風祭文庫・アスリート変身の館






「春子の発明」
(前編)


作・風祭玲

Vol.494





カッ!!

ゴロゴロゴロ…

窓の外で明滅する雷光をバックに

「出来たぁ」

白衣姿の少女がそう呟き、

そしてその後、

「ふっふふふふ」

含み笑いをし始めると、

カッ!!

雷光を全身に浴びながら掛けたメガネを怪しく輝かせ、

「あーはっはっはっ

 出来ぞ

 出来たぞぉ…」

笑い声交じりの叫び声を挙げると、

バン!

閉じられた窓が勢いよく開いた。

そして、

バタバタバタ!!!

その窓から吹き込んでくる風に白衣をはためかせながら、

「さぁて…

 早速実験と行きたい所だけど

 誰が良いか…」

獲物を求める狼のごとく光る眼鏡を動かし始めたとき、

コンコン!!

っと少女の背後にあるドアがノックされた。

「!!」

その音に少女の眼鏡の光が消えると、

「はーぃ」

科学部部長・雪村春子の声が部室内に響き渡った。



コンコン!!

再び響き渡ったノックの音に

ガラッ

「だれ?」

と言いながら春子がドアを開けると、

「あっあのぅ」

開けたドアの向こうには学生服姿の内気そうな少年・鈴鹿卓郎が立っていた。

「えぇっと、

 何の用?」

卓郎の姿を見ながら春子が彼がココに尋ねてきた訳をただすと、

バッ

いきなり卓郎は春子の前に土下座をするなり、

「ぼっ僕を女にしてください」

と声を挙げた。

「はぁ?」

予想外のその声に春子は一瞬呆気に取られると、

「ばっ僕、女の子になりたいんです。

 お願いします」

と卓郎はさらに声を張り上げる。

「ちょちょっと、

 そんなこと、大声で言わないの、

 変に思われるでしょう」

卓郎の姿に春子は慌てて周囲を確かめながら彼を科学部の部室に押し込むと、

「いきなり何を言うの?」

と正した。

すると、

「やっ雪村先輩は色々発明をしているって話を聞いています。

 そして、その中に性転換をする道具があると聞きました。

 ですから、その性転換をする道具で僕を女の子に…」

「あのねぇ…

 あたしはドラ○もんじゃないのよ」

卓郎の声を遮る様に春子はそう言うと、

「のび太じゃあるまいし、

 ワケを言いなさい

 ワケを!」

と腕組をしながら卓郎にその理由を尋ねた。

すると、

「ぼっ僕…

 新体操部に入りたいんです」

と卓郎は顔を赤らめながら春子に理由を話した。

「はぁ?」

卓郎のその言葉に春子は思わず聞き返し、

その直後、

「ははーん、

 きみっ

 新体操部部長の松ヶ瀬美咲の追っかけねぇ」

と目を細めそう指摘した。

「うっ

 追っかけだなんて…

 僕、そんなものじゃぁありません」

春子の指摘に卓郎はキッパリと言い切ると、

「じゃぁなんだって言うのよ」

と春子が聞き返す。

「なにって…

 それは、

 僕は美咲さんと一緒に…

 見ているだけじゃなくて、

 美咲さんと話をしたり、

 汗を流したいって思ったから」

徐々に声を小さくしながら卓郎は詳しく話す。

「ふーん、

 それで、女の子になりたいと…」

「悪いですか?」

「別にぃ…

 じゃぁなに?

 女の子になって新体操部に入ろうって魂胆なワケだ、君は?」

「うっ」

春子の核心を突いたその言葉に卓郎は何も言い返せなくなってしまった。

無言の時間が過ぎていく、

やがて、

「どうもすみませんでした」

その重苦しい空気から逃れるように卓郎が科学部から出て行こうとすると、

「お待ちなさい」

春子の声が響いた。

そして、

「この間作ってみた性転換機は失敗作だったわ」

と卓郎に言う、

「そっそうですか?」

春子の声に卓郎はそう返事をすると、

「試しにウチの部員で実験をしたら

 女の子にならなくて、

 猫になっちゃったのよ」

と言いながら、戸棚の上で寝ている三毛猫を指差した。

「え?

 この三毛猫…人間だったんですか?」

ニャーン…

と鳴き声を挙げる猫に卓郎が目を剥くと、

「大丈夫よ、

 あと1週間もすれば元に戻るわ、

 ということで、君が言っていた性転換機は失敗だったの」

「はぁそうですか…」

春子の言葉に卓郎が肩を落とすと、

キラーン☆

それを見た春子の眼鏡が怪しく輝き、

「でもね…」

と付け足した。

「はい?」

「うふっ

 ついさっきだけど、

 新しい発明品が出来たところなの?」

と卓郎に向けて悪魔の囁きを言った。

「新しい…発明品ですか?」

「えぇそうよ、

 根本から発想の転換を行った、新型機をね」

「新型機?」

「見てみる?」

「え?

 えぇまぁ」

まるで獲物を見据える蛇のような視線に絡め取られながら卓郎は返事をすると、

「じゃーん」

という春子の声と共に、

ガタン!!

卓郎の前にある物が据えられた。

「こっこれは…」

その物を見ながら卓郎は声を詰まらせると、

「ふっふっふっ

 よく御覧なさい、

 要らない物は抜いてしまえばいいのよ。

 その観点に立って設計をした名づけて”超強力吸引機・すっぽん”

 コレならどんな頑固なナニでも一瞬のウチに吸い取ってくれるわ、

 うふっ痛くはないわよ」

と前に置いた掃除機を叩きながら説明をする。

「ほっ本当にそれって女の子になれるのですか?」

文字通り掃除機にしか見えないその機械を眺めながら卓郎が聞き返すと、

「ごちゃごちゃ煩いわよ

 さぁ、これで君のナニを吸い取ってあげるわ」

カシャッ!!

”すっぽん”から伸びるコードをコンセントに差し込んだ春子は卓郎にそう言うと、

カチッ

スライドスイッチを動かし、ONにした。

その途端、

グォォォン!!

”すっぽん”が起動し獲物を求め始めるかのように

春子に握られたホースの先に突いている柄の先より空気を吸い込み始めた。

「さぁ!!

 いくわよ」

「え?

 いっいや

 あっあのぅ」

ホースを持って構える春子の姿に卓郎はしり込みをすると、

「きょ今日は…」

そう言いながら部室から逃げだそうとした。

しかし、

「お待ちっ

 逃がさないわよ」

春子が卓郎の前に立ちはだかると、

グイッ!!

っと柄を卓郎に近づける。

「うっわぁぁぁ!!」

「ふふふ、

 観念おし、

 ちゃんと立派な女の子にしてあげるからさぁ」

怯える卓郎に向かって春子はそう言うと、

女性器そっくりに作ってある柄の口を卓郎の股間に押し当て、

「うふっ

 手ごたえあり、

 吸引開始!!」

ズボン越しに卓郎の股間に押し当てた春子はそう声を張り上げると、

カチッ!!

さらにスライドスイッチを動かした。

その途端、

フォォォォォン!!!

”すっぽん”は最大出力で卓郎の股間を吸引し始めた。

そして、その一方で、

「うわぁぁぁぁぁ

 千切れる

 千切れるぅぅぅ」

ズボン越しにもかかわらず卓郎は悲鳴をあげると、

その直後、

ズリュッ!!

何かが卓郎の体から離れ、

”すっぽん”の中へと飲み込まれて行った。

「あっ!」

強烈な喪失感に卓郎の体から力が抜けていくと、

カチ!

スイッチを握る春子の手が動き、それと同時に”すっぽん”が停止した。

そして、

「ほうら、

 邪魔なものが無くなって、

 女の子になったわ」

と春子は言いながら柄をはずすと卓郎にいまの股間を見せる。

「うっうそ」

”すっぽん”に吸い込まれてか卓郎のズボンの股間には丸い穴が開き、

そして、その中にはピンク色の縦溝が姿を見せていた。

「そんな…」

消えてしまったシンボルに卓郎が呆然とすると、

カチ!

再び”すっぽん”のスイッチが入ると、

「さぁ、今度は胸よ!

 胸の無い女の子なんてクリームが乗っていないケーキのようなものだもんね」

と春子は叫び声を上げた。

「え?

 うわぁぁぁぁ!!」

迫ってくる”すっぽん”に卓郎の悲鳴が響き渡った。



それから1時間後…

「すっすみません」

新体操部の部室のドアが開くと

おずおずと制服姿の少女が入ってきた。

「はい?」

練習用のレオタードに着替え終わっていた新体操部・キャプテンを務める松ヶ瀬美咲が返事をすると、

「なに?」

と入ってきた少女に尋ねた。

「え?

 あっあのう、

 そっそのぅ」

美咲に見つめられてか少女は顔を赤らめながらモジモジすると、

「なにかなぁ?」

美咲は聞く素振りをする。

そして、

「あっひょっとして新体操したいの?」

と聞き返すと、

「はっはいっ」

少女は元気よく返事をした。

「そう、

 入部希望者なの?」

返事をした少女を美咲は舐めるような視線で見た後、

「じゃぁ、

 この入部届けに必要な事項を書いてね、

 それと、練習はコレからだけど

 出てみる?

 でるなら、あたしのレオタードを貸してあげるから、

 コレに着替えてね。

 あっロッカーは好きなところを使って良いわ」

と機関銃のごとく言うと、少女に入部申し込み用紙と、

赤地に黒のストライプが入っている練習用にレオタードを手渡した。



「みっ美咲さんのレオタード…」

申し込み用紙を書き終えた少女…

いや、ついさっきまでは鈴鹿卓郎という名前だった少女は手渡されたレオタードを見ながら固まっていた。

「どっどうしよう…

 えぇいっ

 僕は…

 ううん、あたしはもぅ女の子なんだ、

 大丈夫…」

戸惑いながらも卓郎はそう決断をすると、

女子の制服を脱ぎ始めた。

そして、ゆっくりと脚を通したレオタードを引き上げていくと、

「あっ」

自分の体が美咲に包み込まれていくような錯覚を覚えた。

「あぁ

 ぼく…あっあたし…美咲さんのレオタードを着ているんだ…」

レオタードの感覚に卓郎はそう思いながら思わず悶えてしまうと、

ジワッ

いつの間にかその股間に黒い染みが広がっていった。



「はいっ

 1、2

 はいっ

 1、2

 頑張ってぇ」

新体操部の練習に参加した卓郎に美咲は付きっ切りで柔軟運動のサポートをする。

「ねぇ…

 見て…

 松ヶ瀬部長、新入りに付きっ切りよ」

「ホント…

 彼女いつまで続くかしら…」

「みんな部長の慰み者にされてそれがイヤで辞めていっているもんね」

「あの子もまた…」

「しっ

 あまり大声で言わないの」

と美咲に聞こえないようにして新体操部内にヒソヒソ話が広がっていった。



「お疲れ様でしたぁ」

練習後、

美咲より言い渡された後片付けを終えた卓郎が更衣室に戻ると、

更衣室には誰の姿も無かった。

「みんな帰えっちゃったんだ」

ガランとしている部室を見渡しながら卓郎はそう呟くと、

「はぁ、

 コレももぅ脱がないといけないのか」

と自分が着ているレオタードをそっと見下ろした。

すると、

ガラッ

いきなりドアが開いて美咲が入ってくると、

「あら

 まだ残っていたの?」

と部室にいた卓郎を見つけるそう尋ねる。

「え?

 いやっ

 あのぅ」

まずいところを見られた。

そう思った卓郎はあいまいな返事をすると、

「すっすぐに着替えます」

と言いながら自分のロッカーへと向かっていく、

そして、ロッカーのドアを開けたとき、

スッ

いきなり卓郎のわきの下から白い手が差し込まれると、

キュッ!

っと膨らむ乳房を掴まれた。

「きゃっ」

突然の事に卓郎は悲鳴をあげると、

「ふふ…

 柔らかいのね、あなた…」

という美咲の声が響いた。

「え?」

その声に卓郎が振り返ると、

いつの間にか美咲が卓郎の後ろに立ち、

彼女から伸びる手が卓郎のレオタードに包まれている胸を掴み上げていた。

「まっ松ヶ瀬…さん」

「うふっ

 なぁに?」

「いっいったい…」

美咲の行動に戸惑いながら卓郎は訳を尋ねると、

スルリ…

それに応えるかのように美咲の右腕が動き、

そのまま卓郎の股間へと降りていく、

「だっダメです」

キュッ

美咲の手をブロックするように股をキツク締めた卓郎は

そう言うと、

「何がダメなの」

と美咲は尋ね、

サワッ…

やさしく卓郎の股間を撫でる。

「あんっ」

「ふふ…

 湿ってきているわ、

 ねぇ、あなた…

 きょうの練習前も濡らしていたわよね、

 なんだかんだ言っても、

 ねぇ、あなたって結構イケる口なんじゃないの?」

と黒い染みが広がる卓郎の股間を撫でながら尋ねた。

「あぁ、言わないで…」

「隠しても無駄よ、

 あなた、女の子が好きなんでしょう

 だから新体操部に入ってきたんでしょう。

 ふふ、

 いいのよぉ

 新体操なんてする女の子の半分近くはこういう事が好きな娘なんだから…

 さぁ、あたしに見せて、

 あなたの身体を」

喘ぎ始めた卓郎に美咲はそう言うと、

レオタードの股間の両端を掴み、

クイッ

と引き上げた。

「あっあぁ!!」

思いっきり食い込んできたレオタードの感触に卓郎が声を挙げると、

「ねぇ、気持ちいい?」

掴み上げたレオタードをユサユサと揺らしながら美咲は尋ねる。

「あんっ

 いっ良いです」

「そう…

 じゃぁあたしも気持ちよくして…」

卓郎の返事に美咲は上気した目でそう言いながら、

クイッ

卓郎を跪かせるとその前にたち、自分の股間を押し付けた。

「あぁ…

 美咲さんのアソコが僕の目の前に」

赤いレオタードに覆われた美咲の股間を眺めながら卓郎はそう呟くと

そっと口を美咲の敏感な部分に寄せた。

その途端、

ビクン!!

美咲の体が跳ねると

「あっんっ!!」

美咲は喘ぎ声を上げる。

「みっ美咲さん!!」

美咲の反応に卓郎は堰切ったかのように彼女の股間を愛撫し始める。

すると、

「あぁ

 すごい、

 そんな…積極的になんて…

 あっあぁ」

美咲は貪りつく卓郎の頭を押さえつけながら喘いだ。

そしてその一方で、

「美咲さん

 美咲さん

 美咲さん」

ずっと抑えていた欲望を一気に爆発させた卓郎は

いま自分が女の子となっていることを忘れ美咲に襲い掛かかると、

一気に押し倒した。



「あぁ
 
 いいわっ

 そうよ、

 もっと

 もっと強く

 あっあたし…

 いやっ」

股間に卓郎と同じ黒い染みを広げながら美咲は喘ぎ、

そして、卓郎の責めに翻弄される。

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

陸に上げられた魚の如く飛び跳ねる美咲の身体に卓郎はのしかかると、

彼女の股間に自分の逸物をねじ込もうとした。

ところが、

「あっない…」

そう、春子が作った吸引機にシンボルを吸い取られて女の子になった卓郎の股間には

目の前で喘ぐ美咲を犯すことは不可能だった。

「くっそう」

障害物が無く一本の縦筋をレオタードが覆う自分の股間を撫で回しながら卓郎が臍を噛むと、

「どうしたの?」

卓郎の下になっている美咲が聞き返してきた。

「え?

 いっいや…」

その言葉に卓郎は慌てて返事をすると、

スルリ…

今度は美咲の手が卓郎の股間にすべり込んでくると

敏感になっている卓郎の縦筋を愛撫し始める。

ビクン!!

「あっ」

その感触に卓郎の中に電撃が走り抜けると、

「ふふっ

 さっきのお返し、

 あたしをあんなに責めてくれたのだから、

 たっぷりとお返ししてあげるわ」

一瞬のうちに攻守が逆転してしまうと、

今度は美咲が卓郎を責め始めた。

「ふふ…

 染みがドンドン広がっているわ」

股間を愛撫され、美咲に負けないくらいに股間に染みを作っていく卓郎の姿を見ながら美咲はそう言うと、

「あっいやっ」

卓郎は両手で顔を塞いだ。

「あら、

 恥ずかしいの?

 ダメよ、顔を隠すなんて、

 さぁあたしを見なさい。

 そして、あたしを見ながらイクのよ」

卓郎を責めながら美咲はそう言うと、

ゆっくりと両手をどけさせ、

そして、その顔にキスをした。

「みっ美咲さ…」

自分の頬に触れる美咲の感触に卓郎は声を上げようとすると、

「あまり大きな声を立てないの、

 誰が聴いているのかわからないでしょう」

美咲は軽く注意をし、今度はその唇を塞いだ。

「うっ

 ぐっ」

口の中で舌を絡ませながら美咲と卓郎は抱き合い、

やがて二人の手が相手の股間を攻めはじめた。

クチュクチュ

クチュクチュ

二人が奏でる淫らな音が新体操部室にこだまする。

そして、その音を聞きながら卓郎は絶頂への階段を上り始めていた。

「あっ

 いっ

 いっ
 
 いっちゃう」

卓郎の口から思わず出たその言葉に

「そうよ

 イク時は一緒に行きましょうねぇ

 あっあたしもイキそう」

手を手を絡め、

そして脚と脚を絡ませながら、

卓郎と美咲は絶頂に近づいていった。

「んっくっ

 いっイクぅぅぅぅ」

「あっあぁん

 いっちゃうっ!!」

汗と愛液でレオタードを湿らせながら二人の少女が

絶頂へと上り詰め、そして果てた。



「うふっ

 可愛かったわ…アナタ」

絶頂後…

起き上がった美咲がそう言いながら卓郎の身体に手を這わせると、

「え?」

ついさっきまであった胸の膨らみが消えていることに気づいた。

そして、そのままゆっくりと手を股間へと下ろしていくと、

「!!」

レオタードに覆われたその股間にあってはいけない肉の棒が聳え立ち、

見事なテントを作り上げていた。

「あっあなたは!」

その感触に美咲は飛び起きて横に寝ている者の姿を見た途端、

「いやぁぁぁ!!!

 男ぉぉぉぉ!!!」

美咲の叫び声が響き渡り、

その直後、

「なっなんでぇ?!」

レオタード姿の男子が飛び出していった。



「ふむ…

 もぅ元に戻ってしまったか…」

その様子を部室から見ていた春子はそう呟くと、

「まだまだ改良が必要だね…」

と横においてある”すっぽん”を軽く叩いた。



おわり