風祭文庫・アスリートの館






「お仕置き」


作・風祭玲

Vol.483





「やっちゃった!!」

そのときあたしはそんな悲鳴を上げてしまった。

しかし、その悲鳴は流れる音楽によってかき消され、

その代わりに白いスティック(棍棒)があたしの頭に振ってきた。

ガツン!!

カンッ!

カラカラ!!

あたしの手より放りあげられたスティックは無常にもあたしの頭に当たると、

乾いた音を立てながら2本が別々のところへと転がって行き、

その直後、

「おぉ…」

会場中からため息にも似たどよめきの声が湧き上がった。

大失敗だった。

「しまったぁ…」

ミスをしたことを後悔をしながら

あたしは転がって行ってしまったスティックを拾い上げると再び舞い始めるが、

しかし、この失敗の穴を埋めることは出来るはずは無く、

演舞が終わってあたしに突きつけられたのは無情な得点であった。

「やったぁ!!」

さっきまで2位だった選手が喜びに沸くのを横目で見ながらあたしは引き上げていくと、

「まったく無様ね」

とあたしのコーチ・伊藤紗江子が声を掛けてくる。

「はいっ」

その声に力なく返事をすると、

「学校に戻ったら反省会をします。

 何がいけなかったのかゆっくりと話しましょう」

紗江子コーチはあたしを見据えながらそう告げると、

「はい…」

あたしは再度声を小さくしながら返事をしながら、

「あぁ…お仕置きされる…」

と心の中で呟いた。

そう、紗江子コーチは試合でミスを犯した者に反省を促すためにお仕置きをするのであった。

「お仕置き」

その言葉をあたしは小さく復唱すると、

ムズッ

あたしの心の奥底がうずき始め、

やがてそれはあたしの股間に集中していく、

ムリッ!!

小さく動き始めた股間にあたしは気づくと、

「あっいけない」

慌ててレオタードに覆われている股間を軽く押さえ

そして隠すようにジャージを穿いた。



コンコン

「西沢…入ります」

大会が終わり、学校に戻ったあたしは部室のドアを叩くと、

「入りなさい」

紗江子コーチの声が中から響いた。

「はいっ」

その声にあたしは着ていたジャージの上下を脱ぎ捨て、

ストライプ模様が眩しいレォタード姿になるとドアに手を掛けた。

そして

「すぅ…はっ」

思いっきり深呼吸をしてはやる胸をしずませながら

ガラッ

ドアを開けると、

「………」

新体操部室の窓から入る夕日を背にした紗江子コーチがあたしを待っていた。

「どうしたの?」

立ち尽くすあたしにコーチは声を掛けると、

「はっはいっ」

あたしはその声に押されるように返事をして部室の中に入る。

そして、あたしは一歩一歩歩いていくと、

コーチの前に静かに立った。

「西沢さん…」

シルエットのコーチの口がそう動くと、

「はいっ」

あたしは次に来るものを想像し身体を硬くした。

その途端、

ビュン!!

パシッ!!

「きゃっ」

コーチの右手が動くの同時にあたしの左頬が叩かれ、

その勢いであたしの身体は左側にバランスを崩れるとそのまま倒れこんでしまった。

しかし、コーチはお構いなしに

「なんですか?

 あの様は」

とあたしを叱咤する。

「もっ申し訳ございません」

紗江子コーチの言葉にあたしは手をつき頭を下げて許しを請うと、

「謝って済む話なのですか?」

「一生懸命練習します、

 だから許してください」

「いいえ、

 許しません。

 本番でミスをするのはあなたに心の奥に気の緩みがあるからなのです。

 今日はその性根を叩きなおしてあげます。

 さぁ立ち上がりなさい」

と紗江子コーチはあたしに立ち上がるように告げた。

「はっはいっ」

コーチの言葉にあたしは立ち上がり、

気をつけの姿勢で身体を硬直させた。

すると、

「……」

紗江子コーチはあたしのレオタード姿を舐めるように見つめた後、

スッ

徐に手を出すと、

グイッ

とあたしの膨らんだ胸を掴みあげた。

「あっ」

紗江子コーチの行動にあたしは思わず声を上げると、

「感じるのですか?」

と紗江子コーチはあたしに言う。

「…いっいえ…」

コーチの言葉にあたしはそう返事をすると、

「ふんっ」

コーチは鼻で笑い、

そして、

「感じもしないニセモノの乳を握られただけで声を出すなっ」

と語気を荒げながら怒鳴ると、思いっきりねじりあげた。

ズルッ!!

「いっいやっ」

捻りあげられたために胸に付けられていたバストが

移動していくのを感じながらあたしは悲鳴をあげると、

「なに?

 その声は?」

あたしの胸を捻るコーチは冷たい声を掛ける。

「いっいえっ」

「ふぅぅん、

 まだ女の子気分が抜けないの、

 この変態」

そんなあたしのコーチはそう言うと、

今度はあたしの股間に手を這わせ、

そして、

「何?

 これは?」

と言いながらレオタード越しにあたしの股間を捻り上げた。

「あぁ

 止めて下さい

 おっお願いです」

ズルリ…

抓りあげられるのと同時にレオタードの下にあるファンデーションが動き始めた感覚に

あたしは悲鳴をあげ懇願するが、

「ふふっ」

コーチは笑みを浮かべるだけで、

さらにあたしの股間を捻った。

「あっ

 あぁ

 いやっ

 駄目っ

 で、出ちゃうっ」

あたしの股間を覆うファンデーションがさらに動いていくその感覚に

あたしは腰を引きながら訴えると、

ついに

ムリッ!!

あたしにとって一番見られたくないものがファンデーションから飛び出してしまった。

そして、それが飛び出した途端、ムクムクと膨らみはじめると、

股間にテントを張ってしまった。

「あぁ…」

ビンッ!

と起立するその感覚にあたしは絶望感に囚われる中、

「なぁに?

 コレ?」

コーチは意地悪をするように手を動かし、

レオタードを押し上げてテントを作るあたしの棒を掴んだ。

ビクッ!!

「あぁっ」

レオタード越しに自分の肉棒を掴むその感覚にあたしは身体を捻ると、

「さぁ、

 その偽りの胸を取ってしまいなさい」

コーチはそう言いながら再びレオタードの中に手を入れてあたしの胸を掴みあげると、

ズルリっとあたしの乳房は引き上げられ、

それと同時にあたしの胸からプルンと揺れる乳房が飛び出した。

「あぁ

 いやっ

 男にしないで、

 女の子のままで居させて」

あたしの乳房を鷲づかみにするコーチにあたしはそう懇願すると、

「そんなにこのニセモノのオッパイがいいの?

 ほらそこの鏡をよく見てご覧なさい。
 
 お前の忌まわしい体が写っているわよ」

とコーチはあたしの顔を更衣室の壁に掛けられている鏡に向けた。

「いっいやぁぁぁ!!」

鏡に映るあたしの忌まわしい姿にあたしは悲鳴を上げると、

「あら、いっぱしの女の子気取り?

 何言っているの?

 あなたのどこが女の子なの?

 いいこと?

 どんなに髪を伸ばしても、

 どんなに化粧をしても、

 どんなに胸を出しても、

 どんなにお股を隠しても、

 お前は男、オ・ト・コなんだよ」

とコーチは勝ち誇った様にあたしに言う、

「いやっ

 それを言わないで」

ムリッ

股間を大きく膨らませながらあたしは耳を塞ぐと、

「まったく、新体操の女王が実は男だったなんて、

 ふふ、他の人が知ったらなんていうかしら…

 みんなの驚く顔が目に浮かぶわ

 ねぇ、今度の試合、

 そのチンポをおっ勃てて出てみる?

 ふふ…

 きっとすばらしいショーになるでしょうねぇ…」

私にとってまさに悪夢としかいえない光景を思い浮かべながらコーチは呟くと、

「いやぁぁぁ

 それだけは、それだけはやめて!!」

あたしは泣き叫びながらコーチの足元に縋った。

「そう?」

そんなあたしをコーチは侮蔑に満ちた視線で見下ろすと、

「じゃぁ、

 その格好のまま表に出なさい」

と告げると、あたしを足蹴にして、

「あぁ、いやぁぁ

 お願い、胸と股は直させて…」

泣き縋るあたしに構わずに更衣室から出て行ってしまった。

そして、

「ほらっ何をしているの」

と表からコーチの怒鳴り声が響くと、

あたしは胸を失い股間にテントを張ったままの姿で表に出た。

日は落ち、体育館の外は黄昏時の様相を呈していたが、

しかし、体育館の中は煌々と明かりがつけられ、

さらに、一面だけ、試合会場と同じ演舞台があつられていた。

そう、これは試合と同じ環境で練習をするためのものである。

「どうしたの?

 さぁ、こっちに来なさい」

更衣室から出てきたあたしにコーチは声を掛けると、

演舞台にくるように催促をした。

「はっはいっ」

コーチの声にあたしは演舞台に上がると、

「さぁ、

 ここで棍棒をするのです

 あなたのどこがいけないのか見てあげます」

とコーチはあたしに告げた。

「はい」

コーチの言葉にあたしはスティックを握り締め、

そして舞い始める。

無論、そのときのあたしの身体にはいつもある胸は無く、

そして、股間には硬く勃起している肉棒がテントを張ったままだった。

音の無い中、あたしは棍棒の演技をしていると、

突然、

「そこでっ

 止まって!!」

とコーチは声を上げると、

あたしの傍に駆け寄り、

「ここよ、ここ」

と言いながらあたしの左右の腕を握った。

「え?」

コーチのその言葉にあたしは驚くと、

「いいこと、ここからの手の動きが遅いのよ」

とコーチはあたしに言いながら手の動きを修正する。

「はっはいっ」

コーチのアドバイスにあたしは返事をすると、

「ふふっ

 そして、もぅ一つの棍棒もなんとかちなくっちゃね

 あなたの動きが遅いのは、

 この棍棒をないがしろにしているからよ、

 さぁ、ここで抜いてあげるわ」

コーチはあたしの股間を見つめながら囁き、

そしてそう言いながら、あたしのテントに手を触れると

シュッ!

シュッ!

と扱き始めた。

「あっ

 いやっ

 駄目です。

 コーチ…」

痺れるような快感にあたしは腰を引きながら訴えるが、

「ふふ

 何が駄目なの?

 こんなに硬くして…

 相当溜まっているのね、

 いいこと、試合前にはここは抜かないと駄目、

 じゃないと身体がついてこないわ

 さぁ、

 あなたも手を添えて抜くのよ」

コーチはそう言うとあたしの手を取り、

そして股間へと導いていく。

「あっ」

ビクン!

いきり立つ股間にあたしの手が触れた瞬間、

あたしは身体を硬くすると、

「そんなに緊張しない…

 ゆっくり

 ゆっくりと扱くの」

コーチはあたしの手をレオタード越しに握らせ、

そしてゆっくりと動かした。

「あっ

 あぁ

 いやっ

 感じちゃう

 いっいぃ」

股間から襲い掛かってくる快感に口をあけ、

身体を小刻みに痙攣させながらも、

あたしは自分の手で己の肉棒を扱き続けていた。

「うふふ、

 レオタード姿でオナニーってどう?」

そんなあたしの姿を見下ろしながらコーチはそう尋ねると、

「あっ

 あぁ…

 感じます。

 気持ちいいです」

シュッシュッ

シュッシュッ

あたしはオナニーをしながら訴えた。

「そう、

 さぁ、そろそろ出したくなってきたんじゃない?

 いいのよ、出しても」

「あっあぁ…

 いやっ

 でっ出ちゃう…

 出ちゃう

 出ちゃう」

コーチの言葉が響くのと同時に、

ビリッ!!

あたしは股間に溜まってきたエネルギーを感じると盛んにそう訴えた。

すると、

「さぁ、出すのよ、

 お前のザーメンを…

 そして、そのレオタードを汚すのよ!!」

コーチはあたしに向かって怒鳴り

そして、自分の手を沿えてあたしの肉棒を扱いた。

すると、それを合図にするかのように

「あっ」

あたしの奥で花火がはじけると、

シュッシュッシュ!!!

あたしの肉棒は栗花の香りを撒き散らしながら、

濃厚な精液を吹き上げてしまった。



「あっあぁぁぁぁ…」

ビクンビクン

演舞台の上であたしは身体を痙攣させながら射精の余韻を味わっていると、

「ふふっ

 新体操の女王の射精、

 とくと見させてもらったわ

 もし、本当の試合でこんな目に会いたくなければもっと練習をすることね」

自分の精液が吹きかかったレオタードを見つめながらコーチはそう言い残すと、

あたしの前から去っていく。

すると、

「キャプテン…」

コーチが去っていったのを見計らうように

髪をシニョンに結い上げレオタード姿の新体操部の部員達が飛び出してくると、

「みんな…まだ残っていたの」

あたしは力なく返事をした。

「大会は残念です」

「大丈夫ですか?」

座り込んだままのあたしに部員達はやさしく声を掛けると、

「うんっ

 大丈夫…」

あたしはそう返事をしながら自分の体についた精液を手ですくう。

「もぅ、コーチったらこんな意地悪をしなくても」

そんなあたしの姿を見ながら部員の一人が文句を言うと、

「いいのよ、

 ミスをしたのはあたしの責任…

 みんなも注意するのよ」

そう注意しながら立ち上がると、

あたしを庇う大里さんの股間に手を滑らせ、

「ふふっ

 勃っているのね」

と囁いた。

「あぁ、ダメっダメです

 キャプテン…」

「うふっ

 ファンデーション越しに感じるわ

 ダメよちゃんと抜かないとあたしの様になるわ、

 さぁ抜いてあげるね」

身体を振るわせる大里さんにあたしはそう囁くと、

シュッ

股間に手をいれ、そして、股間のファンデーションを動かす。

すると、

ビン!!

大里さんの股間がレオタードを押し上げるようにテントが張ると、

「あぁ…」

大里さんは顔を赤らめ、目をそらした。

「ふふ

 こうすると気持ち良いわ、

 さぁあなたもしなさい」

そう囁きながらあたしは大里さんのテントをやさしく扱くと、

「はぁはぁ」

「はぁはぁ」

たちまち大里さんは息を乱し、

「あっあぁぁ

 いっいぃです」

と訴えながら自分でテントを扱き始めた。

そして、それを見ながら

「さぁ、あなた達も…」

と言いながら他の部員達の股間にタッチしていたとき、

ガタン!!

体育館に物音が響き渡った。

「!!

 だれ?」

響き渡った物音にあたしはキッと睨みつけると、

「あっあっあ」

柱の傍で一人の男子生徒が呆然と立っていた。

「キャプテン…」

男子生徒の姿に部員達があたしの傍に寄ってくると、

「見たのね」

あたしは男子生徒に向かってそう言う、

「すっすっすみません、

 ちょっとした出来心で、

 あっあの…

 言いません、

 誰にもいいませんから…」

デジカメを片手にしたまま学生服姿の男子生徒は許しを請うと、

「さぁどうかしら」

とあたしは一言呟いた。

「いっ言いません!

 本当に言いません」

あたしの言葉に男子生徒はひれ伏して叫んだ。

彼のその言葉を聞きながらあたしは、

「あれを…」

と部員達に言うと、

「はいっ

 判りました」

部員は笑みを浮かべながらトタタと走り去り、

しばらくして戻ってくると、

「持って来ました」

という言葉と共にあたしの手に1着のレオタードを手渡した。

そして、それを見ながら

「ねぇ、君…

 クラスと名前は?」

と男子生徒に尋ねると、

「え?

 はっはぁ

 1年2組の山田…です」

男子生徒は緊張の声を上げながら自分のクラスと名前を言う。

「そう、

 1年生なの…それでは仕方がないわね。

 さぁこれを着なさい」

男子生徒のクラスと氏名を確認したあたしはそう言いながら、

パサッ

男子生徒・山田の前に手にしていたレオタードを落とした。

すると、

「こっこれは…」

目の前に落ちてきたレオタードに山田君は驚き、あたしを見ると、

「うふっ

 あたし達の正体を知った以上、

 あなたはあたし達のな・か・ま、

 新体操部員よ、
 
 さぁ、このレオタードを着なさい。
 
 心の底まで染めあげて、
 
 初々しい新体操選手にしてあげるわ。
 
 さぁ…」

と告げながら、ゆっくりと迫る。

「あっあっあぁ…」

迫るあたしの姿に山田君は顔を青ざめ震えながら後ずさりしていくと、

ドンッ

彼の背中に何かが当たった。

「え?」

怯えながら山田君が振り返ると、

「うふっ

 どうしたの?

 自分では着られないの?

 キャプテンにすべてを任せればいいのよ、

 さぁ、あたし達と同じ新体操部員になりましょう」

そう言いながら股間を大きく膨らませた新体操部員達の手が彼を拘束してしまうと、

彼にレオタードを着せるべく一斉にの手が伸びる。

「いっいやぁぁぁ!!」

その直後、夜の帳が下りた体育館に悲鳴が響き渡り、

「やめてぇ!!」

学生服をはぎ取られ、レオタードを着せられていく山田君の姿を見下ろしながら、

「さぁ、どう調教をしてあげようか」

あたしは試合で華麗な演技をする彼の姿を想像すると、

大きく膨らんだ股間を扱いていた。



○高・新体操部。

全国に名前を轟かしているこの部には女子部員は一人も居ない…



「ねぇ」

「なに?」

「ウチの学校って男子校でしょう?

 …それなのにどうして誰も疑問に思わないのかしら?

 セーラー服姿の生徒が居ることに…」

「それは、生徒の半分がセーラー服を着ているからでしょう。」

「そっか」



おわり