風祭文庫・異性変身の館






「隙間の少年」



原作・controlv(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-343





真上より容赦ない日差しが照りつけるアフリカの奥地。

木々の緑の間より赤茶けた土が顔をのぞかせるその大地で、

一人の屈強な野生裸族の青年が黒く輝く裸体を晒して

執拗に獲物を追っかけまわしていた。

「うおおおおおおおおおお」

獲物を追う込むように声を張り上げ、

槍を携える青年は回りこむように移動してゆく、

彼の注意は無論追いかけている獲物であるが、

しかし、背後への警戒も怠っては居なかった。

なぜならここは草食獣だけではなく、

青年が追いかけている獲物も、

そして青年自身も獲物になってしまう肉食獣の存在もあるからだ。

シュッ!

ギャンッ!

わずかなチャンスを生かして、

青年が投げた槍が獲物に突き刺さると、

彼は苦労しながらも大きな獲物をしとめたのである。

そして、それを持ち運ぼうとしたそのとき、

「…ん?」

彼の目の前に黒く光る岩が聳え立っていたのであった。

「?」

素材は黒曜石だろうか、

青年は岩に近づくと、

ヒタッ

手を伸ばし、

その表面に触れてみせる。

続いて顔を近づけると、

キズも歪みもない完璧な薄い板の形をした石板に青年の顔が映し出される。

「!!っ」

石板に映る自分の顔を見た青年は驚き、

すばやく間合いを取ると槍を構える。

それから小一時間、青年と石板は対峙したのであった。



先に動いたのは青年であった。

「ふっ!」

にらみ合いに痺れをきらせた彼は、

懇親の力をこめて石板に向かって槍を投げる。

すると、

石板の前に一陣の魔方陣が姿を見せると、

その中から指輪を嵌めた手が伸び、

向かってくる槍を見事受け止めたのだ。

「!?」

事態を飲み込めない彼は小首をかしげていると、

「…まったく、

 探すのに苦労しましたよ。

 身も心もそんな姿になって」

の声と共にこの場に似合わない格好をした青年が

石板の前で輝く魔方陣の中から出てくる。

「うごぉ」

姿を現した青年は屈強な野生男とは違い色白の優男である。

「うががががー!」

優男に襲いかかろうとする野生男だったが…

「手荒なまねはしたくないのですが…」

そう言いながら優男は指輪をを嵌めた手を腰のベルトに当てると、

魔法を唱え野生男の動きを止めて見せる。

そして、

「さてと…

 場所を変えますか」

そういうと優男は手の指輪を変え、

再び腰のベルトに手を当てると、

石板の前の魔方陣が姿を変え、

優男と野生男の両方を飲み込んでしまうと、

石板もろとも姿を消してしまったのである。



――――時間と空間のはざまにある世界。

そこは天界の住人が住むところでもある。

そこにある一つの建物のさらにシャワー室のような場所

「ん…ここは…」

野生男はそこ眼を覚ました。

「気がついたのか…」

野生男の前には、

赤くやや逆立った髪に水色の瞳をした

まるで少女のような顔をした少年が立っていた。

その少年は見たところ華奢であったが、

首から下はしなやかで筋肉質な四肢、

張り出した胸筋、

6つに割れた腹筋

そしてはいているビキニの競泳パンツを大きく盛り上げている。

「…だれだ?

 お前は…」

少年に向かって野生男はつかみかかろうとすると、

「オレは名乗るほどのものじゃねえさ。

 鍵屋からあんたの体を元に戻せって頼まれているだけだ」

と言う。

「元の体…

 どういうことだ?」

「ふっ…

 完全にモランになっちまってるな。

 いいか、あんたはもともとは日本人の女の子だったのさ。

 それがある邪悪な呪術のせいで

 無理やりそんな姿にされちまったのさ。

 で、鍵屋が完全にその術を封印して世に出さないために

 あんたの体を元にもどさなきゃいかんのさ…」

そう少年は言うと、

「…なんだと

 …貴様…」

野生男はそんな話は嘘だと言わんばかりに少年に襲いかかる。

だが、屈強な男をいかにも簡単に振り落とすと、

「オレはあいにく暴力は嫌いでね。

 ところで、

 あんたのチンポびんびんじゃねえか」

屈強な男はただでさえ巨大なペニスをさらに大きくさせていた。

「ここはひとつオレと勝負しないか?」

「なんだ?

 お前のへナチンにはまけないぜ」

野生男はひるまずに返事をする。

すると、

「これでもか?」

少年がその言葉と共に競パンを下ろすと、

そこから男のものよりもさらに大きなペニスが顔を出した。

「どうだ?

 これでもへナチンか?」

ペニスを晒して少年は自慢げに言う。

「むむむ…」

男はまず少年をバックから犯そうと後ろに回ったた。

しかし、男が後ろに行ったと同時に少年は後ろ向きで逆立ちしみてみせる。

しして、

「ん…んぐぐぐ…」

逆立ちして男のペニスを加えると同時に、

自分のペニスを男の口にさしこんでいた。

「んんんん」

少年の巨大なペニスに男は行き詰りそうになり、

そのまま倒れてしまった。

そしてそのままシックスナインの体制に持ち込むと、

ドピュドピュドピュドピューーーーー

二人の胃に大量の精液が流し込まれたのである。

野生男は気を失ってしまったが、

それ以外には何も変化は訪れていない。

「これだけじゃまだだめか。

 こっちもまだビンビンしてるけど」

すでに精液まみれになった少年はそうつぶやく。

「よし…」

意を決した少年はさらに大きくペニスを勃起させると、

それを屈強な男の穴に差し込んだ

そして、男の腸管や前立腺に大量の精液が流し込むと、

男の体は急速に変化しはじめる、

まずペニスが消失し、

消失した後の股間には溝が形成される。

そして体の筋肉はしぼんでゆくと、

代わりに胸や尻が膨らんできた。

次にくびれが形成され、

体の色も白くなる。

短かった髪の毛も伸びてくると、

野生男が日本人の少女に立ちどころに変化したのであった。

「ふう…」

気を失っている少女を別室のベッドに寝かせると、

少年は一息つく。



数十分後、

「調子はどうですか?」

鍵屋は少年のもとを訪れた。

「あぁ一応女には戻した。

 相当強い呪いのせいか、

 こっちも相当に出しちまったぜ」

そう答える赤髪の少年はまだ競パン1枚であった。

「それは大変でしたね。

 で、いま彼女は?」

「ああ、いまそこで寝かしている。

 目が覚めたら事情を話して元の世界に戻しておいてくれ」

「わかりました…

 ありがとうございます。

 これも全部紅蛇堂さんのおかげです」

「おいおい、よしてくれよ…」

少年はこう答えた。

実は少年の名前は紅蛇堂。黒蛇堂の妹である。

自分の兄や姉が商売をしているのを見た彼女は

自分もいつかは商売をしたいと思っていた。

だが、はずみで男に変身したとき、

自分の精液が変身を解除する作用があること知り、

それ以来変身解除に関係する商売…

変身薬の効果を解く作用の薬を取り扱ったり、

変身薬を無効化させる薬を製造したり、

さらには呪いの掛けられたアイテムの封印に協力したりするなど、

今回のように自らが体を張って変身を解くこともしている。



彼女は商売をしていくうえで、

女の体より男の体のほうがよいと考えていて、

あえて男に変身している時間を長くしているのだった。

「さてと…ずっと仕事で立て込んでたし、

 ずっとこのからだのままだったな。

 久しぶりに元に戻ろうか」

少年は呪文を唱えだすと、

少年の髪は伸び、次第に女性の体つきとなっていく。

そして、部屋に置いてあった赤い服を着ると、

「鍵屋、

 報酬のコレ、もらっていくよ」

ドーナツが入った袋を一つ手にして去っていく。

さて次なる彼の出番は…



おわり



この作品はcontrolvさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。