんな…

 いくらあたしを持ち上げてもねぇ…

 まぁ、出来なくはないけど…」

そんな達也に春子は含みを持った返事をする。

「じゃっ

 じゃぁ作っていただけるのですか?」

春子の返事に哲也は目を輝かせて尋ねると、

「でも、それに見合う対価がいるわね」

と春子は言う。

「対価?」

「そうよ、

 お店で物を買うときには必ずお金を払うでしょう?」

「うっ、

 お金がいるんですか…」

「あたしのオペは高く付くわよ」

「おっオペって、

 そんな、しゅっ手術をするんですか?」

「あら、あたしの腕を疑うの?

 オッパイを削ってオチンチンを付けるだけでしょう…

 ふふっ、

 医師免許が無くても簡単にできるわよ」

手術と聞いて怯える哲也に向かって、

春子はいつの間にか着ている黒マントの下より

銀色の光を輝かせる。

「それは…」

一歩、

二歩、

春子の前から哲也は引き下がってしまうと、

「あはは、冗談よ、

 性転換の薬は出来るわ、

 っていうより、

 国道沿いのディスカウントストアで売っている入浴剤に入っているわ、

 この間、1つ買ってみて

 ラクロス部のキャプテンに使ってみたけど、

 うん、まずまずの効き目だったわね」

春子は何かを思い出しながらそう言い、

そして、

ニヤリ

と不気味な笑みを浮かべた。

「はっ?

 あそこにそんなのが売って居るんですか?」

春子の情報に哲也は呆気にとられると、

「でも、イカズゴケグモの毒は特殊だから、

 あそこの入浴剤に使ってもダメ、

 若干の改良がいるわ、

 まぁその辺の改良はあたしが少し手を加えればオッケーだけど、

 それでさ、

 ちょっとお願いがあるんだけど…」

と春子は口調を変えて話しかける。

「お願い?」

思いがけない春子からの申し入れに哲也は顔を上げると、

「あ・の・さ、

 あたしの友人が新体操部のキャプテンをして居るんだけど、

 ちょっと人手が足り無くってさ、

 君に新体操部に入って欲しいんだけど…」

と持ちかけてきた。

「新体操?

 僕がですか?」

「えぇ、

 だって、女の子じゃぁ、

 野球の試合には出られないし、

 第一、部に居づらいでしょう?

 無論、永遠って訳じゃないわ、

 今度の新体操の大会にでるのに、

 頭数が足りないので助っ人が欲しいのよ、

 大会が終わる頃には薬は出来ているだろうし」

「うっ

 で・でも、僕は新体操なんてできません」

「あら、大丈夫よ、

 野球部で培ったファイトが君にはあるし、

 新体操部のキャプテンって、

 初心者にコーチするのがすんごく上手のなのよ、

 大丈夫だって」

と渋る哲也を説得する。

「はぁ…」

「大丈夫だって、

 大船に乗った気でどーんと

 体育館に行ってらっしゃい、

 新体操部が練習をしているはずだから」

なおも乗り気じゃない哲也の背中を春子は押すと、

「わ、判りました。

 その代わりちゃんと薬を作ってくださいよ」

それ以外に男に戻る方法がないと悟った哲也はそう言い残すと、

膨らんでしまった胸を両腕で隠しながら、

足早に保健室から出て行く。

そして、

「うふふ…

 一名様、ご案内ぃ」

そんな哲也の後ろ姿を見送りながら春子はそう呟くと、

「さーて、

 ついでだから薬も作っておきますか、

 もっとも、その頃には必要ではなくなっていると思うけど…」

春子は大きく背伸びをして見せた後、

白衣を翻し科学部部室へと引き上げて行く。



「あぁ、春子から聞いているわ、

 君が水島君…じゃなかった水島さんね」

新体操部キャプテンの松ヶ瀬美咲は目の前に立つ哲也を見ながらそう尋ねる。

「はっはい…」

間近で見るレオタード姿の美咲の姿に哲也は顔を赤らめながら頷くと、

「ふふっ、

 可愛い…」

と美咲は一言囁いた。

「え?」

彼女の口から出たその言葉に哲也は驚くと、

「あっいえ、

 こっちの話、

 で、その格好じゃ新体操は出来ないわね」

美咲は野球のユニフォーム姿の哲也を見ながらそう言い、

「ちょっと来て…」

と哲也の手を引くと、

そのまま棟続きの新体操部部室へと哲也を連れて行った。

「え?

 ここって…」

「新体操部の部室よ、

 まずは入部手続きをして貰わなくっちゃね、

 曲がりなりにも新体操部の部員になるんだから…」

驚く哲也に美咲はそう言い聞かせ、

そのまま哲也を部室の中へと押し込んでしまうと、

パタン…

ドアの前に”使用中”の札が掛かる。



「あっ…」

つい先日、野球部の仲間と共に

悪戯半分でこの部室に忍び込もうとしたコトを思い出しながら、

哲也は中の様子を見ていると、

「さっ

 その汗くさいユニフォームを脱いで、

 これに着替えて」

と美咲はあるモノを哲也に手渡した。

「え?

 これって?」

美咲から渡されたモノを広げて哲也は驚くと、

「レオタードよ、

 新体操部員のユニフォーム。

 新体操部員はみんなそれを着て練習に励んでいるの、
 
 体育館で見たでしょう?」

驚く哲也に美咲は素っ気なく言うと、

「うっ

 まぁそうですが…

 でも、これを着るだなんて」

傍で見たことも、

実際に手に取ってみたことも無かったレオタードに哲也は困惑する。

すると、

「もぅ、なにモジモジしているの、

 じゃぁ

 あたしが着替えさせてあげましょうか」

そんな哲也の姿に痺れを切らせたのか、

美咲はそう声を上げると、

「あっ着替えます、

 着替えます」

哲也はレオタードを抱きしめ、

美咲から見えない位置のロッカーの影に飛び込むと、

着ていた野球のユニフォームを脱ぎ始めた。

バッ

たっぷりと汗を吸い込んだアンダーシャツを脱ぎ、

プルン!

たわわに実る形の良い乳房が飛び出す。

しかし、それにも構わずに張りつめたズボンを脱ぐと、

下からの支えを無くした男性用のパンツがややだらしなく下がり、

そのパンツに手を掛け脱ぎ去ると、

うっすらと生えそろった陰毛を左右に分け、

女の証である縦溝が姿を見せた。

「…お、オマンコか…」

乳房を軽く揉みながら、

クモの毒のせいで股間に刻まれてしまった縦溝を見つめ、

その溝に恐る恐る指を近づけたとき、

「ねぇ、着替え終わった?」

と美咲の声が響く。

「(ビクッ)あっはいっ」

その声に哲也は返事をすると、

急かされるかのようにレオタードに足を通し、

一気に引き上げた。

スルスルスル

哲也の股間からウェスト、バストと

レオタードは哲也の身体の上を駆け上がり、

そして、それに合わせて、

キュッ!

キュッ!

とした締め付け感も同じように駆け上がっていく、

”あっ、

 レオタードってこんな感じなんだ…”

身体を締め付け、

そしてラインを浮かび上がらせていくレオタードの着心地に感心しながら、

哲也は袖に腕を通すと、

ピチッ

部室にレオタードの華が一輪、咲き開く。



「ねぇ、

 着替え…」

ロッカーの影から美咲がそう言いながら顔を覗かせると、

「あっ」

レオタード姿になった哲也は慌てて胸を隠した。

「あら、

 何も隠すことはないでしょう」

そんな哲也に美咲はそう言うと、

「でっでも、

 なんだか恥ずかしくて…」

と顔を赤らめ返事をする。

「うふふ…

 大丈夫。

 あたし達、女の子同士でしょう。

 これくらいのことで恥ずかしがっていたらダメ」

ロッカーの隅で小さくなっている哲也に美咲はそう話しかけると、

背後からそっと抱きしめた。

「あっ、

 まっ松ヶ瀬さん」

「キャプテンと呼んで…」

「きっキャプテン?

 なにを…」

抱きついたままの美咲に哲也は尋ねると、

「どう?」

美咲はキュッと身体を密着させ聞き返した。

「(あっ)ど、どうって?」

肌が敏感になってきているのか、

レオタードとレオタードが擦れあう感覚に哲也は感じ、

小さく喘いでしまうと、

「うふっ

 感じているのね。

 これがレオタードの感触よ、

 男の子だった君にとってこの感覚は新鮮だと思うけど

 気持ちいいでしょう?」

と艶めかしく話しかける。

「そ、そんな…」

やや息を乱しながら哲也はそう言うが、

しかし、もしも男だったら、

股間は大きく膨らみ、

レオタードを持ち上げているはずだけど、

しかし、肉棒を失い、

溝が刻まれた哲也の股間を持ち上げる物はなく、

代わりに

ジワッ

溝に沿って黒い染みが広がり始めていた。

すると、

サワ…

染みが広がっている股間に美咲は手を入れ、

「クスッ

 こんなに濡らしちゃって…

 そんなに気持ちがいいんだ」

と囁きながら

美咲は溝を掘るように指を上下に動かし始める。

「(ビクッ)

 あっだめっ」

「だめって何が?」

「(ビクビク!)

 そんなに…

 動かさないで…」

「だからって何が?」

「何って…

 それは…」

美咲の行為を止めるように

哲也は身体を小刻みに動かしながら訴えるが、

しかし、どの行為なのか美咲は具体的に尋ねる。

「あぁ…

 ですから…」

そのことをハッキリと言えない哲也は美咲に悟るように言うと、

キュッ!

今度は胸で堅くなっている乳首を美咲は抓り始めた。

「(ビクッ!!!)

 あっ、
 
 イヤッ!」

「(クス)

 乳首もこんなに硬くしちゃって…

 これから新体操部員になろうっているのに、

 レオタードを着ただけで

 こんなに感じちゃぁダメでしょう…」

と美咲はさりげなく注意する。

「すっすみません。

 でっでも…

 お、オッパイから手をどけてください。

 じゃないと、僕…」

「ふふっ

 君の口からオッパイなんて言葉が出るなんて…

 じゃぁここはなんて言うの」

乳首から手をどかせようと美咲に言った哲也の言葉尻をとらえ、

美咲はレオタードを濡らしてしまっている股間の溝にさらに指を入れた。

「(ビク!)

 あぁっ」

「ねぇ、

 ここってなんて言うの?
 
 ハッキリと言って」

グリグリ

とレオタード越しに指の先で溝をえぐりながら美咲は聞き返すと、

「あっ

 おっ
 
 お、オマンコです」

と顎をあげ、言葉を詰まらせながら哲也はそう返事をした。

「そう…

 君のここにあるのはオマンコ…

 女の子のオマンコよ、

 そして、君はオッパイをこんなに膨らませ、

 オマンコをイヤらしく濡らし、

 新体操部のレオタードを着ている新体操部員よ、

 判った?」

「はっはい…」

「うふっ

 それでいいわ…

 じゃぁ、刻印をしてあげましょうね」

股間を濡らし、

乳首を硬くしてしまっている哲也に向かって美咲はそう告げると、

両手を哲也の股間に入れ、

そして両太ももの付け根のレオタードの裾に手を掛ける。

「なっなにを…」

美咲の行為の意味を哲也は尋ねるが、

「そのうち判るわ、

 さぁいくわよ」

と声を掛ける。

「え?

 あっちょっと」

美咲が掛けたその声に哲也が振り返った途端、

グイッ!

いきなり美咲の手が引き上げられ、

それと同時に

ギュッ!

上下に引き延ばされ細くなったレオタードが

哲也の溝を左右に開かせ、食い込んで来た。

「あっあひっ!」

食い込んだレオタードは溝の中の粘膜を直接擦り、

さらに、その上にある突起をも剥いてしまったために、

哲也の身体の中を強烈な刺激が怒濤のように波打ち、

そして、その感覚に翻弄されはじめる。

「ふふっ

 気持ちいいでしょう?

 これをされた女の子はみんなレオタード中毒になって、

 レオタードをいつも着ていられなくなるのよ…」

ギュッ

ギュッ

ギュッ

レオタードを掴みあげた手を上下左右に揺り動かしながら、

美咲はそう告げるが、

「あひっ

 あひっ
 
 あひっ」

溝に食い込んだレオタードの襲いかかる快感に白目を剥き、

だらしくなく涎を垂らす哲也にはその声は悪魔の如く響き渡っていた。

そして、

「あっあっあっ

 いっいっちゃう」

次第に高まってきた絶頂を感じながら哲也はそう漏らしてしまうと、

「ふふっ

 おイキなさい。

 君がイったとき、

 心身共に新体操部員よ」

と美咲は囁き、

グイグイグイ

さらに激しく食い込んでいるレオタードを動かした。

「あぁっ

 あぁっ
 
 あぁっ
 
 あぁぅ
 
 いっイクぅぅぅぅ!!!」

美咲に抱かれながら哲也は女として絶頂に達してしまうと、

ビシャッ!!!

レオタードが食い込んでいる溝より

”潮”を吹き上げてしまったのであった。

「はーぃ、

 新体操部員の誕生ね…」

と言う美咲の声を聞きながら…



イチ、ニィ

イチ、ニィ

あれから数日経ったある日、

美咲によって新体操部員としての刻印を施された哲也は

1人の新体操部員として部の練習に参加していると、

スッ

体育館の外をユリが通り過ぎる。

「あっ

 ユリさん…」

柔軟運動のさなかに彼女の姿を見つけた哲也は、

「ちょっと、

 ごめんね」

ペアになって柔軟をしている相手にそう告げ、

そして、駆け出すと、

「ユ…

 ユリさぁん…」

と声を掛けながら走り寄って行った。

「あら…

 水島君…」

その声に野球のスコアブックを片手にユリは振り向くと、

駆け寄る哲也の姿をジッと見つめ、

プッ!

っと小さく笑った。

「うっ」

思いがけない百合の笑いに哲也はショックを受け、

その脚が鈍って仕舞うと

「あっごっごめんさい。

 この間まで野球部のユニフォームを着ていた水島君が、

 新体操のレオタードを着て現れたものだから…つい…

 そうよね。

 水島君、女の子になってしまったんだもんねぇ」

と謝りながらユリは哲也を見つめ、

感心するように幾度も頷く。

「はっはぁ…」

ユリに笑われた事に哲也は俯き加減に返事をすると、

「ねぇ、新体操部の練習って結構大変でしょう

 野球部と比べてどう?」

とユリは尋ねてきた。

「え?

 あっはい…
 
 大変です」

その問いに哲也はそう返事をし、

「あっあのぅ…

 ユリさん」

「はい?」

「この間の返事をまだ貰っていませんが…」

と哲也はクモに噛まれる直前、

ユリへ告白した事への返事を尋ねた。

「あっそうねぇ…」

哲也のその言葉にユリは考える素振り見せながら、

「うーん、

 とは言っても、

 水島君ってもぅ女の子なんでしょう。

 だから、

 お付き合いというより

 これからも良い友達で居ましょうよ」

と返事をした。

「そんな…」

ユリの返答に達也は驚くと、

「あの…

 女の子と言ってもこれは一時的な姿で、

 暫くしたら男に戻ります。

 そしたら…」

と食い下がるが、

「えぇ?

 そう言われても…ねぇ…」

ユリは困った顔をし、

そして、振り返ると、

「おーぃ、

 ユリ、

 そこで何をして居るんだ」

と野球部のグラウンドの方から佐波ケンジの声が響いた。

「佐波…

 え?
 
 ゆっユリって」

哲也にとって野球部のライバルであったケンジが

ユリのことを名前で呼んだことに驚くと、

「ごめんね、

 そう言う訳なのよ」

とユリはウィンクをしながら哲也に手を合わせた。

「そんな…

 じゃぁ僕は…」

ユリから告げられた衝撃の事実に哲也は呆然としてしまうと、

「あまり気を落とさないで、

 女の子でもいい出会いがあると思うよ、

 じゃぁ、新体操、頑張ってね。

 それとレオタード、とってもよく似合っているわよ」

とユリは言い残し、

足早に走り去って行ってしまった。

そして、

「そんな…」

去っていくユリを哲也はただ見送っていたのであった。



それから程なくして、

「お待たせ、

 で、何の用?」

科学部の部室に春子の声が響き渡ると、

「あっ雪村さんっ」

レオタード姿のままの哲也は振り返る。

彼、いや、彼女に向かって挨拶の手を挙げる春子はいつもとは違い

ツインテールにめがねを掛けた姿があった。

「あのぅ…

 薬は何処まで出来ていますか…」

春子に向かって哲也は薬の進捗状況を尋ねると、

「うーん、

 まだ着手したばかりだからね…」

春子はそう返事をし、

「大丈夫だって、

 請け負った物はちゃんと仕上げるから、

 それよりも、

 新体操の方はちゃんとしている?」

と今度は春子が尋ねた。

「え?

 えぇ…」

その言葉に哲也は瑞希からされた刻印のコトを思い出すと、

サッ!

無意識にレオタードが覆う股間を手で隠した。

「ふむ」

それを見た春子は小さく頷くと、

「まぁ、なんだ、

 外に出るときはジャージか何かを羽織る方がいいよ、

 そんなレオタードのままで彷徨かれると、

 男達が大変なことになるからね」

とさりげなく忠告をする。

「そうですか?」

春子の忠告に哲也はそう返事をすると、

「そうよ、

 服を着ていると思って安心して居るみたいだけど、
 
 レオタードは裸と同じ身体の線をさらけ出すから、
 
 注意はしないとね」

「はぁ…」

春子の忠告を聞きながら哲也は部室の中をぐるりと見渡す。

そして、

「あれ?」

棚に置いてある赤と青の小さな玉が入っている瓶を見つけると、

「これって何ですか?」

と春子に尋ねた。

「え?

 あぁ、性転換の薬よ、

 君を治すための薬を作るためにサンプルとして手に入れたの」

と瓶を見ながら春子は説明する。

「へぇ…」

瓶を見つめながら哲也は興味深そうに見ていると、

「なんなら一粒ずつ持って行く?

 でも、それを舐めても効かないけどね」

と春子はそう言った。

「え?

 いいんですか?」

予想外の言葉に哲也は驚き聞き返すと、

「いいよいいよ、

 いっぱいあるから…」

そんな哲也に向かって春子はそう言いながら白衣に腕を通すと、

「じゃぁ、

 用件は済んだ?

 それならこれから研究に取りかかるから」

と言い残し、春子は部室の奥にある研究室へと入って行く。



翌日、

カキーン!

「オラオラ」

練習の声が飛び交う野球部のグラウンドに新体操部のジャージ姿の哲也が向かうと、

「お久しぶり」

と部員達に声を掛ける。

「おっ、

 水島じゃないか」

休憩に入ったらしく汗を拭きながら部員達は集まってくると、

「女になったって本当かよ」

「なぁ、ちょっと身体、見せてくれよ」

「新体操部ってどんなことをして居るんだ?」

と哲也に言い寄ってくる。

「仕方がないなぁ…

 ほれ」

そんな部員達の為に哲也はジャージを脱ぎ、

ピチッ!

っとレオタードが包み込むナイスバディな身体を見せつけた。

「うわぁぁ、

 すげぇ」

それを見せつけられた途端、

部員達から感嘆の声が上がると、

「お待たせ」

の声と共にマネージャの一人が冷えたジュースをカゴに入れ持ち込んできた。

「おーっ」

「らっきー」

たちまちジュースが入ったカゴの周りに部員が集まると、

次々と手を伸ばし、ジュースを取っていく、

その時、

「なぁ、

 獅子堂さんと佐波は?」

哲也は姿が見えない二人を捜し始めた。

すると、

「ん?

 あぁ、あの二人は向こうに居るよ、

 うふっ
 
 結構、ラブラブなんですよぉ」

哲也の気持ちを知らないマネージャはそう言いながら、

グラウンドの向こうで仲良く話している二人を指さすと、

「ふーん」

哲也はそう呟き、

そして、二本のジュースを手に取ると、

「ちょっと手渡してくる」

といいながら掛けだしていった。

そして、走りながら、

ポチャン

ポチャン

ジュースの中に春子から貰ってきた

あの赤と青の薬を一つずつ入れると、

「ねぇ」

といいながら二人に駆け寄って行く。

「ん?」

「あら?」

駆け寄ってくる哲也の姿に二人は振り向くと、

「今日も暑いよね、

 はい、

 これでも飲んで」

と薬入りのジュースを差し出した。

「え?

 これを俺たちに?」

「うんっ」

「いいの?」

「うんっ」

差し出されたジュースにユリは困惑するが、

「じゃっ」

そんなユリに構わずケンジはジュースを手に取ると、

グビ!

それを飲み干してしまった。

そして、ケンジのその姿を見たユリもジュースに口を付けるが、

ビリッ!

少し間をおいて二人の体に電流が走ったような感覚が襲った。

「え?」

「なに?」

その感覚にケンジをユリは互いに見つめ合うと、

ムリッ!

突然、ケンジの胸は盛り上がりはじめた。

「うっ」

膨らみ始めた胸にケンジは驚くと、

「どうしたの?」

とユリは心配そうに尋ねた。

「うっ

 むっ胸が…
 
 胸が変だ…」

自分の胸を抑えながらケンジはそう訴えるが、

しかし、ケンジの筋肉は落ち、

手足が細くなっていく。

また、股間の肉棒が急速に小さくなっていくと、

ズルッ

ズルズル…

ケンジの背も少しずつ低くなっていく、

そしてさらに、

ムニッ

ムニムニムニ!!

男性の筋肉質だった胸が急速に持ち上がっていくと、

乳首だけが内側から空気を入れたように

プリッ

飛び出した。

そして、縮小していった肉棒があったところが崩れるように潰れ、

さらに縦溝が刻まれていくと、

元々からあった様に形作りはじめた。

「あっあっあっ

 声が…」

急速に身体が女性化していくケンジが声をあげるが、

その声は甲高く、

さっきまで突き出ていた喉仏が沈んでいた。



また、変化はユリにもおよび、

ムキッ!

彼女の筋肉が急速に発達してゆくと、

ブルン!!

股間からピンクを色した肉棒が飛び出し、

それが男の象徴・ペニスへと変化していく、

シュルルル…

膨らんでいた乳房が空気が抜けるように

その高さが低くなっていくと、

トップの葡萄も小さくなっていく、

「あっ

 あっ
 
 なにっ
 
 いやぁぁぁ!!」

変化してゆく身体にユリは悲鳴を上げるが、

その声は野太く

また、

モコッ!

喉仏が内側から出て来ていた。

そして、

ムキムキムキ!!!

ユリはボディービルダーほどではないが

逞しい体へ変化していく。



「うふっ、

 ケンジ…新体操部にいらっしゃい…
 
 そして、ユリさん。

 これで、僕とつきあえるよね」

変身してゆく二人に哲也は満面の笑みを浮かべ手をさしのべていた。



おわり