風祭文庫・アスリート変身の館






「白アシの香織」
(第4話:裕香の水着)



作・風祭玲


Vol.692





バシャーン!

真夏の太陽を背に受けて競泳水着姿の少女がプールへと飛び込んでいく、

飛び込んだ後、深々と潜っていった彼女だったが、

バシャッ!

スタートラインから7m程離れたところで水面に顔を出すと、

勢いよく泳ぎ始める。

「がんばってー」

「いけーっ

 裕香ぁ!!」

泳ぎ続ける彼女に周囲から声援が飛び、

そして、その声援の中、

彼女は賢明に泳ぎ続ける。

周囲を湧かせながら泳ぐ彼女の姿を

建物の影に隠れて見つめている1人の男子の姿があった。

「はぁ…優香さん…」

彼女の名前をそう呟きながら

彼はジャージのズボンに手を入れると、

その中で大きく膨らんでいる競泳パンツをさすり始めた。

そして、

「裕香さん…」

シュッシュッ

「ぼっ僕…」

シュッシュッ

「君のことが…

 あっあっ」

まもなく始まろうとしている射精に備えたとき、

「おーぃっ、

 健太っ

 どこ行った?
 
 準備は終わっているかぁ?」

遠くから彼を呼ぶ声が響くと、

「え!」

健太と呼ばれた男子は慌てて競泳パンツから手をどかし、

不発に終わった膨らみもそのままに

駆けだしていった。



「お前っ

 またのぞきに行ったのか?」

「すっすみませんっ」

「なに、チンポおっ勃てているんだよ」

「ちっちがいます」

「あんまり露骨にやっていると、

 見つかって水掛けられるぞ」

「違いますって」

水泳・男子部室に戻った健太に先輩達が茶化すが、

健太は頑として覗きをしていたことを認めようとはしなかった。

こうして、その日の水泳部の練習は終わり、

「おーぃ、健太っ

 後始末よろしくな」

の声と共に先輩達が一足先に帰宅していくと、

「はぁ…」

プールに1人取り残された形になってしまった健太はため息をついた。

カラン!

手に持っていったモップを放り出し、

そのままプールサイドで大の字になると、

「俺…

 辞めようかなぁ…」
 
と呟く。

この春、この学園に入学した健太は期待に胸を膨らませて、

この水泳部に入ったのだが、

しかし、先輩達からのシゴキは彼の想像を超え、

10人居た1年生男子部員も1人、

また1人と退部して行き、

ついには健太1人になってしまった。

そしてそのことは、

全ての雑用が健太に押し着けられる形になってしまい。

健太は水泳の練習よりも雑用係としての、

日々を過ごすようになっていたのであった。



「はぁ…

 ここにいてもなんの意味があるのかな?」

あかね色に染まる空を見ながら健太はそう呟いていると、

「ばいばーぃ」

「また明日ぁ」

と女子の声が響いた。

「え?」

その声に健太は起きあがると、

丁度プールの真下で

女子部員の岬裕香が友達と別れ帰って行くところであった。

「優香さん…」

しっとりに濡れた髪をくくり上げ帰途につく裕香の後ろ姿を見ながら、

健太は膨らみを増してきた競泳パンツに手を持って行く、

そして、陽の高いときに果たせなかった続きをしようとしたとき、

「そうだ」

健太の頭にある考えが浮かんだ。



カチャッ!

「誰もいませんよね」

その声と共に灯りが消され、

薄暗くなっている女子更衣室のドアが開いた。

「誰もいない…」

幾度も中を確認して、

競泳パンツ姿のままの健太は入り込むと、

スゥゥゥゥ…

その中にこもっている空気を思いっきり吸い込んだ。

「はぁ…

 なんて言い匂いだ…」

競泳パンツの膨らみをさらに増しながら健太はその感想を言うと、

「へへっ

 水泳部を辞めるんなら、
 
 やりたいことをして辞めよう…」

と呟きつつ

「えぇーと、

 僕のアイドル岬裕香ちゃんのロッカーは…」

健太は憧れの彼女である、

岬裕香のロッカーを探し始めた。

「くふふふ…

 大丈夫大丈夫、
 
 優香ちゃんのロッカーはちゃぁんと把握しているから、
 
 これくらいの暗さでもバッチりだよ」

既に裕香のロッカー位置を把握していた健太は含み笑いをしながら、

狭い部室の中を巧みに動き回り、

程なくして”岬裕香”と名前が入っているロッカーの前に立った。

「ふふふっ

 裕香ちゃん。
 
 君の烈々なファンである僕がこの扉を開けることを許してね」

そう言いつつ、健太は腕を伸ばすと、

ガチャッ!

閉じられている扉を開ける。

すると、

キラッ!

なんとロッカーの中にあの裕香が着ていたであろう水着が一着、

水を滴らせながらハンガーに掛かっていたのであった。

「うそっ

 まさか、
 
 これっ
 
 優香ちゃんの?
 
 たっ確かに…
 
 優香ちゃんが着ていたのに間違いはないけど…
 
 でも、なんで?
 
 忘れていったのかな?」

ゆらりと揺れる水着を前にして、

健太は恐れおののくが、

だが、

ニタァ…

健太は満面の笑みを浮かべると、

「へへっ

 ここに置いてあると言うことは、
 
 誰が着ても良いんだよね。

 誰が着ても…
 
 なら、当然僕が着ても…」

と無茶苦茶な論理展開をするなり、

その水着を取り出すと、

ギュッ!

と抱きしめた。

「あぁ、優香ちゃんが僕に抱かれている」

水着の冷たい感触を感じつつ健太は悦に浸るが、

「あっそうだ、

 やっぱり本当に優香ちゃんのか確認をしないと…」

と言いながら健太は水着に付いているタグを確認し始める。

この学園の水泳部の水着や競泳パンツは健太のも含めて全員オーダーであり、

それぞれの水着・競泳パンツには所有者の名字が入っているのであった。

健太もそのことを知っており、

水着を広げて、

その中に書かれているタグに目を通す。

「うふっ、

 やっぱり、優香ちゃんのだ…」

とタグに書かれている岬裕香の文字を確認するなり、

えびす顔へとなっていった。



こうして、憧れの岬裕香の水着をせしめた健太であったが、

「そ・う・だ…」

何を思ったか、いそいそと競泳パンツを脱ぎ去ると、

手にしている裕香の競泳水着へ足を通しはじめた。

そして、

キュッ!

軽い音を立てながら健太は競泳水着を引き上げ、

肩に肩ひもを掛けると、

「うわぁぁ

 これが彼女が身につけていた競泳水着なのか」

キュッ!

ピタッ!

健太の股間から腰、ウェストを覆い、

さらに胸まで覆い尽くしてしまう

女子用競泳水着特有の身体に張り付く感覚に感じ入っていた。

そして、

ムクリ!

その股間で痛いほどに勃起している自分の肉棒の所に手を移動させ、

シュッ

シュシュッ

と競泳水着の上から扱き始めだした。

「あはっ

 いいっ
 
 優香ちゃんの水着が僕を…
 
 あぁ
 
 優香ちゃん。
 
 優香ちゃん。
 
 優香ちゃん。
 
 ぼっ僕…
 
 もぅ限界です。
 
 出していいですか?
 
 出しちゃっていいですか?」

女子用競泳水着に包まれる幸福感に浸りながら

健太は爆発の時を迎える。

そして、

「あぁっ

 でっ出るぅぅぅ」

胸を揉み、

股間を扱きながら健太がそう訴えた瞬間。

スッ

影から二本の手が伸びると、

「うぐっ」

健太は突然背後から口をふさがれ何かを嗅がされてた。

「うっあっ

 うぐぐ…」

次第に意識が遠のくを感じながら健太は倒れてしまうと、

「ふぅ、

 間一髪ね」

と安堵する声が静かに響き渡った。



「うっ」

意識を失っていた健太が目を覚ますと、

ザザッ

彼はいつの間にかプールサイドに寝かされたいた。

「ここは…」

起きあがりながら夜空に浮かぶ突きを見上げると、

「目がさめたかしら、

 健太君」

と言う声が響く。

「え?」

その声に健太が振り向くと、

「ふふっ」

「うふふふっ」

健太が寝かされた場所から少し離れたところで、

水泳部のジャージ姿の岬裕香と

女子キャプテンの水上香織の姿があった。

「え?

 あっ
 
 こっこれは!」

憧れの裕香とキャプテンの香織の姿に

健太は困惑しながら事情を説明しようとすると、

「え?」

その口から出てきたハイトーンの声に健太は驚き思わず口を噤んだ。

そしてさらに自分の身体を見たとき、

「うそっ」

健太の口からこの言葉が漏れる。

「うふっ

 うふふふ…

 どうしたの?
 
 さぁ、新水泳部の練習の開始よ。

 いまここにいるのは女の子だけ」

ジャージ姿の香織はそう言いながら健太に迫ると、

「うふっ

 君は新水泳部の新入部員よ」

と言いながら腰を下ろし、

水着の上から見事に膨らんでいる健太の乳房を指で押した。

「きゃっ!」

香織のその行動に健太は悲鳴を上げて胸を隠すと、

「可愛い…」

いつの間にか裕香が健太の後ろに座り、

ススーッ

っと競泳水着が覆う健太の背中を指先で撫でた。

「あっ、

 いやっ」

体中が痺れてくる感覚に健太は身を捩ると、

「君は女の子になったのよ」

と香織は囁き、

そして、閉じている健太の股を自分の手で開かせた。

「そっそんなぁ!」

気を失う前には確かに膨らみを作っていた肉棒の影はなく、

いま健太の目に映るのは縦に刻まれた溝の影のみ…

「そんな…

 おっ女の子に…」

とても信じられない事実に健太は困惑すると、

「ふふっ、

 オイタをした罰よ、

 卒業までずっと女の子で居るのよ、

 でも、教室では男の子として振る舞うの」

そう裕香は耳打ちをする。

「え?」

裕香のその言葉に健太は驚くと、

「ふふっ

 いいわぁ…
 
 女の子なのに男の子として振る舞うだなんて、
 
 なんかゾクゾクしちゃうわ」

と香織は囁く。

そして、

「あぁ、早くその女の子の身体に慣れてもらわないとね」

香織と裕香はそう言いながら

チーッ!

着ていたジャージを脱ぎ、

そして、穿いていたパンツをゆっくりと下ろしていく。

「そっそれは…」

ジャージの中から出てきた2人の姿に健太は驚くと、

「ふふっ、

 そう、あなたもよく知っている男子の競泳パンツよ、

 これが新水泳部のユニフォームよ」

「あなたが女子の水着を着たのだから、

 あたし達は競泳パンツを穿いてお相手をしてあげる。

 さぁ」

男子の競泳パンツを穿き、

トップレス姿となった裕香と香織はそう囁きながら健太に迫ると、

そして、その夜、

プールからは女性の艶めかしい喘ぎ声が響き渡っていたのであった。



つづく