風祭文庫・アスリート変身の館






「競パンの罠」



原作・風祭玲

Vol.929





「はぁ、どうしたんだろう…

 男の人のことでこんなに胸がドキドキするだなんて…

 俺ってまさかホモ…」



夏休み真っ只中の水泳部更衣室。

高校になってはじめて水泳部に入部をした1年の山中海斗は

ドキドキと高鳴る胸を押さえつつ自分のロッカーに手を掛ける。

そして、

カタン!

蒸し暑い更衣室に金属特有の音が響き渡る中、

バッ!

バッ!

手際良く海斗は着てきたシャツを脱ぎ捨てると、

ロッカーの中へと放り込んでいく。

そして、蒼い生地のズボンに手を掛けそれを一気に引き下ろした時、

モコッ!

勢い良く起立している海斗のイチモツに引き伸ばされた

水泳部の部名入りの白無地ビキニパンツが姿を見せたのであった。

まるでフンドシの如く鋭くカットされたビキニパンツは海斗のイチモツを隠すのがやっとで、

その後ろ側は尻のワレメに激しく食い込んでしまい、

肛門から感じてくる刺激によって

常に自分が水泳部員であることを意識させられる代物である。

「あぁ…

 こんなになっちゃっている」

ビクンッ!

勢いよく固く起立しているイチモツに添えるように海斗は手を添え、

シュッシュッ

ビキニパンツ越しに扱き始めてしまうと、

「あっ」

ビクンッ

「うんっ」

ビクビク…

まだ異性を知らないイチモツより発せられる刺激に海斗は激しく感じ、

「だめっ、

 ここでこんなことをしちゃぁ…

 はっ早く着替えをしてプールに行かないと…

 でも、

 でも、

 あっ

 とっ止まらないよぉ…」

先輩達が来る前に着替えを終え、

部活の支度をすまさなければならない1年生部員としての責務感と

このままビキニパンツの刺激を味わいながら自分のイチモツを扱いていたい。

と言う本能が海斗の頭の中でせめぎ合いはじめる。

そして、決断できないまま海斗はイチモツを扱いていると、

「おーぃ、プールに誰もいないみたいだけど、

 いま着替え中か?」

と言う声が部室に響き渡る。

「あっ!」

その声に海斗はハッとするのと同時に、

ビクビクビク…

シュッシュッ!!

それが合図になってしまったのか海斗は射精をしてしまうと、

「しまったぁ」

と声を上げ後悔しても遅かった。

連日の猛練習のためもあってか、

しばらく”抜く”ことをしてこなかった海斗のイチモツからは

栗花の匂いをまき散らしつつドクドクと溢れかえり、

ビキニパンツはもちろん、

自分が立っている下の床まで汚してしまったのであった。

「どっどうしよう…

 とにかく掃除しないと」

精液でベトベトになってしまたビキニパンツを慌てて引き下げ、

いわゆるフルチンになって海斗は粗相の始末をはじめると、

「おいおい、

 こんなところで射精なんてするなよ」

と呆れた声が上から降りかかってきた。

「!!っ」

その声に海斗が顔を上げると、

そこには3年の大田大輔が顔をしかめて立っていたのであった。

「おっ太田先輩っ!」

女子生徒からも絶大な人気のあるイケメン顔の大輔を見た途端、

海斗の胸は締め付けられるように苦しくなり、

それとは正反対に萎えていたイチモツが頭を擡げはじめてしまった。

「1年生か、

 なにをオカズにしていたんだ?

 まぁ、大方は穿かされているビキニパンツの感触がオカズだろうけど…」

と大輔は粗相の原因を的確に指摘すると、

「いや、その…

 はっ

 はぁ…」

まさにその指摘通りの顛末に海斗は返す言葉もなくなってしまい、

ただ頷いてみせる。

「でも、それを穿くようになってひと月が過ぎているだろう、

 もぅいい加減慣れて貰わないとな」

そんな海斗にむかって大輔は注文をすると、

「はっはいっ」

顔を赤らめつつ海斗は立ち上がり返事をしてみせる。

「判った判った、

 とにかくさっさとそれを始末してプールの準備をしろ。

 俺はともかく、

 他の連中がいまこの場に来たら、お前お仕置きだぞ!」

作業を中断してまで返事をした海斗に向かって大輔はそう言うと、

ガチャッ!

海斗に背中を向けて自分のロッカーを開け、

着ていたシャツを脱ぎはじめる。

「はぁ…太田先輩…」

イケメンながらもトップスイマー顔負けの肉体美を持つ大輔の背中に海斗は見とれてしまうが、

「あっ」

すぐに自分がしてしまった粗相を思い出すと大急ぎで始末を始め出す。

そして、競泳パンツを腰に引き上げながら更衣室を飛び出すと、

まるで早送りのビデオの如く準備を始めたのであった。



ピッ!

タンッ!

それから1時間後、

夏の日差しが照りつけるスタート台から日焼けし鍛え上げた身体を誇らしげに見せつけながら

競パン姿のスイマー達がホィッスルの合図と共に飛び込み水飛沫を上げていく。

しかし、1年部員の海斗はまだ泳ぐことは許されず、

プールサイドで先輩達の泳ぎを眺めているだけであった。

「はぁ…

 競パン穿いて水に入れないって、

 えさを前にしてお座りさせられている犬だな…」

同じ1年部員の二宮賢が海斗に向かって話しかけると、

「仕方がないだろう…

 先輩達には逆らえないんだからさ」

と日に焼けるままの身体を晒して返事をした。

「水泳部って言うんだから一日中泳げられると思っていたのに」

ふくれっ面をしながら体育座りをする賢は愚痴をこぼすと、

「あまり文句は言わない方が良いよ」

と海斗はさりげなく注意する。

「でもさぁ、

 頭を丸刈りにされた上に

 あんな変態的なパンツを穿かされるなんて、

 人権蹂躙だと思うぞぉ、

 アソコの毛だってみんな剃られちゃったしさ」

膝に顎を乗せて賢は入部してから自分が受けてきた理不尽なことを指摘するが、

「あっ」

その時、海斗の目は隣に座る賢ではなく、

スタート台に向けられていたのであった。

そこには真上から注ぐ陽の光を受けて光輝く逞しい肉体と、

六つに割れている腹筋の下で

そそり立つイチモツの姿をくっきりと映し出す競泳パンツを誇らしげに見せつける大輔の姿があり、

海斗は大輔に釘付けになっていたのであった。

「さすが太田先輩だな、

 他の先輩達とは明らかに違う身体を持っているなぁ…

 俺もあんな風になれるかなぁ…」

イケメンながらもスイマーマッチョ、

さらに、股間のイチモツのサイズは水泳部一と言う大輔の競パン姿は女性ならずも、

男性までも引き寄せてしまう美を持て居たのであった。

「何を食べればあんな身体になれるんだ?」

小首を捻りながら賢は呟くと、

丁度その時、

ピッ!

ホィッスルが鳴り響き、

タンッ!

大輔は華麗なフォームを描きながら水面へと向かって行く。

そして、

「太田先輩…」

まるで初恋の相手を見るかのように海斗は水飛沫を上げてプールの中を進んでいく大輔の姿を追っていくと、

「おーぃ、

 1年。
 
 お前達もプールに入れ!」

とキャプテンから見学をしていた1年部員に向かってプール使用の許可が出たのであった。

「おーしっ!

 行くぞぉ」

待ちに待ったその声に賢は準備運動を念入りにすると、

「山中、なにボケってしているんだよ、

 先行くぞ」

大輔の姿に見とれている海斗の肩を叩き、

「え?

 あっあぁ」

海斗は引きずるようにしてスタート台へと向かって行く。

そして、

ピッ!

ホィッスルの音と共に海斗はプールへと飛び込むと、

これまでの欲求不満を晴らすかのように50mを泳ぎ切りゴールに着いたのであった。

「なかなか良い泳ぎをしているじゃないか」

ゴールに着いた途端、海斗にその声が浴びせられると、

「え?」

慌てて海斗は上を向いた途端

「よぉ!

 見せて貰ったよ、

 君の泳ぎ」

と言う声と共に大輔の笑みが海斗の目に入って来た。

「おっ太田先輩…」

それを見た海斗は声を詰まらせると、

ザブンッ!

いきなり大輔は海斗の傍に飛び込み、

海斗の手を背後から掴み挙げると、

グリッ!

「腕はこう動かした方が良いぞ」

と股間のイチモツを海斗の尻に押しつけるようにして指導を始め出した

「あっ…

 太田先輩のオチンチンが…」

自分と先輩、2枚の競泳パンツ越しに感じるイチモツの感触に海斗は頬を赤らめてしまうと、

「おいっ、

 聞いているのか?」

と大輔の声が響く。

「はっはいっ!」

その声に海斗は思わず大声を上げてプールの底に足をつけてしまうと、

グニッ!

海斗の手が大輔の股間に触れてしまったのであった。

「あっ、

 これって…」

競泳パンツに包まれている男の感触…

触れてはいけないものを触れてしまったその感触に海斗の胸は大きく高鳴ると、

「いつまで俺のチンポを触って居るんだよ」

と大輔の声が響く。

「あっ、

 すっすみません」

その声に海斗は思わず萎縮してしまうと、

「あはは、

 なに縮こまっているんだよ」

と大輔は笑い、

そして、

「お返しだ」

の言葉と共に大輔の手が海斗の股間を握りしめると、

「あっ」

海斗は思わず大輔の身体に身を寄せてしまったのであった。

すると、

「おーぃ、太田ぁ、

 そんなところでなにをして居るんだよぉ、

 1年相手にホモって居るんじゃないぞぉ」

と2人を冷やかす声が響くと、

「うるせーっ、

 1年坊主の身体が固いから注意して居るんだよ」

声に向かって大輔は言い返し、

「ほらっ、

 お前もさっさと上がれ」

と海斗の肩を叩いて大輔は離れていった。



「はぁ…」

プールサイドに上がり、

隅の方で海斗はガックリと腰を落とすと、

「山中…

 お前、モーホーだったのか?」

と軽蔑するような視線を投げながら賢が見下ろした。

「誰が!!」

その言葉に海斗は立ち上がって賢につかみかかろうとするが

「おーぃ、

 何をやってるんだそこっ!」

すぐに上級生に見つかってしまうと、

「ちがうからな、

 絶対に違うからな!」

海斗は同じ言葉を吐きながら身を引いてみせるが、

だが、

「なんでだろう、

 太田先輩の感触が忘れられない」

とプールの中でイチモツを押しつけられたときの感触を忘れることは出来なかったのであった。



バタンッ!

夕方、

練習が終わり片付けを終えた海斗が更衣室に戻ると、

中には人影が無く、

どうやら皆帰った後のようだった。

「はぁ…

 1年坊主じゃぁ仕方がないか」

半ばため息をつきながら海斗が自分のロッカーを開けようとしたとき、

「あれ?」

ロッカーの取っ手に一枚の布きれが掛けられているのが目に入る。

「なに?」

不審に思いながら海斗がそれを手に取ると、

「ハッ!

 これって…

 まっまさか…」

海斗はいま自分の手の中にあるものの正体を知るのと同時に、

身体の中を熱いモノがこみ上げてきたのであった。

「はぁはぁ…

 まっ間違いない。

 これって太田先輩の競泳パンツ…」

息を乱し、幾度も生唾を飲み込んで海斗は手の中にある競泳パンツをシゲシゲと眺めると、

バッ!

いきなり競泳パンツを鼻に押し当てその匂いを嗅ぎ始める。

「あぁ…

 間違いない…

 これは先輩の匂い…」

塩素混じりの水の匂いと共に漂ってくる雄の臭いに海斗は股間を固く勃起させてしまうと、

シュッシュッ

シュッシュッ

と自然に盛り上がる股間を扱き始めた。

そして、壁に身体を預けて激しく扱き始めると、

海斗のイチモツから流れ出た先走りで穿いていた競泳パンツは瞬く間にベトベトになり、

「あはっ

 せっ先輩、

 僕は先輩が

 あぁん…

 好きです。

 好きなんです。
 
 だから先輩のパンツでこんな事をしています」

と人気がないのを良いことに海斗は声を張り上げて股間を扱き、

そして、

ブルンッ!

穿いている競泳パンツからイチモツを出すと、

プッ…

シュシュシュッ!

思いを託して射精をしてしまったのであった。



「はぁはぁ

 はぁはぁ」

すっかり日が落ち夜のとばりが落ちても海斗の痴態は続き、

ピチッ!

彼の股間に大輔の競泳パンツを食い込ませると、

シュッシュッ

シュッシュッ

月明かりに自分の身体を照らし出して激しく扱いていた。

もぅどれくらい出したのかは判らない。

普段なら4回も射精をすれば弾切れに陥るのだが、

だけど、この夜だけは何度でも精液を飛ばしていたのであった。

「あっはぁぁぁぁぁ…」

シュシュシュッ!

20回はゆうに越すであろう射精を行うと、

ゴリッ!

海斗の華奢な肩に力瘤が盛り上がり始めたが、

だが、そのようなことは気にせずに

シュッシュッ

海斗は再びイチモツを扱き始めた。

そして射精を行う毎に海斗のシルエットは徐々に変わり、

そのシルエットは次第に男の子の形から逞しいスイマーの姿へと変わっていったのであった。



翌朝。

「うっ」

差し込む日差しを受けて男が目を覚ますと、

徐に起きあがると胡座を掻き、

自分の太い腕や6つに割れ溝を刻む腹筋などを見回した後、

ニヤリと笑ってみせる。

そして、立ち上がると、

「ふーん、

 これがこれからお世話になる身体か」

と言いながら男は競泳パンツが食い込む身体の具合を眺める。

そして、

「よしっ、

 俺は今日から1年生の中山海斗だ。

 ふふっ、

 今度こそ、オリンピックを目指すぞ!

 この身体をさらに鍛えて鍛えあげて、

 世界のトップスイマーになるのが俺の夢だ」

と気勢を上げたのであった。



いまから10年ほど昔、

この学校にトップスイマーを目指して水泳部に入部したひとりの少年が在籍していた。

少年の名前は川崎武史。

彼は周りも震え上がるほどの猛特訓を行い、

その甲斐あって地区大会はもちろん、

全国大会でも名前が知れ渡る事になったのだが、

しかし、無茶な特訓が祟り、

練習のさなかに倒れそのまま息を引き取ったのである。

だが、彼が倒れたときに穿いていた競泳パンツがその遺志を継ぐと、

夏になると彼と同じ素質を持つ少年を魅了し取り憑いたのであった。



おわり