風祭文庫・異性変身の館






「姫の陰謀」



原作・inspire(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-281





この世界は現実の世界とは違う、

そう、いわゆる剣と魔法の世界である…

だがこの世界においても、『変身』という現象が生じていた。



さて、舞台は”とある宇宙”の”とある太陽系”の”とある地球”、

その地球にある”とある大陸”の”とあるの国”。

その国の隅っこに小高い丘があり、

その丘の上にはその地域を治める領主の城が建っていた。

現在その城の主は歳は18歳、花をも恥らう美少女である。

だが、彼女が幼いときに両親と死に別れてしまい。

彼女は躾が厳しい教育係の女性や、

屈強な兵士たちに守られて暮らしていたのである。

だが、彼女の身の回りで奇妙な出来事が起きていた。

それは、彼女に仕えるために

丘の麓の町や村からやってきた少女たちが忽然と姿を消していたのだった―――



「ふう、

 ここがその曰く付きのお城ね」

汗を拭きつつ城にやってきたのは、

剣術においてその人ありと言われる凄腕の女剣士アリサと、

腕は超一流だが、

何かとドジを踏んでしまうドジっ娘魔法使いメアリーの二人である。

実は二人ともかなりの美少女で、

アリサのほうは剣術で鍛えられて引き締まった肉体と豊満なバスト、

メアリーはやや貧乳ではあったが美しい髪をなびかせていた。

「それにしてもここのお姫様ってそんな恐ろしいのかしら…」

城を見上げながらメアリーは少し疑問を感じていた。

二人は行方不明になった美少女の一人の家族よりの依頼を受けて

この城からの娘の救出を依頼されていたのである。

「仕事を引き受けちゃった以上、

 調べてみるしかないわ。

 それにあたし達、

 ここで実績を上げないと来期どうなるか判らないのよっ!」

とアリサはオーラを吹き上げて力説する。

そう、昨年秋に別の大陸にある金持ち国で発生した金融危機は

瞬く間に全世界を未曾有の経済混乱の中に突き落とし、

アリサ達が所属するギルドも受注の減少、

人件費の切り下げ、

要員の引き上げなど、

厳しい経営を強いられているのである。

「はぁ…

 こんなことならギルドの正社員になっておけばよかった」

アリサの横でメアリーはそうぼやいて見せると、

「大丈夫よメアリー、

 ここで大手柄を立てれば、

 あたしたちは晴れてギルドの正社員。

 しかもAランク間違いなしっ」

とアリサは力説する。

「えぇっ、

 Aランクって、

 お昼ごはんを専用のソファで優雅に食べられるんでしょう?」

それを聞いたメアリーは目を耀かせる。

「えぇ、

 だから、

 頑張りましょう」

「はいっ」

お互いに手を握り締め合い気合を入れると、

「たのもーっ」

その声と共に二人は城の扉を開けた。 

二人は城の中に入ると、

城主である一人の金髪の美少女・エリザベードにであった。

彼女は地元の人達から姫と呼ばれていた。

(…彼女が姫か。

 たしかに美人で、いかにもお姫様って感じよね。)

「はじめまして」

エリザベードはにこやかに微笑みながら挨拶をすると、

「こちらこそ、はじめまして」

アリサも素性を悟られないように挨拶をした。

「あのぅ姫さま、

 あたし達、実は道に迷ってしまいまして…

 今晩ここにとめていただけないでしょうか?」

アリサ達は道に迷ったふりをして姫に尋ねてみた。

しかし、いささか急で失礼とも取れるこの発言にも、

彼女は目くじら1つ立てることなく

「えぇ、よろしいですわ」

とにっこりと微笑んでみせる。

その日、二人には豪華な食事が振舞われたが、

旺盛な食事を見せるアリサとは逆に、

メアリーはあまり食が進んでいないようだ。

と、その時、

「あっ!」

メアリーはうっかり食器を床に落として割ってしまった

「もう〜 やっぱりあんたって子は!」

それを見たアリサは少しかっとなるが、

「いいえ、お皿が割れるのは仕方のないことですわ。

 そうそう、食事が終わったら寝室にご案内しましょう。

 ここは広いので道に迷ってしまうかもしれませんから。

 しかし、いくら道に迷ったからといって

 裏庭にある古井戸には近づかないでくださいね。

 落ちたら危険ですから…」

そういうと姫は割れた皿を一人で片付る。 

(う〜ん、あれだけ仕えに出てるのに、

 だれもお手伝いさんがいないなんて…

 ふつうこういうときはメイドさんとかが出てくるはずなのに。)

彼女の姿を見ながらアリサは少し疑問に思う。
 
そして、夜も更けて誰もが寝静まったと思ったとき、

アリサは寝室のベッドから飛び起きると、

「メアリー…行くわよ」

「ん〜…こんな夜中に…一体どこへ?」

「バカッ、この城を深く調べるためでしょ」

ド付き合いながらそういうと二人は着替えて寝室を後にする。

彼女達は姫に気がつかれないようにしてさまざまな部屋を調べた。

だが、いくら部屋を調べてもどんな証拠と呼べるものは出てこなかった…

(おかしいわね…

 どの部屋にも女の子達がいた痕跡はないわ…)

(それに、恐ろしくこの城の中には誰もいない…)

(証拠もないし、

 不審者がいた形式はない…なんか怪しいわね。)

そう呟きながらアリサとメアリーは、

すでに姫を中心としたこの城での恐ろしい出来事を想像していた…

(そういえばあの姫…)

アリサは姫が言ったこと思い出した。

(そう…裏庭の古井戸よ!)
 
そう思うと二人は窓を割って裏庭に出る。

そして井戸のところに行くと、

(うわっ…なんか気味悪いわね)

裏庭は表の庭に比べると手入れがされていないせいか

井戸の周りにはツタやツルが生い茂っていた。

「うーん、

 いかにも…って怪しさなんだけど」

井戸の中を覗き込んだ後、

考え込みながらアリサはそう呟くと、

「きゃあああああ」

突然、メアリーの悲鳴が響き渡り、

さっきまで横に居たメアリーの姿が消えていたのであった。

「メアリー!」

そうメアリーは声を上げながら落とし穴へと落ちていったのである。

「メアリー…どこ?

 まさか…罠…?」

一人取り残されたアリサは途方にくれるが、

すぐに別の古井戸を見つけた

(これが問題の古井戸?…

 もし罠にかかったのならメアリーはこの中にいるはず)

アリサは意を決して古井戸に飛び込んだ。

―古井戸の底には小さな扉があった。

扉を開けた先は小さなトンネルになっており、

さらにその道を進むと、

天井から光が漏れている部分を見つけた。

(ここか…もしかしたら行方不明の女の子達も…)

アリサは姫によって監禁されている女の子の姿…

いや、もしかするとすでに殺されているかもしれない。

そんなことを頭に思い浮かべていた。

そして、明かりを頼りに部屋に上がりこんだアリサは、

目の前に広がった光景を見て一瞬凍りつく。

「な…なに、これ?」

アリサの目に入ってきたもの…

それは何組もの美少年達が

股間と尻の一部を覆う下着のようなものだけを身につけて抱き合うものもいれば、

キスをしているもの、

さらには下着のようなものの脇からはみ出したお互いのペニスをしゃぶっているものまで

まさに薔薇の花を咲かせている状態だった。

(まさか…)

アリサは美少年のうちの一人の顔が、

自分が依頼を受けた娘の顔であることを確認するのに時間がかからなかった

(女の子達が…こんな姿になって…)

「入るなっていったはずよ…」

後から少女の声が聞こえた。

そこにいたのは、黒革のボンテージを着た姫の姿だった。

「姫…あんたまさかメアリーも…」

アリサは姫と対峙していた。

「安心しなさい。あなたの相方なら、ここにいるわ…」

「!?」

「アリサ…私のことはいいから…逃げて…」

アリサの前に現れたもの。

それは両手両足を縛られ、

さらには黒地に青や白の線が入ったビキニの下着1枚にされたメアリーだった。

「…この子が穿いているのは”きょうえいぱんつ”って言って

 男の子の美しさを引き立てるアイテムなのよ。

 ここにいる子達のようにね」

姫は不敵にそう言う。

「なんで女の子を男の子に…」

アリサは姫に問い詰めた。

「あたし、両親が死んでから、

 優しくしてくれたあたしの兄にあこがれてたの。

 とっても美しくて、

 女の子のような顔だったわ…。

 その兄も2年前、病気で死んでしまった」

姫はしみじみと語りだした。

「あたしは女の子のように美しい男の子に囲まれて暮らしたかったの…

 でも、この国の男達ときたら、

 みんなごつくて…

 なら、女の子を男の子にすればいいってね…この子の様に…」

そういうとメアリーにひとつの呪術をかけた。

大きくはなかった胸の膨らみも平らになり、

細かった手足にもすこしづつ筋肉がついてゆく…

そして股間にふくらみが現れるとそれが大きくなる…

メアリーはたちまち競泳パンツの似合う美少年になってしまった。

「ひどい…」

アリサは姫に斬りかかろうとした。

しかし…

姫が呪文を唱えたとたんアリサは意識を失ったのである。
 
それから何日か経過した。

姫の逆ハーレムには数日前から新たな美少年カップルが誕生した。

そのうち一人はややマッチョな体系ではあった。

二人はお揃いの競泳パンツの脇からはみ出したペニスをしゃぶり合い、

「ああん…気持ちいいわ…」

「いいえ…アリサのでっかくて太いペニスだって…美味しい」

二人は全てのことを忘れたかのように絡み合っていた。

「ねえ、聞いた…?」

メアリーは首を上げて問い尋ねる。

「何?」

アリサはメアリーのペニスをくわえながら聞き返す。

「今日、姫が新しい女の子を雇ったみたいよ…」

「ってことは、ここに来るのも時間の問題ね…

 いいわ、あたし達で存分にかわいがってあげましょう」

「ええ…」

そういうと二人はさらにペニスを大きくさせて、

二人の口の中には大量の精液が流し込まれていたのである。



おわり