風祭文庫・異性変身の館






「変身ホテル」



原作・nao(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-260





峠越えの老若男女でにぎわう伊呂波似峠。

雪が降りしきる”山の温泉地”より急峻な峠道を降りたところに

燦々と陽光に照らし出されるビーチが売り物の”海の温泉地”があった。

ザザザザッ

キッ!

その温泉地の一角にそびえ立つホテルの駐車場に一台のレンタカーが停車すると、

「大樹ぃ、着いたよぉ」

「おぅっ」

の声と共に二人の男子が降り立ち、

そして、

「…ふーん、ここかぁ

 泊まると願いが適うホテルってのは」

いかにも歴史を積み重ねていそうな木造の建物を見上げながら

長い道中ハンドルを握り続けてきた大学生の夏川祐はそう呟くと、

「?」

と彼の声がよく聞き取れなかった春野大樹は小首をひねってみせる。

「さっき、なんて言ったの?」

さっさとホテルのフロントに向かいはじめた祐に向かって大樹は追いかけながら聞き返すと、

「え?

 うふふっ

 なんでもないよ」

祐は返事をはぐらかすように答え、

「なかなか良さそうなところじゃないか」

と浜辺にほど近く絶好のビューポイントに建つホテルを仰いでみせる。

「温泉ホテル・業屋館…ふぅぅん」

年季の入った一枚彫りの看板を見上げながら大樹は呟いていると、

「ほら、

 そんなところにボサッと立ってないで、

 早くチェックインしよ」

先に中に入った祐が声を張り上げた。

「夏川祐様…2名様、2泊のご宿泊ですね」

和装姿の初老の男性が立つフロントの問いに

「はいっ」

祐は語気を強めて返事をすると、

「では、こちらに住所とお名前をお願いいたします」

と一枚の紙を差し出される。

こうして祐と大樹は夏休みにレジャーを楽しむため

海辺にあるこのホテルに泊まる事になったのである。

しかし、祐にはもう一つ目的があるようで…

「ふふっこれで僕の願いも…」

仲居の案内でチェックインした部屋に案内される途中、

祐はほくそ笑みながらそう呟いてしまうと、

「どうした、祐?」

それに気がついた大樹が尋ねた。

「え?

 いっいや、何でもないよ」
 
思いがけないその問いに祐は慌てて返事をすると、

「なんかお前、

 さっきから変だぞ」

と大樹は怪訝そうな顔をしてみせる。

やがて二人が部屋に案内されると、

「なかなか広くて居心地が良さそうだな」

と大樹は部屋からの景色に満足そうに頷いて見せた。

「お気に召されましたか」

それを聞いて仲居が笑顔で返事をすると、

「ここだったらずっといたいね」

と祐も大きく背伸びしながら言う。

仲居から避難通路やホテルの設備について一通りの説明が終わった後

「心の檻を破れば、

 なりたいものになれますよ」

と彼女は祐に向かってそう耳打ちしてみせる。

「え?

 はっはいっ」

この言葉に祐は勇気づけられた気がすると、

「せっかく来たんだから、

 温泉に入りに行かないか?」

と祐は大樹に声を掛けた。

このホテルのウリである温泉は海の近くでは珍しい塩酸泉であり、

浸かっていると体の奥から溶かされているような錯覚に陥りそうなお湯であった。

そして、そのお湯に浸かりながら、

「・・・・・・・・」

祐はずっと何かを祈り続けていると、

その隣で、

「はぁぁ…

 眺めはいいし、

 やっぱ温泉は良いねぇ…」

すっかりリラックスした大樹が大きく股を開いてみせていた。



「うひゃぁぁ、

 ひりひりすると思ったら

 キンタマの裏の皮がむけて居るぞ」

「どうせインキンでも溶かされたんでしょ、

 ここの温泉は強酸性だから長く浸かっていると体が溶けてしまうんだって」

「5分や10分で溶けてしまうわけじゃないだろう。

 溶けきる前に俺の波動砲でぶち抜いてみせるわ」

とお湯から上がった後の更衣室で大樹が自分のペニスを鷲づかみにしてふざけてみせると、

「…そうだね」

普段ならそこでさらにつっこみを入れるはずの祐はそう呟くと、

チラリ

と大樹の股間を凝視した後にクルリと背を向けて見せる。



翌朝、

体が妙にムズ痒くなっていることに祐は気づくと、

「まさか…」

祐ははやる気持ちを抑えつつ寝ている大樹の脇をすり抜けて部屋のシャワールームに飛び込み、

そして着ていた浴衣を剥いでみせると、

バラバラバラ…

まるで抜け落ちていくかのようにして体毛が舞い踊ったのであった。

「これって…

 僕の毛?」

足下に散らばっていく体毛を見ながら祐は浴衣を脱ぎ、

そして、シャワーを浴び始めるが、

キュッ!

シャワーの栓を止めたときには祐の体からは頭髪と陰毛の以外の毛はすべて抜け落ちていた。

それどころか、

「ああっ!!」

股間でぶら下がっているペニスが一回り小さくなっていたのであった。

「そっか…

 始まったんだね」

それを見た祐は嬉しそうに小さくなったペニスを両手で包み込んでみせると、

チリっ

その胸元についている乳首が微かに響いてみせる。



ザザーン…

陽光降り注ぐビーチで大樹と祐が海で泳ぐために海パンを穿こうとした際、

「祐、その胸はどうしんだよ?」

と大樹は祐の胸を見るなり驚いた声を上げる。

「エッ?」

その指摘に祐は慌てて手で胸を隠してみせると、

フニッ

と柔らかい感触が手のひらに伝わり、

「あっ…」

思わず声を漏らしてしまう。

「なんか、腫れているみたいだけど、

 大丈夫か」

心配そうに大樹は尋ねると、

「ううん、大丈夫」

そう祐は答えるものの手の中の胸は虫に刺されたかのようにプックリと腫れており、

プルンっ

と小さくふるえ始めていたのであった。

「心配しないで」

「でも、医者に診てもらった方が良いぞ」

「本当に大丈夫だから」

心配する大樹に向かって祐はそう言うと、

キュッ!

っと掃きかけの海パンを引き上げるなり、

「じゃぁ、先に行っているね」

と言い残してさっさと穿き終るとさっさと海へと向かっていく、

ところが、

「祐の奴、どこに行ったんだ?」

その後着替え終わった大樹は祐を探して海水浴場を歩き回ったものの、

どうしても見つからなかったのである。

そして夕方になり、

ホテルの部屋に戻っているのではないかと思った大樹が部屋に戻ってみると、

部屋のバスルームからが音が響いていた。

「ちっなんだよ、

 先に戻ってシャワーを浴びているのか。

 もぅ心配かけせさせやがって」

それを聞いた大樹は怒りながら

「おいっ、

 お前どこに行っていたんだ、

 俺は一日中探していたんだぞ」

とバスルームのドアを開けてみせると、

フワッ

もうもうと立ちこめる湯気の中から一人の人影が姿を見せる。

すると

「お、お前、誰だ?

 はっまさか

 ゆ、祐なのか?」

姿を見せた人影を見るなり大樹は驚きの声を上げると、

「うふっ

 そうだよ、

 僕だよ、

 祐だよ」

と答えつつ人影はバスルームから出てきたのであった。

だが、

バスルームから出てきた者の胸には膨らみを増して形の整った乳房がプルンと揺れ、

狭い肩幅、

蜂みたいにくびれた腰、

丸みを帯びたお尻、

そうバスルームから出て来た祐の体は完全に女性になっていて、

股間には縦溝が飾り毛に隠されていたのであった。

「お前、どうしたんだよ

 その体は!」

すっかり女体と化している祐を指さして大樹は声を上げると、

「僕はただなりたい自分になっただけだよ」

そう祐は答えてみせる。

「なりたい自分って何だよ」

「うふっ、

 それはひ・み・つ」

困惑する大樹に迫りながら祐がそう呟くと、

「好きだよ、

 大樹」

と囁きながら一気に抱きつき、

抱きつきながら大樹のズボンをずり下ろすと、

素早く大樹のペニスを口に咥えてみせる。

「あっ、

 やめろっ

 お、俺はお前にそんなことをされる趣味はねぇ」

チュバチュバ

と音を立てて首を振り始める祐を引き離そうとするが、

たが、大樹は祐の変わりように戸惑いを隠せなかった。

そのうち、

「あぁっ、

 出るっ

 出る、

 や、やめろ、出ちまうよ」

と大樹は声をあげるが

「んふっ、

 良いよ出して、

 大樹のザーメンなら全部飲んであげる」

頬を膨らませ舌先で大樹の亀頭を刺激していた祐はそうささやくと、

キュッ!

っと絞るようにペニスを吸い込んでみせる。

その途端、

「あぁぁ!!!」

悲鳴に似た大樹の声と共にペニスから彼の精液が放出されてしまうと、

「うっ、

 ぷはぁぁ!!」

祐はすかさず口をペニスから離し

吹き出す精液を自分の顔に浴びせ始めた。

そしては精液まみれになった顔で大樹を見つめながら、

「大樹のザーメンとっても美味しい」

と言いながら背中をみせると、

壁に手をつけながら

グイッ

っと自分の尻を上に上げてパックリと割れるオマンコを見せつける。

そして、

「ねぇ、大樹ぃ

 下のお口も大樹のオチンチンを食べたくて仕方がないのぉ、

 その固くて太いオチンチンを入れてぇ」

と囁いてみせると、

「早くぅ」

祐は大きく張り出した尻を左右に振って見せた。



その夜、

「あんあんあんあん…

 突いてぇぇ

 もっと強くぅ、

 もっと深くぅ、

 奥まで突いてぇぇ

 あぁん、

 あん、

 あん、

 あん。

 あっあひぃ!!」

部屋からいつまでもあえぎ声が響き渡ったのは言うまでもない。



おわり