風祭文庫・異性変身の館






「僕のデザイア」
(第2話:勇者トリンさまっ)

作・あむぁい

Vol.T-103





「ご主人さま起きて下さい〜。

 朝ですよ〜」

「むにゃ…」

え、もう朝なの?って、

デザイア?

寝落ちしちゃった?

僕の部屋だ。

都内のワンルームだ。

僕の姿は元に戻っていた。

あぁ7時だ。

会社に行かないと。

デザイアは相変わらずリアルだったが、よく見ると床から少し浮いている。

「7時に起こしてみましたけど。

 大丈夫でした?」

「うん。ありがとう」

「ご主人さまは一人暮らしですよね?

 一人暮らしオプションを選択してはどうでしょう?」

「そんなのあるんだ」

「ええ。

 好評ですよ。

 ご主人さまなら十分払える額ですし。

 とりあえず1週間お試しキャンペーンをしてますのでお得ですよ」

「ふうん」

着替えながら僕は生返事を返す。

「今のままですとメインゲーム中しか、

 ご主人さまのお世話ができないんですが、
 
 オプションを選択しますと、
 
 今のような現実中にもお世話ができるんですよ」

「…どうやんの?」

「とりあえずご自宅をマッピングさせて頂いて、

 どこに何があるかの配置を確定します。
 
 マップが完成しますと、
 
 後はあなたの目や耳からの情報をフィードバックさせて微調整できますので、
 
 ゲーム起動中にご飯を食べたりお風呂に入ったり、
 
 テレビをみたり、
 
 新聞をみたりなど日常生活のほとんどができちゃうんです。
 
 ちゃんとベッドや布団で寝れますし」

ちゃんとベッドでか…

ふむそれは重要かも。

それにシステムにも興味があるし…

などと出勤の支度をしながら思う。

まっ独身だからそんなにお金に困ってないしなぁ。

「基本料金の3ヶ月10万はもう払っちゃいましたけど、

 これは幾らシステムを使っても同じなんですよ。
 
 て、事はオプションを使ってシステムの稼動時間を長くした方がお得な訳で…」

「そっかー…

 じゃあ、やっといて」

「ああん。

 ご主人さま太っ腹で素敵です☆
 
 じゃあ、準備万端整えておきますので、
 
 今夜は楽しみにしていて下さいね」

「あはは。期待しているよ。

 それじゃあ、僕は会社に行ってくるから。
 
 電源は切らなくてもいいのかな?」

「点けたまま希望☆」

僕の問いにデザイアは笑顔で答える。

「わかったよ。じゃあ」

デザイアはキスして来る。

が、ちょっと座標がずれて外してしまう。

「えへへ。

 行ってらっしゃいのチュー、
 
 上手く行ったでしょうか?
 
 …駄目だったみたいですね。
 
 でもね、オプションをご購入頂いたからにはもう大丈夫!
 
 明日からはばっちりですよ!
 
 じゃ、お仕事がんばって下さいねー」

まるで新妻のように手を振るデザイアに見送られ、

僕は会社へと向かっていった。



そして…

「お帰りなさいー!」

帰宅しドアを開けた途端、デザイアが胸に飛び込んで来る。

部屋の様子も一変していて、

小汚いワンルームの筈が宮殿の廊下になっている。

これが一人暮らしモードか…すごい。

僕はきょろきょろしながらデザイアの後に続き、

カーリお嬢様の部屋に入る。

カーリ様の部屋はブルーを基調に女の子らしい可愛い感じで仕上がってる。

大きな鏡に映る二人の美少女。

あれ、いつの間にか僕はカーリになってたんだ。

「えへへ。

 すごいでしょ。
 
 本モードはうちの主力製品でして気合はいってんですよ。
 
 もう、マッピングは完璧ですからぶつかったりはしませんよ。
 
 ご主人さまに対するマンナビゲーションシステムも
 
 誤差0.5mm以内で制御中ですから、
 
 ワンルームの中でやれる事は大概できますよ。
 
 あ、ついでにお掃除も頼んでおきました。
 
 デザイアのお小遣いから出しときました」

「君の小遣い?」

「えへへ。

 昨日の18禁モードの売り上げ1850円だったんです☆

 これはデザイアもがんばったんだから、
 
 もらっちゃっていいでしょ?」

デザイアは小首をかしげておねだりする。

「う、うん」

「お掃除は月4回来て貰って5000円なんです。

 格安でしょ。
 
 あ、こんな細かい話はつまんないかな…」

「あ、その辺はデザイアに任せるよ」

「はいっ!

 では、ご飯になさいますか?
 
 それともお風呂?

 それとも、ゲーム?」

「じゃあ、お風呂にはいろっかな☆」

「もう、ご主人さまってエッチなんだから」

とデザイアは悪戯っぽく笑い、

そして、

「モザイクモード起動☆」

と声を張り上げた。



うわー、

これがほんとにワンルームの風呂か?

カーリ様のお風呂は大浴場といって言い大きさで、

大きな獅子の像からお湯が湧きあがっていたりする。

全裸の僕の後ろには、やはり全裸のデザイアが続く。

髪の毛をアップにしてタオルで巻いている。

「ご安心を…

 モニターの皆様はモザイク越しとなっております☆」

きっと、金を払えばモザイクは消せるんだと思う。

僕もなんとなく分かってきた。

「隙あり!」

「ひゃあ!」

その声と同時にいきなり後ろから抱きつくデザイア。

こ、こら。

「ちょっとじっとしていて下さい。

 結構今、モニターされてるんです。
 
 ファンサービスです!」

「う、うん」

デザイアはサービスカットを交えながら、

僕の全身を洗ってくれた。

僕の陰毛を全部剃っちゃったのはサービスのしすぎだと思う。

つるつるですべすべだ。

その感触に僕はあることを思い出すと秘部に指を伸ばす。

あはん。

そして、二人でつかる湯船も気持ちいい。

「一人暮らしモードって?

 これで現実の私はお風呂に入ってるの?」

「ええ。そうなんですよ。

 ご主人さまの脳の方には、
 
 こっちのゲームの世界でリラックスして頂いて、
 
 ご主人さまの体の方は別のサーバーの制御下で
 
 ちゃんとお風呂に入ってますのでご安心下さい。
 
 過去のお風呂での行動パターンを解析してプログラム化してますので。
 
 ご飯もちゃんと食べて頂けるんですけど、
 
 掃除は…理論的にはできない事は無いんですけど、
 
 定型プログラムによる処理が難しいので、
 
 未だサービスの目処が立たないんですよ。
 
 で、掃除代行サービスを推奨してるんです」

「そっか」

「じゃあ、お風呂上がったら、

 デザイアの作ったご馳走を召し上がって頂きますか?」

「本当は、ドリンクとカロリーメイドなんでしょ?」

「意地悪言わないで下さい。

 栄養バランスはサプリでばっちりですし、
 
 味が無いと言う欠点は完璧に克服してるんですから」

デザイアの言葉どおり。

食事はとても美味しかった。

今回は初回サービスでフレンチフルコースだった。

二人で飲むワインが美味しい。

「戦況はどうなってるの?」

「首都は比較的小島に位置しており割と安心です…

 あの、追放されちゃたら例の「ぐるぐる」がありますし、
 
 陵辱モードもすごいリアルなんで、気を付けて下さいね」

「え?」

デザイアの言う「ぐるぐる」とは首都を落とされた場合のペナルティで

時空の渦巻きに飲まれて一定期間行動をできなくされるのだ。

「なかには、そっちの趣味の人で下手なのに

 至難やって追放されまくりのユーザーの方もおられます」

「げげ」

「あ、でも、その場合もあたしも一緒に陵辱されますのでご安心下さい。

 決してご主人さま一人をイかせはしません」

「あ、ありがと。

 いや、デザイアをそんな目に合わせる訳にはいかないわ。
 
 がんばろ」

ちょっと陵辱モードも気になるけど。

「はいっ!

 ダークエルフの移民作戦を進めますね。
 
 あと、スプライトの研究に成功したので召還しては如何でしょうか?
 
 ビーストマンの中立都市がほど遠くにありますから」

スプライトは緑(大自然)の魔力で召還されるクリーチャーで、

空を飛び、魔法の弾で遠距離攻撃するのを得意とする。

空を飛ばない部隊やクリーチャーは飛行部隊を攻撃できない為、

これらに対しては一方的に攻撃することができるのだ。

そして、ビーストマンの都市の守備隊は

遠距離攻撃も飛行も持たない為、すこぶる相性が良い。

「そうね」

「じゃあ、早速召還ですね」

デザイアはいそいそと僕の後ろに回り、胸に手を回す。

あのぉ、これ、デフォルトの設定なんでしょうか?

「変えましょうか?」

「まさか」

「神秘の森の奥より来たれ」

「神秘の森の奥より来たれ」

「ちっちゃな精霊!」

「ちっちゃな精霊!」

「出でよ!スプライツ!」

「出でよっ!スプラァァァイツゥ!」

召還サークルから小さな精霊達が現れる。

18禁モードに入りますか?

Y or N

「えっとー」

「どうなさいますか?」

あの、僕ノーマルなんですけど…

スプライトさん達、身長30cmなんですけど?

「そ、そうだったんですか?

 すいません。修正しときます」

「バジリスクとか、ワームの時も聞いてくるの?」

バジリスクは緑の大自然の力で召還されるクリーチャーで

全長15mの大トカゲ。

特殊能力として石化の邪眼を持ち、

抵抗に失敗した部隊やクリーチャーを石に変える。

ワームは緑のクリーチャーの中でも最高最大のもので全長50m、

地中を自由自在に移動し、

人や生き物を丸呑みにしてしまう大ミミズだ。

はっきり言って、セックスのお相手とかそんな対象では無い…と思う。

「ええ、一応…でも、いま設定変えたから大丈夫です。

 うっかり、Yを選んだりするとヒドイ目にあったりするんですけど、
 
 うっかり間違えたふりをしてYを選ぶ人も結構多くて」

と説明をするデザイアのセリフに

僕は一瞬、やなゲームだな。と思う。

「バジリスクとか、石化されて身動きできないとこを延々とトカゲの舌でですね…」

「いや、説明はもういい。

 兎に角ノーマルだけでいいから」

「はーい…」

デザイアの残念そうな顔にちょっと心が痛んだが、

なんかもうレズったり、

フェラったりしているだけでも既にノーマルでは無いような気もする訳で。

これ以上変な方向に行ってしまうと取り返しのつかないとこまで行ってしまいそうな気がする…

「ご主人さま、何なりとご命令を」×4

やはり、何なりとの部分に妙なアクセントをつけてスプライトちゃん達が可愛い声で指示を待つ。

「最寄のビーストマン都市の攻略に行って下さい」

「ラジャーですぅ」×4

その声を残してスプライツは結構なスピードで外へ飛んでいく。

きっと攻略に向かったのだろう。

「タキもマーカスもブシャンもみんなカーリ様にめろめろですよ」

彼らは僕の名声に惹かれて各地からやって来た英雄たちだ。

英雄はクリーチャーや部隊に比べて経験を積んだときの成長が目覚しく、

成長すれば部隊の核となる頼れる存在だ。

「やだ、彼らは大切な臣下だけど、そんなコト全然思ってないよ」

デザイアの言葉に僕はちょっと顔を赤らめる。

そうなんだ、みんな僕の魅力にめろめろでかーいーんだ。

英雄の力をかけてあげた時のあの喜びよう!

みんな僕の為に命をかけてくれるし、

僕を守ると誓ってくれたし。

「いよいよ敵と接触が始まりましたし、

 碌な戦力が無い我々としては英雄さん達だけが頼りです」

「そうよね」

大事にしないとね。

「敵の概略ですが、

 ミラーンにいるのはドラゴンロードのスススラですね。
 
 緑5赤3白4ミラーンです。
 
 赤は少なめですが結構強力です。
 
 でも、割と本国からは離れています」

敵四魔道師の一人スススラは赤の魔法も使う。

これは火と破壊の魔法だ。

「アルカナスはアリエル(白10青2ディバイン魅力)、

 ロパン(赤10緑2チャネル魔操力)、
 
 ラジャ(黒11戦将ダーク レイス有り))です」

「先に倒したいロパンが離れていて、

 後回しにしても良いアリエルと、
 
 レイスがいるラジャが近く…うーん、厳しいかも」

アリエルは白の魔法をレベル10まで使う女僧侶(紅一点)で

四魔道師の中では唯一まともな人だ。

平和を愛し、法を愛する。

僕ともきっといい友達になれるはず…

ロパンは狂気の魔道師で同盟などを結んでいても

突如攻めてきたりする嫌な相手だ。

それが、火と破壊の赤をレベル10まで使う…

非常にやっかいだ。

そして、最後が黒のラジャ。

死と殺戮の黒をレベル11まで使う。

骸骨やゾンビを操ったり、

暗黒の儀式を執り行い生贄を捧げたり、

命を吸い取って意思の無いアンデッドにしたりするのが得意のおぞましい魔道師だ。

そして既に黒の高位クリーチャー、

レイスが確認されている。

レイスは死霊で、クリーチャーや部隊の生命力を吸い取る能力を持っている。

レイスに命を吸われた生命はラジャやレイスの下僕となり、

永遠の命を自分の意思なく生きるのだ。

文句無く今回の一番の敵はラジャだ。

ちなみにディバインや魅力や戦勝やダーク、

チャネルや魔操力と言ったものはスキルと言って各魔道師の個性を現している。

ラジャか…どうしたもんだろう。

「陵辱モード…」

「が、がんばろう」

そっか。陵辱モードもあるんだ…

「でも、魔道師との接触で良い事もありましたよ。

 伝説の召還を交換でゲットしました」

伝説のおとこ〜♪

伝説のおとこ〜♪

今日は、世界チャンピョン、

英雄トリンの伝説を皆に教えよう〜♪

「早速召還を」

「そうね」

トリンはこの世界最強の英雄で白の魔法伝説の召還で呼ばれる。

そしてそのトリンに英雄の力を存分に引き出す、白の魔法「英雄の力」を即掛け。

他には碌な戦力は無いが、

ダークエルフの能力でマナは良くまわる我が帝国にはトリンの早期召還が最重要課題だろう。

「じゃ、目隠ししますね」

デザイアが黒い布で僕の目隠しを始める。

「な、なにを…ひゃあ」

また胸に手を回されて僕は声をあげる。

しょ、召還?

「トリンはイケメンなので、直接見ては危険です」

危険?

何が?

真っ暗闇の中、僕は不安になる。

「伝説の光の戦士よ!」

「…伝説の光の戦士よ!」

「今ここに現れ、我が軍を導け!」

「今ここに現れ、我が軍を…う、導け!」

いつもよりデザイアの手に力がこもる。

大物だからか?

あ、こら…

「乙女の穢れ無き魂の呼びかけに応え!」

「お、乙女の、穢れ無きっ、魂の呼びかけにぃ、いっ?応え…!」

「出でよ、愛しのトリン様っ☆」

「出でよ、愛しの、ああ、愛しの、トリン様っっっ☆」

はぁ…

はぁ…

はあ…

いつもより大量に流れるデザイアからの魔力の奔流で、

僕の体は既に敏感になってしまっている。

「カーリ様、トリンお呼びにより参上致しました」

「ひゃああああ」

いきなり間近で聞こえる美声に、

背筋を電流が走り、僕はびっくりして後ずさる。

「あ…」

「あいた…」

後ろで僕を支えていたデザイアにぶつかり、僕の目隠しはずれ落ちる。

「大丈夫ですか、カーリ様?」

優しく僕を支えるトリンの目とまともに目が合う。

「だ、だいじょう…あ」

3つの目。

僕はこんな綺麗な男の人を見たことがなかった。

どきん。え、うそ☆

「どうかなさいましたか?」

美声。

そんな…

「あちゃー」

デザイアが頭を抱える。

心臓がドキドキしてくる。頭に血が上る。

「あ、あの、あの」

僕はどぎまぎして言葉を失う。

「もう、こうなったら英雄の力も一気に掛けちゃいましょう!」

英雄の力…

英雄の力…、

ええーっ。

まずいって!

こんな状態で英雄の力なんて掛けたら…

「なーに、言ってるんですか。

 もう何度もやってるじゃないですか」

いやだめだって。

落ち着いてから。

もうちょっと頭を冷やさないと…

「カーリ様。私にお力を…」

「は…はいっ!

 あ、ちょっと、あの…」

「愛しき者よ」

デザイアは僕に有無を言わさない。

「い、いとしき者よ…」

「我が愛で、そなたは変わる」

「我が愛…あいで、そなたは、変わる」

「英雄の力!

 …さあ、カーリ様っ」

「英雄の力…」

デザイアに押されて。

僕はトリン様に体を預ける。

トリン様は僕を優しく支える。

どきどきどき。

いや、これは魔法の儀式だから。

どき、どき…。

僕は背伸びをする。

どんどんトリン様の顔が近づく。

こ、こら、目をつぶれよ。

恥ずかしいだろっ!

そんな気恥ずかしさと戦いながら、

えいっ。

僕は思いきってキスすると輝く光が集まり、

逞しいトリンの姿が更に逞しく、美しくなる。

す、すごい。

「はあ…」

「では、トリンには英雄軍団を率いさせて修行の旅にまわしますね。

 よろしいでしょうか?」

「う、うん」

トリン様は颯爽と前線に向かう。

「あ、18禁モードはよろしかったでしょうか?」

「ば、ばかっ」

僕はデザイアに悟られないように股を閉じる。

そんな事したらホントの変態になっちゃうだろ。

どきどきどき。

まだ心臓の音が聞こえる。

「あは。

 真っ赤になっちゃって。
 
 可愛いですよ。
 
 ご主人さま☆」

駄目だ。

トリンの事が頭から離れない。

どうしちゃったんだろう、僕は。

トリンの逞しく鍛えられた体。

ぞくぞくする美声。

ああ…

「どうしよう、デザイア。

 私、トリンの事が…」

「どうとでもなりますが?」

至極、クールにデザイアが返す。

うう。

どうにでもなるんだ。

「だ、大丈夫かな?

 私ノーマルのつもりだったんだけど…」

「まあ、今のカーリ様は女の子な訳ですから、

 ノーマルと言えなくは無いですが」

そっか。

そうかも。

「てゆうか既にご主人さまは、

 デザイアのペニスを咥えて自分でオナニーしながらイっちゃったりしてる訳で、
 
 メス奴隷の素質十分です。
 
 このままゲームを続ければ現実の人格に影響を与えないとも言い切れません」

そ、そうだった。

思い出して、全身の血が逆流する。

あんな事続けてたら、到底まともな世界に帰れない…はうあう。

「まあ、所詮ゲームですので、

 現実とごっちゃにならなかったら大丈夫ですよ。
 
 安全モードを使用すれば、
 
 ゲームの中のヤバイ行為や性格は全て現実の生活時には一切フィードバックされず、
 
 ストレスだけ解消されるという…」

「それ、採用」

そのサービスは要るわ。

じゃあ、これで安心してトリンとの…

「愛に萌えられるという訳です。

 あの、あたしも混ぜて下さいね☆」

こら、思考を読むな。

わかってる。

みんなで楽しもう。

なんか盛り上がって来たな。

「あ、もう11時です。

 明日はお仕事ですから、そろそろ…」

「そうだね」

「えへへ。

 一人暮らしモードですので、出勤直前までゲーム内でOKです。
 
 じゃ、ベッドの方へ」

「うん」

僕はデザイアに導かれて寝室へと向かった。

安全モードを購入したから、もう大丈夫。

ちょっと興味があったSMとかもやってみようかな。

ストレス解消が順調なせいか、仕事も随分はかどる。

良い査定ももらっちゃったので、

今度のボーナスで限定スペシャルオプションを買ってあげよう。

デザイア、喜ぶだろうなぁ。


今月のバーチャルMOM関連 出費
3ヶ月基本料金         100,000
一人暮らしモード(1ヶ月分)   40,000
一人暮らしモード(割引分)   −10,000
安全モード(1か月分)      10,000
掃除代行サービス          5,000
カロリーメイド(3ヶ月分)    60,000
ミネラルウォータ(3ヶ月分)    9,000

スペルキャスト分          2,820
建物建築など            1,720
軍隊・クリーチャー維持費      2,120
デザイア データ維持費         100

通常モードモニター分謝礼     −4,150
18禁モードモニター分謝礼   ―18,850

合計 ¥197,760−

結構モニターモードの成績が良い。

ランキングでベスト20に入っている。

ファンレターもリクエストも沢山来てる。

デザイアはもっとサービスしなきゃって言うんだけど…癖になりそうで。



つづく



この作品はあむぁいさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。