風祭文庫・異性変身の館






「勇者転生!」
(後編)



原作・あむぁい(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-132





「ばくりきっしょうらぁ〜い!」

アナがポールの股間から屹立していた剣を引き抜く。

ポールの体に蓄えられていた勇者の力がアナへと流れ込む。

体を駆け巡るエネルギー。

そしてアナの体に蓄えられていた魔法力はその行き場を失い、

アナの胸へと集まる。

「ば、ばくにゅうちぇんじ〜!」

ポールが叫ぶ。

爆発寸前まで高まった魔力エネルギーがその言葉を合図にアナから射出される。

サッカーボール大の乳球は、高速で自転しながら、

ポールの体の周りをぐるぐると回る。

ポールが持っていたエネルギーがアナを変え、

アナの持っていたエネルギーがポールを変える。

「オレのツルギが光って唸る!

 お前を貫き、壊せと叫ぶ!
 
 オレは正義の怒り!
 
 闘神アンガー!
 
 オレの炎は誰にも消せねえ!」

魔王を倒した勇者の力をその身に受け、

少女剣士アナは闘神アンガーへと爆力変身する。

「胸の宝珠(オーブ)は無限のしるし!

 溢れる愛を! (ぷるんっ)
 
 パワーに変えて!
 
 守るみんなの萌え心!
 
 爆乳天使、マジカル☆ポーリー!
 
 どうなっても良い子だけ、かかってきなさい!」

魔王を倒した魔女の力を引き継ぎ、

魔法使いの少年ポールは爆乳天使マジカル☆ポーリーに爆乳変身する。

思わず手に入れた力と姿。戸惑う二人。



「く…」

しかし、一番戸惑っていたのはフィリアかもしれない。

嫌な剣と嫌なステッキにびしっと指されたフィリアは

とっととここから逃げ出したかった。

けど、悪の軍団の女幹部の意地だけが、

彼女をそこに踏みとどまらせる。

「えーい、やっちゃえ〜!」

やけくその命令。

とびかかるグール達!

しかし…

闘神アンガーの剣はグール達を一刀両断する。

「ぽ〜り〜☆

 らぶらぶ☆
 
 ふぁいあ〜!」

可愛らしい声とは裏腹に燃え上がるグール達。

この炎は一端火がついたら焼き尽くすまで絶対に消えない。

たちまち敗色濃厚。

追い詰められるフィリアは切り札を出す。

胸元から取り出す小さな死体。

地面に置いて水を掛けるとたちまち大きくなって動き出す。

1メートル、

2メートル、

3メートル。

いや5メートルはあろうか?

並外れた生命力を持つ巨人トロール!

そのトロールをフリーズドライ製法でミイラ化して

携帯用の巨大不死兵士とした物!

「ミイラトロールちゃん!

 こいつらをやっちゃいなさい!
 
 がんばれっ!
 
 少なくともあたしが逃げるまでがんばれっ!」

そう叫びながらフィリアは口笛を高く鳴らす。

遠くの空から小さい点が近づいてくる。

じりじりと間を取るフィリア。

フィリアを守るためにミイラトロールが二人の前に立ちはだかる。

目で合図を交わす二人。

「とおっ!」

「スウィート・ラブ・カッター!」

剣と魔法がミイラトロールを傷つけるが

しかし!

再生能力のあるトロールはすぐに傷を回復してしまう。

「いいぞ〜!

 がんばれ〜!」

フィリアの目は最早救援に呼んだ怪鳥デスグリフォンをちらちら追っている。

鈍重なトロールの攻撃では二人を捉えられない。

しょせん壁。

しょせん捨て駒。

「えぇいっ!!

 このままじゃ、

 らちがあかねえ!
 
 ポーリーっ!
 
 魔法剣で一気に決めるぜっ!」

「わかったわ、アンガー」

この瞬間、マジカル☆ポーリーとしての意識が、

本来のポールの意識を押しのけていた。

大きく胸をはだけるポーリー。

生巨乳がぷるんと震える。

生巨乳の間の谷間に聖剣を柄ごと通す闘神アンガー。

剣に触れたポーリの跳ねた髪の毛が数本、切れて落ちる。

後、1ミリでもずれていれば

後ろに避けているポーリーの顔を剣が切り裂く位置だ。

しかし、二人の信頼はそんな危険をみじんも感じさせない。

二つの胸の宝珠から魔法のパワーが聖剣へと移っていく。

「な、なにこの感じ…

 あったかい…
 
 ああっ」

「う…なんだこの感じは…

 ああっ、剣が大きくっ!?」

聖剣に更なる超絶パワーが漲り!

聖剣の切っ先が、

光る!

回る!

「食らえ!

 必殺!
 
 魔法剣っ!
 
 大乱れ十文字逆手突きまわし唐竹松葉くずしっ!」

「ぐわおーん!」

アンガーの剣技の前に不死身の巨人は真っ二つになり…

爆発四散したっ!

「ほ。

 ほほほほほ。
 
 少しはやるようね。
 
 今日のトコは許してあげる。
 
 魔王様に言いつけちゃうんだからね!
 
 覚えてらっしゃい!」

捨て台詞を吐くフィリア。

逃げ足早く、既に怪鳥デスグリフォンの騎上だ。

デスグリフォンは大きな翼をはためかせて、

軽々と彼女を乗せて浮上する。

奇怪な鳴き声。

突風が吹き、アンガーも近寄れない。

パンチラを慌てて手で押さえながら、

ポーリーはまっすぐに怪鳥を見据える。

「アンガー!

 あいつはあたしがやるわ。
 
 あたしを支えてて」

ポーリーのバトンの先端が、

ぴたりと怪鳥をマークする。

アンガーはポーリーの腰と胸に手を回し、

後ろからしっかり支える。

彼の剣は既に刃をしまい、

彼の股間に装着されている。

やだ…どこ触ってんの…

でも…そ、それにお尻にあたっちゃってる…

ポーリーはぷるぷると首を振って気合を入れなおす。

アンガーから赤い光が流れ込み、

ポーリーの胸も震えながら青い光を放つ。

二つの光はステッキの先端のハートに集まり、

交わりながら回転する。

「たーげっと・ろっく・おん!

 ひっさあっつ!
 
 爆・にゅー!
 
 くりあ☆ぼむっ!」

気合の掛け声と共に、

ぽしゅっと音を立ててステッキ先端のハートが飛ぶ。

衝撃に後ろにふっとびそうになるポーリーだが、

アンガーがそれを支える。

数刻後、

閃光がきらめき、

最早小さくなっていたデスグリフォンを起点にきのこ雲が上がる。

さらに爆発音と暴風が遅れて届く。

爆・にゅー・くりあ☆ぼむは空気中の成分を化学反応させて、

すさまじいエネルギーを生み出すのだ。

「えへへ☆やったね」

ポーリーの顔を覗き込みアンガーに向かって、

彼女はVサインを返す。

「なあ、オレたち、すごくかっこ良かったよな」

「うん☆」

笑顔と笑顔。

「それに、お前…すごい胸…」

「え」

改めて見る巨大な胸。

戦闘終了により勇者と魔女の意識が徐々に薄れ、

二人の意識はじょじょに少女アナと少年ポールのそれに戻っていく。



う…魔法が決まってすごく気持ち良かったけど…

どうしよう。このカッコ。

ひらひらの衣装にスカート。

元の服はなんか無くなっちゃってるし。



ああん。

すごい力。

あんなに戦ったのに全然疲れて無いし。

あ、なんか、ポーリーになってるポールを見てるとどきどきしちゃう。

全身をあたしに預けて…可愛い。

あ、むらむらしてきちゃった。

な、なにこの感じ。

必殺技を放ったポールはアナに支えてもらわないとふらふらで倒れそうだ。



「あ」

ポールの声が漏れる。

「ちょ、ちょっと。

 駄目」

アナの手がポールの巨乳をまさぐる。

ポールのお尻に何か堅いものがさっきから当たっている。

「何が駄目なの?」

後ろから抱きかかえられている格好のポールは

首筋にかかる息にぞくりと体を震わす。

男の子だった時には無かった感覚。

アナの手がスカートの下へ突っ込まれて、

パンティをまさぐる。

ポールは我に返って抗議の声を上げる。

「ちょ、駄目!

 ななななにする気?
 
 駄目だったら駄目!
 
 ひゃあああ」

無駄な抵抗は、

胸への刺激と首筋に吹きかけられた息で四散する。

スカートは履いたまま下ろされたパンティ。

すべすべのお尻にアナの手が触れる。

逃げようとするポールはその巨胸を捉まれるだけで

もう前へ逃げられなくなる。

まさぐっていたアナの指はお尻を通り越し、

ついに目的地を探りあてる。

「ひっ」

胸が邪魔で何も見えない。

でも、何がなされているかはわかる。

「はっ。

 あっ。
 
 う。
 
 ううっ。
 
 く。
 
 ひゃう。あ」

ポールの放つ小さな喘ぎがアナの理性を吹き飛ばす。

大きくなった股間のそれは、

元のポールが持っていたものの2倍以上の大きさになっている。

「や。

 あん。
 
 は。
 
 ん。
 
 んん。
 
 あっ。
 
 ああっ」

最早拒絶の声すら出せなくなったポール。

アナはもどかしく自分のペニスで入り口を探す。

この辺のはずなんだけど。

探りを入れつつ徘徊するペニスの感触が

ポールにはどうしようもなく気持ちよく、

じれったいものに感じられる。

「あった!」

ずぷっ。

「ああああ痛い痛い痛い!」

血が足を伝う。

必死で逃げるポールがもがき、

アナはポールを見失ってしまう。

「このっ」

目標を求めペニスで探索を続けるアナは、

再びポールの真芯をそのバットで捉える。

ずぷり。

「ん!」

今度は逃がさない。

アナはポールを持ち上げてしまう。

ポールの足は宙に浮き最早逃げることはできない。

「あっあっ」

ゆっくり持ち上げられたポールは

傾きが垂直になるに従って体の奥へとアナを受け入れてしまう。

再び激痛が走り血が足を伝う。

ついにポールはアナの全てを受け入れてしまう。

もがくと痛みが走る。

不安定な格好でポールは小刻みに体を震わす事しかできない。

「ふぅ〜。

 熱くって、柔らかくって、ぬるぬるしてて、」

「…、」

恥ずかしさに顔を真っ赤にして首をぷるぷるするポール。

「ポール?

 そろそろ動かしていいかな?」

「だ、だめ〜!」

必死でお願いするポール。

「お、お願い…抜いて…」

「ん〜」

アナはポールの足を掴んでそろそろと上へと持ち上げる。

「あっ、あっ、擦れて…止めて」

「ほいっ」

手を離すとポールは自らの重みで

するするとアナの元へと戻って行く。

ずんっと響く衝撃。

「ああああああん。

 だ、駄目…抜い…」

再び足を持たれゆっくりと持ち上げられるポール。

「はあああん。

 やめ…」

再び手を離すアナ。

ずるずると落ちるポール。

「うふふ。

 お帰り、ポール。
 
 キミはもうオレから逃げられないよ」

胸を抱きしめられて、耳に息を吹きかけられるポール。

「う…アナ…お願い…ふわっ」

ふわりと浮かぶポール。

今、ポールの全体重は一点で支えられている。

まるでケン玉の玉の如く、

飛ばされて、

落ちる。

「あ…ふわっ。

 …、
 
 はっ…うん。
 
 …、
 
 やめ…、
 
 ああっ…当たって…あああっ」

繰り返される毎に愛液が溢れ、

摩擦が減っていく。

ずんっ。

ずんっ。

衝撃が下半身を通じポールの心を揺らす。

脳を揺さぶる。

「あっ…」

調子に乗ってしまったか、

またしてもスポッとペニスが抜けてしまう。

落ちそうになったポールを優しくアナが抱きとめる。

「そろそろフィニッシュね。

 ポール、四つんばいになって」

意味が分かっていたかどうか。

ゆっくりと地面に下ろされたポールは、

そのままの姿勢で四つんばいになる。

アナは後ろからポールを貫くと、

ピッチを上げて仕上げにかかる。

自由落下の緩やかなピッチに比べ、

本気になったアナの攻めははるかに早い。

余裕のあったアナの息も上がり、

顔が赤らむ。

ポールの指が地面の砂を掴んで握る。

「あ、ポール…

 でちゃう…
 
 でちゃうよ」

「あ、あああ。

 あん。
 
 あああん」

「ああああああっ」

これが男の子なの…?

アナは大量の精液をポールの中にぶちまける。

…



「しくしく…」

「泣かないでポール」

「ひどいよ、

 中で出しちゃうなんて…
 
 赤ちゃんができたらどうすんのさ!?」

「大丈夫!

 魔法使いは妊娠しても戦えるから!」

「適当に憶測でモノを言うな〜!」

…可愛い。

ぽかぽかと胸を叩かれながら、アナは思う。

「もう、一回しよっか」

ぎゅっと抱きしめ誘う。

「何言ってんだよ!

 どうやったら元に戻れるのか、
 
 アナもちゃんと考えてよ!」

「ヤレば戻ると思ったんだけどなぁ…」

ぽりぽり頬をかくアナ。

「ホントにぃ〜!?」

腕を組もうとするポール。

胸が邪魔で組めない。

「ポールがそのままでもオレは構わないけどなぁ」

「僕が困るのっ!

 真剣に考えてよ!
 
 ああっ…このまま戻れなかったら…
 
 下は良く見えないし、
 
 肩は凝るし…」

「その程度かい」

「あ〜!アナには分からないかもしれないけどねっ!」

カツィーン!!

頭に血が上る。

「なんだとぉ〜!」

激昂したアナに押し倒されるポール。

睨みあう二人。

その時、再び指輪(赤)から声が聞こえる。

「…戻るには爆乳合体だ」

「ばくにゅうがったい〜…」

ひどく情けない声を出すポール。

「別に戻れなくても…」

こっちはアナ。

「お願いだから協力して〜」

魔法少女(?)に泣かれてはしょうがない。

「先ずは準備ね。

 ポール、アナのズボンを下ろしてペニスを咥えなさい」

思わず指輪(赤)を見つめるポール。

「どうした、早くしろ?

 戻りたく無いのか?」

葛藤がポールの頭のでぐるぐる回る。

男に戻るには…

でもそんなの嫌で…

でも男に戻らないと…

でも僕はほんとうは男で…

でも…

「あ〜じれったい。

 男ならさっさと決めなさい!」

アナに促され、ポールはのろのろとアナのズボンを下ろす。

既に大きくなったペニスとご対面。

見覚えのあるものだが、

こんなに間近で見たことは無い。

それに大きさも2倍ぐらいある。

こ、これを咥えないと駄目なの…

ポールは跪いて目をつぶって、

そろそろと舐め始める。

ぺろ…ぺろ…

ぺろ…ぺろ…

はむっ。

ちゅばっ。

ちゅばっ。

ん。

んっんっ。

「次にアナがポールのヴァギナを舐める」

「ふ、ふぇ〜っ!?」

驚きに見開かれるポールの顔。

にやりと笑うアナはポールを寝かせると、

パンティをすっぽりと脱がしてしまう。

「ふぇえーん。

 恥ずかしいよお」

自分のしっかり見たこと無いや…

アナは思わずじっくり観察してしまう。

ここが、アレで…これがアレかな…

じゃあ、これが…へぇ。

「な、何見てるんだよぉ!」

「どうして欲しいの?」

「どうしてって、早く僕の…」

アナと指輪たちの沈黙。

「僕のヴァ…ギナを舐めて…」

「どうしよっかなー」

「がんばれ、男に戻る為だ」

指輪(赤)も無責任に囃す。

「お願いです…

 僕のヴァギナを舐めて下さい」

恥ずかしさに真っ赤になり、

涙を流しながらのお願い。

「しょうがないなあ…

 じゃあ、足を広げて…
 
 そうそう。
 
 ひざを曲げて」

「うう…」

「舐めやすいように、自分で開けなさい」

「うぇーん…あ、ひゃあ」

救いといえば、

巨乳が邪魔して下の方が良く見えない事であろうか。

ぺろっ。

ぺろっ、ぺろっ。

ぺろっ、ぺろっ。

あ、気持ち良い…

おちんちん入れられるよりこっちがずっと良い…

無意識にポールは親指の爪を噛む。

ああっ。

「次に、ポールがアナの乳首を舐める」

「はあっ。

 ああん…」

「おい…」

「あ、どうしたの?」

「ちゃんと聞いてろ!

 さ、オレの乳首を…」

差し出されたアナの乳首をポールは一心不乱に舐める。

「う…くすぐってえ」

「左右とも舐め終わったら次はポールの乳首の番だ」

待ってましたとばかり、

アナはポールの衣装をはだけると胸にむしゃぶりつく。

「あ、そんなに強く吸ったら…

 おかしくなっちゃう…」

ちゅば…ちゅば…

ちゅ〜すぽんっ。

ぺろぺろぺろ…



ああ…はまっちゃう。

「あああ〜ん…」

「さあ、声を揃えて!

 爆乳合体よ!」

「ば、ばくにゅうがったい〜!」

二人の胸が不思議な感覚に包まれる。

二人は互いの胸をすり合わせる。

こすり合う乳首と乳首。

「ああああっ〜!」

乳首と乳首の真芯がぴたりと合わさった瞬間、

二人の乳首は繋がってしまう。

そして、繋がった部分はどんどん広がって行き、

ポールの巨乳が押し付けられる格好で

アナの胸と完全に一体化する。

「あ、ああっ!?」

今やポールの巨乳はアナのものでもある。

二人は快楽を共有する。

アナの体重が乳にかかり、

その感触が二人を狂わせる。

「す、すごい…」

「つ、つながっちゃった…」

アナはポールにキスしようとして顔を近づける。

圧迫された胸が更なる快感を生む。

絡まる二人の下。

一方、さっきからポールを探していたアナのペニスもついに入り口を発見する。

「あ、ああんっ」

「!」

三箇所で結合した二人は本能の赴くまま愛し合う。

快楽がお互いの体を駆け巡る。

爆発を予感させるように、

胸と下腹部の結合部分から赤と青の光が漏れ始める。

「あ、出ちゃう。

 出ちゃう…」

「あ、ああん。な、中は止めて…」

「馬鹿、こんな状況で抜ける訳無いだろっ!」

「あああ〜んっ!」

アナはその全てをポールの中にぶちまける。



……

「はぁ〜」

虚脱感の中、アナが体を起す。

ぷちんっ。

小気味良い音を立てて胸が分離する。

アナの胸で巨乳が揺れる、

いつの間にか体のラインも柔らかい女の子のそれに戻っている。

そろそろと下半身を離す。

とろりっ。

アナのヴァギナから大量の精液が逆流する。

「げっ!?」

「あ、戻ってる!?

 やった、戻ってるよ!?」

喜ぶポールの体も声も元の男の子のものになっている。

「良かった、良かったよぉ…」

「それどころじゃないわ!

 ちょっとこれ吸い出して!
 
 妊娠したら大変!」

アナはポールの体の上をずりずり移動して、

顔の上にまたがる。

「早く早く!

 剣士が妊娠したら洒落になんないって!」

「げ…」

ぽたぽたと落ちる精液がポールの顔に垂れる。

嫌がるポールは首を振り振りする。

「こらっ!

 戻るの協力したげたでしょ!
 
 それにあんたの出したものでしょ!」

違う気もする。

鼻から精液を吸い込みそうになったポールは嫌々それを吸出しにかかる。

ずずっ。

ずずずっ。

「ああっ、ポールっ。

 そこっ。
 
 も、もっと奥まで…あ…はぁっ…」

……

「良かった、本当に戻れて良かった…」

でも、魔王が活動しているとなると、

また変身しないといけないのかな…

でも、まぁいいか。

アナは怒ると怖いけど、

優しい表情をした時はちょっと母さんに似てるかも。

胸が小さくなっちゃったのは残念だけど。

それはそれで味がある。

可愛いとこもあるし。

やられちゃうのは嫌だけど…でも、しょうがないし。

気持ちも良いし…

それに魔王から彼女を守らないと。

ほっとけないし。

ポールは傍らで自分にもたれかかっているアナを見る。

目が合う。

えへへ。

アナは僕の事どう思ってるのかな?



見つけた。

もうポールは誰にも渡さないからっ。

お兄ちゃん…だよね?

きっと。

だって、真剣な顔した時すっごくパパに似てたもん。

なんで最初にわかんなかったのかなー。

あー、今女の子しちゃってるなー、あたし。

アナはポールの腕にしがみつく。

目が合う。

えへへ。

お兄ちゃんは気づいたのかな?

でもでも、物的証拠は何も無いんだからっ!

絶対絶対、ばっくれなくっちゃ!ね。

アナは目をつぶって、上を向いて誘う。

触れる唇の感覚。

へへっ。

やったね。

逃がさないよ。おにーちゃん☆



おわり



この作品はあむぁいさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。