風祭文庫・異性変身の館






「勇者転生!」
(前編)



原作・あむぁい(加筆編集・風祭玲)

Vol.T-131





パパは世界一素敵なパパだ。

だって世界を救い、魔王を倒したんだもん。

アナはパパが大好きだった。

魔王に止めの剣を突きたてたパパ。

強くて、かっこいいパパ。

そして、自分も勇者になりたいと思った。

なれる筈。

だって、アナはパパの娘だもん。

死んでしまったパパ…アナはきっとパパに負けない勇者になるんだもん!

形見の青い指輪を嵌めて、アナは冒険と修行に明け暮れる。



母さんは世界一素敵だ。

それに世界を救い、魔王も倒したんだから。

ポールは母さんが自慢だった。

呪文一つで魔王の軍勢を退けた母さん。

いつまでも若くて、賢い母さん。

魔法はなんて素敵なんだろう。

世界一の魔法使いになりたい。

なれる筈。

だって、ポールは母さんの息子だから。

死んでしまった母さん。

僕はあなたに負けない魔法使いになります。

形見の赤い指輪を嵌めて、ポールも冒険と修行に明け暮れる。



アナの攻撃!

会心の一撃!

スライムに1ポイントのダメージを与えた。

スライムの攻撃!

……



ポールはメガデスの呪文を唱えた。

地獄の炎が燃え上がる。

スライムに1ポイントのダメージを与えた。

スライムの攻撃!

……



ポールは冒険者の酒場で依頼の紙を見ながら考えていた。

黒いマントに黒い帽子。

その下には青いローブ。

見てくれだけなら魔道師だ。

いつかは大魔道師になる。

なれる筈。

しかし、取り合えず今はそんなに強くない。

腕に自信ができたらノーポートの街に行きなさい。

母の遺言に導かれ来ては見たものの、勝手が分からない。

取りあえずポールは冒険者の酒場で一人仕事を物色する。

“パイロキープの町で発生したゾンビの群れを倒してほしい。”

ちょっと、まだ早いかなーとは思う。

けど他に良い依頼も無いし、

戦わなければレベルも上がらない。

どうしたものかと考えているポールの手から、

ひょいっと依頼書を奪う女の子。

茶色い皮の鎧に不似合いに大きなブロードソード、短い髪にも関わらず、

一発で女の子とわかる可愛い風貌。

ポールは無礼に怒るのも忘れて、一瞬女の子に見とれる。

「この仕事、オレがもらうぜ」

ニヤリと笑う、笑顔も愛嬌がある。

「ちょ、待ってよ。ぼくが先に…、」

抗議しようとするポールの胸倉を掴んで女の子はすごむ。

「文句あんのか…、」

ギロリと睨まれて、ひるむポール。

なんて凶暴な女の子なんだ…こんなに可愛いのに。

しかし、ここで引き下がっては冒険者失格だ。

気力を振り絞り、にらみ返すポール。

冷や汗がポールの頬を伝う。

「へ、面白い。

 表へ…、」

パカァン!

酒場のお姉さんが、女の子の頭をアルミのトレイでスマッシュする。

「な、なんだよぉ、ルイザ〜」

泣きべそを浮かべて抗議する女の子。

「アナ、

 なんでも力で解決しようとするばっかりじゃいつまでもチンピラよ。
 
 勇者のお父様が泣くわよ」

「う〜」

アナと呼ばれた女の子は不満を抑えて押し黙る。

ルイザは彼女の姉のような存在なのだ。

「ゆ、勇者だって?」

「ふふん。

 聞いて驚きなさい!
 
 あたしのパパは魔王を倒したのよ!」

ふんぞり返り、大威張りのアナ。

右手の薬指に嵌めた指輪をポールに見せ付ける。

青い宝石。

無限の魔力を持たらすと言われるエターナルマナ。

彼女が父から譲り受けた超レアアイテムだ。

おずおずと自分の右手を掲げるポール。

彼の薬指にも指輪が光る。

赤い宝石。

無限の力を持たらすと言われるエターナルブレイブ。

彼が母から譲り受けた超レアアイテムだ。

「じゃあ、僕の母さんと同じパーティーだったんだね」

ポールはにっこり笑う。



アナはポールの首を掴んでずるずる引っ張る。

そして酒場の奥の彼女の特等席に向かう。

ビールを2杯注文する。

アナはじろじろとポールを観察する。

「へぇー…あんたが、ねぇ」

「勇者様の娘にあえるなんて感激だなー」

ポールは旅先で不安だったところに、

思わずできた知り合いに上機嫌だ。

「ねえねえ、今レベルいくつ?

 強いんでしょ?」

「え?

 え?
 
 ま、まあねー」

笑って誤魔化すアナ。

「はあ、それに引き換え僕は…才能無いのかな」

緊張が解けてきたのか、思わずため息をつくポール。

アナの瞳がキラリと光る。

「詳しく話しなさい」

詰問口調だ。



「そっかあ。

 ポールもイロイロ苦労してんのねー。
 
 わかるわあ。
 
 あたしの方が100倍努力してんのに、
 
 後輩にレベルを抜かれるつらさ…」

そう言いながらマナは涙ぐむ。

「そうなんですよっ!

 ゴブリンにメガデス使って引かれて、

 倒せなくってもっと引かれるつらさ!」

顔を上げて主張するポール。

必死の様が可愛らしい。

「そっか、わかった!

 絶対あんたの努力も報われるよ!
 
 あたしが保証する!
 
 ま、これからはあたしが面倒見てあげるから、
 
 大船にのったつもりで安心なさい!」

ビールの一杯ですっかりできあがって顔を赤らめ、

ポールの背中をバンバン叩くアナ。

ポールはちょっと引き気味だが、一応頷いている。

新たなパーティーの結成だ。

「ちょっと、その指輪見せて」

キラキラ輝く瞳で、

興味深々にポールの指輪を眺めるアナ。

「ちょっとだけだよ…」

不安そうに手を差し出すポールの指からすっと、

指輪を抜き取るアナ。

「あああ、駄目〜!」

思わず叫ぶポール。

「なによ〜、パーティーリーダーに逆らうの?」

しかし、アナは動じない。

何時の間にかリーダーになっていたらしい。

ポールの指輪をしげしげと見つめる。

「返してよ〜」

必死で取り返そうとするポール。

しかし、魔道師の悲しさ。

身のこなしでは到底アナに適わない。

アナは自分の指輪を外すとポールに渡す。

「これ貸してあげるから」

ポールもアナの指輪を受け取ると好奇心がむくむくもたげてくる。

伝説クラスのレアアイテム。

神秘的な輝き。

いったいどんなパワーが秘められているのか…

二人でしばらくお互いの指輪を眺めていると、

「あっ」

ポールが小さな声を上げる。

「なに?」

尋ねるアナに、ポールは慌てて手を後ろに隠す。

「な、なんでも無い…」

目が泳ぎ、そわそわしている。

怪しい。

「なんで手隠してんの?」

にっこり微笑むアナ。

しかし、目は笑ってない。

ポールはぷるぷる首を振る。

「ち、ちょっとトイレに…痛い痛い!」

席を外そうとしたポールの腕が捉まれ、

あっと言う間にねじり上げられる。

薬指にアナの指輪が輝く。

アナの目がすーっと細くなり、

声のトーンが落ちる。

「まさか…、」

「だ、だ、だ、大丈夫!

 すぐ外れる!
 
 ほんと!」

ポールの声がせっぱつまる。



外れなかった。

さっきから黙って見ているアナの沈黙が怖い。

冷や汗で背中や額はびっしょりだ。

指には引っかき傷で血が滲んでいたが、

一向に外れる気配は無い。

ポールは心底後悔していた。

さっきから思考は空回りを続けている。

なんとかしなくちゃという思いだけが彼の指を必死で動かしていた。

「大体さあ」

沈黙を破ったのはアナ。

「あたしの指輪が、細いっつったって男の指に入る訳ないじゃん。

 そんな事もわっかんないかなー?
 
 頭の良い魔道師さまは?」

地がでてる時はあたしって言うんだなー…等とポールは考える。

明らかに思考が逃避している。

「で、頭の良い魔道師さまは

 そろそろ指輪を外す方法を思いついたのかしらー?」

怖い。

使い慣れてない女言葉や丁寧語がやけに怖い。

「頭の良くないあたしが考えた方法…聞きたい?」

アナの腕が腰の剣に伸びる。

ガタッ。

椅子が扱けて、ポールは床に尻餅を付いてしまう。

何故だか立ち上がれない。

「聞きたいでしょ?」

冷ややかな目。

ポールは床に頭をすりつけんばかりにして謝った。

「ごめんっ。

 このとーり。
 
 悪気は無かったんだっ。
 
 するっと指に入っちゃって。
 
 絶対返すからっ!
 
 何でも言う事聞くからっ。
 
 痛いのは苦手なんだっ」

「謝ってもねえ!

 パパの大事な形見の指輪なんだから!
 
 パパの…」

アナの言葉が詰まる。

「ごめん。

 本当にごめんっ」

心底謝るポールの姿にアナも少し表情を緩める。

「もしも逃げたりしたら

 地獄まで追いかけていってバラバラにすっからね!」

「逃げない!

 絶対逃げないから!」

なんとか、残酷描写突入を避けられたと思ったポールは

頭を下げながらもやっと生きた心地が戻って来た。

「だいたいねー、

 指の太さが違うんだから、
 
 無理やり嵌めたら…
 
 あれ?…
 
 あれ?
 
 あれ?」

そろりそろりと頭を上げるポールに、

ポールの指輪を嵌めたアナの姿が目に映る。

「あはははは。

 大丈夫、だいじょぶ」

アナの頬に伝う冷や汗。

しかし、やはり指輪は抜けなかった。



「なんで僕が昨日も結局奢りで、

 なんで荷物も全部持たないといけないの…」

魔法使いは基本的には体力が無い。

ポールは汗をかきかき、

アナと自分のサックを運ぶ。

「だって、何でも言う事聞くって言ったしー」

アナはしれっと言う。

結局指輪はどうやっても取れず。

アナの指輪はポールが、

ポールの指輪はアナが嵌めている。

大事な大事な形見の指輪。

これで二人は簡単には離れられなくなった。

仕方ないので二人で酒場の依頼を受ける。

問題のゾンビに襲われた街、パイロキープは

酒場のあるノーポートから徒歩で四日の距離にある。

駆け出しの冒険者である彼らは徒歩以外に移動手段も無く、

獣道を地図を頼りに踏み進んで行く。

途中、狼の襲撃、山賊との遭遇などが有ったが、

まあ。二人は苦戦しつつも着実に目的地へと進んでいた。



「来るわ」

アナの声に、ポールはあたりの気配を探る。

確かにいる…この気配は…

「ググググ…」

「グルルル…」

身長は大人と同じぐらいだが曲がった背筋が少し低く見せる。

灰色の肌。

申し訳程度の衣服。

目は腫れあがっていて小さくて黄色い瞳だけが虚ろに獲物を見据える。

よだれを垂らす口には鋭い牙。

長い爪には毒。

死体を食らう禍々しい不死の魔物。

食屍鬼、グールだ。

かなりの数だ。

「話が違う…ゾ、ゾンビより強いよ…

 それに数も、気をつけて、アナ!」

震えながらもポールは防御魔法をアナに掛ける。

「わかってる!」

アナも剣を構え、前に進みポールを庇う。

グールの群れをかきわけて、

露出度の高い黒い軽鎧を付けた女が前に出てくる。

「あらあら、まだ可愛い子供じゃないの。

 ラッキーねぇ。
 
 今、アンデッドになれば永遠に若いままでいられるわよ。
 
 サービス期間だし。
 
 そしてこのフィリア様と魔王ネクロン様に永遠に仕えられるのよ。
 
 ああんっ、素敵すぎだしっ!」

「魔王だって!?」

驚く二人。

「ふんっ、相手に取って不足はねー!

 オレ達が勇者アナ様のパーティーだと知ってて待ち伏せしたか?」

剣を握るアナの手に汗がにじむ。

「え、そうなの?」

とまどう魔王の配下、フィリア。

「じゃあ、取りあえず、

 お前達…やああああっておしまい!」

「ぐるるるる」

「ぐわー!」

フィリアの合図で威嚇しながら、

じりじりと進むグールたち。

「ファイアーウォール!」

ポールの魔法が炎の壁を作り、グールの進撃を止める。

「サンキュー!」

多勢に無勢だ。

炎で遮られて孤立したグールにアナの剣がうなる。

ガシィ!

しかしグールは爪でアナの剣を受け止める。

「あんな炎なんて気にしないで、やっちゃいな!」

フィリアの指示でグールたちは炎の壁を恐る恐る踏み越えようとしだす。

炎の壁はグールの皮膚を焼くが、

それをものともせず、アンデッドたちは獲物へと向かう。

「あーはっは。

 勇者なんて言う割には、ぜんっぜん駄目ね。
 
  グールに生きたまま食われてアンデッドになってしまいなさい!」

「あっ」

ピキーン!

他のグールに気を取られた際に、アナは剣を折られてしまう。

「危ない!」

間一髪、大きな火球が飛んでアナの目前のグールは炎上する。

その隙にアナは剣を捨てて後ろに飛ぶ。

そしてポールのそばへ後退する。

「ごめん、まずった。

 後はあんたの魔法だけが…」

「ごめん、今ので最後…」

炎上したグールは腕で炎を払うと

何事も無かったかのように前進を再開する。

「んふふふふ。

 あーはっは。
 
 どう?
 
 あたしに永遠の忠誠と隷属を誓ったら、
 
 痛くなくしてあげるけど?」

勝ち誇るフィリア。

「だ、誰が…」

「くっ…」

ぎゅっと握られる二人の腕。

その時!

二人の指輪が輝きだす!

どこかから声が聞こえる…

「アナ、剣を抜け!」

「パパ!?パパなの?」

「あ、あああああああっ!?

 何?」

ポールの股間から赤い光が輝く。

「何?

 なんなのこの光は!?」

聖なる光にアンデッドたちは思わず顔を覆う。

「アナ!

 叫べ!
 
 伝説の剣よ!
 
 本来の所有者の元へ!」

「で、伝説の剣よ!

 本来の所有者の元へ!」

すると、赤く輝くポールの股間がゆっくりと屹立して行く。

ズボンを破り、

光に包まれたペニスがその姿を現す。

アナは震えながらそれに右手を伸ばし、握る。

「ああっ!?」

二人の体に電流が走り、

アナは何をすれば良いかを瞬時に理解した。

「爆力招来と叫んで、

 それを引き抜くんだっ!」

アナは右手でしっかりとそれを握りながら、

左手でポールの腹を押さえる。

ポールはこれから起こる事を悟り、

がくがく震え、

首を小さくぷるぷると左右に振る。

アナは決意を込め、一つ頷くと、

思いっきり叫ぶ。

「ばくりきっしょうらぁ〜い!」

そして気合と共にそれを引き抜いた!

どんっ。

尻餅をついてしまう、ポール。

何が起こったかを認められない。

認めたくない。

彼は泣き笑いで何も無くなってしまった股間を見つめる。

一方、アナはそれを天に掲げる。

使い込んでいた剣よりもそれはしっくりと手に馴染む。

力が全身に漲る。

「う…、あああああっ!」

アナの叫びと共に、それは根元から刀身を伸ばす。

赤い光があたりを照らす。

近づきすぎていたグールの一匹がその光の中、

消し飛んでしまう。

「な、何、なんなのよー!?」

フィリアの叫びの中。

剣と指輪からの光が彼女の体を変えていく。

引き締まる筋肉。

そして、膨らむ胸。

彼女の体のあちこちから青い光が奔流となってその胸へと流れ込む。

彼女の顔が苦痛に歪む。

「ああっ。

 早く…」

アナの絞り出す声にポールは我に返る。

「さあ、ポール。

 爆乳変身!と唱えるのです!」

指輪から聞こえる母の声。

「ばく…はぁ!?」

「爆乳変身!

 ですっ!
 
 早く!」

「え!?

 え!?」

「ポール、早く…」

苦しげなアナの声はもう限界間近だ。

サッカーボール大に膨らんだ胸が今にも爆発しそうだ。

ポールは立ち上がり、右手の指輪を掲げ、

目をつぶって、思い切り叫ぶ。

「ば、ばくにゅうちぇんじ〜!」

「ああんっ!」

ばしゅっ!

その言葉と共に。

限界まで膨らんでいたアナの右胸は胸を飛び出し、

高速で回転すると宙に舞った。

続いて左胸も飛び出しそれに続く!

虹色の飛行機雲をお供に宙を舞う二つの乳球。

それらは戸惑うポールの周りを高速で回転しながらゆっくりと旋回する。

足元から腰へ。

腰から胸へ。

二つの乳球の軌跡が通った後にポールの体は変身していく。

分解され消え去っていく元の衣装。

小さく可愛らしくなってしまった足先。

すべすべに輝く足。

血が流れていた股間がみるみる回復し、綺麗な女性器を形成する。

腕も柔らかく細く作り変えられ、

喉仏が無くなり、首が細くなる。

髪の毛の色が薄い水色ねと変わり、カールしていく、

瞳が驚きに見開く。

そして、衝撃と共に、乳球がポールの胸へと突入する。

右胸だったものが左胸に。

「ああんっ」

左胸だったものが右胸に。

「あふぅ」

ぞくぞくするような快感にポールは思わず声を上げる。

その声は最早可愛らしい女の子のものだ。



一方、胸を射出したアナの方も。

剣から発した赤い光がより強くなり燃え上がると、

元の鎧は灰となってくずれ落ちる。

髪の毛が逆立ち真紅に変わる。

顔はきりりと引き締まり、

女の子の面影を残しつつも、好戦的で精悍な面構えと変化していく。

そして、足や胸にその肉体を包む真紅の鎧が現れる。

ポールの胸と指輪から出る青い光はまわりを優しくつつみながら、

やがてその体をまとう衣装へとなる。

足元にはクリスタルブルーのハイヒール。

薄くて虹色の反射光を放つソックス。

スカートは透明で青くてふりふりでふわふわのミニ。

やはり水色のチュニックは袖が肩までしかなく、

サッカーボール大の巨乳が胸元から存在を主張する。

腕には薄い青の手袋。

そして髪には大きなリボン。



溢れるパワーがアナの口から自然に言葉となって出る。

「オレのツルギが光って唸る!

 お前を貫き、壊せと叫ぶ!」

びしっと剣先をフィリアに向ける。

「オレは正義の怒り!

 闘神アンガー!

オレの炎は誰にも消せねえ!」

…オレ、どうしちゃんだろう…

アナは自分が勇者の化身になった事に驚いていた。



圧倒的な魔力がポールの体を包む。

そしてやはりその口から言葉が漏れる。

手には空中から現れた先端がハート型のステッキが握られている。

「胸の宝珠(オーブ)は無限のしるし!

 溢れる愛を!」

揺れる巨乳がカットイン!

「パワーに変えて!

 守るみんなの萌え心!

 爆乳天使、マジカル☆ポーリー!

どうなっても良い子だけ、かかってきなさい!」

投げキッスとウインク。

そして、ハート型のステッキの先端はやはりフィリアにびしっと向けられる。



って、僕はなに言ってんだ。

マジカル☆ポーリーに爆乳変身したポールもやはり戸惑っていた。


体力過少の自称勇者アナと魔力過少の自称魔法使いポール。

魔王の復活から始まった運命の歯車が二人を導く。

勇者の力を身に宿し!

魔王の野望を阻むため!

剣を抜けアナ!

爆乳変身せよ!ポール!

世界の平和は君達にかかっている!



つづく



この作品はあむぁいさんより寄せられた変身譚を元に
私・風祭玲が加筆・再編集いたしました。