風祭文庫・異性変身の館






「僕のデザイア」
(第5話:ラジャの誘惑)

作・あむぁい

Vol.T-112





「あ、こんにちは」

って、誰だ、この男は?

なんだか雰囲気が違う…プレーヤー…かな?

「ほら、この間カーリ様の水着デザイン権を買った方ですよ」

「あの…始めまして。

 サ、サ、サ、サウロン神谷です。
 
 うわ、本物だよ…、やったー」

「どっども」

なんだ、変態ストーカーかよ、こんなの家に入れんなよ。

等と思いつつ、

喜び沸く彼に笑顔で挨拶。

ふっアイドルはつらい…

僕は小声でデザイアに囁く。

「何の用なの?」

「ちょっとビジネスの話を…

 ご主人さまは気にせず着替えて勉強してて下さい」

「えー、ここで着替えるの?」

僕は不満の声をあげる。

「大丈夫ですよ。

 いつも見られてるんですから」

「い、いつも見ています」

てゆうか、せえらあ服の意味がわからん。

サウロン神谷さんはさりげない振りをしてしっかり着替えを見ている。

やだなぁ。



「さぁさ、勉強、勉強♪」

デザイアのその言葉と共に僕は眼鏡を掛けられて勉強に集中させられる。

カチッ

カチッ

カチッ

キーンコーン☆

「は〜い、お疲れ様〜」

今日も勉強がはかどった…あれ、頭が…。

「あ〜、ちょっと30分延長はきつかったですかねぇ」

あぁ…なんだかふらふらする。

「いや良かったですよ。

 また、今度是非」

「もう、サウロンさん、次は延長は駄目ですよ」

「いやいやすいません、では私はこれで」

その言葉を残してサウロン神谷は帰って行く。

って何しに来てたんだ?

「ビジネスの話とやらは上手く行ったの?」

「ええ、おかげさまでばっちりですよ」

そう答えるデザイアは上機嫌だ。

良かった。

「で、ビジネスって何?」

「ないしょです」

「はぁ?

 って…まさか、浮気とかしてないよね?」

「まさかぁ。

 あんなド変態のお相手なんて真っ平です。
 
 あたしが愛しているのはご主人さまだけですから」

そっかぁ。

ならいいんだ。

いいんだけど…でも、ビジネスって一体なんだったんだろうか、

う〜ん、気になる。

そう思いながら僕はデザイアを見る。

「さーさ、

 忙しい、忙しい」

デザイアはそんな僕にお構いなしにせっせと動き回り始めた。

そんなデザイアの姿を見ながら、

「でも、デザイアは可愛いからちょっと心配だな…」

と僕はつぶやく。

どうしたらいいんだろう。

何か良い手はないかな。

そんなことを思っていると、

「おおっ」

突然、デザイアが何かを思いついたかのように声を上げた。

え?

なになに?

するとデザイアは興味津々の僕を見ながら、

「貞操帯とかニーズあるかもしれませんね。

 早速、開発部に掛け合って作らせましょう。
 
 明日の夜までには作らせます。
 
 提案制度があるので、今回、無料モニターが可能かもですよ。
 
 やりましたね」

と僕に告げた。

おお。

それはいいかも。

デザイアの提案に僕もうなづいたが、

「これで、カーリ様の貞操は安心☆」

とデザイアがウィンクしてみせると、

うっうんっ

僕もそれに釣られて2回うなづてみせる。

って…

え?

あれ?

貞操帯て僕のですか?

「何を言っているんです?

 ラジャをはじめ、

 カーリ様を襲おうとしている方たちはいっぱいいるんですよ、

 カーリ様も銃後の備えはしっかりとしないと」

「いやっ

 あの

 銃後の備えって」

デザイアの言葉に僕はドギマギするが、

でも。デザイアの笑みを見ているとなぜか安心する。



「水上歩行!」

僕とデザイア、二人の声が海辺にハモる。

英雄達にエンチャントして、四魔道師の一角、ロパンを強襲だ。

でも。魔法防御の防具はもとより、攻撃系も含めて僕たちの備えは万全。

無論、あそこには貞操帯ががっちりと守ってくれる。

さて、ロパン本国は小島。

けど、隣の大陸にも大拠点を築いている。

召喚サークルのある町には混沌の申し子カオススポーンと炎の精霊イフリート、

竜、ライオン、ヤギの三つの頭を持つキメラなどの豪華カオス召還獣の群れが。

しかし、首都の守りにはキメラの他にガーゴイルや蝙蝠など明らかに2線級の守備隊がいた。

はっきり言って楽勝。

ロパンは異端者の悪夢から破壊の雷、混沌の百雷と強力魔法を連発するが、

僕と英雄達の厚い治療魔法の壁に阻まれて、切り崩せない。

もっともこっちは最早、死者の復活もできちゃうのだが。

もちろん魔法でね。

はいっ、陥落っと。

”18禁モードに入りますか?”

(うっ)いや、いいよ。

ロパンはいらない。

おっさんじゃないか。

趣味じゃないし萌えないね。

「じゃあ、トリンにでもやらせましょう」

そんな僕を気持ちを悟ったかデザイアが言う。

え?…

やらせるのか?

トリンに…

まあ、トリンがそれでいいのなら僕はかまわないけど、

でも、いいの?



「ぐはあ。

 おのれ…ラジャ…」

その頃、ミラーンの魔道師、竜人スススラは

ラジャ配下のデスナイトによって滅ぼされていた。

『あーはっは。

 弱い弱い弱いー。
 
 さあー、陵辱よー!
 
 あははは』

これで残る魔道師は僕を含めて3人。

僕とラジャ、そして白のアリエルだ。



「今、神の許しは降り給う。

 命を賭け、邪悪を打ち滅ぼさん。
 
 神の力はそなたと共に。聖戦!」

「今ぁ、神の…、許しはっ、降り給う。

 命を掛けっ…邪悪を打ち滅ぼさんぅぅぅぅ。
 
 神の力はそなたと共に。聖せぇえええん!」

はあ、はあ。

長い長いスペル詠唱が終わると、汗まみれの僕達を中心に七色の光が広がる。

ライフ最強の世界呪符。

”聖戦”の発動だ。

聖戦の発動化では全ての部隊のレベルが1上がる。

ほぼ、通常兵力が倍になると言っても過言ではない。

聖戦がある限り、僕たちは負けない。



「(ふっ)やってくれるな…

 ではラジャの奥義を見せてやろう…、
 
 神は死んだ…、
 
 最早そなたらに希望なし…まとわりつけ邪悪よ…、
 
 正義の力は今潰えん…、
 
 悪の…はああああっ、予兆!」

僕たちの”聖戦”に対抗するようにラジャの呪文が響き渡る。

「きゃ…いやああああ…、」

何か得たいの知れない黒い影のようなものがいくつか僕らの周りに現れ、

そして、すごいスピードで飛び回る。

「カ、カーリ様…

 気を付けて下さい…
 
 ラジャの大技ですっ!」

気、気をつけても…

うわ…

「きゃ、きゃああ…

 もが、んー、んー」

や、やだ…、

口の中に入って…

取って、取ってよ、デザイア!

「だ、大丈夫ですかっ」

デザイアは一生懸命黒いものを僕の口から引き剥がそうとするが

ぬるぬるしていて掴みどころが無く、

実体が有るようで、無いようでどうにも引き剥がせない。

うえ…気持ち悪い…、

ああっ…あああっ入って…、

(ゴクン!!)うぇっ飲んじゃった。

「くくく…

 カーリよ…、これでお前は私の虜…、」

「ええーっ!?」

ラジャのその声に僕は抗議の声を挙げようと

ゾワァァァ!!!

開いた僕の口をめがけて残りの黒いものも一斉に入って来ようとする…

ちょっと、やだやだやだ…、

ああああああ…

また、飲んじゃった。

ふぇぇーん。

「よくもカーリ様をっ!

 こらっ、カーリ様じゃなくてあたしに来なさい!
 
 あ、きゃああああ!」

デザイアが僕をかばって開けた口に僕の周りの黒いものは襲い掛かる。

ああ、デザイアも飲んでる。

飲んじゃってる。

ごめん、ごめんね、デザイア…、

見る間に残りの黒いものはデザイアの口からの侵入を果たす。

「げほっ。

 げほっ。
 
 だ、大丈夫ですかぁ?」

デザイアが僕を見る。

苦しそうだ。

「デザイアこそ、大丈夫?」

「この程度の魔法…平気です。

 それよりラジャ軍が我々の町に来ていますが…」

「た、大変…」

僕は慌てて立ち上がる。

ちょっとふらつくけど、大丈夫。

「くくく…

 悪の予兆を受けた気分はどうかなお嬢ちゃん達。

 そろそろ、我が軍門に下っては如何かな?」

「そんな事する訳無いでしょ!

 ちょっとカッコよくて、
 
 素敵だからって図に乗らないで頂戴!」

あ、あれ?

ラジャを見ていると僕の体の中の何かがざわざわ蠢き、

不思議な気分になる。

素敵…って、そんな馬鹿な…

「つれないな、カーリ。

 アリエルはもう、我が軍門に下ったぞ。
 
 最早彼女は我のどれい…」

「どうめいですわ、ラジャ様」

「どれい…」

「どうめいですってば、ラジャ様」

「どちらでも良いではないか、アリエル」

そう言いながらラジャがアリエルの胸を揉む。

「そうですわね、ラジャ様」

「同盟だから縛っても良いな、アリエル」

「勿論です。

 ラジャ様。
 
 あぁ…」

「同盟だから絶対服従だな、アリエル」

「勿論です。

 あああああ…」

ああ、憧れのアリエルが、

聖なる乙女のアリエルが…

ラジャなんかの魔手に…

でも、気持ちはなんとなく判る。

なんだかとっても気持ち良さそうだ。

あれ、又何かがざわざわしている。

これは一体…

「てな訳でお前がもたもたしているから、

 どれい一号の栄誉はアリエルに先を越されたぞ。
 
 今ならどれい二号の席が空いているが…」

「ええーっ?

 ど、どうしようデザイア…」

「…カーリ様、しっかりして下さい!

 それは悪の予兆の影響です。
 
 気をしっかり持てば大丈夫です」

とデザイアはラジャを睨みつつそういうが、

うっ

でも、何だか気が進まない。

ラジャ様と戦うなんて。

あぁざわざわはどんどん強くなって来る。

これは、飲み込んでしまった黒いもの…悪の予兆?

「カーリよ、我々がすべきだった事は戦う事ではなく愛し合う事…」

ざわざわざわ…

ああ、もっともかも。

って、そんな訳あるか!

「何やってんですか、カーリ様、聖なる行きますよ、聖なる」

デザイアも苦しそうだ。

そりゃそうだ、僕よりたくさん黒いものを飲んだんだから。

「う、うん…聖なる…うぷっ」

ざわざわざわ…吐き気がする…

僕の体がライフの魔法を拒絶する。

「ライフの魔法など使うのを止めろ…

 何故愛し合う二人が戦わねばならぬのだ…」

ざわざわざわ…

う…、そ、そうかも…、

い、いけない…

「しっかりして下さい、ご主人さま!

 ご主人さまが愛しているのは、このあたしでしょ?
 
 この間、一生愛するって誓ってくれたじゃないですか?
 
 一年分前払い、超お買い得セットも振り込んじゃったじゃないですか?
 
 やい、ラジャ!
 
 あんたなんかの魔法であたしとご主人様の絆をどうこうできると思ったら大間違いよっ!」

そ、そうだった。

僕は頭を振り深呼吸する。

大丈夫。

気をしっかり持てば大丈夫。

何てこと無い。

僕とした事が危うく、ラジャの術中に嵌るところだったよ。

ごめんよ、デザイア。

ラジャの邪悪な魔力なんて僕たちの愛の前には無力だ。

僕はそう決意をすると、

「聖なる祈り!」

僕の無なの中で蠢いている悪鬼を振り払うかのように思いっきり声を張り上げる。

「く…最早これまでか…、

 また来るぞ、愛しいカーリ…、
 
 ふはははは…」

僕が放った魔法を受けながらもラジャは笑い声を上げアリエルと共に姿を消した。

「はぁ(とりあえず勝ったの)」

さっきまでラジャがいた空間を見ながら僕はぐったりと膝をつくと。

「やりましたね」

勝利の微笑み浮かべながらデザイアは胸を張るが、

でも…

僕はいまだに騒ぐ胸のざわざわを押さえつけるように手を胸に当てると、

ギュッと握り締めた。



「ラジャ様のどれいってどんな生活かな?」

「あの…魔法の設定が強すぎるようなら、落としますけど?」

ふと僕が漏らした言葉にデザイアは心配そうな顔をしながら聞き返してきた。

「やだな、デザイア冗談よ。

 冗談」

この程度の魔法でどうにかなったりしないさ。

まだ体のざわざわ感は残っているけど大丈夫。

「大丈夫。

 ラジャのへなちょこ呪文なんかに負けない。
 
 だって、デザイアがついててくれるんだもん。
 
 正義が悪に負けるわけにはいかないもん」

「では、もうちょっと設定を上げてみましょうか」

「え☆」

デザイアの思いがけない言葉に僕はドキ☆っとする。

「ラジャの魔力に必死に抗う美少女魔道師。

 萌え萌え展開ですよ。
 
 決して悪の誘惑に負けてはいけないと言う良い子へのメッセージにもなりますし」

「確かにそうかも…、」

良い子は見てないはずだけど。

「じゃあ、設定8ぐらいで?」

大丈夫だよね。

いざとなったらデザイアが止めてくれるよね。

うるんだ瞳で見つめる僕を見返して、デザイアはにっこり笑う。

「大丈夫、デザイアが付いていますから」

とデザイアが僕に言ったとたん、

びくんと体が震えた。

ざわざわ感が急激に強くなってくる。

全身の皮膚が泡立つ。

全身がくすぐられているようだ。

これは…やばいかも…断続的に意識がすぅーっと遠くなる。

眠りに落ちる瞬間の快楽が何度も僕を襲う。

ふわっとした高揚感。

目の前にラジャの幻が現れて消えない。

突然言いようの無い不安感が湧き上がったかと思うと、

次の瞬間、僕は幸福感に満たされる。

ラジャの幻が振り払えない。

「大丈夫ですかぁ?」

デザイアだ!

助かった。

声の方に手を伸ばすと確かなぬくもり。

ラジャの幻が消え、デザイアの顔が見えて僕は安心する。

「だいじょう…、ぶ…、」

「じゃ、設定最大☆」

「ひ」

拒絶の言葉が声にならない。

全身のざわざわ感が激しい振動に変わる。

圧倒的な快楽が僕を揺さぶり蝕む。

どんなに目をつぶってもラジャの幻が消えない。

なんにもされていないのに快感が止まらない。

ひいいっ。

あう。

はん。

う。

やめ。

は。

はう。

ラジャの目の前で5、6回イッてしまっただろうか。

僕は意識を失ってしまった。



「あはん。

 あん。
 
 ラジャ様…、」

嬌声に僕はぼんやりと目を開ける。

デザイアがアリエルとレイスそして見知らぬ女性に犯されている。

「や、やめろ!」

僕は思わず声を上げるとその女性が僕に視線を向けた。

「お目覚めかなお姫様」

「え?」

女性のとは思えないその言葉に僕は驚くが、

「あああああんっ」

どういう訳か彼女と目が合っただけで軽くイってしまう。

腰が抜けて立てない。

くそお。

「デザイア様、すいません。

 なんだか無性に魔法の設定を上げたくなって…不覚です」

僕に向かってデザイアは謝ると、

「気にする事はないぞ、デザイア。

 ほら、お前のご主人様も喜んでいる」

と女性はデザイアに言う。

ああああ。

はあ、

はあ。

だめだ…彼女を見たらだめ…イっちゃう。

そう思うと、僕は目をギュッつぶる。

しかし、目をつぶっても彼女の幻覚が浮かぶ。

幻の彼女と目が合うと、また僕はイってしまう。

駄目だ…こんなの持たない…はあはあ。

それにしても、彼女はいったい誰?

伝説の隠しキャラ?

妖艶な魅力を放つ彼女を見ながら僕はそう思っていると、

「いい事を教えてやろうカーリ。

 ラジャ様だ」

と言う声が響いた。

え?ラジャ様?

また、目が合う。

びくりと体が震える。

あ…大丈夫だ。

ラジャ様と目が合ってもイかなくなった。

良かった。

いやっよ良くない、

なんで、ラジャがこんな妖艶な女の人になっているんだ?

と疑問に思ったが、

しかし、しばらくすると、なんだかゆったりとした気持ちになる。

とても心が落ち着く。

ラジャ様…、

「カーリ、愛している」

僕にかけられたラジャ様の言葉に僕の胸はきゅんとなる。

どきどきどきどき。

僕もです。

ラジャ様…

「私もです、ラジャ様」

「だ、駄目です、ご主人様…、

 正気に返って下さい、
 
 ああああん」

デザイアは3人がかりで犯されてとても気持ち良さそうだ。

僕もいっしょに参加する事にした。

起き上がった僕はデザイアのそばによるとそっと口付けをした。

「んっん!!」

デザイアは顔をこわばらせ僕を拒むが、

しかし、それもいつまでも続かず。

「あぁん!」

ついに声を上げてしまうと、

「デザイア…好きよ」

僕はそう囁きながらデザイアの体をなめ始める。

ぺろぺろ。

ぺろぺろぺろ。

「あああーん。

 ご主人さままでーっ!」

「デザイアよ、強情張らずに安全モード解除してしまえよ」

「絶対駄目ですー!」

「カーリよ、お前も言ってやれ」

え?

「デザイアぁ、

 ラジャ様もああおっしゃってるし、
 
 何の事だか良くわからないけど、やってあげればぁ?」

「何の事って、ご主人さまの安全モードですよ?」

ラジャ様が僕の肩を抱き寄せる。

ああん。

ラジャ様…耳元で囁かれてぞくぞくする。

「安全モードを解除すればお前はゲーム中だけで無く、

 いつでも俺の奴隷だ」

いつでも…ラジャ様の…

「ねえ、デザイア、早く安全モードを解除しようよ」

「な、何言ってんですか、ご主人様。

 正気に戻って下さい。
 
 リセットですよ。
 
 リセット。
 
 指示を」

「馬鹿、カーリ。

 セーブだ。
 
 セーブ」

「デザイア、セーブしようよ」

「うわーん。

 はまってるうー。
 
 あああん。
 
 あん。
 
 だめー」

確かにラジャ様のものがすっぽり嵌っている。

本当に強情だなデザイアは。

しかし、僕たち4人の責めに耐えられるはずも無く、デザイアはイってしまった。



「絶対…駄目…、」

「カーリよ…我の命令には何でも従うか?」

「勿論です、ラジャ様」

当たり前です。

「では、デザイアを殺せ」

え?

…それは、ちょっと。

ラジャ様の突然の命令に僕は躊躇すると、

「レイス、アリエル、やれ」

ラジャ様はレイス、アリエルに命じる。

すると、僕はガシッと二人に両脇を押さえつけられ、

床の上に組み伏せられてしまった。

冷や汗が頬を伝わる。

「ち、ちょっと何すんですか?

 ラジャ様?
 
 話せば分かります。
 
 他の事ならどんな命令でも…」

ラジャ様に向かって僕は声を上げるが、

ラジャ様は無言で僕の胸に手を伸ばすと、一気に服を破ってしまった。

あああああっ。

僕の白い肌が晒される。

剥かれたという言葉がぴったりな僕の様子を見下ろしながら、

ラジャ様はゆっくりと僕に近づいてくる。

ヒタッ

ラジャ様の白い二本の足が僕の前に止まり、

「らっラジャ様…」

そう呟きながら僕はラジャ様を下から見上げた。

「カーリ…」

ラジャ様は僕をじっと見詰めながらその場に立つと、

あっ…(ジワッ)

僕の体の中が次第に熱くなってきた。

はぁはぁ…

はぁはぁ…

苦しい…

息苦しさを感じてか僕の呼吸は次第に荒くなってくると、

ジワッ

僕の股間が次第に湿ってきた。

はぁはぁ

はぁはぁ

体を焼き尽くしてしまうほどの熱さを感じながら僕は耐えていると、

「苦しいか、カーリ」

とラジャ様は僕に声をかけてくれた。

「はっはいっ

 とっても苦しいです」

ラジャ様の言葉に僕はそう訴えると、

「そうか」

ラジャ様は短くそう告げると、

メリッ!!

目の前にあるラジャ様の足に筋が走り、

ムリムリムリ

アキレス腱の上にあるふくらはぎが盛り上がり始めた。

「え?」

ラジャ様の変化に僕は目を丸くしながら見上げると、

「うそ…」

僕の視界に入ってきたラジャ様の姿に僕は声を失ってしまった。

「ふふふふ…」

不敵な笑みを浮かべるラジャ様の胸には分厚い胸板が盛り上がり、

そして、その下にはごつごつとした腹筋が溝を刻む。

「ラジャ様…」

トリン様よりもはるかに魅惑的なラジャ様の変身を目の当たりにして、

僕は思わず呟くと、

『お前、トリンのことが好きなんだろう?』

とラジャ様は声色の低い声で僕に言う。

「うっ」

ラジャ様の言葉に僕は言い返せないでいると、

『ふふっ

 私の逸物でその想い、消してやろう』

そう言いながらラジャ様が股間を隠していた手をのける。

すると、

ビクン!!

股間より猛々しく伸びている肉の槍が姿を見せた。



つづく



この作品はあむぁいさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。