風祭文庫・異性変身の館






「野郎薬」



原作・カギヤッコ(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-140






この作品は拙作「Vol.037 悩み」の2次作品です。

休暇を利用しての香港旅行から帰って来たOLの知美は

職場の同僚たちに香港土産を配りまわっていたが、

その足が親友である弘子の机の前で止まる。

「はぁぁぁ…」

「どうしたのよ弘子、さえなさそうな顔しちゃって」

と尋ねる知美に対し弘子はさらに大きくため息をつく。

「…うん、実はここしばらく仕事にも何にもやる気が出なくて

 …何とか職場には出てるけどなんだかめんどくさくなっちゃったなぁ…
 
 てね」

苦笑混じりの笑顔を向ける弘子にやれやれとため息を返す知美。

「まったく、新入社員じゃないんだし、

 今さら五月病なんて言っても通らないわよ」

「あたしもそう思うけど、何だかね」

そんな弘子の顔を見ていた知美は袋の中から小さな紙包みを取り出した。

「はい、弘子にはコレ」

「?」

受け取った弘子は最初それがなんだか判らなかった。

「これわね、わたしが香港の薬屋さんで買った精力剤よ。

 これさえ飲めば元気はつらつ、
 
 疲れも何も飛んで行っちゃう事間違い無し!」

と知美は弘子に囁くと、

彼女の顔が「精力剤」と言う言葉に反応してちょっと赤くなった。

「でもこれって危ない薬とかじゃないの?」

「大丈夫、中国4000年の秘薬だというから間違いはないわよ」

と知美が胸を張って答える。弘子はしばらく考え込んでいたが、

「ありがとう、ありがたく頂くわ」

と言いながら弘子は包を大切にしまった。

しかし、知美は知らない。

例の薬局の主である老人が間違えて不能になった男性用の精力剤を知美に売ってしまったと言う事に…。



そして、翌日、

弘子は会社を休んだ。

電話を受けた上司の話では風邪という事だったが、

彼女にあの薬を渡した手前、

知美は弘子の事が内心気が気ではなかった。

その夜、知美が帰宅すると電話が鳴った。

「もしもし?」

『…はぁ…とっ、知美ぃ?』

「弘子、弘子なの?

 どうしたの、みんな心配しているわよ」

そう訊ねると電話の向こうからはやや荒い息遣いが聞こえる。

「…あっあのぅ

 …あんまり無理をしない方が」

と知美が言うと、

『ねっ、ねぇ…

 あたしの声…低くない?』

と尋ねてきた。

「そっ、そう?

 わたしはそんなに感じないけど」

と返事をしたが、

確かに彼女の声は男のように低かった。

『声だけじゃないわ、

 何だか体が大きくなっちゃったみたいなの。
 
 あの薬の効き目なのかな…。』

知美は驚きの声を上げながらも、

「でもほら、

 それってこの手の薬じゃぁよくある事なんじゃない?」

と言うと、

『あのね、そ、それだけじゃないの…

 あっ、あたしのクリトリスがこんなに大きく太くなっちゃって、
 
 がっ、我慢できないから、こうしているの…』

その後すぐ、ウッウッウッと男の喘ぎ声が聞こえてきた。

『知美、すごいわこの薬、

 あたしもぅ何回も出しているのに、
 
 すぐに勃つんだもの…』

「勃つって、あんた」

知美がそう言った所で、

『あぁ…ダメ、いくわ、いくわ!!』

と言う叫びと共に、何かが噴出する音がすると電話が切れた。

「もっ、もしもし?」

切れた電話に向かって知美は何度も言いつづけたが、

「なっ、何かしら…」

知美の心に暗い影が広がっていく…

彼女はすぐに電話を置き、部屋を飛び出すと、

弘子が住むマンションへと向かった。

玄関の鍵は開いていた。

知美はこっそりとのぞき込みながら、

「弘子?

 いる?
 
 あたしよ、知美よ…」

と声をかけると中へと入って行った。

部屋の中に入るとムッとくる異臭が彼女の鼻を突く、

「なっなに、この匂い…」

異臭に咽びながら寝室のドアを開けた時、

知美は信じられない光景を目にした。

整頓好きで知られているはずの弘子の部屋が

まるで台風にあった後のように荒れ散らかり、

そのあちこちには異臭を放つ液体が溜まりを作っていた。

「知美…来てくれたのね…」

不意に背後からかかった声に

「弘子これはいったい…」

と言いながら知美が振り向くと、

「な゛っ!!」

彼女の表情が凍りついた。

知美の目に飛び込んできた弘子の姿は、

体中の筋肉が逞しく隆起したまさに男のボディビルダー顔負けの体つきになり、

さらには股間にはちきれんばかりの肉の棒がヌラヌラと妖しい光を発しながら聳え立っていた。

「弘子…あんた…」

知美は彼女の姿に驚きながら言うと、

「一人で出してきたの。

 いっぱい出たけど、
 
 でも、まだ勃つの…
 
 知美、今度はあなたが相手して」

そう呟きながら弘子は知美に近づいて来た。

「ちょ、ちょっと、弘子、

 落ち着きなさい」

知美は何とかその場から逃れようとしたが、

弘子の目は徐々に野獣の目つきになり、

ペニスのごとくそびえたつクリトリスの先からは体液が盛んに溢れ始めていた。

「ひっ、弘子…」

知美は間合いを取るために後ずさりしていったが、

トン!!

ついに背中が壁に突き当たってしまった。

「こっ、来ないで…」

「…(はぁ)入れさせて

 …(はぁ)そして出させて、
 
 もぅ我慢が出来ないの…」

グチュグチュ…

そう呟きながら弘子はいきり立つ自分のクリトリスをシゴキ始める。

そしてすぐに

「うぅっ!!」

とうめき声を上げると、

ブシュッ!!

彼女の女性器から精液のように激しい勢いで大量の体液が吹き出し、

ビチャビチャビチャ!!

「いやぁ!!」

知美は避ける間もなく頭からそれをかぶってしまった。

弘子と知美の間は徐々に狭くなる。

弘子の手が伸びるのをかわすように知美は逃げ出したが、

しかし、弘子の横をすり抜けようとした時にむんずと襟首をつかまれた。

「しまった!」

次の瞬間彼女が着ていた衣服は音を立てて裂けていく。

「キャァァァァァッ!!」

知美はあっと言う間にパンティ一枚の姿になって部屋の隅に転がっていった。

「ハァ、お願い、入れさせて…」

知美が体勢を立て直して弘子を見上げると、

彼女は再び自分のペニスを扱きながらそう呟く、

「犯される…」

知美は本能的に恐怖を感じたが、

しかし今の彼女には自分の身を守る術はなかった。

「知美ぃー!」

グィ!!

「いやぁぁぁーっ!」

ついに知美は弘子に腕をつかみあげられた。

「ひぃぃぃぃ…」

真っ正面から見る弘子の体はまるで筋肉の塊で、

その中央にはペニスの様に巨大なクリトリスが鎌首を上げていた。

「どぅ、素晴らしい身体でしょう?

 知美のくれた薬のおかげよ」

と弘子が囁く。

「飲んでしばらくは体が熱くて苦しかったけど、

 それが過ぎた途端もう体中に力がみなぎっちゃって…

 あたしの中の疲れも悩みもいっぺんに吹き飛んじゃったわ」

そう言う弘子の目は完全に陶酔しきっている。

その姿は改めて知美の恐怖感をあおらせる。

「いやぁぁぁ!!」

「でも、あたし一人じゃぁ寂しいの…

 知美、あなたの中に入れる前に、
 
 あなたにもこの喜びを分けてあげるわ」

と言うと、

ズシンズシン!!

と言う音を上げながら、弘子はキッチンへと歩いていく、

「なっ、何をするの?」

怯えながら知美は訊ねると、

「うふふふ…」

弘子は知美が手渡したクスリが入った包みを掴み上げると、

「さぁ、口移しで飲ませてあげる」

と言うと彼女は薬を自分の口の中に放り込むと、知美に口づけをした。

「んっんんん!!」

知美は目を見開いて抵抗したが、

大量の唾液と共に薬が知美の体の中に流し込まれていった。

「ぷは…」

口を離すと弘子は知美の腰をつかみ上げると、

自分の股間の方へと彼女の女陰を導いていく。

「ふふ…知美ぃ、

 あたしみたいになる前に、たっぷりとかわいがってあげる」

弘子はそう囁くと知美の秘所に自分の太いクリトリスを添える。

「やっやめてぇ…」

知美は懇願したが、

グィ!!

弘子のペニスはゆっくりと知美の体内へと浸入してきた。

「痛い!!」

そう感じる間もなく知美の女唇は弘子のペニスを奥深くまで銜え込んだ。
「うっ!」

弘子の顔に挿入の衝撃と快感が走る。

その一方で、

「ク、クゥ…」

知美は痛みに耐えた。

しかし、弘子はただ押し込むだけではなくスグに腰を動かし始めた。

グチュグチュグチュ!!

「アッアッアッアッ!!」

歯を食いしばりながら知美は必死になって耐える。

快感も何もなく、ただムリヤリ犯される苦痛のみが彼女を貫く。

「すごい、締まるわ、知美」

弘子が声を上げる。

元々の敏感さに加えペニスのたくましさと

力強さを得た彼女のクリトリスは

知美のまだ異性を知らない胎内の締め上げから来る快感を

その野獣のごとき性衝動の糧に変えてゆく。

「アッアッアッアッ!」

「あぁ、ダメ、もう出るわ!!!」

と叫んだ瞬間、

ビクッ!

ブシュゥ!

全身をしならせながら弘子は知美の体中に大量の体液を放出した。

「ハァ、ハァ、ハァ…」

体液まみれとなり、

大きな息をしながら痙攣を続ける知美を弘子はしばらく見下ろしていたが、

「うふふ…まだまだこれからよ。

 この体の素晴らしさをたっぷり教えてあげる」

そう言うと再び彼女を突き始めた。



シャァァァァァァ…。

あれからどれだけ知美を突いただろう。

弘子はさすがに疲れを感じたのかシャワーを浴びていた。

「ふぅ…

 あんなに突いてもまだいけるなんて…
 
 本当にステキな体だわ…」

そう言いながらペニスをなでる。

ピクン!

「うっ!」

不意に襲った感覚に思わずのけぞる。

「ど、どうしたのかしら…」

ピクッ!

「うあっ!」

再び襲った感覚に今度はそのままへたり込んでしまう。

ビクッ、

ビクッ、

ビクッ、

ビクッ…。

「何なのこれ、

 力がどんどん一箇所に…
 
 あそこに集まってゆく…」

しゃがみ込んだまま体をのけぞらせる。

その股間、クリトリスの根元は今まで以上に大きく膨らみ、

天に届こうと伸びていた。

「うっ、あっ、

 で、出る、出ちゃう…」

ビクビクビクビク!

完全に充血し膨れ上がる根元を見る間もなく

弘子は苦痛と快感に身を捩じらせる。

そして…。

「うあぁぁぁぁっ!」

ブシューッ!

根元から盛大に体液が吹き出す。

それと同時に弘子の体がどんどん縮み出す。

「ああ…ああ…」

太い筋肉に覆われた両腕と両足が細く、柔らかくなってゆく。

たくましい胸板が縮み、柔らかいふくらみが零れ落ちる。

そしてたくましく起立していたクリトリスも次第に縮み、

本来そうであったかのように彼女の“門”の中に消えてゆく。

そして全てが終わった時、

そこには体液まみれで壁にもたれる裸身の女性の姿があった。

弘子はまだ脱力感の残る両手で乳房と股間に触れる。

「…なんだ…

 戻っちゃったの…」

“素晴らしい体”を失った脱力感とそれと

入れ替わるように全身を襲う女体の快感が彼女を包んでいた。

そこに、

ドシン!ドシン!

「だ…誰なの?」

か細い声をかけた先、

風呂場の入り口からさっきまでの弘子の様に巨大な体躯と

それに見合うかのようなイチモツを扱く人影が現れる。

「と…知美…」

「なんだぁ、

 せっかく弘子と同じになれたのに、
 
 もう縮んじゃったのぉ?」

おびえが顔に出なくなっている弘子に対して

恍惚とした表情を浮かべながら知美は迫る。

「まぁいいわ、今度はわたしが楽しむ番よ…」

不気味な笑みを浮かべる知美。

今の弘子に逃れるすべも、叫ぶ声もなかった…。



「フゥ…フゥ…」

「ハァ…ハァ…」

床の上で裸身の女性二人が全身をけだるく振るわせながらうつぶせに倒れている。

あのあと知美は弘子をとことん犯しまくったが、

そのあと精根尽き果て同じ様に倒れ込んでしまった。

どうもこの薬は効果が効いている間は絶倫無敵状態となる反面、

効き目が切れたあとの心身の脱力感が激しいらしい。

それでも二人は全力でぶつかり合った後の心地よい脱力感と

女の体に戻った事で味わえる肌中で感じるひんやりとした快感に酔っていた。

その後体力の回復を待って再び薬を飲んだ二人は

再び精根尽きるまでその筋肉を絡めあったのである。

「ねえ知美…そろそろ…

 仕事…行かないと…」

少しけだるさの混じる弘子の声が響く。

「そうね…でも…

 なんだか…だるいわ…」

知美の声にも力はない。

「今日も…休もうか…?」

「そうね…さすがに二晩ずっとフルマラソンで絡んでたら…

 力も抜けるわ…」

二人はそのままへたり込む。

そこに、

ドンドンドン!

「弘子ーっ!

 知美ーっ!
 
 いるんでしょーっ?
 
 風邪ひいて二人ともダウンしたって言うけど大丈夫なのーっ?」

ジュン…。

「あっ…」

「あんっ…」

ドア越しに聞こえる同僚の声を聞いた二人の股間がジワリとうるむ。

「なんだ…弘子、

 まだ体力あるじゃない…」

「そう言う知美だって…」

そう言い合いながら二人はゆっくり起き上がると、

いつの間にか手にしていた薬を口の中に入れて笑みを交わす。

そして、

「うん、大丈夫よーっ!

 どうせなら上がって行きなさいよーっ!」

(あなたも“素晴らしい体”にしてあげるから…。)



おわり



この作品はにカギヤッコさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。