風祭文庫・アスリート変身の館






「白アシの香織」
(第2話:香織の陰謀)



作・風祭玲


Vol.633





カッ!

照りつける真夏の日差しの元、

バシャッ!!

ひときわ高く水飛沫が上がると、

バシャッ

バシャッ

青空を映し込むプールの中では白熱したレースが繰り広げられていた。

そしてプールサイドでは、

「浅香先輩ーっ、

 頑張って!」

「負けるなっ

 キャプテンの意地を見せろ!」

水に濡れた競泳水着を光らせる女子部員や、

鍛え上げた肉体を誇示するかのような男子部員などから盛んに声援が飛ぶ。

そんな声援の中、

バシャッ

バシャッ

バシャッ

「くそぉ!」

水泳部・男子キャプテンである青葉俊輔に勝負を挑んだ浅香大輔は焦りを感じていた。

「全然、引き離せない。

 それどころか青葉の奴、距離を縮めてきやがる」

先陣を切っていたはずの大輔は次第に迫ってくる俊輔の気配に、

焦りを感じていたのであった。

「やべーよ、

 やべー、
 
 こっちから勝負を申し込んで、
 
 このまま負けたんじゃシメシが付かないぞ」

間近に迫ってきた水音に大輔はピッチを上げるが、

しかし、それも一瞬に過ぎず。

リズムを崩してしまったツケは瞬く間に俊輔との距離を縮め、

「ちくしょう!!!」

そして真横に並ばれたとき、

大輔は悔しさから思わず声を上げてしまった。


タン!


勝負は俊輔の勝利で終わった。



「と言うわけだ、

 浅香」

プールから出た途端、

大輔に向かって俊輔は話しかけると、

「あぁ判ったよ、

 お前が一番だよ」

大輔はぶっきらぼうな返事をしながらタオルを取る。

「これで僕がキャプテンをすることに異議がある者はいないね」

ふてくされる大輔を横目に俊輔は余裕の目で部員達に尋ねると、

「………」

二人を取り巻く水泳部員達からは何の声も上がらず、

「ふむ」

その様子を見た俊輔は大きく頷くと、

「じゃっそう言うことだ、

 顧問にそう伝えてくれ」

と言い残して更衣室へと引き上げていった。



「畜生!!」

ガン!!

それから1時間後、

練習から上がった大輔は鬱憤を晴らすかのように、

ロッカーのドアを蹴り上げていた。

すると、

「まったく、使えないのね」

と女性の声が響き、

「あん?」

その声に振り向いた大輔の前に水着姿の水上香織が姿を見せた。

「なんだ、水上か」

「あら、なんだはないでしょう?」

「いいのかよ、

 女が男の更衣室に入り込んでよ」

「別に良いじゃない。

 あたしとあんたしか居ないんだから、

 なんなら、女子更衣室にご招待しましょうか?」

「けっ

 そんなことをしたら俺は即・停学だよ、

 生活指導の金丸がさぞかし喜ぶだろうな、

 で、使えないってなんだよ」

大輔は最初に香織が言った言葉を問いただすと、

「まったく…

 青葉を追い出す良いチャンスだったのにさ、

 負けちゃうんだもんね」

と香織は呆れた口調で指摘する。

「うっ

 なんだ、その話かよ」

その言葉に明らかに不機嫌そうな表情で大輔は返事をすると、

「あたし、

 買っていたんだよ、あんたを…」

「それは、また、

 大損をさせてしまいましたね、

 でも、馬券は買ってないんだろう?

 あのレースの」

「そうねぇ…

 勝負が開始前から決まっていたからね」

「けっ、

 言ってくれるな…
 
 で、それを言いにわざわざ男子更衣室に潜り込んできたのかよ」

「まぁ、そうかな?」

「ふんっ、

 じゃぁ用が済んだらサッサと出て行ってくれないか?
 
 お前が居たんじゃぁ着替えが出来ないよ、
 
 それとも、
 
 俺のをじっくりと見せてやろうか?」

香織を見ながら大輔は競泳パンツをずらしはじめた。

すると、

「バカなことをやって居るんじゃないよ、

 あたしが言いたいのは青葉に負けて悔しくはないのか?
 
 と言うことだよ」

香織は大輔に向かって怒鳴った。

「あぁ?

 そりゃ、悔しいよ、
 
 でも、今日の勝負を見て判るだろう?
 
 奴に俺は敵わないってな」

「ふんっ

 負け犬」

俊輔との力の差を認めようとした大輔に向かって、

香織がそう呟くと、

「なに?」

見る見る大輔の顔が引きつりだした。

「ふぅ…

 怒るってことは、プライドがあったみたいね」

それを見た香織はそう言うと、

「うるさい」

その言葉を吹き飛ばすように大輔は声を荒げた。

すると、

「じゃぁ、もぅ一回勝負してみる?」

とそんな大輔にむかって香織は再試合について尋ねる。

「え?」

「再試合よ、

 再試合」

「でも…」

「なによ、情けない。

 そんな度胸もないの?、

 浅香君には…」

再試合と言われて意気消沈してしまう大輔に香織は肩を落としながらも、

「じゃぁさ

 青葉が全力を出せなくすればどうかな?」

と持ちかけた。

「全力を?

 どうやって?」

「ふふっ、

 あたしに任せて…

 あたしが舞台を作ってあげるわ、
 
 あとはあなたの実力で奪う事ね」

意味深な台詞を言いながら香織は立ち上がると、

「じゃっ、

 今度は頑張ってね」

と言い残して更衣室から去っていった。



バシャッ!

部員達が消えたプールに水飛沫が上がる。

やがて、

「ふぅ…」

っと言う言葉と共に水の中から俊輔が出てくると、

「お疲れ様です」

と言う声と共に香織がタオルを差し出した。

「おっ、

 サンキュー!」

礼を言いながら俊輔はタオルを受け取ると、

「居残りで練習ですか?」

と香織は尋ねた。

「あぁ…

 常にキャプテンとしての役目を果たせるようにしないとね」

香織の質問に自信たっぷりに俊輔は答える。

「そっか、

 確かに…」

その言葉に香織が頷くと、

「おいおいっ

 そう言うお前だって女子のキャプテンだろう?
 
 しっかりしてくれよ」

そう俊輔は指摘すると、

「うふっ

 そうね、
 
 あたしも女子部員にバカにされないようにしなくっちゃね」

その言葉に香織は笑みを浮かべた。

そして、

「さっき塩素濃度を測ったら、

 濃度が薄くなっていたわ、
 
 これ、放り込んでおいて」

と500円玉サイズの錠剤を俊輔に手渡すと、

じゃっ、

 お先に…」

そう言い残して去っていった。

「?

 なんだぁ」

香織が浮かべた笑みの意味が判らない俊輔は小さく首をひねるが、

「ふんっ」

直ぐに錠剤を放り込むと、

シュワァァァァ!!

錠剤は激しく泡を吹きながらプールの底へと落ちてゆく。

「なんだ?

 炭酸でも入っているのか?」

泡を吹く錠剤を胡散臭そうに俊輔はみるが、

しかし、そのことには大して気に止めず、

「よしっ

 後3本!」

と気合いを入れると、

バシャッ

プールに向かって飛び込んだ。



翌日…

「あれぇ?

 元気がないなぁ…」

いつもなら元気良く朝勃ちをするはずの俊輔の肉棒だったが、

しかし、この日の朝はそんな元気もなく、

小さく縮こまったままであった。

「なんだよっ、

 もぅ、縁起が悪いな」

そんな肉棒をパンツの上から叩き、

俊輔はいつもと同じように着替えはじめる。

しかし、

放課後…

「!!!」

水泳部の練習に出るために更衣室で競泳パンツを穿こうとした俊輔は

自分の股間を見て思わず凍り付いてしまった。

「?

 どうしたんです?
 
 キャプテン?」

それを見た他の部員が理由を尋ねると、

「いっいやっ

 何でもない、
 
 先に行っててくれ」

と俊輔は言い、

「はぁ?」

部員達はその俊輔の言動に首をひねりながらも、

「では、先に行きます」

と告げ、次々と更衣室から出て行った。

そして、誰も居なくなると、

「ゴクリ…」

俊輔は喉を鳴らし、

そしてバスタオルで隠した股間を露わにする。

「まっマジ?

 なにこれ?

 俺のチンポは何処にいったんだ?

 これじゃぁ、
 
 女のオマ…」

と股間を慎重に触りながら言いかけたところで、

ガチャッ

「おぉいっ

 キャプテン!!
 
 部員ほったらかして何しているの」

と競泳水着姿の香織が男子更衣室のドアを開け、

首をつっこんできた。

「うわっ」

突然響いた香織の声に、

俊輔は飛び上がりながら慌てて競泳パンツを引き上げると、

グリッ!

そのパンツが俊輔の股間に開いた溝に激しく食い込む。

「ひっ

 うっ」

それと同時に俊輔は股間を押さえながら座り込んでしまうと、

「ん?

 何をしているの?」

と香織は訝しがりながら尋ねた。

「うっうくっ、

 なっ何でもない…
 
 後で行くって伝えて…」

股間を押さえながら俊輔はそう言い訳をするが、

「どうした?

 股でも打ったの?」

心配そうな顔をして香織は更衣室に入り込み、

「おいっ、

 大丈夫か?」

と俊輔に具合を尋ねた。

「大丈夫…

 大丈夫だから」

そんな香織を押し返しながら俊輔はそう言うが、

「顔色青いよ、

 保健室に行った方が…」

香織は心配そうに言い、

そして、俊輔を抱き起こそうとすると、

「やっやめろ、

 俺は大丈夫だ」

俊輔はそう言いながら香織の手を払うが、

「バカっ

 もし、大変なことだったらどうする!」

そんな俊輔を香織は叱りとばすと、

強引に抱き上げ、

履いていた競泳パンツを一気に引き下ろした。

その途端、

「うそっ」

香織は信じられないようなものを見た目をすると、

「いやっ

 見ないで!」

股間を露わにしながら俊輔は顔を隠した。



「………」

無言の時間が過ぎ、

その静寂を突き崩すように、

「青葉…お前…

 女だったのか…」

と香織は呟く。

「ちっ違うっ!

 俺は男だ、

 でも、なぜかここが女になってしまったんだよ」

と俊輔は言い返すが、

「……」

香織は俊輔の股間をシゲシゲとみた後、

徐に手を伸ばし、俊輔の胸を抓ってみた。

「痛い、

 何をするんだ」

「ふむ、

 オッパイは膨らんでないか…」

胸を押さえながら抗議する俊輔に香織は冷静に言うと、

「!!!」

それを聞いた俊輔は慌てて胸を隠した。

そして、

「ふぅーん、

 男子キャプテンが女にか…

 コレみんなに知れたらどうなるかな?」

意地悪そうに香織は言うと、

「水上っ

 これは俺とお前だけの秘密にしてくれ」

と俊輔は香織に頼み込む。

「秘密?」

「そうだ、

 俺のチンポがマンコになった。
 
 だなんてみんなに知られたら、
 
 それこそ、一大事だ、
 
 だから…な…」

「ふーん」

拝むようにして頼む俊輔の姿に香織は腕を組むと、

「まぁっ

 仕方がないわね、

 いいわ、協力してあげるわ」

と返事をすると立ち上がった。

「ありがとう、

 恩に着る…」

そんな香織に向かって俊輔は感謝すると、

「でも、

 これって、後々高く付くわよ」

と付け加えた。

香織が去った後、

俊輔は突起物が無くなった競パンの中に詰め物をしてごまかすと、

何食わぬ顔でプールサイドへと向かっていった。

鍛え上られた男の肉体を晒す一方で、

股間には女の性器が口を閉じている…

俊輔は股間の異変を周りに知らせず、

その解決方法を必死に追い求めるが、

しかし、このような事を他人に聞くわけにも行かず、

一人悩むようになっていった。

そして、その悩みはやがてストレスとなり

クチュッ…

「あぁっ」

クチュクチュ

「んくっ

 いっイクぅぅ」

クチュッ

「あひっ!」

俊輔は夜な夜な自分のベッドの中で

卑猥な音を立てるようになって行ったのであった



「困ったなぁ…」

股間が女性器になって半月が過ぎ、

俊輔の周囲はいつの間にか夏休みとなっていた。

無論、水泳部は夏休みなしで、

毎日過酷な練習を繰り返していた。

「はぁ…」

偽りの盛り上がりを作る競泳パンツを穿き、

俊輔はじっと部員達の練習を見ていると、

「よっ、

 相変わらず元気がないな」

の声と共に香織が前に立つ、

「あぁ水上か…」

そんな香織に向かって俊輔はそう漏らすと、

「まだ立ちション出来ないの?」

と香織は尋ねた。

「バカっ

 シッ!」

その声に慌てて俊輔は口に人差し指を立てると、

「うふっ」

香織は小さく笑い、

俊輔の横に座ると、

「ねぇ、

 胸の乳首、大きくなったね、

 それに、オッパイも大分膨らんできているように見えるけど」

と小声で指摘した。

「!!っ」

その言葉に俊輔は慌てて自分の胸を見ると、

「うふっ、

 嘘よ、
 
 でも、乳首が大きくなっているのは本当よ」

と指摘を訂正した。

「水上ぃ!!」

その言葉に俊輔がくってかかると、

「ねぇ、

 どうなの、オチンチンがなくなった感想って、

 男の子の競泳水着に女の子のオマンコ…

 うふっ、ミスマッチね。

 これ、みんなが知ったらなんて言うかな」

と香織はプールを見つめながらそう言うと、

「おいっ

 約束を忘れるんじゃないぞ」

俊輔は釘を刺した。

「無論、

 あの時の約束は忘れないわ、
 
 でもねぇ…
 
 なんか、あたしだけ損をしているような気がするのよ、
 
 だって、あたしが黙っていても何の面白みがないじゃない」

やや膨れ面をしながら香織は言う。

「なっ何が、

 望みなんだ…」

香織の言葉に俊輔は尋ねると、

「そうねぇ…

 今日の夕方、
 
 ここであたしと付き合ってくれるかな?」

と意地悪っぽく香織は条件を出した。



そして、その日の夕方、

部活が終わり静けさを取り戻したプールサイドに俊輔が立つと、

「お待たせ!」

の声と共に香織が響いた。

「なんだよっ、

 付きあえって」

香織の声に俊輔が振り返ると、

「んなっ、

 なんだその格好は!」

と驚きながら声を上げた。

「ん?

 なにって?
 
 俊輔と同じ格好をしているのよ、
 
 ふーん、男の人の競泳パンツってこんな履き心地なんだ」

男子の競泳パンツを穿き、

トップレス姿の香織はそう言いながら腰をひねってみせると、

「胸を隠せ、

 みっ水着を着ろ、

 こんな所、誰かに見られたらなんて言われるか」

そんな香織に向かって俊輔は声を荒げる。

ところが、

香織は臆することなく近づいてくると、

「何をそんなに怒っているのよ、

 うふっ
 
 俊輔だって一緒でしょう?
 
 ほらっ、
 
 この中、とっくに女の子じゃない」

と囁きながら競泳パンツの中に指を入れ、

そして、膨らみを作っている張り子を取り出して見せた。

「あっ

 止め…」

持ち上げるものを無くした競泳パンツは俊輔の股間に密着し、

そこに刻まれた縦溝をことさらに強調する。

「ふふっ、

 俊輔とあたし…
 
 おなじ競泳パンツを穿いている女の子…
 
 だよね」

「うっ」

香織の言葉に俊輔は言い返せなくなると、

「ねぇ、あたしのオッパイを触って、

 ほらっ」

と言いながら香織は背伸びをすると自分の胸を俊輔の胸に押し当てる。

「あっ」

コリッ

と固くなっている香織の乳首の感触に、

ジワ…

俊輔の股間が湿ってくると、

クチュッ…

「俊輔のあそこ…

 湿っているわよ」

すかさず香織が指を潜り込ませ指摘した。

「違う…

 これは、泳いだからだ…」

その指摘を俊輔は否定すると、

「どう?

 女の子のワレメって」

と香織は感想を聞いてきた。

「どぅって?」

その言葉に俊輔は戸惑うと、

「感想を聞いているの、

 女の子のワレメ・オマンコを持った感想を」

そう言いながら香織は本格的に競泳パンツの中に指を手を入れてきた。

グニッ

グニッ

もっとも敏感な部分を弄ぶように動き回る香織の指に、

「あっあんっ」

俊輔は声を漏らすと、

「うふっ、

 これが女の子の快感よ」

と顔とは囁いた。

「女の子の快感?」

その言葉に俊輔は上気しながら尋ねると、

「そう、

 じゃぁ、もっと気持ちよくしてあげるわ」

そう言いながら香織は俊輔の手を引き、

バシャッ!

二人並んでプールの中へと飛び込んだ、

そして、水の中で、

お互いに身体を密着させると、

クチュッ

クチュクチュ!!

俊輔は香織の股間に、

香織は俊輔の股間に手を入れ相手を責めはじめた。

「あっうんっ」

「んくっ」

「くはぁ…

 どう?
 
 水の中のこれって、
 
 むちゃくちゃ気持ちいいのよ、

 折角オマンコを持ったのだから、
 
 俊輔も味わうと良いわ」

と香織は言うと、

「あっあぁっ

 あぁぁっ!」

香織の激しい攻めに俊輔は声を上げるだけだった。

「うふっ、

 感じているの?
 
 そうでしょう?
 
 女の子ってとっても感じやすいのよ、
 
 ほらっ、
 
 俊輔の肌も女の子のなってきているから感じ始めているのよ、
 
 そうだ、
 
 女の子の水着に着替えましょう、
 
 とても気持ちが良いわよ」

と囁いた。

そして、

「あっあはっ」

「うっうん、

 そうそこよ…」

日が落ちたプールサイドに喘ぎ声が響く渡ると、

女子用の水着姿になった香織と俊輔が共に絡み合い、

互いに股間に舌を這わせて行く。

そして、

「あぁっ

 あぁ…
 
 あぁ…
 
 いっいくぅぅぅ!!」

俊輔の声が上がると、

ビシャッ!

股間より夥しい愛液を噴き上げ、俊輔は絶頂を迎えてしまった。

「うふっ、

 すっかり、敏感になってしまって、

 これって開発したって言うのかな?」

水に濡れた水着を艶めかしく輝かせながら、

絶頂の快感の渦の中にいる俊輔を見ながら香織が呟くと、

「ようっ」

と大輔の声が響いた。

「あらっ、

 着たの?」

その声に香織は顔を上げ、

そして、夕闇をバックにシルエットのように浮かび上がる大輔に声を掛けた。

「へぇ…

 すっかり、女になっているじゃないかよ、

 身体はゴッツイままみたいだが」

「うふっ

 大丈夫よ、
 
 段々と女らしくなるわよ」

意識が飛んだままの俊輔を見下ろしながら二人はそう言うと、

「そうでなくっちゃ、

 じゃないとあの薬を手に入れた苦労が報われないよ、

 さて、これで俺の邪魔者はいなくなったと、

 問題はこれからこいつをどう仕込むか」

と大輔は呟くと、

「なぁに、
 
 優秀な女子水泳部員にしてあげるわ、
 
 元々男だからそれなりに筋力あるし、
 
 それに、あっちの方も仕込めば、
 
 金メダル間違いなしよ
 
 うふっ、
 
 あたしメダリストを育てるのが夢なの」

香織はそう答え見据えると、

そして、その視線の先には、

未だ悶え続ける俊輔の姿があった。

これから待ち受けるさらなる痴態の試練を知らずに。



…あっ春子?

 あの薬ありがとうね。

 うふっ

 お陰であたしの夢が叶いそうよ、

 新水泳部のね…



つづく