風祭文庫・アスリート変身の館






「涼子の条件」



原作・風祭玲

Vol.965





…貴方はもう一つの性になりたいと思ったことはありませんか。

 男性は女性に…

 女性は男性に…

 今まで感じたこともない快感を得ることができます。

 心配しなくても大丈夫。

 効力は3時間程度。

 効力が無くなれば元に戻ります。

 さぁ、未知の扉を開けてみませんか…

ある日、こんな広告を載せた奇妙なスパムメールが巷に出回り、

そして、皆がそのメールのことを忘れ去った頃の早朝。

「…でさぁ」

「…だよねぇ」

などと話し合いながら、

水泳部のロゴが入るバッグを肩から提げた制服姿の少女2人が女子更衣室の前に立ち、

手にしている鍵でドアを開けようとすると、

「あら?」

「?」

ドアノブに手を伸ばした少女の手がピタリと止まった。

「どうしたの?」

それを見たもぅ一人の少女が理由を尋ねると、

「鍵が開いている…」

手を伸ばす少女はそう返事をしながらドアノブを軽くまわした途端、

チャッ

いつもは鍵が掛かっているはずのドアがひとりでに開き、

僅かに隙間を見せる。

「!!っ」

予想外の事態に二人は固まってしまうと互いに見つめ合い、

そして静かに頷いた後、

バンッ!

思い切ってドアを開いて見せるが、

「うっ」

「なに?

 この臭い?」

更衣室内から漂って来た異様な匂いに二人は思わず鼻を覆って顔を背け、

2・3歩その場から下がってしまう。

「くっさーぃっ

 ねぇ…

 何かしらこの臭いって」

「そんなの判らないわよ」

鼻を覆いながら二人は不安そうに話し合い、

「とにかく電気をつけよう」

「えぇ」

と話がまとまると、

ソロリ

そのうちの一人が恐々と手を部屋の壁沿いに這わせ、

カチリ!

と明かりのスィッチを入れた。

その途端、

パパッ!

消されていた蛍光灯が輝き、

更衣室はその光に照らし出されるが、

「なにか…ある?」

「さっさぁ?」

戸口からはいつもと変わらない部屋の佇まいを見ながら

彼女達は勇気を出して一歩中へと踏み込み、

立ち込める悪臭に鼻を覆いながら中を確かめる。

そして、部屋を区切るように立つロッカーを回り込んだ途端、

「!!っ」

「キャァァァァァァ!!!」

更衣室に少女達の悲鳴が響き渡ったのであった。



ファンファンファン

ピーポーピーポー

それから程なくしてこの学園に警察と救急車が駆けつけ、

担架に乗せられた何者かと、

ショックを受けた少女達が次々と搬送されていくと、

水泳部の女子更衣室は警察の捜査のため立ち入り禁止となってしまった。

そして、

「ねぇねぇ知っている?」

「なによっ」

「水泳部の女子更衣室に痴漢がでたんですって」

「おや、俺が聞いたのは変態が出たって…」

「え?

 あたしは女装男が寝ていたって聞いたけど」

「水泳部の女の子が襲われたって…」

と学園内にソースが不確かな噂話が湧き上がり、

皆は興味津々でその噂話をするが、

だが、その輪に加わらない一人の少女の姿があった。

渦中の水泳部女子キャプテン・水巻涼子である。

「ねぇねぇ、涼子ぉ、

 涼子は現場を見たんでしょう?

 ねぇ、一体何があったの?」

休み時間、

今朝発生した事件の噂話に興じていたクラスメイト達は

一番詳しいであろう涼子に向かって話しかけてくると、

「ごめんなさい、ノーコメントにさせて。

 あたしこれ以上、噂に火をつけたくないのよ」

陽に焼けた顔を見せながら涼子はそう返事をしてみせる。

「そう…

 でも、水着を着た変態が居たって本当なの?」

そんな涼子に向かってクラスメイトは尋ねると、

「ごめんなさい…」

涼子は困惑した顔でそう返事をするだけで、

事件の詳細については一切口にせず、

また教師達も同じように口をつぐんでしまったために

この事件はそれ以上詳しく語られることは無かった。

そして、それから数日が過ぎた放課後、

カチャッ

既に立ち入り禁止の措置が解かれたものの、

使用が停止させられている女子更衣室のドアが開く音が響くと、

ガタン!

一人、涼子が中へと入って来た。

そして、

「ふぅ…」

更衣室に入った涼子は大きくため息をついて見せると、

大きく拭き取られた跡が残る床を見つめ、

「まったく、

 朝までノンビリ寝ていることもないのに…」

そう呟きながら、

カッカッ

と周囲と比べてきれいになっている床を蹴飛ばして見せ、

そのままくるりと振り返ると、

「あなた達、

 そこで立ってないで入ってきなさい」

と外に向かって命じたのであった。

すると、

トッ

俯き加減に湿り気を帯びる競泳水着を着た少女と、

申し訳なさそうな顔をする競泳パンツ姿の男子が更衣室に入ってきた。

「あの…

 ここって…」

更衣室を見回しながら競泳パンツの男子が尋ねると、

「女子更衣室よ、

 もっともあんなことがあったから使われては居ないけどね」

と涼子は答え、

「さて、ここなら人の目はないわ、

 あなた達、あたしに隠れてなんであんなことをしていたのっ」

キッと二人を見据えて涼子は問いただした。



事が起きたのは今日の夕方。

水泳部の放課後の練習が終わりに近づき、

部活後の片付けの段取りをしていた涼子がふと用具室のドアを開けると、

「あっ」

「きゃっ!」

なんと用具室の中で競泳水着姿の1年生女子部員・西山春日と、

競泳パンツ姿の同じ1年生男子部員・南野隆が互いに抱き合い、

濃厚なキスをしていたのであった。

あまりにもショッキングな姿に涼子は唖然とするが、

しかし、兼ねてから春日と隆が付き合っている噂があったことを思い出すと、

涼子の胸の中に部活中にこのような不届きなことをしていた二人が許せなくなり、

慌てて逃げようとする二人の腕を掴み上げると、

「ちょっとあなた達、こっちに来なさい」

と二人をこの更衣室へと連れ込んだのであった。



「あの…」

「その…」

腕を組む涼子の前で二人が言い訳をしようとすると、

「言い訳はいいのよ」

と涼子は言い、

そして、

「あんなところで、

 いかがわしい行為をするほど付き合っていたの」

と問い尋ねる。

「いや、だから」

涼子の言葉に男子部員が説明をしようとするが、

「言い訳は聞きたくないわ」

涼子はその声をさえぎると

「二人とも、

 着ているものを脱ぎなさい」

と命令をしたのであった。

「え?」

「はい?」

思いがけない涼子の命令に二人は驚くと、

「聞こえなかったの?」

と涼子は迫る。

「あっ」

「わっ判りました」

迫る涼子の気迫に押されるように二人は互いに相手を見た後、

背中を向け合うと、

オズオズと水着とパンツを脱いで見せ、

「これで、良いでしょうか」

春日は胸や股間を、

一方、隆は股間を隠しながら返事をする。

すると、

「着ていたものを交換して着るのです」

そんな二人に向かって涼子は再び命じると、

「うそぉ」

春日も隆も驚きの声を上げるが、

しかし、キャプテンの命令には逆らえず、

二人は互いの水着を身につけ、

春日は隆の競泳パンツを、

隆は春日の競泳水着を身に着けて見せた。

「うふっ、

 二人ともとっても変態ね」

二人を眺めながら涼子はそう呟くと、

「うっ」

春日と隆は顔を赤らめながら背けてしまった。

だが、涼子の命令はこれで終わりではなく、

「さぁて、

 水着を取り替えたら体も取り替えてもらいましょうか」

と涼子は笑みを浮かべながら言うと、

「さぁ、このカプセルを飲みなさい」

そう言いながら小さなカプセルを差し出したのであった。

「お願いです、

 もぅ許して」

「変なことはしませんから」

堪り兼ねた二人は涼子に許しを請うが、

だが、

「だめよ、

 さっさとこのカプセルを飲むのです。

 そして、3時間何も無ければ、

 あなた達を許してあげましょう」

と涼子は命じてみせる。

「そんな…」

それを聞いた春日は泣きそうな顔になると、

「さっ3時間だなっ」

春日を庇うように隆が声をあげ、

バッ

涼子が差し出したカプセルを奪うとそれを飲み込んでしまったのであった。

「隆君っ」

隆の行動を見た春日は驚くと、

「春日っ、

 お前もさっさと飲め、

 3時間なにも無ければ許してくれるんだ」

と隆は春日を説得してみせる。

「うっうん、

 判ったわ」

隆の言葉に春日もまたカプセルを飲んで見せるが、

だが、

「やだ、なにこれぇぇ!」

更衣室に春日の悲鳴が上がると、

ムリムリムリ…

春日の股間を覆う隆の競泳パンツが押し上げられるように膨らみ始め、

力をもった棒のようなものが突き出していく。

「かっ春日ぁ」

それとほぼ同時に隆が情けない声を上げると、

「こっこれぇ」

そう言いながらプルンっと膨れてしまった胸の膨らみを競泳水着の上から持ち上げてみせると、

「ちっチンコがなくなっちゃったぁ」

と縦溝が刻む股間を広げて見せる。

「隆君っ!

 そんな…

 どうしよう、

 あたし、男の子に…」

競泳パンツを履き、

分厚い胸板と田形に溝を刻む男性スイマーの肉体を晒しながら春日が太い声で驚くと

「おっおれは女の子に…」

脂肪で丸くなり

ツンと胸を突き出した女性スイマーの肉体となった隆は甲高い声を上げて見せる。

「おほほほ、

 どうかしら、

 お互いに相手の立場になった感想は」

笑いながら性が反転となってしまった二人を涼子は見下ろすと、

「何でこんなことを」

肉棒が突き出す股間を押さえながら春日は怒鳴り、

「そっそうよ、

 早く戻してよ」

と膨らむ胸を隠しながら隆も同調した。

しかし、

「うーん、

 やっと1時間かぁ、

 まだ2時間もあるね」

抗議する二人に構わず涼子は経過時間を指摘すると、

「さぁて、あと2時間、

 何も無ければ良いね」

と楽しそうなことをじっと待つ子供のように無邪気な顔をして見せた。

「お前っ

 こんなことをして何が楽しいんだ」

「キャプテン…」

涼子のその言葉に隆は怒り、

春日は信じていた人から裏切られたような表情を見せる。

しかし、涼子は一切動じることはなく時間だけが過ぎて行く。

そして、それから20分が過ぎたころ、

「んくっ

 んくっ」

男子スイマーの肉体にされた春日に変化が現れた。

「どうした、春日」

何かを堪えるような息遣いをしてみせる春日の姿に気づいた隆は声をかけると、

「隆ぃ…

 あたし、胸がムラムラして苦しいの。

 それにオチンチンが…

 こんなになっちゃって…」

と苦しそうに訴えながら春日は押さえていた手をどけ、

股間を覆う競泳パンツをみせると、

ビンッ!

春日の股間を覆う隆が履いていた競泳パンツは下から突き上げる肉棒によって限界近くまで引き伸ばされ、

さらに、

ムワッ

っと解き放たれた男の臭いが隆に向かって漂ってくる。

「うっ」

それを嗅いだ途端、

ピリッ

隆の体の中を電気のようなものが走り、

ピリピリと肌がしびれ始めた。

「だめっ」

まるで弾かれるようにして隆は春日から離れるが、

しかし、

ジュン…

隆の溝は敏感に反応し、

股間を覆う春日の競泳水着を淫らに濡らし始めていた。

「はぁはぁ

 はぁはぁ

 なに…

 胸が苦しい…

 乳首が痛い…」

コリッと硬く締まった乳首を水着の布地越しに感じながら隆は胸を押さえるが、

サワッ

その隆のムッチリと剥き出しになっている太ももに何者かの手が伸びると、

ピタッ

っと触れてみせる。

「ひゃんっ」

突然のことに隆は飛び上がると、

「はぁはぁ

 はぁはぁ、

 隆ぃ…

 あたし…

 我慢できないのぉ、

 ねぇどうしたら良い?」

股間から伸びている肉棒を扱きながら春日が話しかけてきた。

「かっ春日ぁ、

 お前…くっくるなぁ!」

迫る春日を押しのけて隆は逃げようとするが、

しかし、

「いやっ」

隆を逃がさまいとして春日は隆の腕を掴んで一気に引き寄せると、

「おっおっおっ

 俺…

 お前が…好きなんだよぉ」

と訴えながら春日は隆をきつく抱きしめてみせる。

「いやぁっ、

 離してぇ、

 やめてぇ」

抱きしめながら硬く肉棒が伸びる股間を自分の押し付けてくる春日の行為を隆は拒絶するが、

だが、隆の股間に刻まれた縦溝は隆の意思とは正反対に充血していくと、

ムリッ!

膨らんだ肉襞が花開くようにして縦溝を押し広げ、

クチュゥ…

男を誘う蜜の匂いを振り撒きはじめる。

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

顔を赤ららめ上気した顔を晒しながら隆は呼吸を乱し始めると、

春日の手が隆の股間に潜り込み、

クチュクチュ

クチュクチュ

と水着越しに熟れ切っている隆の性器を刺激する。

そして、

「隆ぃ、

 お前のオマンコ、グチョグチョになっているよ」

と耳元で囁くと、

隆は首を左右に振り、

「いやっ、

 そんなこと言わないで」

と懇願するが、

「へへ…

 スケベな匂いもプンプンさせやがって

 おっ俺のチンポがそんなに欲しいのか?」

春日はそう言いながら手をどけてみせる。

すると、

「あぁっ、

 止めないで、

 手を離さないで、

 お願い、もっと気持ちよくして」

と隆が春日に縋り始める。

「へへっ、

 そうかそうか、

 じゃぁ、おっ俺のチンポをくわえ込んで見るか?」

縋る隆に春日はそう言い放つと、

グリッ

伸びきっている競泳パンツの先端を隆の股間にあてがい、

上下にこすり始めた。

「あっあんっ

 あぁんっ

 あぁんっ」

グィッ

グィッ

っと押し込まれてくる水着の感触に隆は翻弄されていくと、

ズルッ

いきなり股間の水着が横へと除けられ、

「行くよ」

春日のその声が響くのと同時に、

ヌプゥゥ…

隆の縦溝に春日の肉棒が一気に挿入された。

「痛ぁぁぁぃ!!!」

更衣室に隆の悲鳴が響き渡ると、

「あぁ、

 隆ぃ、

 熱いよぉ

 うねっているよぉ、

 絡み付いてくるよぉ」

と春日は訴え腰を振り始める。

すると、

「あはっ、

 んっくっ

 はぁん、

 あぁん

 んぁぁ」

最初は痛がっていた隆は段々と感じてきたのか、

声を上げながらも春日を受け入れ始めると、

「はっはっはっ」

「んっくっんくっ」

やがて性を変えられた者同士は互いに腰を動かし合い始めた。

「うふふっ、

 やっぱりだめだったわねぇ…

 もぅこの二人は薬が切れて元の体に戻っても

 元の関係には戻れないわね」

そんな二人を見ながら涼子は笑みを見せると徐に立ち上がり

そしてシャッ!

目隠しのカーテンを開いてみせる。

すると、

「あっ」

カーテンの影から競泳パンツ姿の少年が出てくるなり、

驚いた顔で涼子を見つめてみせる。

「あらら、覗き見?

 うふっ、

 1年の須田健太くんね。

 競泳パンツをそんなに持ち上げちゃってぇ

 ひょっとして君は童貞かな。

 ねぇ君も初体験をしてみない」

と涼子は股間を尖らせている健太に向かってやさしく話しかけながら後ろに回ると

そっと抱きしめ、

やや無理やり気味にあのカプセルを飲ませた。

すると、

「あはんっ」

急に健太は苦しみ始め、

悶えるようにしてその場に倒れこんでしまうと、

「さて、じゃぁあたしも」

と言いながら涼子も同じカプセルを口に含んでみせる。

それから程なくして健太は目を覚ますが、

だが、そのときの彼の体には涼子が着ていた競泳水着が着せられ、

さらにその競泳水着の股間にはくっきりと縦溝が刻まれていたのであった。

「これは…」

少女を思わせる甘い声を上げながら健太は驚くと、

「うふっ、

 目が覚めた?、

 君の競泳パンツはあたしにはちょっと小さかったみたいね」

と涼子が話しかけながら、

グンッ!

筋肉隆々のスイマーの体に申し訳なさそうに付いている競泳パンツを尖らせて見せる涼子の姿があった。

「ねぇ、

 これから気持ち良いことしよう」



おわり