風祭文庫・アスリート変身の館






「白アシの香織」
(第15話:教室で見たものは)



原作・風祭玲

Vol.923





それは真夏間近に控えたとある夕方のことだった。

「あっ!」

バレー部の練習を終えて帰宅途中の相葉達也は突然声を上げると、

「どうした?」

「何か忘れ物?」

と彼と一緒に帰っていた部仲間達が聞き返す。

すると、

ガサゴソ

達也は教科書などが入っているカバンを開けて何かを探し始めるが、

「やっぱり持ってきてない」

と呟き、

「参ったなぁ」

仲間達の視線を一身に浴びながら頭を掻くと、

「いまから戻るか…」

振り返りながらそう呟き、

「悪りぃ!

 ちょっと忘れ物っ

 先に帰っていいよぉ」

そう告げるや否や、

タタタッ!

学校に向けてUターンして行った。



「ちっ、

 課題のプリントカバンに入れるのを忘れていた」

悔やむように唇をかみ締めて達也が学校に戻ったときには、

すっかり辺りが暗くなってしまっていた。

ガタン!

無人の校舎に達也が下駄箱から上履きを落とす音が響き、

パタパタ

とそれを響かせながら達也は自分のクラスへと向かっていく、

だが、

「おっとぉ」

途中で達也は足を止めると、

「警備員のおじさんに見つかると厄介だから、

 静かに静かに」

と達也は誰にも気づかれないようにするため、

脚を偲ばせながらゆっくり歩き始めた。

闇のそこへと続くような薄暗い廊下を進み、

やがてその視界に自分のクラスのドアが見えてくる。

そして、そのドアのところに来たとき、

「あんっ」

「んんっ」

「あはん…」

教室の中から喘ぐような艶かしい声が響いてきたのであった。

「え?」

思いがけないその声にドアを開けようとした達也の手は止まり、

ジッと耳を澄ましてしまうと、

「…俊…

 俊のここ…

 とっても濡れているよ…」

と中から人の声が聞こえてきた。

「俊…

 俊って誰だ?」

もれ聞こえてきた人の名前を指しているであろうその言葉に小首を捻ると、

さらに聞こえるようにと自分の耳をドア傍まで持っていく。

すると、

「…瑞穂のオチンチン…

 とっても硬くなっているし…

 それにこんなに反っちゃって…

 あぁ…

 だめ…もぅガマンできない」

と言う声が響くと、

チュッ

チュクッ

チュバ…

追って淫靡な音が響き、

「あっ、

 あっ

 いいよぉ、

 あぁ…

 ダメッ

 そんなに吸っちゃぁ」

と声が響く。

「誰と誰が…

 教室で何をやってんだ?」

教室内から響くその音に股間を猛々しく盛り上げながら達也は心の中で呟くと、

何とかして中を見ようと気づかれないように辺りを探りまくる。

そして、閉じられているはずの前ドアがかすかに開いていることに気がつくと、

達也はそのドアの隙間から教室の中をうかがい始めた。

すると、

帰るときは整然と並んでいたはずの机は教室の中央に集められ、

その集められた机の上で白い水着のような物を身につけた男と女が

艶かしく絡んでいたのであった。

「おいおい…

 教室の中で堂々とかよ」

心臓をバクバクさせ、

鼻息荒く達也は覗き見ていると、

絡んでいた二人は互いに離れ向き合うが、

それと同時に、

「!!!」

その二人の素性がわかってしまったのであった。

「あれは…

 青葉と田沢じゃないか…

 え?

 でも、ちょっと待て、

 なんで、青葉の胸が膨れているんだ?

 それに田沢の体ってどう見ても男?

 あの白いのって水着だよな…

 青葉が女の水着を着て、

 田沢が男のパンツを穿いている…

 どうなっているんだ、これって」

男子であるクラスメイトの青葉俊輔が女に

一方、同じクラスメイトの女子である田沢瑞穂が男になっていることを見せ付けられ、

達也は混乱していく。

そして、混乱する達也に構うことなく二人は抱き合うと、

「あぁぁん」

「あはぁぁん」

と喘ぎ声を上げ合いながら果てていったのであった。



「すっすげーっ

 これって、

 すげーよ」

その日の夜。

達也は自分のパソコンに映し出されている画像を見ながら、

自分の股間を盛り上げていた。

カチッ

パッ!

カチッ

パッ!

指を震わせながらマウスをクリックするごとに

画面にはあの教室の淫らな模様が映し出される。

そう、あの教室内で繰り広げられていた俊輔と瑞穂の痴態の一部始終を

達也は自分のケータイのカメラで撮影していたのであった。

白い水着を透き通らせながら絡み合う男と女…

無論、二人とも達也は良く知る人物であり、

毎日言葉を交わしていたのだが、

しかし、二人の首から下の身体は達也に知らされていた情報とは大きく異なり、

その食い違いが達也をさらに異質の世界へと引きずり落としていたのであった。

「…なっなんでだよぉ…

 青葉…

 なんで、お前は女になっているんだよぉ

 田沢ぁ、

 なんで、お前は男になっているんだよぉ」

シュッシュッ

シュッシュッ

画面を凝視しながら達也は股間を扱き始めると、

カチカチカチ!

クリック音がさらに響き、

画面はドンドンとズームアップされていく、

そして画面いっぱいに股間を大きく開き、

身につけている白い水着を横にずらして

縦に開く女性の性器を見せ付ける俊輔のあらけない姿に釘付けになってしまうと、

「うっ!」

シュッシュッ!!!

達也は射精をしてしまったのであった。



翌日、

達也が教室に姿を現したときには昨夜のことなど嘘だったかのように、

教室は登校してきた生徒達がいつもと変わりなく雑談に興じ、

俊輔と瑞穂が抱き合っていた机は元の位置に戻されていた。

「この机の上で…

 二人は…」

白い水着を身につけ絡み合う二人を思い出しながら、

あの時二人の下に置かれていたはずの自分の机を達也は撫で回していると、

「おはよー」

の声と共に青葉俊輔が教室に姿を見せ、

それから少し遅れて田沢瑞穂が姿を見せる。

「やっぱり…青葉は男で、

 田沢は女だよなぁ…」

二人が着ている制服をじっくりと見ながら達也は

”昨夜見たものが幻であったか”

とも思ったが、

「いや、証拠の写真は撮ってある。

 あの制服の下の青葉の体は女になっていて、

 田沢は男なんだ…」

と確信すると、

「そういえば…

 よく見てみると二人とも…なんか違うよな…」

他のクラスメイト達とはどこか違う二人のスタイルを見ていたのであった。

その日から達也はバレー部の練習が終わると一人わざと居残り、

教室内で繰り広げられる俊輔と瑞穂の痴態をのぞき見るようになった。

そして、それらの痴態をケータイに収めると、

その画像を見ながら自宅でオナニーに没頭するようになっていったのである。

「はぁはぁ…

 はぁはぁ…

 うっ!」

シュシュッ!

画面に映し出される俊輔の画像を見つめながら

達也はその日何度目かの射精を飛ばす。

そして、

「はぁ…」

大きく深呼吸をすると、

「青葉…

 お前なんでそんな身体になったんだよ、

 うっ羨ましいじゃないかよぉ、

 おっ俺、

 お前に惚れちまったみたいだよ」

と呟くと、

シュッシュッシュッ

射精し萎えたはずのイチモツをまた激しく扱き始めた。

こうして達也の俊輔への思いは日増しに高くなり、

ある日、ついに達也は一線を越えてしまったのであった。



「達也へ、

 いきなりこんな手紙を差し出したことをお詫びする。

 実は僕は君の秘密を知ってしまったんだ。

 誰も居ない教室内で君が瑞穂を絡んでいるところ偶然見てしまい、

 君の体が女の子になっているのを知って僕はびっくりした。

 だからと言ってなんで君が女の子になってしまったのかはあえて聞かない。

 なぜなら僕は君に惚れてしまったからだ。

 君の事はクラスのみんなには内緒にする。

 だから僕に君の白い水着の姿を見せてほしい。

 そして、僕と付き合ってほしい」

水泳部の部室でカバンから出てきた手紙を読んだ俊輔はその表情を一気に凍らせると、

ガタガタと震え始めだした。

「どうしたの?」

そんな俊輔の姿を見て先に白アシの競泳水着に着替えた潤が尋ねると、

「どうしよう…」

と俊輔は呟きながら手紙を潤に手渡し、

「これって…」

文面を読んだ潤は驚きながら俊輔を見た。

「まさか、

 アレを見られていただなんて」

毎晩ではないものの、

性欲の盛んな瑞穂に誘われるまま俊輔は自分の教室で絡み合い、

そして幾度も絶頂に達していたのであった。

「どっどうするつもり?」

俊輔を見ながら潤は尋ねると、

「どうするって…

 どうしよう…」

俊輔はただ混乱するばかりだった。

と、その時、

「こらぁ、

 そこっ、

 いつまで着替えに時間を掛けているのっ

 みんなプールに集合しているぞ」

の声と共に新水泳部キャプテンの香織が競泳パンツ姿で姿を見せると、

「あっ、

 キャプテン!」

と俊輔と潤は声を揃えた。



「なるほど…

 そういうわけね」

二人から事情を聞いた香織は小さく頷くと、

「あの、キャプテン、

 どうしたら…」

俊輔はこわごわ尋ねる。

すると、

キッ!

香織は俊輔を見つめ、

「青葉、これは青葉がまいた種よ、

 あなたが責任を持って相葉君を新水泳部に迎えるのよ」

と指示をした。

「はぃ…判りました」

その指示に俊輔は声を小さく返事をすると、

「こらぁ、

 声が小さいぞ、

 これはあくまで新入部員の勧誘なのだから、

 もっと堂々と返事をしなさい」

と香織は言いながら俊輔の鼻の頭を指で弾き、

「で、彼をあたしに紹介するときには、

 当然、白アシが似合う姿になっていること」

と付け加えたのであった。



「相葉君へ、

 お手紙を読みました。

 金曜日の夕方、プールまで来てください。

 待ってます」

「これは…」

俊輔からの手紙を受け取った達也は飛び上がりそうになりながらも、

幾度も文面を読み、

「やったぁ!」

と心の中で叫ぶと、

金曜日が終わるのを心待ちにしたのであった。

そして迎えた金曜日の放課後、

逸る気持ちを抑えながら達也は水泳部の練習が終わったプールに出向くと、

人気の無いプールサイドに一人、

白い競泳水着を身につけた俊輔の姿があった。

「あっ青葉…」

これまで昼間の教室内ではかけたことが無かった声を達也はかけると、

俊輔は返事をせずに顔を挙げてニコリと微笑んでみせる。

ゴクリ

笑みを浮かべる俊輔を見ながら達也は生唾を飲み込むと、

「あっ青葉、

 一つだけ聞かせてくれ、

 なんで君は女の子になっているんだ、

 たしか、君は男だったはずだ」

とピッチリと白アシが覆いながらも恥ずかしげに膨らんでいるバスト、

括れを見せるウェスト、

そして、ムッチリと膨らむヒップを見ながら尋ねた。

だが、

「・・・・・」

その問いには俊輔は答えず、

しばし間を開けた後、

「ねぇ…

 僕だけ白アシを見せるのは不公平とは思わない?」

と尋ねてきたのであった。

「え?

 不公平って?」

俊輔の口から出た言葉に達也は驚くと、

「相葉君っ

 あなたもこれを着て」

そう言いながら俊輔は一着の白アシを掲げたのであった。

「それは…」

白アシを見ながら達也は絶句すると、

「僕とお揃い、

 だって、僕と付き合ってくれるんでしょう?」

絶句する達也に向かって俊輔はそう囁く

「うっ」

俊輔のその言葉に達也は言葉を失うが、

「わっ判ったよ」

と返事をすると、

俊輔から白アシを奪い、

少し離れたところで制服を脱ぎ始めだした。

すると、

「何を恥ずかしがっているの?

 ココには僕と相葉君しか居ないんだよ、

 着替え手伝ってあげる」

いきなり達也の耳元で俊輔の声が響くと、

スルッ!

彼が着ていたYシャツが脱がされ始めた。

「やっやめろよ、

 おっ俺一人で出来るって」

積極的な俊輔の行為に達也は困惑するが、

「何を言っているの、

 さっ早く脱いで、

 そして、この白アシを着て」

と俊輔は甘えるように囁き、

達也のズボンをパンツごと引き降ろしてしまうと、

脚を通した白アシを下から引き上げて見せた。

「あっ!」

ピチッ!

と股間が覆われていく感覚に思わず達也は声を上げてしまうと、

「とっても気持ちいいでしょう、

 これが白アシなんだ。

 さっ、

 胸まで引き上げて」

ムクムクと膨らんでくる股間に構わず

俊輔は白アシを引き上げてしまうと、

達也の身体を白アシが覆ってしまい、

身体の線を浮かび上がらせてしまった。

「あぁ…

 そんなに見ないで、

 恥ずかしいよ」

限界まで膨らんでいる股間に気づいたのか、

達也は股間に手を押し込んで恥ずかしがって見せると、

グッ!

俊輔はそんな達也の手を引き、

「もっと気持ちよくしてあげる」

と囁きながらプールへと走っていく。

そして、

ザバー!

サブン!

二人揃ってプールの中へと飛び込んでしまうと、

俊輔は達也をギュッと抱きしめ、

「ほらっ、

 こうすると白アシが水に濡れてとっても気持ちよくなるんだ」

と言いながら、

俊輔は自分の身体を達也に擦りつけ始めた。

「あっあぁぁ…

 だめっ

 そんなに強くこすらないで」

白アシの下で硬く勃起しているイチモツを

ムッチリとした腿で挟むようにして身体を擦る俊輔に向かって達也は声を上げるが、

「うふふ…

 だーめっ

 僕の手で君をイカせてあげるんだから」

小悪魔のように俊輔は囁くと、

水の中で達也を弄び始めた。

「やっやめてくれぇ

 お願いだから」

俊輔に主導権を握られ達也は必死にもがくが、

だが、水の中では水泳部員に勝てるわけが無い、

「あっあぁあっっ」

俊輔の執拗な攻めに達也は泣くように喘ぎ声を上げてしまう、

そして、喘ぎ声と共に、

達也の乳首が敏感になっていくと、

体中が敏感になってしまい、

ついさっきまで硬く勃起していたシンボルが萎縮してしまうと、

クチュッ…

ついに達也の股間に縦溝が刻まれていったのであった。



ザバッ

ザバッ

気を失った達也を溺れないように引きながら、

俊輔がプールサイトまで泳いでくると、

そのプールサイドには白アシの競泳水着を着た元・男子と、

同じ白アシの競泳パンツを穿いた元・女子が立っていて

「ご苦労様でした」

皆を引きいる香織が俊輔に向かって手を差し伸べたのであった。



つづく